議会報告

*令和2年3月     一般質問   予算事項別質問   R1年度3月補正質問
*令和2年6月     一般質問   補正質問
*令和2年9月     一般質問   補正質問   決算総括質問
*令和2年12月    一般質問   補正質問

神石高原町議会議員
木野山孝志
ご挨拶プロフィール議会報告時事放談リンク
HOME

 令和2年12月定例会
 

令和2年12月一般質問質疑

 

【所信表明におけるまちづくり構想について】

 

木野山

 この度の町長選挙に栄誉のご当選をされ心よりお喜び申し上げます。実に16年ぶりの町長選挙という事も有り、町民の関心も高く大いに盛り上がりました。それに勝ち抜かれたという事は、町長の過去4年間のまちづくり政策の信任と、今後の町政に対する真摯な思いが町民の期待に叶ったことの証明にほかなりません。今後の、ご活躍をお祈りするとともに、入江町長の所信表明の中に目標として定められた「町民の誰もが、安心して暮らせる、幸せに暮らせる、そして誰もが挑戦できる町のさらなる進化」が実現できますようお祈りするとともにご期待申し上げます。

 

さて、その中にあって、「合併の基本は均衡ある地域の発展であり、今後も、油木、神石、豊松、三和の4つの地域がともに発展していくことが違うことの無い理念であり、約束である。」

「ハード、ソフト事業それぞれにおいて地域の特性、資源を有効活用することを基本として、地域の意見をしっかりと聞き施策を練り、取り組む。」とありますが。

 

その取り組みにおいて、以下基本的なお考えを伺う。

①均衡ある地域の発展が町づくりの基本であることは間違いありませんが、人口減少傾向に歯止めがかからない本町の将来において神石高原町の自立存続を継続・確立するためには、スマート・コンパクトシティ構想も戦略のひとつとして検討すべきと思いますが、どう思われるか。

 

②また、財政については、具体策の中で財政指数は改善してきたが、今後は国からの交付金の減額を踏まえ経費削減を推進するとともに、遊休財産の処分など引き続き計画的財政改革を進める。とありますが、平成30年度、地方公会計決算指標からの課題として、

イ)住民一人当たりの資産額が多く、今後は中長期的な人口減少ペースを予測し、人口規模にあった適切な資産保有維持が必要、

ロ)人口減少により歳入額の大幅な増加は見込まれないため、税金回収体制の維持やふるさと納税制度への積極的取り組みを行い、ひき続き財源確保が必要。

など指摘されていますが、こばたけ保育所をはじめとする公共施設整備、町県林道整備、教育環境構築などインフラ整備投資は、住んで良かったと誇りに思える神石高原町実現のためには、町内経済対策も含め必要で不可欠でもあります。中長期的な町政運営設計が必要と思われますが、具体的な今後のまちづくりの構想についてお伺いします。

 

町長

1.コンパクトシティ構想について

スマート,コンパクトシティ構想の提案ですが,基本的に,本町のような人口減少や高齢化が著しい中山間地域等においては,小学校区を単位とした「生活圏」を維持すること,将来にわたって地域住民が暮らし続けることが重要です。

複数の集落が集まる基礎的な生活圏の中で,人やモノ,サービスの循環を図ることで,生活を支える新しい地域運営の仕組みを進めるため,第2次長期総合計画や第2期総合戦略にも位置付けています。各地区協働支援センターと協働で,魅力ある生活拠点づくりを目指します。

スマート化と言う面では,所信表明でも述べさせていただきましたが,デジタル技術の導入等は,本町のような少子化・高齢化が進む,中山間地の課題解決の切り札になると思っています。

このデジタル化の波を,新技術をあらゆる場面で活用し,スマートなまちづくりを進めてまいりたいと考えます。

 

2.中長期的な財政計画とまちづくり構想について

 基本となる施策については,「長期総合計画」や「総合戦略」,そして今回

の選挙で私が掲げたマニュフェストの実施で,「安心で幸せな神石高原町」の実現に取り組みます。

  現在,本町の財政状況は,健全な状態を維持していますが,地方交付税に依存した体質は,国の財政状況に大きく左右されます。自主財源が乏しく,特別な収入の確保が困難な本町にとって,限られた予算を効果的に活用し,最小の経費で最大の成果を出す,そのための知恵と工夫,改革が求められます。

今後,老朽化する公共施設の維持管理も,財政に与える影響は大きく,経常経費の削減と併せ,施設の廃止,処分等も進めなければなりません。

本町の豊かな地域資源を活用し,世代を超えた全町民が,安心して幸せに暮らせる。そして誰もが挑戦できる魅力あるまちづくりの実現を進めてまいります。

 

木野山

 コンパクトシティ構想の質問の前提となるのは、この本町の維持存続という事を確立するために何が必要か、という思いからです。

 選挙期間中に、このままでは福山市に吸収合併される恐れが強いのではないか、という声が町民の一部にありました。急速な人口減少による財政への危機感なのか、合併によって面積が380平方キロメートルが町の単位となり地域が大きすぎるのではないか、町の単にとしては3分の1程度の地域を想定したまちづくりをやっていかないと財政が持たないのではないか、自分で主導権を執れる単独町政を維持しないと、吸収されると大変なことになる、住民要望ばかり尊重していくとサービス拡大となり財政が持たないのではないか。

 こういった意見をお聞きし、スマートなあるいはコンパクトという構想を基本に持ったまちづくりが必要ではないかと思った次第です。

 一応確認しておきますが、コンパクトシティとスマートシティというのは概念が違いまして、コンパクトシティとは、生活圏が小さくまとまって、住居だけでなく医療や商業施設、学校などをひとつに集約し効率的な生活・行政を目指すもので土地空間を起点とする考え方です。

また、スマートシティとは、ICTなどIoT(Internet of Things))の先端技術を用いて、基礎インフラと生活インフラ・サービスを効率的に運営・管理し、環境に配慮しながら、人々の生活の質を高め、継続的な経済発展を目的とする。まあ一部に限られるといいますか、全体にでなしにひとつずつスマートに効率的な運営を考えるというものかなと思います。

 そういった事で、コンパクトシティのメリットといえば①アクセスが容易になって利便性が高まる、②自治体としての運営が好転することで住民サービスご充実する、あるいはまた③世代を問わず集まって居住することで、コミュニティが形成されること、④時間的余裕が生まれることでライフスタイルに選択の幅が生まれると、色々メリットは言われていますが、

デメリットとしては、コンパクトシティというのは賛同できない人も何人かおられるので、風当たりも強くなるし、特に我々の住んでいる中山間地のような農村地帯では集落が点在しており、一つに集めたり、特に農地を集めることは難しく、なかなか農家の方には賛同して頂くことが想像できないとも言われている。

 そういった事で、人口減少、高齢化が著しい本町では、小学校を単位とした生活を維持することを一つの区切りとして計画されています。牧野町長時代から、1次、2次計画のところで議論してきたところです。もう一度確認しますが小学校を単にとする事について町長の考えをお伺いしたい。

 

町長

 昔から、昔は一つの集落で完結できたエリアが小学校区のエリアだったと思っている。今は車とか移動手段が発達してきたので、全てがその小学校単位の中で賄う事は出来ません。確かに医療にしても小学校単位という形にはなっていませんが、必要最小限の生活を維持する上でのエリアは小学校区エリアだと、今考えています。

 

木野山

 その通りとは思いますが、現在本町には小学校は5つありそれを単位とするのは無理と思う。

 コンパクトシティを構想すると場合、思うに、本町の特徴は、4つの町村が一緒になったことと三和が3つの地域という事で、4か6の地域が考えられる。

また、農林業が主体という事で、基本的には、郊外分散型の町であるという事。上から見ると、幹線道路は国道が1本、西側を走っている。

そうすると、コンパクトな町を想像した場合、一つにまとめるというのは無理がありますので、言われたように4つの町村が合併していますので、出来ればその4地域の均等発展を期することも有り、コンパクトシティには、一つにまとめるもの、核にまとめるもの、分散するもの、あるいは一つにダンゴのように繋げるものと4つの型がありますが、本町の場合は、多極分散型とダンゴ串型の混合型が良いかと思います。

地域のコミュニティは、ひとつずつの核を中心に4つあるいは6つに分けていく。

団体の組織は、観光協会や商工会、農業、住民組織も含めて色々ありますが、効率的なことや行政との連携を考えるとコンパクトに、出来れば中心に集めていくというのが理想ではないか。

また、合併時に考えられた4つの地域の均衡的発展という事でのゾーン化構想とそれを基にした空間の利用。核と核を結ぶ道路網の整備、公共交通の確立という事を一つの基本的考えとして、そこにスマートシティ化の構想を加えてまちづくりを行うというのが良いかなと個人的に考えていますが、どう思われますか。

私は、団体とか組織的なものは中心に集めることが必要ではないか。状況によってはそれぞれ4つの核の中に収める。本町は選挙期間中に驚いたがドーナツ化現象が顕著だ。コンパクト構想を持たないと財政も大変厳しくなる、と思いました。

 

町長

 381平方キロメートルという広い土地に点々と集落があるという、まさに中山間地域特有の地形というか暮らしとなっている。それを長期総合計画、人口に特化した総合戦略、過疎計画などで議員言われるようなまちづくりを目指して取り組みを進めている。その通りと思っている。

 組織、団体ですが、今ある組織の地域での役割という事も有り、一ヵ所にまとめるというよりICTなど色々なデジタル技術を活用すれば世界中何処でも繋がる時代なので、そこは慎重にその組織や団体と話しながら進めたい。 今、合併時の4つのゾーン計画も含めて行っています。

分かり易い説明で有難うございました。

 

木野山

 色々な組織については、それぞれの目的もあり一ヵ所にまとめることは難しいと思うが、その中にあって中心部にという意見が出れば、町もその意見に沿って行いやすい体制づくりに持っていく必要があると考えます。

 質問の意図と少し離れますが、安心で幸せな神石高原町の実現に努めますという、町長選挙で挙げられたマニュフェストについてご説明お願いしたい。

 

町長

 まちづくりに対する私の思いを記載しましたが、一つ目の大きな課題として、農林業、商工業それから農業、2番目が教育、文化の振興、3つ目が医療、福祉への取り組み、それからもう一つの重点課題としてそれぞれ安心して暮らせるとは、幸せに暮らせるとは、さらなる挑戦について細かい、例えば高齢者の安全運転の支援とか、いろんな細かいところも少し記載しまして、マニフェストというより次の2期目に挑む私のまちづくりの思いを記載させていただきました。基本的に4年間の実績を踏まえて継続してきていますから、今の第2期の総合戦略も私の1期目の時に作って今スタートしていますから、そういったものをベースにして今の喫緊の課題に対応するマニュフェストという内容になっています。

 

木野山

 町民が幸せに、誇りに思えるまち、私も同じように思っていますが、その中にあって、財政的に非常に厳しくなると予測される中で、公共施設整備、道路整備、今言う教育環境整備、それから福祉関係、そういったインフラ整備は必要不可欠で後に引けません。これをどのように実現するかが一番の課題ですけども、それをどんどん推し進めることも一つの財政的破綻に繋がる。肝腎なところは、基礎的な財政との関連でどうなるか抑えておく必要がある。単独町政の部分の魅力的な住んでみたいと思う町づくりにおいて、現実的な財政的について抑えておかねばならない。

 公的な財政の指標が、29年度、30年度と出ました。公的会計の中の基準的指標で現実に於いて費用が収入を上回っているという状況が2年続いている。公会計の財務書類に、「財務会計全体として本年度差額、いわゆる本年度資産変動額がそれぞれマイナスとなり、財源でコストを賄うことが出来ず、純資産を取り崩して賄っていることが分かります。」と結論的に書いてある。この公会計がなかったらこのことは分からなかった。町長をはじめ財政はどう考えられるか。

 

町長

 今までずっと町政運営がなされてきて、最近の公会計にて、そこのところをバサッと切ってその数値が出されてきているわけですが、平成16年に合併して一つの町となった。旧村町にはそれぞれ施設もそれなりに有った。いろんな資産が多いというのは当たり前のことです。人口は減少していますから、一人当たりの資産保有額が多いのは分かっている。

 適正数値の指標は有ると思うが、一気にそこへもって行くのは難しいと思う。遊休資産の処分や行政財産とか普通財産の処分も行っており、一概に収入と支出のバランスだけを言うのは、今の段階では難しいのかなと、数字的に厳しいものが出てくるのは当たり前かなと思っている。

 単独町政を目指して、適正な財政運営ができるように、目標をもってやっていきたい。

 

総務課長(瀬尾)

 平成16年に合併し多くの財産を保有することになった。ほとんどが昭和40年代後半の建物で、大半が経過年数を超えている。一般会計の決算を見ても、修繕費にかかる経費が毎年1億円前後かかっている。全ての建物の老朽化の状況、補修の状況を見ても今後相当の経費が必要となってくる。特に、これから20年くらいに、今ある施設の多くが更新時期を迎えてくる。

今後の著しい人口の減少に伴って、施設の利用状況、効果的な活用されているかなどしっかり検証し、財政負担を減少させる取り組みが求められている。と考えている。

 現在、施設の個別計画などの策定に入っている。相当数あり短期間では出来ないが、今後の町政運営に於いて、遊休資産の処分、実態に見合った施設数の見直しにしっかりと取り組みたい。

 

木野山

 その通りと思う。合併した時に牧野町長が言われた3つの過剰ですかね。人、物、借金、それをいかにして少なくするか。と目標を掲げられ、借金はだいぶん減りましたし、人もそれ以上減ったと途中で緩和もされましたが、ただ、物のところが完璧になっていない。

 老朽化したものばかりになって、減価償却率が高くなり減価償却額が費用の方が収益を上回る大きな原因のひとつになっていると思う。

理想のまちづくりを.行うには、不要財産の処分を急がなくてはならない。その為には、効率的な利用を考えなくてはならない。現在、各種団体共に、それぞれ四つの地域にある老朽化したもう持たない様な施設にそれぞれ居るんですよ。それがこの指標の中に表れている。そういったところは早めに処分して良いところへ集約する。これもコンパクトシティの考え方の一つと思います。こういうことも視野に入れて財政計画も立てるべきであり、強制的には出来ないが、住民の皆さんに理解を得ながら一つひとつ、しかし早急にやらねば財政が厳しくなる可能性がある。

 現実に言うと、初年度の29年度は7億円足りなかった。30年度は10億円ちょっと足りなかった。それだけ純資産を食っている。複式簿記で貸借対照表と損益計算書を一緒に併せた残高試算表を見ると2年間で17~8億円の純資産を食っている。そういった数字が確実に出ているので、これはもう急がなくては。やはりコンパクトシティ化と言いますか、そういう理想を掲げてそれに向かって走ることが非常に大事なことだと思う。

 厳しいことを言うようですが、町長の言われるまちづくりを実現するためには、そういった部分も含めて町民の方にご理解を得ながら、もう少し、標準財政規模と言いますかそれに近づけていけるよう頑張らねばならない。

 役場と言いますか公は、儲けるために仕事をしているわけではありません。民間と違って収益と言っても限られている。町民税、税金と施設の利用料、あとは国や県からの交付金と、皆さんからの寄付金しかない。ふるさと納税の寄附、もうそれしかない。国からの交付税も基準が決まっており、人口減から減るのも分かり切っている。町民税や固定資産税は景気が良くなるとか人口が増えると増えますが、それら経済対策も重要となってくる。それと寄附をお願いする。この度の4億円。これは町長の人脈でヒットです。これは歴代の町長にはなかった素晴らしいことで、高く評価しています。そういった意味で寄附をしっかり募ることは大事です。

 そこのところをしっかり理解して頂き、固定資産の循環、処分を確実にやっていく。それからコンパクトシティのために、先程から何度も言いますが、皆さんにお願いして出来るだけ集約していくことが大事と思います。

 

町長

 公会計の決算指標は、もう少し分析したいと思います。資産には道路とかも入っているのでもう少し見ていきたいと思います。

 効率的な活用。それと集約は行政では色々な面でよく出てくる。

 効率的な運用というのは、スマートシティ、ICTを使うとか、IOT、そういったものの色々なデジタル技術を活用して、それに補完をさせながら効率的な運用していくことは十分に考えられる。それはもちろんしっかりと進めていきたいと思っています。しかしそれが無かったら、効率的なというのは良い言葉ですがなかなか難しい。そういった補完するものをうまく活用していくという事と、集約という言葉が、行政ではよく出てきますが、集約という事はまた逆に切り捨てるというか、無くなるという部分がある。といったことで、そのバランスをよく考える必要がある。ですから効率的というところとうまくリンクさせながら、出来るところはもちろんやっていきたい。言われるようにいきなり行政主導で集約します、ここは一つにしますとは出来ませんから、地域の型としっかり議論しながら進めたい。

 財政についても、確かに我が町の決算は100億円を超えていますから財政規模は町の規模としては少し大きい。今は、災害もあり大きくなっています。令和3年度の新年度予算についても各課から新しい事業を進めたいとかあり、今やっている事業にオンしますから予算も膨らんでくる。

そこは、新しくやるものが有れば、止めるものもなければバランスが取れない。そういったところをこれから住民の方々としっかり議論しながら、時代は変わってきていますので社会情勢に対応できるよう行政運営をしていきたいと思っています。

 

木野山

 デジタルあるいはインターネット利用などでスマート化を図ることは大賛成です。繰り返し作業の単純化やドローン活用のスマート化など色々考えられるので、そういう事を含めて、町長の英知を結集され、人脈も大いに利用されながら、若い力を集約されしっかりと取り組んで頂きたい。

 それと、最初に言いましたコンパクトシティ、いわゆるそれの分散型団子串、その串のところの道路網の整備、これはもう喫緊の課題です。舗装などを含め道路網の整備は絶対に必要かなと思っています。コンパクトシティ化構想の中で、いわゆるスマート化も含めて一つのまちづくりのため頑張って頂きたい。言っていることはご理解を頂きよろしくお願いしたい。

 私も力はありませんが一生懸命お手伝いできるもは、していきたいと思っております。





令和2年12月補正予算質疑

 

「ふるさと応援寄付金4億円について」

 

木野山

 歳入にふるさと応援寄付金4億円とあるが、個人情報保護法に抵触しない範囲で説明を

 

町長

 寄付を頂いた方は、丹下大(たんげまさる)さん。神石高原町出身で今東京にお住まいです。株式会社「シフト」の代表取締役社長をされている。丹下さんとは、6年前からお付き合いをさせて頂いている。町も以前「経済大使」をお願いした。以降も神石高原町のまちづくりについて様々な視点で色々なアドバイスを頂いている。

今回私がSNS、フェイスブックでこばたけ保育所の新築移転について投稿したところ、「私に何かできることはありませんか。」と問い合わせがあり、遊具が1千万位なので寄附をお願いしたところ「全部でどれくらい掛かるのか」と問い合わせがあり「4億円位」と返答したところ、「全部寄付します」という事で、4億円の寄付を頂きました。会社ではなく個人の寄附で「ふるさと納税」です。

本人は建ったばかりの小畠保育所に通われており、思い出も多く是非寄附させて欲しいとの事でした。

 全額を町で保育所に充てることとなった。

 今年度建設完成とならないので基金に積み財源充当したい。このうち色々な体験をさせたり本物を見させるとか、そういったところにも協力をしたいと言われており、基金で残し、保育所のソフトの運営にも使用したい。

 保育所整理検討委員会を設置し、用地や機能について議論の後意見書にて返して頂いている。

これを踏まえ町の思いを報告し、用地は民地を含め検討いただく。場所の決定はしていないが候補地を何件か示し検討して頂く予定です。

議論はして頂き、意見は尊重はしますが、議会もあり全てがそれで決定とはならなりません。
















 令和2年度9月定例会
 
 令和2年9月定例会質疑

木野山

 今回、学力状況調査についてと教育とまちづくりついての二点について質問させていただきます。

 

【学力・学習状況調査の対応について】

文部科学省は、本年4月17日、「令和2年度全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」は実施しないと発表しました。

本年度は、小学校6年生と中学3年生を対象に4月16日実施の予定でしたが、新型コロナウイルス感染症予防のため3月初旬より臨時休校の措置がとられため、実施しない旨を3月17日に通知していたものです。

9月定例会は、毎年実施される「全国学力・学習状況調査」に於ける、本町の小・中学校の結果についてお聞きすることにしており、本年度も楽しみにしておりましたが、中止となりそれがかなわず、残念でなりません。

結果概要については、平成23年度から公表されており、その年、平成23年度の県平均通過率との比較では、小学校は「国語」「算数」、中学校は「国語」「数学」「英語」において、教科別ではいずれも県平均を上回っており、深く領域別に見ると若干課題が見られたとなっておりました。

以降、毎年結果を公表され、その都度本町生徒の学びに関する基礎・基本的定着度や学力レベルに関して全国・広島県平均との比較や各都道府県平均との比較、またアンケートなどの状況調査を通じて本町生徒の持つ生き抜く力の育成度や、特徴・独自性などをしっかりと掴み、課題やその解決に向け研究会の開催など鋭意努力され、本町の学校教育の充実が図られております。

結果につきましては、教育委員会をはじめとして関係者各位の努力により、「学力レベル」は年により若干の上下が有りますが、概ね毎年、全国・県平均を上回っており、教科によっては県レベルで全国一位の都府県を上回る事例もあり、本町の児童生徒の学力レベルの高さを近隣に誇るべきものと高く評価するものです。

とは言いましても、教科別、またそれぞれの領域別には、毎年具体的な課題も指摘され解消に向けて創意工夫がなされており、それこそが学力・学習状況調査の目的でもあります。

 

本年度は先程申し上げましたように、実施されず、国や県との比較はできませんが、課題に対してどう取り組まれたか。そして、その結果に把握はどうされるのか。

お伺いします。

ちなみに昨年度全国学力・学習調査の結果における課題については、以下の通りです。

 

(昨年度9月定例会:教育長答弁)

○本年度の調査結果を受け,小中学校とも国語,算数・数学おいては,全国・県平均は超えています。

しかし,算数・数学においては,見方・考え方を働かせ,社会生活などの様々な場面において,必要なデータを収集・分析し,その傾向を踏まえて課題を解決したり,また,数学的な表現を用いて説明することが、今後できるよう指導することが求められます。

英語に関しては,全国・県平均を下回っています。

「聞くこと」については,必要な情報を理解したり,正確に聞き取ることはできています。

しかし,「読むこと」,「書くこと」については全国・県平均を下回っています。

「読むこと」については,まとまりのある文章を読んで,話のあらすじを理解すること,「書くこと」については,与えられた情報に基づいて,肯定文や否定文を正確に書くことができていません。

今後は,授業実践の中で「聞くこと」,「書くこと」,「読むこと」の言語活動をこれまでより多く設定し,充実させる必要があると考えます。

また,それらを関連付けた課題を設定し,既習の知識を活用して,個人で思考させる指導も必要と考えます。さらに,対話的な学びを通して内容を深めることや,コミュニケーション能力の育成を意識した取り組みが今後求められると考えております。

というふうに答弁されています。どのように対応されたのか。お伺いします。

 

教育長(馬屋原)

それでは、対応についてご答弁申し上げます。

全国学力・学習状況調査は,平成19年度より実施されています。

しかし,今年度は,文部科学省から新型コロナウイルス感染症にかかるその後の状況及び学校教育への影響を考慮し,実施しないとの連絡がありました。したがって,昨年の課題がどの程度改善されているかについて,明確にすることは難しいと考えます。

 

 これまでも,それぞれの学校においては,昨年の課題を受けて解決に向け取り組んでいます。

算数・数学では,小学校では数学的な考え方の克服のため,情報過多の問題や,複数の考え方ができる問題を扱いました。

また,ペアトークやグループトークを意図的に取り入れ,自分の考えを説明したり,友達の考えを理解することができる授業を実施しています。

コロナ禍の中では,ペアトーク等を行うことが難しいため,ホワイトボードに各自の考えを書かせる取り組みを進めています。

 

中学校においては,課題解決に必要な情報を収集し,整理・分析して,それを基に教科の用語を用いて,すべての生徒が説明できるようにしています。また,授業の中に論議する場面を取り入れ,ねらいに迫る深い学びとなる授業を展開しています。

 

 英語については,英語を使って「できた」「通じた」と生徒が実感できるように,コミュニケーションを行う目的や場面を明確にした活動を仕組み,対話的な学びにつなげています。また,生徒への定着状況,理解度を単元テスト等の誤答や授業観察でのつまずきを把握し,再指導に生かしています。さらに,意図的学習班を編成し,課題解決に向けて「聴き合い」のグループ活動を仕組み,個人思考の内容を深める活動を取り入れています。

 

このように学校ごとに課題も様々ですが,各学校で課題を分析し課題解決に向けて独自の取り組みを展開しています。

 

木野山

 課題について確実に各学校で対応されているものと評価いたします。

この努力があってこそ、毎年の学力テストへは上位のランクされる学力を保持しているものと高く評価するものです。

 各対策の成果の把握はどうされるのか、また今後もテストは継続されるのか。

 

教育長

 それぞれの学校でかなり以前から、小学1年生から中学3年生まで、標準学力調査を年度末に毎年実施してきた。それぞれの学校でどこが弱いかなどデータを分析し次の学年に繋げていく取り組みを長期間続けてまいりました。

今年は全国学力・学習状況調査は中止となりましたので、長年取り組んできました標準学力調査の結果をもとに、昨年の課題がどれだけ解消されたかなど分析していきたいと思っている。

と同時に、各教科での定期テストにおいても昨年の課題解決に向けた問題を作成し実施しているので、それらを合わせて、評価ができるものと思っている。

 

木野山

 その点は、素晴らしい取り組みだと思う。

継続的な取り組みによって、これくらいの実力で正答率がこれ位だと全国レベルではこれ位かな、と把握されていると思う。

それはそれで良いのですが、全国的にレベルの高い公立や私立の学校への受験では習っていないテストも出てくる。そういった問題なども取り寄せ広い知識を身に着けさせることも重要と思いますが、どうか。

 

教育長

 基本的には義務教育ですから、すべての子供たちに基礎基本を定着させることが大きな狙いです。学習につまずきのある子は引き上げてやらねばならないし、伸びる子はもっと伸ばしてやるという事も、大切な考え方、視点だと思っている。

 中学校に於いては、全てがその希望にかなうわけではないが、そういった希望が有れば、個別的な対応となると思うが、そういった取り組みも幾らか行っていると聞いている。それでは全員の生徒にというところまでは行っていないが、基本的には伸び利子供も伸ばしてやるというのも公立学校の使命だと思っている。

 

木野山

 信頼できる学校、信頼出来る教育体制というものをしっかりと確立させていくことが、子育てをする若者の信頼に繋がるし、これからのまちづくりにも大きく影響してくると思う。

油木高校は、近年国公立への進学率も高くなっていますが、油木高校も含めて町外の国公立・私立の自分の行きたい学校へは十分に能力があり合格するよ、君は大丈夫だよと言えるような、そういった学力レベルがついているのだと自信を持たせることが肝腎なことだと思う。

 入学率など毎年の統計はとられているのか。

 

教育長

 統計という形ではないが、毎年の中学校から高校への進学状況については把握している。

町外の高校へ進学する生徒もいるが、現在の油木高校の状況を見るに、非常によく頑張っていると思います。あれだけの少ない生徒数の中で、国公立に10人も入るということは、県内でも非常に高いところにいると把握している。こういった事が徐々に町内の生徒さんにもいくらか定着しつつある。ここで、頑張れば希望が叶うという思いも徐々に持ってきているのではないかと感じている。

 

木野山

 油木高校では、はやぶさ塾の開設、神ゼミの開催などで大きな成果を上げられていると聞いている。実際に本町の子供が国公立以外の私立を受験する場合、中学校の段階で義務教育だけでは合格できないという現実がある。このように主張される人は少なくない。おそらく狙った学校に関連する塾へ行くとかして頑張らないと、高等学校の段階では義務教育だけでは無理と思う。

 そういった事で、わたくしの提案は、中学校の段階で町立の公営塾を立ち上げられたらどうか。というものです。実際に、油木高校も「はやぶさ塾」があって非常に成果が上がっている。

 今、せっかくここまで来た全国レベルを上回る学力にある子供たちの学力がもうワンランクアップし、それがまたこのまちの子育て世代の若者にとって、すごい魅力のある施設、取り組みになるのではないかと思う。中学校の段階で公営塾がある地域は幾らか有るとネットでも出ている。

 多くの子育て世代の皆さんが英語や国語、算数は神辺や福山の塾に通わせている。経済的に個人負担も多くなる。その解消も含め、長期的な観点から学力レベルを上げるために公営塾の検討はどうか。

 

教育長

 現段階では、中学校の公営塾という構想は持っていない。

本町は非常に広域であり保護者の負担も大きくなる。行きたくても行けない子供も出てくる可能性がある。

 

町長

 今、中学校の塾は民間レベルで何か所かある。そういったところを利用して頂けたらと思う。

 

木野山

 両巨頭とも積極的ではありませんが、検討課題として頭の隅に置いておいて頂きたい。

 英語については、話す、読むこと、書くことが平均を下回っているのは基礎的なことが定着していないという事か。また、聞くことはよくできているとの事で、英語は耳から入って聞いて次へ移っていく。聞くことが出来て何故読み書きが出来ないのか。

 

教育長

 基礎的な知識が無いという事ではなく、ALTの導入効果が大きいと思います。これは他市町には無いことです。ALTとの会話や授業をつうじての聞き取りなど大きなプラスになっている。

 書くことについては色々努力していますが難しいのかと思う。英文を読み取り、理解し、答える。そこのところが顕著に伸びていかない状況にある。この数年そう感じている。

 

木野山

 文科省の方針かも知れませんが、今後はコミュニケーションの時代となるのでリスニング、よく聞くことが大事で、授業では、読み書きよりも聞くことを一生懸命教えなさいとの事です。そういった、ある意味で学校の教育がそちらの方に偏ってしまい、読んだり書いたりする本当に大事な一番基礎的な英語の勉強がおろそかになっているのではないか。

日本では明治以来英語を読み理解し、日本の漢字に置き換えることにより、英語は習わなくても日本語で世界的なレベルの学問が全て出来るし研究もできるようになった。それは中国まで及んだという。これは読むこと書くことに専念をした明治時代の先輩のおかげだと思う。それをないがしろにして、聞くことだけを一生懸命教えるというのは、ちょっと間違っているのではないかと思います。

一方で、今はグローバル時代となり、安倍さんの方針かも知れませんが、海外から留学生など入れて、日本に足りない労働力として使うようになっている。都会ではバイリンガルのような英語も日本語も喋れるベトナムや中国からの労働者に日本人の仕事が奪われる事態となった。コンビニではほとんどそういった人たちが就職し働いている。日本人も幾らか英語が出来なければ仕事がなくなるという状況が起きている。

何かジレンマは在りますが、学校教育の中で英語をどう捉えるかは大きな問題だと思います。

私は、リスニングで普通の英会話ができる位で良いのではないかとも思っていますが教育長はどう思われるか。

 

教育長

 話したり、聞いたり、書いたり、読んだりという事は、この部分だけ重要視してやればよいという問題ではない。全てをきちんと定着させていくのが学校教育だと思っている。したがって本町では書くことを軽視しているわけではなく、書くことも重視している。そうしないと入試などに対応できない。

ALTの導入により聞くことにはある程度慣れてきたが、聞いたことを文章にするのがなかなかできない。やはり書くことだと思います。今の教科書は、単語の意味は辞書を引かなくても分かるようになっている。学校によっては英語の辞書を活用する取り組みも行っている。

この部分だけを伸ばせばこれからは子供たちは世界に対応できるというものではなく、話す、聞く、書く、読むを併せて力をつけていかねばならないと考えている。

 

木野山

 生徒にとってはハードルの高い問題かなと思います。

 コミュニケーション能力というと、英語だけではなく、国語とか数学の基礎的能力を身に着けたうえで、歴史など日本の事をよく知ることが必要で、コミュニケーションも取れないのかなと思います。

 書くことが苦手になりつつありますが、読解力を付けるには板書を写すことが大事だと専門家の本にもありましたので、やはり書くことを重要視した授業をお願いします。

 

【学校教育の充実とまちづくりについて】

木野山

 教育委員会に於いて示された、本町教育行政方針の中には、「学校教育の充実」の項に、①確かな学力の向上 ②豊かな心や健やかな体を育成する教育の推進 ③信頼される学校づくりの推進 ④教育環境整備 ⑤連携型中高一貫教育 と5項目を挙げられそれぞれにその意義と目標、取り組みについて具体的に述べられております。

「確かな学力の向上」については、少子化の進む中生徒数が減少し、平均値を求める場合その分母が小さいにも拘らず、学力レベルでは、対象の主要三科目に於いて広島県下でも常に上位にあり町内住民として誇りに思っているところです。

特に母国語である「国語」については言語活動を重要な視点として位置づけられ、児童生徒の文章読解力向上に繋がり大きな成果が上がっていると確信しています。また中学校の、数学、英語に課題が有ると捉えられていますが、日ごろの授業改善など創意工夫に期待いたします。

 

「教育環境整備」については、この度、国の「GIGAスクール構想」への実現に向け通信ネットワーク整備をはじめとした新しい教育環境システムの構築を行う事となりました。

近年、世の中は目まぐるしく移り変わり、少しの油断であっという間に置いておかれてしまいます。特に情報分野での進歩は著しく、ツールとなるIT(ICT)情報技術関連への投資は不可欠で進歩に合わせ定期的な更新が可能となるよう長期的視点を持つことが必要です。

その意味で時代に応じた「教育環境整備」が求められ、電子黒板などの時代に呼応した教育備品の整備を充実させることに併せ高速通信環境など教育環境システムの構築が、子供たちに教育の機会均等を補償するために欠かせません。

そのためには多大の投資が必要であり、その財政負担に対応できるよう長期的に安定した整備・更新計画を立てる必要が有ります。

 

「まちづくりは、人づくり」と言われますが、変化の厳しい社会の中で、心豊かでやさしさとたくましさを併せ持つ子供たちを育てるためには、学校、家庭、地域が連携して豊かな人間性を身につける「心の教育」を充実し、自ら学び、主体的に社会に対応できる「生きる力」の育成を目指さなければなりません。

「学校教育の充実」に包含される、確かな学力の向上、時代に合わせた教育環境整備、また連携型中高一貫教育の推進に必要な町内唯一の油木高校の活性化・魅力化、信頼される小・中学校づくりの推進は「教育のまち」としての本町の特色ある「まちづくり」に繋がり、併せて、「社会教育の充実」はふるさとの文化を大事にする「まちづくり」に繋がります。このことは、ある意味では子育て世代の皆さんにとっての本町の「信頼」にも繋がります。その中にあって、教育委員会の役割は大なるものが有ろうかと思います。

教育委員会としてのご見解をお伺いいたします。

 

教育長

 子供たちが健やかに育ち,活力ある社会の形成者として生涯にわたる学習の基礎を培い,豊かな心を持ち,たくましく生きる人材を育成するためには,教育の果たす役割は極めて重要であります。

 

 教育委員会としては,子供たちの創造力と郷土愛を育み,急速に変化しつつある社会環境に柔軟に対応できる能力を養うため,確かな学力の定着・向上を図るとともに,これからの社会を生き抜くために必要な資質・能力の育成を図ります。また,異文化への理解を通して,あらためて地域の人,自然,歴史,産業,文化を振り返ることのできる心を育み,人を思いやる心やたくましく生きるための体力を養います。

 こうした学校教育を推進していくために,地域に信頼され,学校と地域が双方向で子供たちを育むことができる学校づくりが必要です。

 

 また,家庭教育は子供の基本的生活習慣の習得,自立心の育成,心身の調和がとれた発達に重要な役割を担っていることを踏まえ,子育てや親子の学びをはじめとする家庭教育の推進に向けた支援の一層の充実を図ることが必要です。

 

 さらに,親子のコミュニケーション不足や経済的事情等による保護者や家庭の孤立を未然に防ぐため,学校,PTA,子育て支援センター等関係機関,協働支援センターなど,横軸の連携を図るシステムの構築を図り,「神石高原町の子供は神石高原町で育てる」ことを基本に,地域における人材の発掘・育成・活用の充実を目指すことも必要です。

 

 そして,読書活動を通じた「教養のまち神石高原町」の確立,生涯スポーツの推進等住民の多様な文化,学習活動のニーズに対応し,住民が自発的・主体的に参加できる環境づくりを進めるとともに,豊かな自然と文化の継承・振興に努めることも重要な視点と考えています。

 

 このような基本的な考え方を基に,教育における「不易と流行」を確実に見極めつつ様々な施策を講じ,「未来を拓く人と文化の創造」故郷を愛する人材の育成を目指して取り組みを進めていくことが,教育委員会に託された役割だと考えています。

 

木野山

 素晴らしいご回答を有難うございます。いきなり本論へ行かせていただきますが、「このような基本的な考えを基に、教育における不易と流行を確実に見極めつつ・・」、とありますが、不易と流行を見極め、というのは肝腎なところどういう意味なのか教えて頂きたい。

 

教育長

 不易というのは、教育においてはどんなに社会が変化しようとも時代を超えて変わらない価値があるもの、これを不易と呼んでいます。例えば、豊かな人間性であるとか、正義感、公正を重んじる心、自らを律しつつ他人と協調し他人を思いやる心、人権を尊重する心、自然を愛する心など、こうしたものを子供たちに培うことは、いつの時代、どこの国の教育においても大切にしなくてはならない。という事でございます。また、それぞれの国の教育において子供たちにその国の言語、その国の歴史、伝統文化などを学ばせて、それらを大切にする心を育むこともまた時代を超えて大切にしなければならないと。

我が国においては、次代を担う子供たちに美しい日本語をしっかりと身に着けさせる、我が国が形成されてきた歴史、我が国の暹たち先達が残してくれた芸術、文化、民話、伝承などを学ぶこと、そしてそれらを大切にする心を培うことも、現代に生かしていくことが出来るようにすることも我々に課せられた課題である。これが不易というようなことでございます。

 流行という事ですが、ただ教育というのは、社会の変化に無関心であってはならない。時代の変化とともに変えていく必要のあるものに柔軟に対応していくことも教育に課せられた大きな課題であると。これが流行という事でございます。例えば、急激に変化していく社会に対応していくための国際化、あるいは情報化などの社会の変化に教育が的確かつ迅速に対応していく、これが極めて重要であろうというふうな捉えでございます。

 このように、教育における不易と流行というものを教育委員会として十分見極めて、大切にしなくてはいけないもの、あるいは時代を読み取って変えていかねばならないもの、ここらを判断しながら施策を講じていくという事が大切ではないかと、これも教育委員会に課せられた大きな課題ではないかと考えています。

 

木野山

 子供たちはどういうふうに育てなければいけない、こんな子に育ってほしいという教育の専門のところは良く分かります。だけど、

 教育そのものが、まちづくりとどのように繋がるのか、そこのところを教育委員会としてどのようにお考えになっているのか。そこがお聞きしたかった。

教育委員会の活動において、決算の点検評価表を見させて頂くと、毎月多くの協議をされていますが、まちづくりに関するテーマで協議された部分がない。

最後の総合評価において、良好な結果が達成されています。また、町内外の若者がこの地で子育てがしたいと思える安心・安全で魅力ある質の高い教育環境整備が必要とも指摘されている。

この部分は、まちづくりについて教育がかかわる基本的な部分であり、この点お聞きしたい。

 不易と流行の中でかなりその部分も伺えましたが、何かもう一つもう一歩前に行くのか不安です。

 

教育長

 先程述べた通り、神石高原町の子供は神石高原町で育てるという事が大いにまちづくりと関係していると思います。例えば、家庭や地域、学校が学びを支える組織であるコミュニティスクール、放課後子供教室の充実、青少年健全育成への取り組みなどの社会教育の充実、これらはまちづくり推進課で行っていますが、教育委員会が事務委託しているのであり私がトップでありますので、今後もそういった視点も含めて様々な協議を重ねてまいりたい。

 

木野山

 教育環境整備は、言われるように、子育て世代の若者が本当に本町で子育てをしたいと思われる整備が必要です。具体化は、協議会を立ち上げるなど、しっかりと協議をすることが大事で、必要なものは遅れないように整備をしていくことが重要だ。町長部局とも協議をしながら進めていく必要がある。限られた財源という部分では長期的な計画も必要と思う。

 子育てはまちづくり、これはすぐには出来ない。本当にこの町でしっかり勉強し、都市部へ出ても、社会体験の後このまちへ帰ってこのまちのために頑張ろうと思われる教育、公営塾を含めてそういった体制を整えていくことが大事なことだと思います。

 僭越失礼ですが、教育委員会に置かれましても先進地視察など多くの事例に当たられ、教育面でのまちづくりにおいて、本町の未来に向かって頑張って頂きたいと思います。

 

教育長

 子育てとまちづくりは密接に関連していますので、そういった事を併せてこれから様々な方面と協議を重ねてまいりたい。





令和2年9月補正予算質疑

 

①公民館・ホールなどの感染予防対策

木野山

 公民館・ホールなど大型公共施設の感染防止対策が必要だ。

 

まちづくり推進課長 

地域コミュニティ施設の空調と大型施設ではトイレなどのスイッテレス化を考えている。

 

②イントラネットの整備

木野山

 イントラネットは生の情報を提供しており定期的・計画的な更新と拡張整備が必要と思うが対応は。

 

まちづくり推進課長

 平成15年に整備した。役場本庁舎・支所間・・小学校・保育所・・公民館・保健センター・活性化情報センター・・図書館を光ケーブルで結び行政情報・議会中継の提供を行っている。計画的な整備が必要で財政基盤を固め今後に備えたい。

 

町長 インフラの更新は計画的に行う必要がある。

利用状況も調査し、活用方法や情報発信が可能になるよう、財政状況も含め先を見通した更新計画を具体化したい。




令和2年9月決算総括質疑

 

①経常経費の削減

 

木野山

決算監査意見書に、「経常収支比率が過去4年間上昇し続け82.2%となり1.9ポイント増となっている。

 財政硬直化がさらに進んでいることから、経常的経費の削減に一層の努力が求められる。

 ①歳入の確保と歳出の削減

 ②事業の優先度や緊急性度の精査により最小の経費で「住んで良かった」と実感できる行財政運営に、危機感をもって職務に当たる事が重要

 ③基礎・基本を理解し効果的かつ効率的な業務の追行に努められること。」

とありますが、

 経常収支比率上昇の要因は、経常的経費のうち、主に扶助費、公債費、物件費、補助費等の増加と、経常一般財源のうち各交付金や地方交付税の減少による思われる。

  具体的な対応策をお伺いする。

 

総務課長

主に経常的収入を占める地方交付税と臨時財政対策債が併せて1億6千万円程度の減少となった。

歳出の内、物件費、扶助費が年々増加しているが歳出全体では1千5百万程度の減少です。歳入の減少額が大きく、そのため率が上昇した。

一般的には、経常収支比率は7割から8割が理想的であると言われているので、今すぐ財政が危機的状況になるとは一概には言われない。

しかし、今後、公債費の上昇や施設修繕費の上昇も見込まれ今後も率の上昇は避けられない。

今後は歳入に見合った歳出を基準に最大限歳出の抑制に努める。

収入は、現在9億5千万程度確保できている町税収入の維持と、補助金として交付する必要のない町事業に対する「ふるさと納税」の確保増について手法を検討する

 

町長

 抑制可能な歳出を性質別にみた場合、扶助費、公債費、人件費は限界まで来ている。故に、主に物件費と補助費を中心に見直したい。

物件費の内、委託料と修繕費が主となる。あと本町は補助費の割合が高いので、出来るだけ町民の負担にならないよう分析を行いながら、補助費の見直しを行いたい。

収入では、「ふるさと納税」は町独自のアイデアをもって増額を目指す。また牧野町政時代に蓄積された基金を運用し一定の収益を確保したい。

 経常収支比率をしっかりと見ながら、危機感をもって財政運営を進めたい。

 

 

②ふるさと応援寄付金増加対策

 

木野山

令和元年度のふるさと納税制度によるふるさと応援寄付金実績は前年対比38%増と大幅な伸びとなったが、内訳をみると町内NPO法人への応援寄付金が41.6%増と大幅に伸びた事が要因であり、他の団体支援や町事業への寄付は減少傾向にある。

 この要因と、応援寄附金増加対策を伺う。

特に、協働支援センターへの寄付は「0円」である。また、町内自治振興会へは200万円程度で横ばいの実績であり、町事業寄付金に比して、概ね納得できる成果が上がっていると思われる。各自治会の取り組みの中に、増加対策のヒントはないか。お伺いします。

 

まちづくり推進課長

 本町独自の寄附メニューである自治振興会関連への寄附で、伸びているのは、地域の出身者など関係人口である地域の応援者からが多い。

こういった応援者が継続して頂く事、すなわち、心のこもったお礼産品など絆の強化が必要だ。

また、施策で寄附を募っているという評価も頂いているので、更に街の魅力を伝えこうしたファンを拡大し、制度をさらに充実させたい。

 

木野山

 今、言われた事を実践されていない自治振興会などに知らしめることが必要だ。

また、寄附が伸びている民間の取り組みも参考にすべきでは。

 

町長 

日本全国が対象なので、特徴のある取り組みにより成果は見込める。

まだまだピーアール不足なのでしっかり宣伝しスキルアップに努め、ふるさと納税額を増やしていきたい。











 令和2年度 6月定例会
 

令和2年6月一般質問質疑

 

木野山

 この度の新型コロナウイルス感染防止対策には、町長を筆頭に庁幹部役員の皆様をはじめ町職員の皆様には、迅速かつ確実な対応をなされ敬意を表します。大変ご苦労様でした。頭の下がる思いでございます。

 

【第3セクターの運営について】

○令和元年度の運営状況について

①道の駅さんわ182ステーションは、3億円を超える投資により、フードコートの新設と店舗の新築リニューアルが実施されました。

 これはあくまでも農業所得の向上に繋がるよう売上の大幅増加を目指すものです。

 平成30年2月からの造成工事、新築工事開始による8月仮店舗営業から令和元年11月のリニューアルオープンに至るまで長期間にわたる工事期間に於ける影響は多大なものがあっただろうと思います。

新型コロナウイルス感染予防のため3月の予定されていましたグランドオープニングセレモニー、オープニングイベントは中止となりましたが、その間役員をはじめ従業員一丸となった各種創意工夫による営業活動には敬意を表するものであります。

 

 決算期を迎え、令和元年度の決算状況は如何だったのか。

所期の目的は達成できそうか、市場、フードコート、ローソン、百彩館、観光協会との連携など、

現状と課題を、また課題が有ればその課題へ向けての今後の方策をお伺いします。

 

()神石高原農業公社は、売上収入は平成28年度より、7~8千万円で、多少の変動はあるものの横ばい状況で、平成30年度は税引き前27万円の黒字会計でした。

 

 決算期を迎え、令和元年度の決算状況は如何だったのか。現状と課題をお伺いします。特に今年度から長年勤められた中間代表取締役をはじめベテラン役員がご勇退とお聞きいたしました。

新規役員を迎え、我が町の農業課題を踏まえ、今後の農業公社の在り方について、基本的な考え方をお伺いいたします。

 

()帝釈峡スコラは、平成30年度決算に於いては、7月の西日本豪雨、12月からの帝釈の湯改築工事の影響により、大幅の売上減に見舞われました。

 今年度は、どうだったのか。今後の展開についてお伺いいたします。

 

 

 

町長

1.第3セクターの運営について

 ①令和元年度の運営状況

いわゆる第3セクターは,公益性と収益性の2つの目的を併せ持って設立された法人です。公益性を持つことから町も出資しております。

第3セクターといいましても,民間法人でありますので,営業方針や運営方針は,法人自らが検討・決定することとなります。但し出資しておりますので,定期的に,運営状況について町民の皆様へ,報告させて頂いております。それを踏まえたうえで,答弁をさせて頂きます。

 

●道の駅さんわ182ステーションでは,産直市場を昨年11月から,フードコート及び観光協会を今年3月からそれぞれリニューアルオープンしました。

 

 令和元年度決算では,さんわ182ステーション全体売上で,5億2277万9千円(対前年度比106.7% 3265万5千円増)の決算となっています。また,来客数では,「高原の風」も含めて,473,752人(前年比3,578人増)と「なりました。

 

特に産直市場においては,リニューアル後,12月から3月までの売上は,1億19万5千円(前年度比137.2%)となり,また,すべてがオープンした3月での本店全体での1ケ月間の売上総額が,3851万5千円(前年度比138.7%)と工事完了後においては,リニューアル効果が売り上げに大きくり繋がっているものと考えています。

 

しかしながら,リニューアル後の組織体制のため,新たに職員を採用したことによる経費の増,産直市場の仮店舗での縮小営業,売店の休業,百彩館等による売上の減により,収支においてはマイナス1220万6千円の赤字決算となりました。

 課題や対応策としましては,産直市場においては,地元野菜や産品をいかに確保するか,また集客のための方法等の対策になります。イベントの開催や都市部への展開,ネット販売の充実も重要であると考えています。

 

ローソンにおいては,毎年売上は上昇していますが,人件費の見直しや廃棄ロスを減らす取り組みが急務になります。

 

 百彩館においては,売り上げ減少の早期対応が必要と考えています。商品確保と品ぞろえの検討,油木高校や地域との連携・協力,厨房や食堂の活用も含めて対策を講じていきます。   

 

 その他の課題も含め,各部門ごと課題を整理し,毎月定例会議を開催して,その検証や対応にあたっていくこととしています。

また,産業課,高原の風,観光協会を含めた全体会議も定例的に開催し,連携強化を図りながら地域の情報発信と利用客の誘導を図っていくこととしています。

   

●神石高原農業公社における令和元年度の決算の状況ですが,売上は7351万8千円(前年度比99.4%)と,ほぼ同額でしたが,こちらも最終決算でマイナス230万7千円の赤字となりました。

 

主な要因ですが,職員を新たに1名採用したことによる人件費の増加,適期作業が必要な水稲防除にドローン作業を増やしたことによる外注費の増加が大きな要因となっています。

 

農業公社については,町より運営補助金を500万円交付している状況において,なお赤字決算という状況であるため,あらゆる面で経営の見直しと変革が必要であると考えています。

赤字部門を分析し,経費の削減,製造品の売り先の検討,職員の意識改革等を行いながら,黒字転換・補助金依存体質の脱却を図っていく必要があると考えています。

今後ますます,町内農地の維持保全のため,重要な役割を担う組織として,どうすれば存続できる会社となることができるか,社会保険労務士等の専門家の意見も伺いながら,早期に対応していく必要があると考えています。

 

●最後に,帝釈峡スコラの経営状況ですが,昨年4月に帝釈の湯,スコラ高原荘がリニューアルされ,大学の合宿誘致や近年人気のグラウンドゴルフ利用の団体客など,帝釈峡スコラの施設の強みを生かした新規顧客を確保でき,本年2月までは順調に営業利益を伸ばすことができております。

 

しかし,3月からは新型コロナウイルス感染症の影響により大学等のサークルやGG団体客が14団体キャンセルになり,過去最大の純利益を出す見込みでしたが,総売上高9079万円で,前年度より223万1千円の増とはなったものの,純利益は73万7千円に留まる決算となっています。

 

いずれに致しましても,法人が自ら経営を軌道へ乗せて行く,そのために本町は,出資者の立場から,これからも助言を行って参りたいと考えています。

 

 

木野山

 第3セクターなので町が50%以上の資本を持っていますから、町所有の会社と理解すれば、しっかりと指導力を発揮しながら経営にもいくらかはタッチしていく方向性が必要と思い質問させていただいております。

 182ステーションについて要約しますと、売り上げは5億2278万円で3265万円の増加、リニューアル後の売上が大きく伸びた。収支は税引き前で1220万円の赤字となった。原因は、要約すると、新規職員の採用、仮店舗における売り上げの減少、また百彩館の売上減、ローソンは売り上げは伸びているが赤字体制という事です。

 最初に、所期の目的は達成できているかと申し上げました件ですが、確認しておきますが、町長就任時のハード面ソフト面における挑戦を主とした公約において、この4年間は大変でした。2年目の大災害、4年目でまとめようと思ったらコロナウイルス対策と当初の目的通り行かなかった。

その中で、ただ一つハード面で182ステーションのリニューアル、産業面で道の駅をはじめとする設備が完成した。目出度いことです。繰越明許であと850万円ほど残っているようですが、100%出来たと私は理解しています。

 全体の売り上げはリニューアル後に138%と大きく伸びたとのことですが、全体の構想でいえばまるごと市場を廃止しエブリイへの出荷が始まった。百彩館が182ステーションの経営となった。町全体の産品売上、農家の所得の向上に繋がる可能性はあるか。このところをまず町長に確認したい。

 

 

町長

 産直市場のリニューアルはオリンピック関連で材料であるハイテンションボルトの入荷が遅れ半年以上工期が伸びた経緯など経費の上昇が有りましたが、今後の見通しについては、4月、5月で産直市場だけで昨年度対比1500万円位のプラスという事で、集荷もしっかりしながら相当の売り上げ増が期待できると思っております。もともとの計画では完成後3年間で売り上げを6億円としていました。今後のコロナの状況では分かりませんが、今に状況では3年行かないうちに目標達成できると思っています。これからも生産者への還元となるのでしっかり取り組みたい。

 

木野山

 エブリイさんへの出荷状況は把握されているか。

 

産業課長

 コロナの影響もあり、出荷の金額は下がってきています。ただ、令和元年度の全ての産直市場の売り上げ、百彩館、182、エブリイ、新しくできたふくふく市さんの売上合計額は、30、31年と変わっておりません。エブリイさんのところは下がっていますがその分182とかふくふく市さんの売り上げが上がっており、一つのパイを奪い合っている状況です。

 

木野山

 具体的数字は分からないという事か。百彩館を通じて行っている部分は、3%の手数料で180万円が入っているので計算すると6千万円ちょっとかなと思います。それ以外の直接販売分は分からないが億くらいは行っているのかと思う。

 3年後6億円と町長は言われましたが、矢川課長の資料によると平成29年度で6億4千万円位あったと思います。あとでもう一度検証したい。

 百彩館は昨年度から182ステーションとなり売り上げはどんどん下がっている。平成27年度は8千万円を超える売り上げでしたが、500万円ずつ下がっている。固定費はそれほど変化がないと思うのでその分赤字体制になっている。

百彩館は統合の時に部門別集計と言われていたが決算書に反映されていないので収支の現状が良く分からない。部門別なら部門別らしく、別に会計を立てて報告して頂きたい。

 

町長

 部門ごとの百彩館収支は出来ているので、また資料としてお渡しできると思う。

 

木野山

 このたび、182ステーションがこの辺りにはないほどの大きな店舗となった。

油木にある百彩館は売り上げを伸ばそうと思っても182ステーションにお客さんがほとんど吸収され売り上げがダウンしてくる状況となった。また、地元の出荷者の皆さんも油木の指定管理者が無くなり運営に於いて182ステーションとテンバッテ頑張っていこう、競争しようという気持ちも無くなり、182ステーションへの出荷が多くなり売り上げが伸びない。手数料も182ステーションは15%ですが百彩館は18%なのでどうしても182ステーションが主体となってしまう。

 そうすると、今後の百彩館運営を考えた時に、なかなか売り上げ増は難しいと思われます。

そのところを、どう考えておられるのか。基本的な考えを。

 

町長

 基本的には、完全に民間ならば利益追求型となりますが、地元油木町から出来たという経過が有りますので地域の方々と共に発展していく店と位置付けている。

出荷者の皆さんや地域の方々と話をした結果、統合前は産品以外のものを色々置いていたが、昔のように産品だけを置くように変更した。売上減はこのことが影響しているのかと思う。

 町単独で182ステーションが一方的に行うのではなく、再度、地域の方々と協議し進めていきたい。今地元の皆さんと協議中です。もう少し時間がかかると思う。

 

木野山

 課題も多くあり今のままではダメだ。そこのところを理解いただき、百彩館として特色のあるお店にして頂きたい。

 ローソンについては、町長は割愛されたが、答弁書にはローソンは赤字体質とある。昨年は225万円の赤字でしたが、売り上げが伸びた中で具体的にはどのくらいの赤字だったのか。

 

産業課長

 大体320万円程度の赤字と聞いている。

 エブリイさんの売り上げ状況は、平成30年度が1億2600万円余り、令和元年度が9800万円で、大体7割程度となっております。

 

木野山

 ローソンは赤字の体制がなかなか解消できていない。平均で300万円程度の赤字だ。

対策はどうお考えか。

 

町長

 利益体質になっていない。こちらも指摘しましたが、会社で考えておられるのが人件費です。他の店と比べて、人、クルーの数が多い。田舎ではかわりの人がいないので以前から確保している。それが多すぎる。特に元年度は以前と比べて増えている。

 人件費の見直しと、廃棄ロスのところをローソンのスーパバイザー、アドバイザーと協議し進めたい。

 

木野山

 ここでも人件費かな、という事です。

加工品についても目標が有りましたが、それと売り上げはどうなのでしょうか。

 

町長

 市場のカテゴリー分析の中では前年度比1552万7千円の増で、143%増となっています。

 

木野山

 加工品も売り上げは伸びている。299万円が441万円となっている。ですけれども売上原価を見れば少し赤字になっていると思う。加工品の売り上げを伸ばすことにより農家の所得増に繋がる。議会も加工品については色々と創意工夫し検討してほしいと言ってきたとおりです。毎年4~50%の伸びが有れば可能性があると思う。よろしくお願いしたい。

 先程から赤字要因のところで新規職員の採用とか人件費が要因と言われていますが、人件費の額が妥当かと思い、平成31年度の決算を見ると、一般管理費1億3600万円の内人件費は8500万円を少し超える。割合は70%を少し超えている。大体、一般の食品スーパーはネットで見ると4~50%が普通です。また売り上げに占める割合は、一般のスーパーで10%程度。182ステーションでは総売り上げに占める割合が16%を少し超える位だ。

この数字が多いか少ないかは色々考えもあり一概には言えない。第3セクターという事で減価償却費など出てこない。こういう事になっていることを前提にし、町長はどのように認識しておられるのか。

 

町長

 全体で1億5700万円で、給料とか足すと9千万円位かなと思います(令和2年度予算から)。

単純に単価が高いとかはないと思う。フードコートや市場も広くなるので、オープンする前から人員を入れて準備していたため、利益が上がらないのに人件費がかかったという事も有るかと思う。

 ローソンも含め人件費の部分はしっかりと見直すよう、町もしっかりと関わっていきたい。

 

木野山

 会社の経営なので上手くやって頂きたい。

 損益分岐点はどうなのか大雑把な計算をしてみました。182ステーションの一般管理費を固定費とみて粗利をそれで割ると6億2千万円程度となる。町からの指定管理料など雑収が1千万円位あるので5億7千万円程度が損益分岐点になるかとも思う。そう考えると、令和2年度の売り上げ目標を5億9千万円とされているので、その目標が達成できれば赤字体制もうまくいき人件費問題も解消できるのではないか。あとは資本と経営を分離する経営の部分で、産業課とも色々考え売り上げ目標を絶対に達成するよう頑張って頂きたい。理想は6億円を超えることを目標として頂きたい。

 もう一つ、指定管理についてお伺いしたい。

 この度の決算の中に固定資産の圧縮損が900万円くらい有ります。これは182ステーションのPOSシステムとフードコートの厨房関係の設備備品を補助金で購入し、経理は圧縮記帳しプラマイゼロとした。

補助金の有効利用ということで基本的にはそれで良いのですが、圧縮記帳をするという事は、貸借対照表の借り方には1円か2円しか載りませんが、その1千万円近い備品が全て182ステーションの持ち物という事になる。矛盾があるのではないか。

指定管理なので、その部分は町の所有となるのではないか。町の持ち物で、それの管理を182ステーションが行うというのが筋論と思いますが、どう思うか。

 

町長

 備品は基本的に町から補助金を出しているので所有は182ステーションのものとなる。農業公社の農機具も同じ扱いを行っている。

 

木野山

 町の所有にした方が良い。このままでは、簿価は無くても182ステーションのものですから修理など全部182ステーションが行う。

 昨年の6月定例会の質問で、減価償却など長期的な費用管理もできるので第3セクターは特別会計で行うべきと提案しましたが、どうでしょうか。病院会計のようにすればどうか。

 

町長

 病院事業会計とは考え方が別と思うので、特に第3セクターについては特別会計を設ける必要はないと思う。

 

木野山

 金額も少ないので必要ないと、昨年も言われた。

建物も備品も全部町の持ち物で、経営は委託ですから、別枠でやられた方が良いと思います。

 

○新型コロナウイルスの影響と今後の対策

木野山

 令和2年を迎えると前後して新型コロナウイルスが、猛威を振るい世界各国に甚大な影響・被害を与えております。コロナウイルス感染防止対策と経済活性化対策は相反しており、感染予防のための緊急事態宣言、自粛対策は我が国経済に瀕死の状況をもたらしています。

 

 我が町の第3セクター各社への影響も只ならぬものが有ろうと察します。

 それぞれの各社に於いて、新型コロナウイルス感染予防のためにとられた対策と、

被られた現状、また今後の対策についてお伺いします。

 

町長

新型コロナウイルスの影響と今後の対策についてですが、

 さんわ182ステーションにおいては,町内外から多くの方に来店いただきますので,大変心配をしておりましたが,幸いにも来店者,職員,出荷者の皆様からの案件はありません。

 感染予防の対策としましては,4/15からトマトガーデンの閉鎖,4/18からフードコートの閉鎖,4/30~産直営業時間の短縮,4/20から高原の風閉鎖しました。その他,各種感染防止のための看板設置,レジ担当者の感染防止対策,職員及び出荷者のマスク・体温測定の徹底,イベントの開催中止等できる限りの対応を取ってきました。

 

コロナウイルス対策による影響ですが,産直市場とローソンについては,県の営業自粛要請施設でなかったことと,町内外の皆様への食料供給という責務を担っていることから,営業を続けてきました。コロナウイルスの影響により営業に大きな影響を受けたことは間違いありませんが,リニューアル効果によるプラスの影響もあり,単純に比較はできません。

   

現在は,新しい生活様式に基づいて,概ね通常業務となっています。今後は,イベントの積極的な展開,新たに始めたネット販売の取り組みの強化,他の道の駅との連携等により,今までの売上の減少を取り戻す努力をしていきます。

   なお,今後のコロナ対策につきましては,引き続き町と連携し,基本的な感染防止対策を徹底しながら,状況判断してくこととしています。

 

株式会社農業公社におきましては,入口や各部屋への消毒液の配置,職員のマスクの着用と会議室の利用中止等を行いましたが,農業公社の売上や運営においては,特に影響はありません。

 

帝釈峡スコラの今後の経営見込ですが,営業戦略としてPR活動を強化し,県外移動も可能になったことから,大学や旅行代理店に対する営業活動を再開しています。新規商品として企業向けのテレワークプラン等,宿泊客獲得に向けた取組みを計画しています。また,スコラには神石牛カレー等の魅力あるレトルト商品を製造販売していますので,これら商品のネット販売も計画しています。

 

木野山

 コロナウイルス対策の部分と、あと農業公社とスコラについてお聞きします。

 182ステーション、農業公社、スコラともに、感染予防対策については的確に実施され、それぞれ感染もなく営業への影響もそれほど無いというご答弁で、非常に評価したいと思います。

今後一番影響が有りそうなのは、観光施設である帝釈峡スコラさんです。観光施設の売り上げは非常にダウンしており、自粛が解除されても大変厳しいと思っております。

今後どうされるのか。これからの観光対策についてどうお考えか、伺う。

 

まちづくり推進課長

 新型コロナの影響は、観光地に非常に大きなダメージを与えている。休業せざるを得ない、あるいは観光客の来訪を断るなど、観光産業に従事する方々は大変な思いをされている。

 観光地のコロナ対策として重要なことは、健康面、衛星面への対応、3密の回避、スコラを含め観光地そのものが安心な旅行・観光に最適な地であることが求められている。来られるお客様方も感染予防への強力が重要となっている。受け入れ人数制限への取り組みも必要になってきている。

 そういった観光地の取り組みの見える化が必要だ。見える化し整理して観光客にお伝えする。こうした姿勢が観光地には求められると思います。

安心した宿泊、体験には、観光業として色々必要なことが有ります。そういった来られる前、そして来られて、そして帰られても細かい情報提供が今後必要と思います。こうした関係性を築き、コロナ回復後に多くのお客様に訪れて頂く。そういった取り組みが今後重要・不可欠と思う。

 こういった取り組みについては、コロナ感染予防対策と観光を両立する取り組みとして観光地、観光協会などと一緒に考えていきたい。

 

木野山

 期待しておりますので、確実で特色のある、完全に安心して宿泊をして頂き遊んでいただける施設を目標として頂きたい。神石高原町のスコラは、よそと違うよという部分が有れば越したことはないと思います。

 農業公社ですが、500万円程度の補助金を入れながらですが、昨年までは黒字でしたが、今年初めて赤字となりました。育苗事業、田植え事業、トマト部門がこの度赤字となった。調整事業や農林業支援事業は常に少し赤字となっていた。検討が必要とは思っていましたが、経費の削減や製造品の売り上げ先の検討など行い黒字転換を図り、補助金依存体質の脱却を図りたい。とのご答弁ですが、私が最初にお話ししたとおり、経営者が代わりました。ベテランも勇退され若い人に代わられました。

 令和元年度は、耕作面積など減っております。1ヘクタール以上減少した部門もある。色々な面で経費の割合が高くなったのだと思います。

 先般、農業委員会からの要望の中に農業公社についても提言が有りました。その中で、作業受託の体制をしっかり強化し、農業公社そのものの体制強化をして欲しいとの要望もあり、産業課もそのように持っていきたいとのことでしたが、具体的な内容について基本的な部分だけご答弁頂きたい。

 

町長

 農業公社の決算書は部門ごとに整理してある。初めからどうしても公益という部門が有り、当初から180万円程度の赤字計画となっているものも有る。もう少し改善できないか考えている。役員が変更になり新たな気持ちで取り組んでいただきたいと思っている。

 農業委員会から要望を頂きました。会社の役割をもう少し広げ、色々な事務や耕作放棄地の管理などの対策を校舎で出来ないか、といった内容だったと思います。公社にて、出来ることとそうでない部分の住み分けを行いやっていきたいと思っております。

公社に期待されることについては、今の公社の体制を再構築しながら、受け入れられる体制なのかをも考えながら進めていきたい。農業委員会からの要望は、素晴らしい提案を頂いているので、それに沿ってどういう形ができるのか検討してまいりたい。

 

 

木野山

 よろしくお願いいたします。

 

【学習指導について】

○新型コロナウイルスの感染予防対策と各教科の学習指導の在り方について

感染防止のための学習指導内容の変更があるのか。

 あるとすれば、子供たちへの影響はどうなのか。

 例えば、英語に授業において、飛沫感染防止のため、英語での発生を行わないなど、感染予防というものが前面に出てくると、授業内容の変更もかなり有ると思います。休業も有り、従来の授業の形態が変えられると思います。

 どのように変えられ、子供たちの学習内容ひいては、学力に多大な影響があるのではないか。とても危惧します。特に中学3年生とか進学を控えている子供たちにとっては大変影響が有ります。 

どのように対応されるのか。

各市町に於いて対応は違うのか。本町だけの色々な柔軟な対応ができるのか。

 我が町教育委員会の所見をお伺いしたい。

 

教育長

○各教科等の指導については,

感染症防止対策を講じてもなお感染リスクが高い学習活動については,可能な限り感染症防止対策を行ったうえで実施することとしています。

そして年度当初に編成したカリキュラムを見直す際は,学習指導要領に規定されている育成を目指す資質・能力を意識したうえで,指導内容を明確化し感染症防止対策を踏まえて,指導方法を柔軟に見直すことが求められています。

特に,各教科等に共通する活動として「児童生徒が長時間,近距離で対面形式となるグループワーク等」及び「近距離で一斉に大きな声で話す活動」はリスクが高いと考えます。

 

また,教育委員会としては,各学校における実施状況を把握し,感染症防止対策が十分でないと判断した場合には,必要な指導助言を行うとともに,地域内の他の学校にも注意喚起を行ってまいります。

 

先般、6月8~9日に各学校での授業状況把握を行いました。

それぞれの学校は、創意工夫をしながら、あるいはクラスの人数が多いクラスについては広い特別な部屋にて引き続き授業展開を行う、また中学校ではもともと大きな教室作りに成っていませんので、廊下との仕切りを外して広い空間で授業を行うとか、そういった創意工夫をしながらやって頂いております。したがって、ご指摘のように、今までのような授業形態が全く変わるという事ではありません。今までと同じような授業の流れで展開をしておりますので、その辺ご理解いただきたい。

 

木野山

 授業内容そのものが変わらないなら少し安心しますが、コロナ対策感染予防対策が先に行ってしまい、世代間に於いての機会均等が失われないよう、環境整備についても子供たちのそれぞれの個性によって差が出ないような方策を創意工夫して頂く事をお願いし質問を終わります。




令和2年6月補正予算質疑

 

コロナウイルス感染対策事業(教育委員会)

 

木野山

小・中学校を休業した際、遠隔での学習環境整備を整備するため、かがやきネット未加入家庭の契約プランにより月額使用料の一部を減免し、相当額を事業者に補助する。361家庭、3か月分、一月5千円程度となっている。積算具体を。

 

教育課長(砂田)

 361家庭は、現在の小・中学校の家庭数になります。

 5千円程度は、かがやきネットのインターネット契約に於いてスタンダード契約のテレビと告知放送部分を除いた金額です。20メガ契約の時そのスタンダード契約部分を差し引いた金額が5千円程度となる。

 減免なのでその分を業者に支払う。

 

木野山

 インターネット環境はどの程度になるのか。

 

教育課長(砂田)

 99%の家庭がネット環境にある。

休業の時、ネット配信で授業を配信する。これが補助金の対象となる時間帯となる。かがやきネットのプランを使って配信する。

 

木野山

 GIGAスクールスクール構想とは別物か。タブレットは家庭に持ち帰っても良いのか。

 

教育課長(砂田)

 GIGAスクール構想のタブレットを家庭に持ち帰り授業を受けることになる。

 

木野山

 20メガ環境と言われましたが、子供さんが卒業された後はどうするか、という事と、現在20メガに加入されていない家庭はどうするか、加入されないと子供たちが機会均等に学校の授業が受けられないことになる。全体の家庭が20メガの環境であることが前提で、これを補償することが必要となる。そうしないと均一性がなく機会均等の教育にならない。学力に差がつく。

もう少し、しっかりとした事業として取り組む必要があるのでは。

 

教育課長(砂田)

 タブレットで配信授業が出来るようになれば、全家庭にそのタブレットの通信ができるような手段をとって頂く。20メガが動画通信の安定する容量だそうです。ですので、20メガ相当の通信ができるものに入って頂いていれば構いません。

 今回の補正は、その通信ができ見られる状態において、コロナ休業となった場合、その通信料を減免するというものです。






 令和2年3月 第2回定例会
 
令和2年3月 一般質問

【第2期「神石高原町まち・ひと・しごと創生総合戦略」の基本的考え方について】

 

木野山

 第1期の「神石高原町まち・ひと・しごと創生総合戦略」においては、人口減少対策として、社会動態人口を5年間で400人増やすという目標を設定し、各分野において施策を講じてきたが、人口動態は転出超過に歯止めがかからなかった。しかし一定の成果は上がったと評価されております。

 第1期の計画は、主に転入者、移住者を増やすという直接的な取り組みが中心であったが、第2期目は目標達成へのアプローチ、手順、手法を変え、今、本庁に住んでおられる町民の方々の満足度を上げることに注目する、そして、その実感や満足度をしっかりと町内外、県内外へ発信することにより移住者を呼び込む、また、併せて転出者を抑制していく計画としました。と令和2年度の「施政方針」にあります。

 町民の皆様方が「神石高原町に住んでいて良かった」と思われるような施策と、町外にお住いの皆様が「神石高原町に住んでみたい」と思われるような施策とでは、意味合いが異なり、目標達成へ向けての政策を転換されると理解いたします。

施策の目線を地元住民に向けられ、より地に着いた施策となるものと大いに評価いたしますが、そのように思われた理由と、その第2期「神石高原町まち・ひと・しごと創生総合戦略」の基本的考え方をお伺いいたします。

 

町長

 第1期の総合戦略は,いわゆる外へのアピールで,転入者を増やす。施策であったと思っています。しかし,外へのアピールも中が充実したものでないと,発信力に欠けるものになります。そこで,第2期では,中(ここに住み続ける人々の満足度)を充実させることを最優先と考えました。

本町の魅力を伝えること。その魅力を更に作ること。また,町民に認識して頂くことが重要であると考え,内発的な取組に成るよう手法を変えたものです。

未来を担う若い世代をはじめ,多くの人が本町に「住みたい」「住み続けたい」と思えるよう,雇用をはじめ環境整備等を積極的に進め,若い世代が神石高原町で,子育てがしたいと思うようなまちに成るよう取組みます。

これからも「ふるさとを誇りに思う人が集まり,人と自然が共存する神石高原町」を積極的に発信し,神石高原町は暮らしやすいと思ってもらえるまちづくりを基本とします。これがひいては,転入転出人口の均衡に結びつくことと,確信しております。

 

木野山

 先ほど言いましたように、「本町に住んで良かった」と考えるまちづくりと、町外から「この町に住んでみたい」と考えられるまちづくりとでは、おのずと考え方もやり方も違うと思う。

 例えば、小さい話ですが、「ふるさとまつり」を行う場合、ふるさとの地域の方がみんなで集まって楽しくワイワイとやっていると、それを見て町外の方が、広島からでも、何をしているのかなと思ってこのまちへ来られる。こういったイベント手法と、豊松さんのように最初から大きな商品をかけて競って外から来てもらう手法とではある意味違うと思います。基本姿勢が違うと思う。

 そういった意味で、今回2期目は少しその手法を変えていこうと思い、2年度の予算もそのように組まれた。と思っていますが、確認いたします。

 

町長

 この第2期総合戦略については、まさに言われる通り、今までは、ふるさとフェアーでいうと、ふるさとフェアーをやるから来てくださいと発信します。来られるかどうか分からない。そうではなく、ふるさとフェアーを楽しんでいるという状況を見ていただくことが重要である。という風にアプローチの仕方、手法を変えたということです。

 今までは、第1期はどこも市町も発信し色々なものを出していますが、いわゆる自治体間競争だった。極端な話、外から来ていただくとその町は減る、それは私とこが良いのだからという考え方をしていましたがそれだけでは、実現しない。と考え、第2期目はアプローチの仕方を変えました。

 

木野山

 そう言った意味で評価はしますが、町民のみなさんが言われるのが、今までの町長の施策は、自分の人脈とか、どうやって人をここに住んで貰おうとか、そう言ったところにばかり頭がいっぱいで、我々の住んでいる地元目線では無いと。そう聞いてきた。私にも納得する部分はありました。

 地域間競争は、当然しなければならない。大事なことです。当然、地域間競争によって、この町の差別化によってこの町の特色が出るわけですから。これは、とても必要なことで、その施策そのものを、住民の皆さんの目線に立ってやることが大事なことです。ですから、

 そのように転換されて、この5年間の新しい総合戦略が出来たと思います。

この総合戦略は即実行に移すものではない。令和2年度当初予算のうちに幾つかは反映されるものも有るかは知れませんが、5年間で計画するものも有る。具体化はこれからでは5年間で政策はできても時代の流れに乗らなかったらまたやり替えということもあり得る。

 今回は、この令和2年度の施策において、いま言われた町民目線に立った政策が有るのか。今までと違って、今年の目玉は何か。お伺いしたい。

財政は非常に厳しくなっている。3つのハード事業を行い、災害もあり、上下水も必要。その中で入ってくる方は少なくなり、その厳しい財政状況の中であっても、町民目線に立った目玉施策があったらお聞かせ願いたい。

 

政策企画課長

 この令和2年度から町民目線に立って新しく始めるものは、しごと創成の中に観光振興の促進が有りますが、その中の道の駅の活性化において、特産品の開発・販路拡大への取り組みは、道の駅リニューアル後の販路拡大、農業生産の拡大へ繋げていくための新しい取り組みだと思います。

 また、町内循環による産業の振興の中で、今までは具体的に事業計画に載せていなかった地域通貨の循環事業となりますが、計画の中に「地域内循環」という言葉をはっきりと入れたという意味で新しい取り組みとなるのではないかと考えております。

 それから、まちの創生の中の取り組みとして、新しく「地産地防事業」を入れていますが、これも地域の中で防災力を高めるためにテクノロジーを活用した防災強化事業として、新しい取り組みの一つです。

 

木野山

 住民目線に立ち、どの様な事業に取り組まれるのかと思っていましたが、生活交通制度の見直し、給食費補助の見直し、また各種補助金の見直しなど、住民との協働の中での支援について見直しをかけていくところばかりに目がついて、住民負担の部分が目立ち、本当に住民目線に立った施策ではないのではないかと思われ、新しい事業やもろもろに議論せざるを得ない状況が生まれているのではないか。

 今言われた3つの事業は本当に住民目線に立った事業なのかも知れませんが、私の考えでは、一番内発的な取り組みとしてやるべきものは、神石高原町に有って都市部に無いものは何か、都市部には有るが神石高原町に無いものは何か、あるいは、神石高原町の持つ特色で町民が気付いていないものはないか、神石高原町でどう頑張っても都市部に追いつけないものはないか。こういったものを精査しながら、事業を最初からやり替え考えながら取り組む必要があるのではないか。

一番大事なことは、自然環境の整備、経済環境の整備、教育・文化環境の整備、生活インフレ、医療・福祉の充実など重要と思います。

 先ほど言われた経済環境の整備・拡大の部分で、農林業あるいは商工業の充実・拡充対策ですが、地域内通貨の創出は初めて謳いますとの事ですが、今年度は例の政府の政策の部分しか行ってなく、あまり通貨も流通しませんでしたが、商工会高原プレミアム通貨につきましては、従来の500万円から本年度は200万円、この5年間の目標を250万円に増やすとなっている。この部分については額が減っている。拡充にも何にもなっていない。

まちづくり推進課において、何だったか支援の額を現金から高原通貨に切り替えるとの説明もあり、全体では通貨を増やそうという考えがおありにも関わらず、減額とはどうなのか。基本的な考えを伺いたい。

 

政策企画課長

 福山圏域の中での神石高原町の経済状況を産業連関表でない仕組みで評価・研究されたものがあります。それによると、町内に入ってくるものは非常にたくさんあるが、それに近いものが出ており地域循環が全然行われていないという結果が出ている。

 できるだけ地域内循環、地域の中でお金が回るような仕組みをつくりたいと考えております。そういった仕組みの一つとして、高原通貨を取り上げております。単年度で多い少ないではなく、全体として地域内でお金が回る仕組みをつくりたいというのがこの計画の中身ですのでご理解賜りたい。

 

木野山

 理解はしますが、当然、額の減ったことは気に入りません。

 教育・文化環境の整備について、教育水準が高くなり、学校の力も強くなり、子供たちの理解力が高まる、という事が一番重要です。各家庭の親から見れば、そういった地域でないと子供は任せられないよね、というのが今の時代なのかと思います。高等学校がある地域は少なく、高等学校ばなくなると色々な面で大変なことになる。教育環境整備にはしっかりと力を注ぎ、協働で一緒に子供たちを育てることは制度化すべきと思う。

 この度の政府による子供たち一人ひとりにタブレットを持たせるという構想には、しっかりと付いていかねば都会に負けます。大事なことです。都市部に有って神石高原町には無いもの、どうしても勝てないもの、いっぱいあります。このところは、充実すべきです。そこに気が付かないと。

特に文化面。文化的なものを見たり聞いたり鑑賞することは、ここでは出来ません。子供たちに、どのように与えるか一緒に考えていかねばならない。この点では、地域間競争では勝てない。ここに住みたいと誰も思わなくなる。

本町にしかないものも沢山あるので、それも宣伝して生かしていく必要もある。

創成総合計画の目標値を確実に達成すべく努力して頂くようお願いし、補助金についてお伺いします。

 

 

【補助金の見直しについて】

 

木野山

 財源不足の中で、どこまで質の高い行政サービスを提供し計画を実行するかを考えるとき、補助金の見直しは避けて通れない問題であり、①補助金とは何か、②地方創生関連事業の見直しに伴っての補助金の見直し、③財政状況を踏まえ補助金の見直しを町民の方々と共有したい。とありますが、毎年度、年度初めには補助金の見直しを行いながら予算編成を行われて来ました。

 この度の、補助金の見直しは、従来の見直しとどのように異なるのか。補助金について、その適正化の指針があればそれをお示しの上、基本的な考え方を改めてお伺いしたい。

 

町長

 ①この度の,補助金の見直しは,従来の見直しとどのように異なるのか。

 私は就任以来,8つの挑戦を掲げ,行財政改革にも取り組んできました。その中では,歳入に見合う歳出の実現を掲げ,業務や事務事業の見直しを行ってきました。その一環として,補助事業の内容も精査しているものであり,特別に補助事業のみを見直しているわけではありません。また、今年に限って方針が変わったという事ではありません

 この補助金の見直しは,平成27年10月に策定された「補助金の見直しに関する方針」により,公益性,効果性,公平性,事業・団体の適格性等を審査し必要な見直しを行っています。

これまでの見直しの視点に,補助事業の定量的評価または定性的評価を加え,「目標設定値」や「あるべき姿」を念頭におく,また,評価項目を統一し職員による事業評価を点数化する,点数化された評価をもとに,所属長の総合的な評価により方向性を出す,他類似団体と補助額比較,事業実施方法比較を行うなどの方法で,分析・検証を行いました。

また,各種団体と,補助金額だけでなく,団体の運営や在り方の課題についても協議を行う取組みをしています。

 

②補助金について,その適正化の指針と基本的な考え方は。

補助金は,行政を補完し,公共の福祉の増進,町民活動の活性化等に有効な役割を果たしています。

しかし,一方では,既得権益化,恒常化しがちであったり,社会情勢の変化に応じて,公益上の必要性や行政推進上の有効性が変化してきています。

そのような変化に対応し,有効な役割を果たせる補助となるよう,これまでの見直し方針に①事業に対する基準 ②事業・団体の適格性 ③補助金運用の基準 ④定量・定性評価の実施 などの指針を明記し取り組んできたところです。

地方自治法232条の2において補助金とは「公益上必要がある場合」に限られていること,また,その財源は町民からいただいた貴重な税金であることを基本に踏まえ,限られた財源を有効に活用し,効果的・効率的かつ適切な執行がされるよう取組みたいと考えております。

 

木野山

 言われるように、地方自治法232条の2において補助金とは「公益上必要がある場合」に限られているということと,その財源は町民からいただいた貴重な税金であるということを基本に考えると、正にその通りだと思います。

 公益上必要に限られる、という事は具体的にはどういうことか。客観的に公益性があると認められる必要がありますが、基準があると思いますがその基準を伺いたい。

 

総務課長

 明確な基準を策定するのは非常に難しい状況がある。

行政が本来すべき取り組みを地域でして頂いている場合。青少年に対する補助金。業者に対する支援。など一般的に色々な補助金がある。そういった中で税金を使って補助金を出すわけなので、その団体に対して支援をする事が妥当であるかどうか、そういったところが一つの判断基準となります。

 

木野山

 まさにその通りで、まず最初に、町の施策、推進すべき事業に合致していなければいけない。

団体がそういった目的をしっかり明確化している団体でなければならない。ニーズに対して広域的に使われているかどうか。あるいは特定のものばかりに行って公平性が保たれているかどうか。それらを含めて、本当に補助金を出すべきかどうか判定をする。

一応補助金を交付した場合、補助金が事業目的に対してどのように使われているか、そこを評価してその額を決めていかねばならない。と思います。

 これまでの見直しの視点に新しく事業基準とか団体の適格性、適用基準、定量・定性評価の実施など入れると言われましたが、具体的にはどういうことか。適切、効率的とか基準が合わないとか言われても良くその評価基準が分からない。繰越金の過多とか、具体的なところを説明願いたい。

 

総務課長

 補助金の見直し基準は平成27年に策定している。例えば、公益性の有無、必要性があるかどうか、公平なものになっているか、算定にあたっての明確な基準があるか、などの視点で評価を行っている。これらの基準に達するかどうかで評価しますが、それ以外にも、団体に主体的活動ができているかどうかは繰越金の状況なども見させてもらっている。繰越金は単年度の補助金以上の繰越金を有しているかどうかも評価している。

 評価にあたっては、事業目的はどういったものか、その目的に対しての一年間の取り組み状況も判断基準としている。

 

木野山

 最初に問題となるのは、団体の事業目的のところで、運営費補助と事業費補助に関して、運営費補助と言ったら事業費補助も含む場合もありますが、各市町の補助金基準の指針を見てみますと、運営費補助はすべきでなく事業費補助に限るべきというところが意外と多い。運営費補助は設立間近で団体の運営がまだ軌道に乗らず、財政も少し基盤が薄いという場合は考えられるが、一応軌道に乗れば止めていくというのが基本で、あとは事業費補助に限るという市町が多い。

 基本的に本町はどうなっているのか。確認したい。

 

総務課長

 本町では、運営費補助を行っている団体が多い。各団体の運営状況は様々です。

いま特に気になるのは、活動経費としての会費の徴収にかなりの差があると言ところです。活動そのものがなく年一回だけの研修に終わっている団体もある。そういった色々な団体へ毎年一定額の補助金を交付してきた状況がある。

 本町の課題は、そういった終期の設定をしていない、会費の考え方が整理できていない、活動の中身に応じた補助金の在り方をどうするか、であります。この課題を解決するため、補助金の見直しを行っているところです。来年度(R2年度)最終的な見直し方針を早急に作成し、団体に一定の説明を行いたい。

 

木野山

 事業費補助の経費の捉え方ですが、交際費とか慶弔費、飲食費や親睦費、これはダメというのが従来通り適正化のところで認められない。これらは一般管理費です。

 一般管理費は補助金になじみますか。

 

総務課長

 一般管理費的なものが補助対象になるかについては、団体の性質により考え方が違ってくる。団体ごとの経費として必要なものは当然補助対象となる。性質により違いが出る。基本的には、食糧費とか慶弔費のようなものは対象にすべきではない。

 

木野山

 人件費なども一般管理費に含みますが、補助金になじむか精査が必要では。

 

総務課長

 その団体の活動内容による。公益的団体でどうしても人件費が必要と見てとれるか。また、収入がない団体で、事業のために人件費が要る場合は支援が必要と思う。

 

木野山

 新町は協働のまちづくりが念頭にあり、一緒にやっている団体、公共の団体は公共目的に公共事業を行っており、当然補助金も出すことになりますが、運営費や一般管理費はシビアに見てもらう必要がある。

財政の厳しい中で新規の創造事業に取り組んでいる訳なので、厳しい中で皆さんの税金であるという事を念頭に置き、体制を考えていただきたい。

 

 

【ふるさと納税の活用について】

 

木野山

 令和元年度の神石高原町へのふるさと納税の額は、7億円を超えました。神石高原町へのが年ごとに増加していることは喜ばしいことと思います。

 令和2年1月末の実績では、直接の町に対するもの、自治振興会や支援センターに対するものは前年度実績に達していないものの、NPO法人に対する寄付金が7億円弱と大幅に伸びております。

 NPO法人へ対する交付金は、本町のふるさと納税事務経費相当額を差し引いた額がそのまま交付されております。これは、寄付者の意向を最大限に尊重するという方針のもと実施されているものであります。しかしながら、NPO法人側がこの交付金を活用するにあたっては、特定のプロジェクトに対する寄付金においては全てがプロジェクト目的に充当されるのではなく、その内から15%程度を一般管理経費へも充当されている事例も見受けられ、その使用には寄付者の意思を反映されていない状況もあります。

 担当課長の先の答弁では、町の委託料算定においては25%程度を一般管理費に計上しており15%は適当であるとのことでしたが、寄付者の意向に沿うことが命題であるならば疑問符の付くところであります。

 一般管理費に充当することは、目的外使用ではなく寄付者の意向に沿っていると解され問題がないのであれば、この寄付金は、根源は本町への寄付であるがゆえに免税されるというものであり、本町への寄付金と理解され、寄付金額の15%程度を一般管理費として計上し本町の事務経費とすることは、何の問題もないこととなる。

差引額を、交付要綱に基づき寄付者の意向に沿った使用を義務づけ、NPO法人への交付額としたらどうか。

 自主財源の少なさから,起債等に頼った財政運営を行わざる負えない現状を踏まえ、財源の確保は最重要課題であります。ふるさと納税制度の趣旨の鑑み、町への直接的ふるさと納税の増を喚起する施策を再検討すると同時に、貴重な他市町の納税額を本町の収入として計上する以上、これを有効に活用することは公平の観点からも十分に考慮すべき案件と考えます。寄付者が在住する他市町に対しても十分に抗弁案件となるのではないか。

以上提案したい。

 

町長

ふるさと納税の有効活用について。

第2次長期総合計画では,住民協働対策として,従来の「官」と「民」では捉えきれない,新たな「公共」のための活動が求められているとしています。

この新たな公共の取組みは,住民と行政の協働における住民協働の範囲を明確化する必要があると考えます。

この協働の担い手はNPO法人,協働支援センター等ですが,この団体に対する町の支援としては,財政支援が考えられるが,町財政状況を考えると,一般財源から財政支援することは困難であることから,団体の財源確保のため,行政の役割として,ふるさと納税の仕組みを活用しているものである。従って,ふるさと納税運営のための必要経費,寄附額の7%を町の必要経費とし,残る93%を寄附者がご指定された団体へ交付するもので,町の財源確保のために,必要経費以上を町の経営財源とすることは,寄附者の意向に応えるものではく,意向に反すると考えます。

一方で,町の財政状況は,地方交付税の縮減や人口減少にともない,今後においても町の経営を圧迫することは間違いなく,この対応策の一つとして,団体支援以外の町政策に対し,更なるふるさと納税の活用は必要であると考えています。

この町の政策を,納税者が共鳴・共感して頂くためには,更なる町の魅力づくり,そして情報発信が重要であると考えています。

令和2年当初予算では,町の施策に対する寄附見込を1700万円と計上しておりますが,年度目標額を1億円を定め,企業版ふるさと納税の活用と併せ検討,実施してまいりたい。

 

木野山

 ふるさと納税の目標額を1億円と定め,企業版ふるさと納税の活用と併せ検討,実施したい。というところは、その通りしっかりと町の財源確保に努めて頂きたい。寄附しかありませんから。あと、町税とか国の交付金などは普通の行政の流れの中で一定の確保があり、これ以上増えませんし、事業を組んでもその事業資金ですから。自由な収入財源としては寄付金しかなく、ふるさと納税は非常に有効な活用資源だと思います。

 こちらの町に入るという事は、他の市町の受益をこちらに頂くという事になる。「ふるさと納税、止めてください。我が市の財源が無くなります。」と地元民にお願いしている市町もある。こういったお金です。その意味では、都市部の行政にかかわっている方、市民の皆様方の意向があると思う。

「これ高原町に全部行っているけど、勝手にここが使って貰っても困るんですよ。」というのもある。

ですから、最後に、抗弁の案件となるのではないかと、私が言っているのはそこらを踏まえながら有効に活用するという事が大事で、全部NPO法人さんに渡してしまうのは間違っているというか公平性にも疑問点がある。

 最初に補助金のところで確認しましたが、公益性のある団体というのが大前提となる。

NPO法人はノンプロフィットですから受益を目標としてはいないが、全部が公益かと言ったら、そうでは無い活動もひょっとしたら有るのではないか。

全部が全部公益的に行っているか。という疑問点と、本町の事業施策、それに合致しているかどうか、これも一つの判断基準となる。例えば、一番大きいPWJさんの犬の関係については、我が町の施政方針の中に「殺処分ゼロ」とうたってあるかどうか。そういったことも含めて我が町の施策に合致しているかどうかも一つの判断基準となる。そこから始まり、それがOKなら、出している交付金がどうかという話となる。

そうすると、行政と町の協働となりますが、町の事業とNPO法人さんとの事業の明確化、どのように関連性があるかを把握していく必要がある。

また、経費について、一般管理費も経費として認めるならば、本町は25%程度は認めているとのことだが、直接経費として以前は2%、インターネット関連で5%加えて7%となりましたが、それは経費ですから、それだけが経費ではない。一般管理費のうちで幾らかは町の携わる部分の経費として見るべきではないか。それを勘案して交付金いわゆる補助金のようなものですがお渡しする。

先程の答弁では完全に違うと言われましたが、もう一度再考して頂きたいと思います。

 

町長

 公益かどうかについては、「殺処分ゼロ」につきましては、全牧野町長のとき、殺処分ゼロの方針を出して、今もそれを続けている。協働のまちづくりについても、PWJだけでなく他のNPO法人についても協働のまちづくりを担って頂く相手として育ってほしいという思いで、非営利セクターに対するふるさと納税を行っていますので、公益だと思っています。

 他市町に対する抗弁案件となるとのお話ですが、この部分については、私は他市町には説明する必要はないと思う。これはふるさと納税の制度ですから、国が作った制度です。寄付者の思いで寄付を頂いており、寄付者に対しては説明責任はありますが、その自治体に対しては必要ないと思う。寄附者に対して誠心誠意、使用についてアピールすればよいと思っている。

 一般管理費については、本町は臨時職員や職員の人件費、郵送代などで2%あれば大体ペイできるのという額が2%です。そこの団体のオーバーヘッド部分で15%活用することは問題ないと思う。それをやるために使うわけですから。町は直接その事業を行っていない、ふるさと納税制度を活用しているだけなので町が15%部分をとるオーバーヘッド部分は、寄付者の意思の反すると思っています。

 

木野山

 そこのところが私と認識が違う。

 町全体で行っている事業の一つなのですから。一般管理費を見ても誰にも文句は言われない。

町民の方も、何故そこに全部行くのかといわれる方がいっぱい居られる。普通です。私の考えは。

 相手方、NPO法人がその事業のために使われている一般管理費15%は当然だと言われましたが、先程、補助金のところで言ったように、事業目的ではないので継続的に活用することはあまり相応しくない。

 それを認めるのならば、町の方もそれは経費として認めても良いのではないか、と言っているのです。逆説的ですが筋論です。

 寄付者について言われましたが、他市町の寄付者はその市町へ税金を支払わないのですから、本町へ払われるのです。税金です。先程の補助金のところで非常に大事だとの事だった。

ですから、全部が全部そういう一般管理費に回しているようなところへはお渡しすることはない、というのが私の意見です。

 

町長

 全部ではなく15%だと思いますが、その事業をするための一般管理費なので問題ないと思う。

 

木野山

 運営費の部分については、軌道に乗り前に行き始めたら運営費部分は勘弁して頂くというのが普通の考え方だ。ここに産業課でも軌道に乗ったから補助金を出すのはやめます、というのが四つくらいある。ですから、これは運営費かどうか分かりませんが、そういう範疇のものだ。充分に回っているところは運営費補助はいらないと思います。

チャレンジファンドも、運営は上手くいってお金は貯まっておりいらないと思う。

 この点につきましては、議論も尽きませんので、また改めてやらせて頂きたい。

 これで、質問を終わります。




 令和2年3月 新年度予算事項別質問

○生活交通機関確保事業

木野山

 利用料の見直しは、現状の利用料600円を900円と300円の値上げ改定の提案である。これは値上げ率が50%となり、かなりの大幅な改定である。

 スムーズな移行には、利用者の理解を得ることが不可欠である。

 その対応を伺う。

瀬尾総務課長

 利用料金が600円から900円になり、率にして50%の大幅な引き上げとなります。

多くの方に今回の見直しの必要性についてはご理解を頂いた。額についても800円から1000円未満ならば良いと一定のご理解を頂いている。

今後はご利用の皆様に、3月に、制度改正の必要性、改正内容及び制度見直しに対するお願い文も併せ記載し個別に送付するとともに、全体周知として4月に発行する町広報に内容を掲載し、周知していきたい。

 

木野山

 ご理解を頂いているとの事だが、まだまだそうでない人も居られる。

利用者の方は高齢の方なので、先般のふるさと納税のお願い文の時は丁寧に説明にも拘らず、勘違いが多かった。送付されるパンフレットは、小見出しでも付けて分かり易いものにして頂きたい。一番肝心なことは、理解をして頂くことだ。何故見直しを行うのか、分かり易く伝えないと、単に説明だけでは押し付けになり理解は得られない。財政的に持続可能な制度にしたいならば、そのことを分かり易い表現でお伝えする事に努めて頂きたい。

 

○チャレンジファンド事業

木野山

 財団への運営補助額は、設立以来、当初予算1120万円と変更されていない。

財団の運営努力により純資産の積立額もかなり増加し、1600万円程度になっている。

初期の補助目的は達せられている。そろそろ見直したらどうか。

岡崎政策企画課長

 財団の資産の事ですが、初期の目的は達せられているとのことですが、民間から資金を集め、財団の運営が潤沢に回っていくことを思っているが、それが十分に達成されているかどうかと言えば、まだまだ道半ばである。一定程度の純資産は出来ているのは分かっているが、初期の目的についてはまだ不十分です。

 

木野山

 区切ればそうなのかも知れないが、3年経過し順調に言っていると思う。

営業努力の面でいうと、理事が5名、監査が2人、評議員が3名となっており、事務局は別枠で1人居られる。その活動内容はどうなっているのか。理事が動くとは思えないし、だれが動いているのか。

岡崎政策企画課長

色々営業努力を行っているが、基本的には代表理事と専門の事務局長が企業や金融機関を回っている。それ以外の理事も福山や東京、色々な所でチャレンジ基金の説明をして頂いており間接的に営業活動を行っている。更に、政策企画課は、企業誘致の担当もしており、代表理事、専門の事務局長と一緒に企業誘致の観点から営業活動を行っている。

 

木野山

 おそらく担当課が動いている。偉い理事さんが動いているとは思えない。そこを考えると町が設立した民間団体といえども町職員がその仕事を行っている。ある程度財団の手伝いを行っていることを含めると、この1120万円の運営費を毎年継続して出すという事が果たして正解か疑問符も付きます。よってそろそろ見直して頂きたい。お願いしておきます。

また、財団への事業資金貸付も、審査に確実性を期すため、そろそろその額や期日、財団の運営方式など内容を見直したらどうか。制度を利用される方も、使い勝手が悪く審査の内容などよく理解できず、どうすれば審査が通るのか疑問点があると現場では言っているようだ。

運営体制を見直すというか、もう一度検討して頂き、新しく制度化してはどうか。

岡崎政策企画課長

 財団ができて3年が経過したところです。色々ご指摘があり不備な点も出てきた。議会からの提案を、その旨財団に伝えたい。財団の中でしっかり協議して頂くようお願いをしてまいります。

 

木野山

 手を挙げた人も審査の段階で、伴奏型経営指導の中で手直しを行っても中々OKが出ない。ハードルが高いという事です。制度の目的が良く分かる、動きやすい制度にして頂ければ、もっと利用も上がり増えてくると思う。

目的に沿わない申請には早くから結論を出すなり、検討しなければ長続きしない可能性がある。資金的な部分も全部回収できれば良いけれども、循環がうまくいくように考えられない。

この制度は新しい視点での新しい試みなので、補助金ではなくお金は帰ってきて循環するというものだ。私は、素晴らしい取り組みだと高く評価している。上手にやらないと不満ばかりが返ってくる。

よろしくお願いしたい。

 

 

○町PR事業

 

木野山

 PRのターゲットを東京都心から地元広島市近隣地区に移行したということか。

岡崎政策企画課長

 令和元年度は東京から広島へという事で予算編成した。

決して、東京など大消費地区を止めたわけではない。議員各位からご指摘いただいたように、まず地元を固め、地元に目線を置き、そして将来的には打って出る。という事で東京大都市圏をあきらめた訳ではなく段階を踏んでやっていくという事です。

 

木野山

結構なことです。東京で「神石高原町」といっても、関係者にしか理解して頂けない。まず広島からというのは結構なことです。

ケーブルテレビ番組の制作にも予算を取られていますが内容は。また、効果は期待できるのか。

岡崎政策企画課長

 昨今は、SNSを中心にテレビ離れという声を聞きますが、依然として広い世代に有効な情報取得手段ツールとしてあるとおもっており、町が発信するケーブルテレビ、その文字放送、公報やホームページなどですが、その中でもケーブルテレビは町民に対する情報発信という意味では有効なメディアであると考えている。

 

木野山

 ケーブルテレビの情報は町民対象という事か。中身的には8回ほどですが、どのようなものなのか。

岡崎政策企画課長

 年8回のうち、定例会は年4回ありますが、定例会の状況の説明をさせていただく。

残り4回は、町内で起こっていること。町が今からこんな事がしたい、こんな事をやっている。時事性のあるテーマを選んで、それを町民の皆様により深く知っていただく様な番組を作っていきたい。

 

木野山

 町内の11チャンネルを見ている人を限定にされている。具体的に何なのか。町民の活動番組は、それはそれで浸透している。何を言われるのか、どうも良く分からない。

ケーブルテレビの番組は町内だけでなく府中も見ている。広島、福山では見られなく広範囲ではない。限定されるので、宣伝効果はお金をかけてどんどんするほど無いのではないか。それよりほかの方法を模索したほうが良いのではないか。

 もう一つ関連ですが、物品のJINプレミアムへの対応とはどうなのか。JINプレミアム商品の宣伝物、袋やのぼりを作る。個人負担も将来的には考えるとの事でしたが、JINプレミアムという商品のPRが目的なのか、それともJINプレミアムという制度を宣伝することが目的なのか。どちらが主なのか。

岡崎政策企画課長

 JINプレミアムという商品をPRしているのか、JINプレミアムという「もの」をPRしているのか、という事ですが、JINプレミアムと認定した「もの」も当然発信して行きますが、JINプレミアムという取り組みを神石高原町はしているという事の「神石高原町」をPRするというものである。産品と町の両方をPRしていきたいと考えている。このJINプレミアムの取り組みは道半ばであり、一定程度の期間を設けたのちには、個人負担も考えていかねばならないと思っていますが、一定期間とは、今3年経過しましたのであと2年位の後には具体的なことを考えたい。

 

木野山

 定着するには2~3年必要という事で、それも良く分からないのですが、本当にJINプレミアムという制度か産品か良く分からないのが現実です。下手をするとJINプレミアムの基準が分からないので、JINプレミアム商品だったらどうなのよ、現実に付加価値がついて高く売れるのか。となる。現実にはそうは成っていない。制度をもう少し深く掘り込んで頂かないと2~3年掛かると言われても、早くしないと逆効果になることも考えられる。JINプレミアムという、価値を上げるという取り組み、これが制度なのですから。

 

 

○有害鳥獣駆除対策事業

 

木野山

 令和2年度予算は、元年度とあまり変更はなく、駆除対策の新しい展望が見られない。議会として提案も致しましたが、担当課として、もう一つ踏み込んだ対策・施策提案はないのか。

瀬尾産業課長

 過去に振り返ってみますと、10年前の鳥獣害対策経費が2300万円程度でした。近年は捕獲頭数も上がり平成26年度以降は3000万円前後で推移しています。昨年度は4000万円を超えました。今年度は3800万円弱という事で、対策費としてはかなり増加している。この間、追い払いの花火、サル追いのパトロールなど強化した部分もかなり有ります。

獣害対策で大きく分けてみると、山から下りてこないよう個体数を調整するための対策費が4000万円の内の3500万円くらい掛かっている。残りの500万円程度が畑へ入らないための柵経費に掛かっている。一方で、これだけ対策費が増えている割には、農作物の被害額が300~500万円の間で推移している。

分析してみると、個体数調整を行ってきているからこの程度で済んでいるのか、あるいは、これだけ対策費が増えてきているにも拘らず、被害額が減っていないのは効果がないのか、といった踏み込んだ分析ができていないのが現状です。

思い切った対策は持ち合わせていないのが現状だが、全国的な事案から見ると、対策費を一切掛けないで、人を雇用、専任の職員を雇用して成功している事例もあります。これは青森ですが、こういった事も参考にしていきたいとも思っているところです。

 

木野山

 ジビエ関連とか、狩猟の専門家とか色々あると思う。先進地の取り組みを見ると、何か違うところが有ると思う。取り組みへの関心度、姿勢が違う。その辺りのところを頑張って頂きたい。

 

 

○次期ごみ処理対策事業

 

木野山

 RDF施設の運営は今後どうなるのか。

次期構想では、焼却処分となり、この施設は不要となる。対策はどのように考えておられるのか。

お伺いする。

松本環境衛生課長

 今年度見直し策定を行っている「神石高原町一般廃棄物処理基本計画」の基本方針の中で,令和6年度から福山市次期ごみ処理施設における可燃ごみの広域処理に伴う収集運搬について,町内に中継施設を整備して収集運搬を行うこととしています。可燃ごみを一か所に集め、その後運搬します。

計画している業務委託のなかで,中継施設の整備方針を検討することとしているが,新設で対応する方法だけでなく,現RDF施設の一部使用、改修という方法等も含めて検討していきたいと考えています。整備費用や管理面、運営面など多方面から考慮し、今後検討したい。

 なお,可燃ごみ以外の資源ごみや粗大ごみ等については,引き続きクリーンセンターじんせきで処理していくこととなります。

 

木野山

 今のRDF施設は、混載してペレットを作るのが主な業務です。ペレットを作るという部分でこの施設を活用する方策はないのかなと思い質問した訳ですが。その辺りの検討はないのか。

松本環境衛生課長

 固形燃料は、県内すべてRDF施設から移行されて、焼却施設の運営に変わっている。

今のところ燃料を作っても何処も使用してもらえない。こういった事も有りますので、現在はペレットの製造については考慮していない。





 令和2年3月 R1年度3月補正予算

1)過疎ソフト債の減額補正

木野山

 過疎ソフト債借入枠の減による減額補正に対応する各種事業は、他の財源を補填することにより執行されたにか、それとも事業縮小か

 

瀬尾総務課長

 一般財源で対応し事業は予定通り執行した。

木野山
 過疎債などについては限度額も設けられ年々厳しくなっている。来年度予算編成にはこの点も考慮し工夫しながら行って頂きたい。

 

2)トマト団地新規就農者支援

木野山

 令和1年度で2名、令和2年度で2名、計4名で満という事だが、この事業は繰越となるのか。事業を縮小するのか。

 

瀬尾産業課長

 令和元年度事業です。当初設計では1929万4千円でしたが採択が1759万4千円であっためその分の減額補正です。事業の縮小は行わない。限られた採択予算の中で当初予定規模の工事を行う。

 

木野山

 新規就農者は新たに本町で事業を起こす決意のもとで来られている。新規就農者は、トマト関連だけでなく住居を探すなど諸々の生活関連の活動が必要となる。

資材単価も高くなり、予定資金だけでは心配になる。また現実に困っておられるのは住むところがない。こういった、新規就農者への生活支援など経済的サポートも必要と思うが、どこまで支援ができるのか。基本的な考えを伺う。

 

瀬尾産業課長

 トマト団地新規就農者事業は平成28年度から始めている。当初から、募集し就農されたら終わりではなく、引き続きサポートすることで事業継続してきた。毎年2名ずつ、プラス研修者を含め、現在13名が本町に来ていただいている。

当初は人数が少なかったので、限られた職員の中で手厚いサポートができていた。最近は、後フォローを含めて住居を探すなど他市町から来られた方には農地斡旋など生活面に全般にわたってのサポートを行うにはマンパワーの関係で、一人の職員では出来つらい。

そのため、この事業は当初から、JA中央会やJA福山市、県と連携てきた事業なので、今年から後フォローを含めて、分業サポート体制をとっている。当初の全面サポートの考えは堅持している。

 

木野山

 事情は分かりますが、入ってくる方はそういった事を心配しながら頑張っておられる。例えば、町住宅への入居条件を優先的に設定するなど、制度的にできるように規定すれば職員もサポートがスムーズにいくのでは。今のままでは、職員の負担が大きいのでは。制度的に整えておくべきでは。

 

瀬尾産業課長

 居住については、空き家とか町営住宅とか職員が間に入りサポートして来ている。公的な団地についてはトマト就職者に対して優先的に、という事は制度的には、当初に補助金を受けて立てているという趣旨からいけば、新たに制度を設けることは困難だと認識している。

 

木野山

 公平性から難しいとは思いますが、調整は出来ないことはないと思う。住宅だけではなく資金の面でも検討して頂きたい。

 

3)GIGAスクール構想

 

木野山

 都市部との教育・文化環境格差を解消するために、このGIGAスクール構想導入は非常に期待できる。

この制度は国の方針で全国一斉か。各市町で選択制か。

 

馬屋原教育長

 国の政策を受けて、各市町で判断し進めるものです。国が補正で急に出されたものなので、今年度中の申請が必要で、我々も時間がない中で検討しながら今日に至っている。

GIGAスクール構想について、素晴らしいことだと思っていますが、中々準備が順当に進まず、環境整備の中身、タブレットの導入方法、活用方法など研修が必要だ。

今、子供たちは臨時休業なのでこういった時間を活用し、文科省から教育の情報化に関する手引きが出ているので、それを基に各学校とも研修しながら、準備を進めてまいりたい。

 

木野山

 急な国の予算提案で拙速だと思う。日本の教育について長期的な観点で行われている制度ではないのではないかと文科省の教育方針には疑問点もある。国の守りには教育が一番重要だ。

国の教育方針に我が町が対応するわけですが、全体事業費の40%程度しか国費がついていない。財源の面では町長部局で、もっとしっかりと国や県に交渉すべきでは。

 

森重副町長

 その通りです。国の事業特に文科省の事業については、エアコン整備の時も同程度だった。

今回も、急に提案があり、手を挙げなければできないという状況の中で進めている。

今後、このような状況が続くならば、当然町財政に響いてくる。

必ず必要ならきっちり補償をして頂くよう、今後はあらゆる分野で県を通じ国へ要望していきたい。







議会質問集
議会活動
議会の動き

★平成28年度 ★平成29年度 ★平成30年度 ★平成31年度 ★令和2年度
★平成21年度 ★平成22年度 ★平成23年度 ★平成24年度 ★平成27年度
★平成20年度 ★平成19年度 ★平成18年度 ★平成17年度 平成16年度