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 令和3年度第8回12月定例会 質問
 
令和3年12月第8回定例会 補正予算質問

○子供食堂について

 

木野山

予算が50万円で3カ月、対象者120人で計算すると、一人各月1回とすると12〜300円の予算と思う。対象のフードバンク登録者の方にサービスする訳ですが、都会地では人口が多いので不特定多数で意識しませんが、郡部では個人が特定される恐れがある。個人情報の観点でこの施策をどのようにされるのか。

食券のような形で自由に食べに行って頂く、というのが一番と思うがどのようにお考えなのか。

 

子育て応援課長(赤木)

 個人情報で行きたいけど行きにくいという事が無いように、時間を限らないで行って頂く、時間を限ると注目を集めることも有る。フリーな時間に営業時間内に食べに行って頂く事を今は考えている。今後、各地域へ広がった場合は地域コミュニティという事で子供さんだけか高齢者まで含めた食堂というか、そういう事にもなって行けば良いかなと思っている。今回は特に事業の実現というかこういう事をやって皆さんに子供食堂というものに関心を持っていただきたいという事も期待している。

 

 

○かがやきネットの更新について

 

木野山

 企業版のふるさと納税の3000万円が財源となっているが、寄附側の意向でかがやきネットの事業になっているのか。

 かがやきネットは基金によって収支を見ているという関係で、かがやきネット基金への繰入という形を執られていると思うが、収入の部で財産収入とか契約収入、町の補助金、このような寄付による収入などに分類して計上しないと基金繰入でかがやきネットの運営をするという意味合いが取れないと思うがどうされているか。

 

未来創造課長(岡崎)

 ご指摘通り、かがやきネットの更新と新規システムの導入は基金として財源として企業版ふるさと納税の3000万円を頂いており、神石高原町をデジタル化していくうえで使って頂きたいとのご意向を頂いている。使い道を未来創造課の中で検討した。今回、かがやきネットの更新とスマートフォンでもかがやきネットを視聴し情報を取ることが出来るという事を行うことによってさらに情報をデジタル化する事が進むのではないか、とこういった事業に充当する事とした。寄付者の意に沿うものであると考えます。

かがやきネット管理運営基金積立経費については、財産貸付収入所謂IRU契約の収入をケーブルジョイの決算を基に収入として基金に積み立てる部分と、企業版ふるさと納税のような次の投資のために使っていく基金として、かがやきネット管理運営基金の中に分けて組んでいる。更に過疎ソフト事業分も充当しているので、そういって使い道を分けたうえで基金を積み立てています。

基金の令和2年度末の額は4億4600万を基金として積み立てています。

 

木野山

 維持可能なシステムとなるように基金運用も宜しくお願いしたい。

 

 

○町が休業を要請した企業に支援することについて

 

木野山

 それぞれの事業所の売上の上限、一番多い売り上げを見て、上限を100万円と決め2業者にこの度新たに補正予算で支援を行うというものです。補正前の額に250万円の金額が有りますのでこの2業者には以前にそれぞれに100万円ずつの支援を行ったという事か。それとも休業要請を行った事業者は他にも複数あり、それぞれ上限を設けて支援されたのか。

また、何故この2社に限られているのか。

 

政策企画課長(池田)

 補正前の額250万円について事業者は同一です。

ティアガルテン、帝釈峡スコラにそれぞれ100万円、森林公園星固山に50万円です。

補正前は前回の緊急事態宣言での休業補償、補正分は今回の緊急事態宣言での休業補償でティアガルテン、帝釈峡スコラの2事業者です。

星固山は申請勧奨も行ったが、前年度、前前年度の期間中の売上比較において影響が少なかった事と今回の営業保証分も前回の50万円の範囲内で対応が可能であったため、今回は2事業者となった。

 

木野山

 了解しました。特定事業者はティアガルテン、帝釈峡スコラ、星固山の3事業者。今回は2事業者

他には無かったのか。

 

政策企画課長(池田)

 宿泊事業者に対する緊急事態宣言に伴う休業要請をした事業者です。他の事業者は対象としていない。




令和3年度12月第8回定例会 一般質問

 

【災害復旧について】

木野山

地球の気候変動は30年を単位に平均値を計測するが,近年は安定期から変動期に移行し豪雨災害の発生も頻繁化,激甚化している。

 

本町では本年(令和2年,2020年)3月,今後の大規模自然災害の発生に備え「神石高原町国土強靭化地域計画」が策定された。

位置づけとしては,国土強靭化基本法13条に基づき,本町の国土強靭化に関する推進施策の基本的計画であり,神石高原町第2次長期総合計画との整合・調和を図りながら国土強靭化に関する本町計画の指針となるものである。

よって,期間は令和2年度から令和6年度までの5年間と定めている。

台風や豪雨による風水害や大規模地震による災害を想定し,リスクのシナリオを多面に亘って想定し,多くの想定されるリスク・課題を横断的に解決し「災害に強い高原のまち」神石高原町を,強靭化により目指すべき将来像として位置づけている。

 

 そういった中に於いて,道路・河川の災害復旧工事に絞り,平素からの維持補修工事を含め災害復旧事業及び改良復旧事業への本町の取り組みについて基本的な考えを伺う。

 

町長

道路などの維持修繕は引き続き取組んでまいりますが,近年の異常な降雨により修繕箇所が増加している状況です。

再被災しないよう修繕に努めてまいります。

災害復旧事業は3年以内の復旧が原則ですので,平成30年災害のような大規模災害でなければ,引き続き早期復旧に取組んでまいります。

また,災害箇所のみの復旧では復旧効果が図れない場合には,補助率が下がる場合がありますが,関連事業の活用も検討しながら活用したい。

 

木野山

道路などの維持修繕は引き続き取組んでまいります。との事ですが,まず現状を把握しておこうと思います。

現時点での町道,農道,林道の3路線における各路線数,各総延長キロ数,各舗装キロ数,各舗装率は幾らか。

維持補修予算額の推移は。当初予算と補正予算の額をお示し頂きたい。

 

 

高石建設課長

 道路舗装で調査しております。

町道は路線数が1498路線,総延長が1119キロ,内舗装は719キロ,舗装率は64%,

農道は路線数が185路線,総延長が138キロ,内舗装は122キロ,舗装率は88%,

林道は路線数が91路線,総延長が155キロ,内舗装は129キロ,舗装率は83%です。

全部で1774路線の維持管理を行っている。

舗装率が若干低いですがこれは生活交通の多い個所を舗装を行っているとの認識をしています。

 町道の維持補修経費は,過去5年という事で調べた結果は,平成28年から令和2年度までの5か年で当初予算が8200万円,決算額が1億1400万円となっています。差額については補正対応をして頂いています。平均すると3200万円程が補正対象となると思います。

 他にも維持補修ではありませんが,道路の側溝清掃とか支障木,草刈りなど自治振興会等地域の方に実施して頂きそれに対する補助を別途で行っている。

 

木野山

 平成27年度の一般質問した際の資料と比較して,舗装率などどう変わっているかお聞きしましたが,町道などの総距離数はそれ程変化が無い。町道は1708路線だったので減っている。農道は183路線で林道は97路線だった。それほど変化は無い。

 舗装が一番気になりましたが,町道で711キロ,農道で122キロ,林道では129キロと言われたが舗装率は平成27年度は町道62.5%,農道は88.3%,林道83.6%。率は5年間であまり変わっていない。これは,計画的なのか自然にこうなったのか。特に町道は60%台で意外な感じがしました。大阪市を見ると97%以上舗装されている。

 都会と中山間地という地域差はありますが,どうなっているのか。

再度,答弁願いたい。

 

高石建設課長

 私も町道の舗装率64%は低いという実感がある。旧町時代から舗装は行ってきたが,生活道については順次舗装は行ってきたが,山中を通って向こう側へ出るとか昔は生活動であったが今では林道的な個所など町道から変更していないところもありこの舗装率になっている。

イメージ的には車が通っている町道は舗装完了していると認識している。

 

木野山

 車の通っているところは舗装していますよ。車の通らない里道のような町道は残っています。との事ですが,60%台というのは気になります。それとあちこち舗装が痛んでいるところが有り,そういった処はなかなか補修が出来ていない。

町全体で基本的に維持補修をどうするか考えていかねばならない。建物と同様に町一番の生活基盤,移動基盤であり一番大事なことではないか。道路が奇麗であり隅々まで管理がされているという事が見られると,町外から本町に来られる方もこの町は道路の面だけでなく教育面や産業面など色々な面でしっかりと目が行き届いて管理がされている町なのだなという印象を持たれるのではないか,とも思います。道路管理の面で,もう少し考えていく必要があるのではないか。

予算面では,平成27年度とあまり変化は無い。

 道路維持管理について,もう一度考えてみたい。

・道路維持など社会資本を効率的に管理するためには,ライフサイクルコストの縮減が必要です。即ち,長いスパンで見て費用が一番少ないように改善・修繕を行うことが重要です。

その為には,以下の二つの視点があろうかと思います。

@一つは投下費用の効果を最大限にする理論である「アセットマネージメント」という手法の中にある,大規模な補修を一度に行うよりも小さい規模の補修を早めに対応する方が費用は少なくなるという結果が出ている。即ち,計画性が必要という事です。

Aもう一つは,ライフサイクルコストの捉え方です。⇒@修繕をするコスト,A利用者が不便と感じるコスト,B環境がうまく行っていないと感じるコスト,この三つのコストを加算したものがライフサイクルコストです。これは

長いスパンで最高の成果,効果が上がるように管理する必要がある。修繕をしなかったらそのコストは少ないかもしれないけども利用の方,あるいは環境のコストが上がる。そのように理解して頂いて,長期的に長いスパンで管理する姿勢が必要がある。計画性が必要だと思います。

この点について,どうお考えか。

 

町長

 提案を頂き有り難いと思う。

決算で1億1200万円という維持補修経費,改良は別ですから相当の額を投資していると思う。

そういった額からみて小さな修繕をどんどんやっているのだと思う。全体を見てどういった修繕を今後行うのか,考えていきたいと思う。

 

木野山

 全体を見て行うという事は財源が問題だ。前回の質問時に,牧野町長も「・町道はある面で言うと,予算の皺寄せとなっている。財源が無かったら町道を辛抱することが無きにしも非ず。」という事ではないかと反省もされていた。

財源が無いからこそ,計画性が必要だ。長期的な観点でやって頂きたい。

同じように災害復旧にも3年,繰越して4年で元の形に戻すという事で国費も付き実施される訳ですが,災害復旧についても従来の元に戻すという考えから,新たな視点で災害が起きない,大雨が降っても耐えうるという,同じ形に戻すのではなく改良復旧という考え方を重視することが必要ではないか。

国も改良復旧という考えを取り入れている。昭和26年3月31日法律第九十七号の公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法第二条3項に書いてある。平成26年版,及び平成30年版に新たに追加された事業もあり,県も議会一般質問に知事がその様に答えている。

本町もそういった箇所があれば,法的に縛りもあると思うが,復旧に,「改良復旧事業」を取り入れたらどうか。答弁の中に,「関連事業の活用も有ります」とありますので,このことかとも思いましたが,どうでしょうか。

 

町長

 基本的に災害復旧というのは原形に戻すのが原則です。改良部分を加えると補助率が下がってくる。本町においても,元に戻すだけではダメだという場合は再被災しないように取り組んでいる個所もあります。このことは現場で判断し今後も進めて行きたい。

 

木野山

 事業には国の縛りもあると思うが,特に私が思うには川の浚渫について必要な箇所が何か所か有ると思う。その辺りからでも手を付けて頂きたい。

 

 

【スーパーシティ構想について】

木野山

 先般の令和3年11月10日度第8回全員協議会に於いて「未来創造課」は,スーパーシティ構想についての今後の取組として@「スーパーシティへの再提案は行わない」A「デジタル関連基本構想については10年後の神石高原町の姿を想定しながら5年程度を目途に計画を策定していく」,と報告されました。

8月末に内閣府から指示があり,提案については協議したが10月15日までに更に再定案を求めると回答があった。その上で,新たな規制改革を伴う計画を住民合意の上で再提案するには時間的に困難と判断し再提案は行わないとの事です。

本町の抱える多くの課題解決のため,将来に向けた取組として「デジタルによる課題の解決」を掲げ,「スーパーシティ構想」を立ち上げ,国の戦略特区申請を行ったのは記憶に新しいところです。以下お伺いいたします。

@再提案を行わないという事は,スーパーシティ構想は断念という事か。

Aこの度,新政府は「デジタル田園都市国家構想実現会議」を立ち上げ,今年度補正予算にデジタル田園都市国家構想推進交付金として100億円を計上しました。デジタル田園都市構想の関連交付金は,「地方創生テレワーク交付金」「地方創生拠点整備交付金」と合わせれば計660億円となります。岸田首相は「地方こそデジタルによって変わっていく潜在力がある」と強調されたそうです。

実装可能な事業の在り方については各種補助事業,事業者連携を継続検討するとの事ですが,スーパーシティ構想の中に掲げられた11の先端的サービスの中で実現可能な事業,どうしてもやりたい事業は何か,町長の所見をお伺いしたい。

B11の先端的サービスの中に,「バーチャルスクール」構想がありますが,現在文科省推奨の「GIGAスクール」については学習環境も整い本町も推進中であります。電子黒板やタブレットを使用した授業の在り方が,バーチャルに発展するとき日本の教育がどのように変わっていくか。ある意味,将来の日本,神石高原町の縮図が見えはしないか。期待と不安が混在しています。教育長の所見をお伺いしたい。

 

町長

内閣府と協議・情報収集しているところですが,10月の再提案をしなかったことで,スーパーシティ構想を断念したということではありません。

あくまでも4月に提案した31団体の構想が,提案内容として審議されている状況です。

 しかしながら,内閣府からも今後の具体的なスケジュール等の情報が得られず,当初のスケジュール感も大幅に変更されていること等から,本町といたしましては,新たにデジタル化推進計画を策定するなど,スーパーシティ構想のみに捉われることなく,デジタル関連事業について取組んでいきたいと考えています。

 

今回提案した11の構想は,2030年を見据えたとき実現しておきたいものとして計画したものであります。構想として11の取組みをセットとして考えております。

ただ,その中でも,行政と個人とをつなげる技術や健康管理につながる技術など,県の事業も含め,進められるものは随時取組んでまいります。

 

教育長

スーパーシティ構想にあるバーチャルスクールは様々な分野の教育に対するものですが,この度は楽興教育について答弁いたします。

教科指導におけるICT活用とは,教科の学習目標を達成するために教師や児童生徒がICTを活用することです。

そして,より高い教育効果に結び付けるためには,ICT活用に加えて,指導のねらいの把握,日頃からの児童生徒の実態把握,授業におけるタイミング,発問,指示や説明といった従来からの授業技術との融合も重要です。

この観点からいえば,ICTによる情報の提示は,板書の代わりになるものではなく,提示した情報を説明したうえで,従来どおり重要な点は,板書をし,児童生徒にノートを取らせる指導も重要となります。

 

お尋ねのバーチャルスクールとは,一般的には教室での対面授業に代わって,主にインターネットを介して遠隔で行う教育です。

 

そして,その役割や機能として,「選択肢の拡大」「質の高い教育を居住地域や在籍する学校に関わらず広く提供すること」としています。

しかし,他国でのバーチャルスクールの評価は,学習者が自分が何がわかっていて,何がわからないか,どんな学習方法で,どの程度時間をかけて課題に取り組むかなど,学習者の判断力が不可欠であり,自分一人で学習をやり抜く力が必要とされているようです。

したがって,義務教育においては当面現状から大きく変化することはないと考えます。

 

木野山

あくまでも,再提案しなかったが,スーパーシティ構想は断念したわけではない。特区に指定されなくても,新たにデジタル化推進計画を策定し,デジタル関連の事業は取り組んでいく。

と理解しました。

 そこで,どうしても取り組みたい事業は何なのか,という問いに続くわけですが,昨日の答弁の中で,「取り組んでいる事業もあるのでそれは引き続きやって行く。」との事ですが,新たに示された神石高原町DX推進計画のなかの@DX推進体制の構築,A重点的な取り組み,ともに,令和2年12月25日に総務省から発表された「自治体DX推進計画」沿ったものと思われます。

内容が全く同じです。

これは,町独自のデジタル推進基本構想とどのように繋がるのか。どこがどうなのか疑問に思う。

国が示したものに沿っている。この点は気になる所だ。

 

未来創造課長

 現在計画しているデジタル化推進計画は,その背景に国が示している地方自治体のデジタル化推進計画があります。それについては,本年9月にはデジタル庁も発足しデジタル3法がこの4月に策定されたので,そういったものを基に国として地方公共団体が必ず行わなければいけないデジタル化に向けた事業は,こういったものが有りますと示したもので有るので,本町としても粛々と国の計画に基づいて実行する必要があると思っている。

例えば,全国1900の自治体の中で業務手法のフォーマットを作りそのフォーマットに合わせて事業を推進してくださいという事が求められている。これは行う・行わないの判断ではなく必ず行う必要があると認識している。

行政上の必ず行わなくてはならないものは当然やって行く。

その上で,町として何が出来るか,町内の方にデジタル化,デジタルを意識しないでデジタル化が進んでいる社会を作っていく。そのために何が必要か,町内で議論し取りまとめている段階でありますのでご理解いただきたい。

 

木野山

 そうなのだろうと思うが,あまりにも,箇条書きも,似ているので町の独自性が無いと思った。

3月定例会の答弁で町長は国が示すものは自然に出来ていくと言われましたが,国も多くの予算を組んでいるのでそれに従わざるを得ない面もあるのかなとも思います。デジタル室にも民間から専門家を一人登用されておられるがこれもそういった事なのかとも思う。が少し気になったというのが偽らざる処です。

 DX推進への取り組みは,技術の進歩と世界の潮流に乗った避けては通れない将来の人間世界の形,神石高原町の姿を具現するものです。

 6月の一般質問でもセキュリティの面とデジタルデバイスについてお伺いいたしました。

今回.1点 デジタルデバイド対策に限ってお伺いします。

デジタルデバイドとは,インターネットなどの情報通信技術を使える人と使えない人との間に生じる情報格差のこと。情報のデジタル化が進む日本社会において,デジタルデバイドは教育的・経済的・社会的な格差を生む要因となります。

総務省から発表された「自治体DX推進計画」においては,B項目目の取り組み事項の中の2項で「自治体DXの取り組みとあわせて取り組むべき事項」の中に取り上げられており@地域社会のデジタル化,A項めにデジタルデバイド対策として記述がございます。

私の印象としては,それほど重要視された取り組みではないのかな,という処ですが,

年齢,障害の有無,性別,国籍,経済的な理由などに関わらず,誰も取り残されない形で,すべての国民にデジタル化の恩恵を広くいきわたらせていく環境の整備に取り組むことが必要とあります。

国(総務省)の予算としては,【事業期間】2021・2022年度,【事業費】各年度2000億円(うち道府県分800億円,市町村分1200憶円程度),となっていますが,本町のデジタルデバイド対策への取り組みはどうされるのか。

岸田内閣も地方の創生はデジタルだとも言っておられるので,本町のデジタルデバイド対策についてどのあたりに力を入れたいのか。町長の所見をお聞きしたい。

 

町長

 情報格差の件ですが,使える人,使えない人の現実的な差は生まれてきます。時代は急激に変化している。国もデジタル化を積極的に進めデジタル庁も出来た。

先般も小林史明衆議院議員デジタル副大臣を訪問しお話をお聞きしました。

「国としてはデジタルをとにかく広めていきたい。現在民間や各自治体が行っている色々な事例を活用する事に対して補助金を出していく。新しいことは取り敢えずいいです。色々な取り組まれている事例を積極的に導入し横展開をどんどん行い,国民にデジタルを使い感じてほしい浸透していきたい。それがデジタル庁の役目だ。スーパーシティ構想とは全く別の話です。スーパーシティ構想は規制改革,法改正のところで進めている。それにはデジタル,新技術も関わってくるがそれとは違って,とにかくデジタルをどんどん広めていく,現場へ浸透させていくことが我々の役目だ。」と言われていました。

それはもちろん,将来を見て今日本が行う必要のある事だ。それを岸田総理が広い範囲で地方が取り組んでくれないと実現しないと言っておられるのだと私は理解している。

それを行っていく中で,使える人,使えない人が出来てくる。それは一定程度やむを得ないことだ。

全員が使えるまではやらないという事にはならない。使えない人へのサービスが今より落ちるとか,これを行わなければ今のサービスを受けられないという事ではない。今のサービスを維持しながら使える人は今よりもっと便利になる。そういった人をどんどん増やして行きましょう。というのが考えです。その部分を,使える人と使えない人との差を埋めるために,研修会を行うとか民間と連携して使い方の研修を行うとか,そういった事をどんどんやって地域に広げる。協働支援センターではすでに行っているところもありますが,その差を縮めていく事が一番重要でそれが行政の役割だと思っている。

 

木野山

 二つの考え。スーパーシティ構想は新しい改革の部分で現実に民間等と新しく事業展開をしていれば補助金が付きますよ。簡単に言えばそういう事かと思います。再提案を求められたのは,本町の提案は現実にどこでもやっている事なので再提案を求められた。もう少し上の新しい発想を,という事と思いますので,それはそれでしっかりと取り組んで頂きたい。

 私は,DXの推進には,一番に個人情報のセキュリティ対策であると思います。これは最終的には,町民が国(政府)あるいは町をどれだけ信用するかに掛かっており,二番目には,このデジタルデバイド対策だと思っております。

これが解消されるという確信・信用が無ければなかなか町民からのGOサインが出ないのではないかと思っています。どうしても疑心暗鬼な部分が出てくる。

焦らず,具体的な政策を説明頂き,町民が町長の言葉をしっかりと信ずるところまで持っていってほしい。というのが私個人の考えです。

あらためて,じっくりとしっかり説明を頂き理解を得る努力をお願いしたい。

 

GIGAスクール構想とは,一人一台端末と,高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備することで,特別な支援を必要とする子供を含め,多様な子供たちを誰一人取り残すことなく,公正に個別最適化され,資質・能力が一層確実に育成できる教育ITC環境を実現する。

これまでの我が国の教育実践と最先端のICTのベストミックスを図ることにより,教師・児童生徒の力を最大限に引き出す。

事に有ります。主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善が図られ学習活動が一層充実します。

先程の教育庁の答弁で,「ICT活用」に加えて「従来からの授業技術」との融合,と言われたので,「我が国の教育実践」と「最先端のICT」のベストミックスを図る事と,教育長の言われる事は一致しています。という事は,「GIGAスクール構想の実現を目指す」ことは正解と言うべきと思います。

 先日,来見小学校へ「電子黒板」や「タブレット」の使用による授業参観をさせて頂きました。子供たちは電子機器であるタブレットをいずれも上手に使用して授業に取り組んでいる姿を見てある意味感動しました。

今頃の子供たちは,ICT活用に慣れ親しんでおり,我々の時代と違うなと感じた次第です。

さて,GIGAスクール構想が発展し,近未来の教育の姿と言われる「バーチャルスクール」について考えてみたいと思います。

バーチャルとは辞書で見ると,仮想的・疑似的・実態を伴わないさま,とあります。理工学的に作り出す技術であろうと思います。言われるように,インターネットを介して遠隔で行う教育です。

リモートで行うことは,今回のコロナパンデミックによってより現実性を帯びてきました。

 示された「目指すべき次世代教育モデル」を見ると

「子供」達の「学習情報・保健〃・生活〃・通院〃・移動〃」などをデータ化し,これらをバーチャルデータとして学校関係者,政府などが共有し,新しいサービスを創造するという空間を作って行っていくという事です。そうすると新しいサービスが提供できる。

例えば学力向上支援・防犯対策・虐待撲滅・世界トップクラスの学習機会の提供・本人のスタイル志向性と企業の要求の一致ミスマッチの低下減などが挙げられます。

良いことずくめですが,前段で「将来の日本,神石高原町の縮図が見えはしないか。期待と不安が混在しています。」と述べましたがその「不安」という面を見てみたいと思います。

 

 これは,あくまでバーチャルであり「フェイク」かも知れませんので,あとで一括してご意見を頂ければと思います。

 

 挙げれば沢山あるのですが,子供の側と教える側に絞って考えたいと思います。子供の側と教える側に分けて考えると,「子供の側」では, 子供のセリフ⇒「タブレットが無いと,全部自分の頭で考えないといけない」

デジタル化によって,考える前に調べるようになる。これは,頭を使わなくなる。という事はメモを取る能力,字を書く能力,内容を咀嚼する能力,が少しずつ落ちてしまう。

また,紙の教科書が無いため,記憶に残りにくくなる。タブレットは何でも入ってくるので個人の情報格差を見えなくする。

ビル・ゲイツ,ウィンドウズの創始者,世界で一番のお金持ちです。ビル・ゲイツは自分の子供にはスマホを持たせない。これは何を語っているのか,考えてみる必要がある。

 

「教える側」を見ると,技術の発展で教科書がデジタル化される。

オンライン授業用のアプリと連携させたタブレットをこれまでの鉛筆やノートと同じように使う。

使えば使うほど生徒個人の学習データが蓄積される。

そうすると,その子のレベルに合わせた問題が出されるので,効率よく学ぶことが出来る。

そうすると,教師(先生)の多様性,色々な個性を持った面白い先生が不要になる。

教育現場では授業を面白くする工夫でなくタブレットを使いこなす技術が求められる。このことは教育者としての先生ではなく,民間の技術者でよい。となりはしないか。全体の動きでは,先生の数を少なくする動きが出てきて,優秀な先生が一人いればよい。

先生が不要となる。とも言われています。

私が思うには,教育は情報ではないので,リアルに触れ合う事の価値が重視される分野ではないか。ですから教育は,急がないで,少しずつやって欲しい。というのが私の気持ちでございます。

やはり,デジタル化,バーチャル化は必ず必要であり,町として必ず挑戦すべき事項ですけども,コロナに対するように,常にマスクを着けてまた時々換気をすることも必要ではないかとも思います。

このことを考えて頂きながら町民と一緒に頑張っていきましょう。









 令和3年度第7回9月定例会 質問
 
令和3年9月第7回定例会 一般質問

【学力・学習状況調査について】

木野山

文部科学省は、昨年度(令和2年度)は、「全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)」はコロナの影響で実施しませんでした。

本年度は、令和3年5月27日木曜日実施されました。

調査の目的は、「義務教育の機会均等とその水準の維持向上の観点から,全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し,教育施策の成果と課題を検証し,その改善を図るとともに,学校における児童生徒への教育指導の充実や学習状況の改善等に役立てる。さらに,そのような取組を通じて,教育に関する継続的な検証改善サイクルを確立する。」となっております。

調査科目(学力テスト科目)は、「小学校調査は,国語及び算数とし,中学校調査は,国語及び数学とする。」となっています。中学校の英語は今回はされていません。

調査結果の公表に当たっては,

 公表する内容や方法等については,教育上の効果や影響等を考慮して適切なものとなるよう判断すること。

なお,平均正答数や平均正答率等の数値について,一覧での公表やそれらの数値により順位を付した公表等は行わないこと。

 学校や地域の実情に応じて,個別の学校や地域の結果を公表しない。

など,必要な配慮を行うよう要綱に注意項目が掲げてあります。が、(オ)教育委員会が独自に実施する学力調査の公表の取扱いについては,もとよりそれぞれの教育委員会の判断に委ねられること。とも有り、また前段に、「全国的な児童生徒の学力や学習状況を把握・分析し〜〜」とあるように、分析には数値による比較検討も必要かと思います。

数値をもって質問をいたします

本町では、結果概要については、平成23年度から公表されており、その年、平成23年度の県平均通過率との比較では、小学校は「国語」「算数」、中学校は「国語」「数学」「英語」において、教科別ではいずれも県平均を上回っており、深く領域別に見ると若干課題が見られたとなっておりました。

以降、毎年結果を公表され、その都度本町生徒の学びに関する基礎・基本的定着度や学力レベルに関して全国・広島県平均との比較や各都道府県平均との比較、またアンケートなどの状況調査を通じて本町生徒の持つ生き抜く力の育成度や、特徴・独自性などをしっかりと掴み、課題やその解決に向け研究会の開催など鋭意努力され、本町の学校教育の充実が図られております。

結果につきましては、教育委員会をはじめとして関係者各位の努力により、「学力レベル」は年により若干の上下が有りますが、概ね毎年、全国・県平均を上回っており、教科によっては県レベルで全国一位の都府県を上回る事例もあり、本町の児童生徒の学力レベルの高さを近隣に誇るべきものと高く評価するものです。

本年度は、新型コロナウイルス感染症に係る学校教育への影響等を考慮し、当初の予定より約1か月後ろ倒しして、527日に実施されました。

報道によると、

国語と算数・数学の問題には新学習指導要領が反映され、質問紙調査では臨時休校中の学習状況等も尋ねられているようです。

教科に関する調査では、新学習指導要領を反映し、資料やデータ、図表等を読み解く問題が多く出題されました。中学の国語には、テレビ会議による話し合いやメールのやりとり、SNSに関する出題もありました。

児童生徒に対する質問紙調査では、202045月の臨時休校中の学習や生活、勉強への不安等についての質問項目もあり、

 学校質問紙調査では、臨時休校中の家庭学習やICT活用、新型コロナウイルス感染症の影響と現在(20215月)での変化についても質問してあります。

 

本年度の学力調査に於いて、@教科による調査、それ以外にA各質問に対する本町の状況・対応につきましてお伺いいたします。

また、例年の課題との比較状況、今後の対応策についてもお伺い致します。

 

馬屋原教育長

○(1)教科による調査について

 全国学力学習状況調査についてですが,昨年度は新型コロナウイルス感染症対策のため,全国的に実施していません。今年度は,全国の小学校第6学年,中学校第3学年を対象に5月に実施されました。

 まず,教科についてですが,今年度調査を行った教科は,小中学校ともに国語と算数(数学)です。

結果についてですが,お手元に結果についてはお配りしていますが、小学校においては,平均正答率,国語63.0%,算数68.0%です。中学校においては,国語74.0%,数学61.0%です。

 県平均と比較して,小学校では,国語−3.0%,算数−2.0%であり,県平均を下回りました。中学校では,国語+9.0%,数学+4.0%であり,県平均を上回ることができました。特に国語においては,県平均を大きく上回っています。

 平均正答率からみると,小学校国語では読むこと,算数ではデータの活用に課題がみられます。中学校国語では,書くこと,数学では図形がともに特に高い正答率となっています。

今後,学力の定着に向け各学校ごとに詳細な分析を行い,今後の指導に生かしていきたいと考えています。

○(2)質問紙調査に対する状況と対応については、

 臨時休業中の「児童生徒質問紙」調査からご説明します。

臨時休業中,勉強について不安を感じたかについては、約6割の児童生徒が,不安を感じていたようです。

計画的に学習したかについては,県平均と比較すると中学生は上回り計画的に学習に取り組んでいたと思われます。

規則正しい生活については,小学生が県平均を上回っています。

 また,学校からの課題で分からなかった時の対処については,小学生は家族に聞く,中学生は自分で調べたが高い数値を示しています。

次に「学校質問紙」調査から,特に臨時休業中の取組についてご説明いたします。

まず,ICT活用ですが,本町ではGIGAスクール構想による「1人1台端末」の整備が,昨年11月に県内でもいち早く整えることができております。しかし,臨時休業は昨年4月からであり,その際には,タブレットPC等の整備ができていませんでした。

家庭学習についてですが,小・中学校では,子供たちの学びを保障するため,教科書に基づく学習内容の指示や学校が作成したプリント等を配付するなどを中心に行っています。

臨時休業中も,児童・生徒が家庭において,学びを止めないために各学校が工夫した課題等を課すなどの取組を実施しています。

また,登校日を設定することや,家庭訪問を行うことにより,児童・生徒の学習状況や生活状況等をきめ細かに把握しています。

新型コロナウイルス感染症の影響前と現在での変化についてですが,生徒同士,生徒と教員,教員と保護者の関係について,町内小中学校7校において「変わらない」と回答があったことから,大きな変化はなかったと考えています。

しかし、この臨時休業中は色々な意味で様々の面で若干の影響が出ていると思っております。

 

木野山

全国学力調査の目的は、先程で申し上げたとおりですが、今回は特に、新型コロナウイルスの影響による臨時休校など学習環境の変化が学力の低下に繋がらないか。を検証することも焦点でありました。

結果としては、全教科共に休校日数と平均正答率との影響は確認されなかったと、文部科学省は安堵(あんど)したようですが、9月1日の新聞報道によれば、教育関係者は「昨年の一斉休校以来、家庭の学習環境の差が学力格差に一層繋がりやすくなった」と懸念している。との事です。

実際に、この度の学力テストでは、新しく定められた新学習指導要領において「主体的・対話的で深い学び」と位置付けられた、データの読み書きなどには課題が見られ、複数の文章や資料を結び付け必要な情報を読み解いたり、日常の事柄を表やグラフで説明するなどの正答率は特に低い傾向が見られたようです。

このような判断力・思考力を要する領域について、どのように指導していくかが課題であると私も思っております。

 

本年度の全国学力学習調査に於いて、本町児童生徒・小学6年生の平均正答率においては、全国的に指摘されたとおり、国語では基礎基本である読むこと、算数ではデータを活用することに課題が見られた、との事でございます。本町も全国と同じであったのかとは思いますが、

正答率で特に気になったのは、国語・算数ともに広島県平均を下回ったというご回答でございます。中学校は素晴らしい成績でございました。

今後は、学力の定着に向け詳細な分析を行い、今後の指導に生かす。との事ですが、先程申し上げたように、コロナ禍による臨時休校など学習状況の変化による影響なのではないか。あるいは別の要因があるのか、細かな分析・把握が必要と思われますが、現時点でどうお考えなのか教育長に改めて、お伺いします。

 

馬屋原教育長

 この全国学力状況調査の結果が報告されたのが、8月31日でした。各学校がそれぞれの学校で特に教科の調査について分析を行っております。教育委員会としてもその分析の結果を把握したいと思っている。この一斉休業中の影響は、先程申し上げたように、全く関係はなかったということは無い。とりわけ神石高原町の結果でいいますと、勉強について不安を感じたというのが小学校で55.3%、中学校で65.2%ということで特に中学校において不安を感じている。

とりわけ小学校に於いて本年度2教科とも全国平均を下回った。過去にこういった例はなかった。

様々なことが考えられると思っております。それは、今後各学校で分析をされると思いますが、例えば、事業の仕方の問題なのか、あるいはその学校、学年が、本当に落ち着いて授業が出来る雰囲気であったのか、様々な要因があるのではないか。そう考えておりますので、学校として十分に様々な分析を行いながら、今後どういった形で分析結果を生かしていくか、早急に取り組みたい。

 

木野山

コロナ感染防止に地域全体がデリケートになっている中で、特に集団で行動することの多い学校現場では運動会もしないとか制限が多くなり、子供たちも精神的にも追い込まれた状況にもあるのではないかと思います。

そういった状況の中で、先程言われたように、生徒へのアンケートでは「学校が楽しい」との割合が小中学生とも目立って減少した。また、勉強への「不安を感じた」が60%もの回答があった。現場にも混乱があるではないかと思っております。

そういった中で、臨時休校への対応として、家庭学習については、子供たちの学びを保障するため、各学校ともにあらゆる工夫を行いプリントの配付など課題解決に向けた取組を行っている。

ICT活用によるオンライン授業などは、この度は整備が間に合わなかった。が、登校日を設定することや,家庭訪問を行うことにより,児童・生徒の学習状況や生活状況等をきめ細かに把握しています。との事ですが、

特に低学年というか、小学校においては、基礎基本の収得、学びの継続性など、「家庭での学習」ではどうしてもクリアできない課題があり、また学習環境も異なります。

そういった意味で重要なのは、対面で子供達に接し、丁寧に指導することが、将来「主体的な生き方」や社会において力の発揮できる人材に育つことに繋がると思います。この対面で子供たちを丁寧に指導するという状況、形を今後とれるかどうかが一番肝心なことだと思います。

小学校6年生の段階で県国平均を下回る成績であったという事は、全てではないかもしれませんが、ある意味では小学校4年生のころから学力について色々な課題が出てきているという事があろうかと思います。それ以外の面で対面での学習ができる、そういった事と遜色のない学習機会を確実に確保することが今本当に出来ているか。という事を再度確認して頂きたい。

この点のみ確認しこの一点だけお伺いし質問を終わります。

 

馬屋原教育長

 前回の議会でも申し上げましたが、今までやってみて一番大切なのは、児童生徒を前に先生が対面で授業をする事。このことが児童生徒の表情をみながら、反応を見ながら授業を行っていく。これが一番最適だと思っています。臨時休業をしない条件であればこれは今後必ず出来ると思っている。

タブレットパソコンは導入していますが、本町では、臨時休業になればオンライン授業もやむをえませんが、日常の学校の授業においてはその教科の一番効果的なあるいは効率的な形でタブレットが使えるところのみを実施していく。常にタブレット中心の授業展開を行っていくという考えは持っておりません。とにかく対面で子供たちと接しながら授業を進めて行く形を今後も続けていきたいと思っている。

 

木野山

色々原因があって、詳細な検討が必要と思いますが、本当に思っているのは授業の時に板書を丁寧にノートに写し取ることが基礎だと書かれた専門書もあります。子供たちと面に向かって子供たちの今に状況を把握しながら先生方が熱心にご指導賜るという事が子供たちにとって重要だと思っています。今後に生かして頂きたい。

 

 

【バス路線の廃止について】

木野山

 樺国バスの「路線バス再編」については、町広報誌8月号(NO202号)11ページに、現在の7路線、廃止の4路線、令和3年10月1日からの3路線、について再編となる旨掲載されております。

バス路線再編については本年3月18日の議員調整会議において、総務課長より令和2年12月からの経緯を含めて説明がありました。

令和3年3月8日には、中国バスが中国運輸局広島運輸支局へ路線廃止を提出されており、すでに受理されている。年間4千万円の赤字補てんを行っておりやむを得ないと判断した。との事でした。

廃止される4路線は、確かに利用者が少ない路線であることは統計からも間違いない現実ではありますが、高校生の利用する路線(・高蓋〜上井関〜福山駅、・油木〜高蓋〜福山駅)も含まれており、廃止による影響は少なくない路線であります。

また、いわゆるこの廃止により、従来から運行されているいわゆる「西回り東城線」が全面廃止となる訳であります。神石、三和とくに高蓋地区の住民にとっては府中金丸方面への生活道路として重要な路線である新市七曲東城線の路線バスが利用が出来なくなるという現実にも直面します。

また、この度新庁舎・新病院を新設し本町の拠点地区・核となるべき小畠地区から福山市、府中市への直接バス路線が皆無となります。

本町の町民にとっては、考えられない事態であります。

町として、この現実に直面し、住民の皆様の公共交通手段の確保に向けて、

@バス路線再編計画の情報を得たのちにどのように対応されたのか。

A中国バス側の対応はどうなのか。また、

B今後はどの様な対応策が考えられ、どうされるのか。

お考えを、お伺いしたい。

 

入江町長

●ご質問にお答えする前に中国バスの路線バス事業の状況について,少しご説明をさせていただきます。

中国バスの路線バスにつきましては,新型コロナウイルス感染症が発生する以前から,利用者の減少などによる慢性的な赤字運営が続いており,本町では,利用促進として町内運賃を300円に定額化するなどの対策を行ってまいりました。

●路線バスの赤字については,公共交通機関の確保の観点から,関係市町が距離按分により,その一部を助成する制度となっていますが,自治体で助成するのは赤字の一部であり,残る赤字の部分は,高速バスや観光バスなど他の事業の黒字部分で補填し,この間事業を維持されています。

しかし,昨今のコロナ禍において,高速バスや観光バスの利用が激減し収益悪化に歯止めがかからない状況の中,会社存続の判断として,今回,路線の一部廃止が行われることとなりました。

 

○バス路線の再編計画の情報を得たのちにどのように対応したのか。

●中国バスから路線の再編に関する申し入れを本年1月末に受け,2月上旬に,関係する団体である福山市,府中市と協議を行い,3月上旬には,広島県主催の会議へ参加し,路線の存続要望と今後の対応について協議をしました。また,廃止される路線について,影響の度合いを調査するとともに,特に影響を受ける高校生の通学手段の確保について,事業者と協議を進めてまいりました。

 

○中国バスの対応は,どうなのか。

●中国バスでは,厳しい財政状況に対処するため,保有する車両の台数を減らすなど固定費の削減や節約対策を行うとともに,関係する団体に対し財政支援を要請するなどの対応を行い,何とか経営を維持している状況でございます。

 

○今後,どのような対応策が考えられ,どうするのか。

●町としては,代替策について,現在,中国バスと協議を続けております。

廃止路線全てに代替策を用意することは困難ですが,なかでも福山方面へ通学で利用されている路線については,影響が大きいことから,ダイヤ改正などにより対応ができないか調整を行っているところです。

 住民の皆様には,大変ご負担をお掛け致しますが,今回の路線の廃止について,ご理解を頂き路線バスの利用促進にご協力をお願いしたいと考えております。

 

木野山

 この度のバス路線の再編は地域住民にとって大変大きな負担になるのではないか。

この度三和協働支援センターを中心に自治体の関係で自治振興会からの要望書を中国バスに出された。町の幹部の方も如何同行されたと聞きましたが、中国バスの考えに繋がると思うので、この案件は具体的にどうなったか。お伺いする。

瀬尾総務課長

 三和協働支援センターと三和地区8自治振興会長さんが7月末、本町に要望に来られた。

中身は、@高校生の通学手段の確保、A新庁舎と病院が新しくなり小畠地区の拠点性が高まってくるため病院や庁舎を経由するバスが全くなくなるので、新しい経路で運行を行ってくれないか、また併せてB近くに待合所の設置、の要望を頂いた。

 中国バスと現在調整を行っている。

@高校生のバスについては、特に府中・福山方面の高校に行かれている方が何人かおられる。基本的には西回り便については代替案は今のところ出ていない。しかし東回りの便についてはJR福塩線と接続できる路線の確保を行っていただくよう中国バスと現在調整を行っており、概ね了承の方向で動いている。

A小畠を巡回する路線については、難しい問題になっている。運行に係る補助金が貰えない。補助金を貰うための要件が色々複雑であり、かなりの財政的負担も伴う。現在福山〜油木間を通っているバスのコースを一部変更して循環をするというご意見も頂いたがなかなかハードルが高いと思っている。

更に引き続き要望を行いたいと思っている

 

木野山

 考えられるのは、@路線再編の中での路線の変更と、A町の方で現在運航している町営バスとかタクシーの利用形態を変更して対応していく、という二つの対応策があると思う。

まず、是非とも中国バスにお願いして頂きたいのは、高校生の通学における鉄道との接続、時間に関する路線変更です。新しい路線では家庭から市部まで送っていくことになりそうと聞いている。

この対応を中国バスにお願いしたい事と、もう一つ、自治会で要望された小畠を経由して油木から182号線へ回るという路線については難しいという回答があった。

引き続き要望をするという事ですが、町の中心である小畠の本庁舎・病院から福山或いは東城へ行く直接の便がない。

というのが町の拠点としての町の在り方として、どうしたのかな、ガックリ来るなという話ではないか、この点に関する対応をどうするのか、と言う事です。

先程言ったように2点目の考え方として、町側としての対応をどうするか。町営バスかタクシーをどうするか。@現在対応策をお考えになっているか。

Aお考えになっているとしたらどういった事が考えられるのか。

Bどのくらい財源が必要なのか。路線変更により赤字部分がどの程度軽減されるのか。機会原価の検討をしながら、何か良いアイデアはないかと思いますが、答弁できれば、お願いしたい。

 

瀬尾総務課長

 現在考えている具体的な対応策ですが、なかなか良い対応策が考えられないというのが現状です。@一つは、町内のタクシー事業者に協力をして頂き、例えば小畠を巡回できるような体系を作れないか。そういったところは具体化できるものも有るのではないか。

A町営バスを新規に走らせることが出来るかどうかは、利用がこの間まったく無かったという状況もあるので、再度もう少し状況を見極めて対応したいと思っている。

B赤字の部分は、現在町が7路線走らせており町から中国バスに対する財政的支援が、1,400万程度です。特に今回の4路線につきましては複数の関係市町がまたがる運行体系となっており、府中市も福山市も今回の変更はやむを得ないと言っている。特に大きな影響は無いと回答を頂いている。また県からも赤字の一部を負担して頂いているが、県も今まで以上の負担は出来ない、増額予算で事業者に対する支援を行っているので、今後はさらに増額の予算は戴けない状況が見てとれる。そうなると町の財政的な負担は、この4路線を維持するためには、先程の1,400万程度の経費がかかることが見込まれます。

今後は路線の廃止により補助金額が軽減できた部分をどのように有効活用するかは、もう少し検討していきたいと思っています。
















 令和3年度6月第4回定例会 質問
 
令和3年3月第4回定例会 一般質問

【スーパーシティ構想について】

木野山

 世界的に蔓延するコロナ禍に対する対策を最優先に取り組まざるを得ない状況の中で,新年度を迎え,本町は抱える多くの課題の解消と安心・安全・便利な地域社会の実現を目指し,新たにスーパーシティ構想を掲げ,国の国家戦略特区の認定に向けて舵を切られました。

 これは,デジタルトランスフォーメイション(DX)の実現により「新たな生活環境を構築し,人口減少傾向の著しい中山間地域におけるわが町の更なる安全体制確立,それによる安心感醸成,スマートなより便利な暮らしを実現させるもの」であります。

 

 示された構想によると,自治体神石高原町テレコム,データーセンターなど4つのハードインフラ整備と,顔認証端末の配布,遠隔連携医療,ドローン社会資本インフラシステム,などこの7つのソフトインフラ整備,併せて11の先端的サービスを核としたスーパーシティ構想となっています。

 全体スケジュールとしては,今年度(令和3年度)より調査・実証実験に始まり令和5年度末には運用を開始,全体計画終了し軌道に乗るのは令和8年度当初となる5年計画となっています。

 私見といたしましては,この構想は,それぞれ一歩踏み込んだ戦略として,あらためて大いに評価する構想と思っております。

恥ずかしながら,自治体神石高原町テレコム,顔認証端末の配付については思いもよらなかった,というのが,私の正直な気持ちであります。

 

 上記の各種構想を実現するために,神石高原町テレコムを核として情報管理を一元化し各事業を展開する事になります。

神石高原町テレコム整備はあくまでハードインフラ整備であり,住民に対してのより割安な通信環境の提供とその安定的運用が必要条件となります。また,個人情報をはじめ各種インフラ,事業管理関係情報のデータを蓄積することによる各セクションでの活用は,使い方によれば最限大の価値を生み,有用であろうと思います。

 

 しかしながら,スーパーシティ構想の実現は,神石高原町の住民にとっては,ある意味,新しい生活環境への対応が必至となり,それが出来なければ新しいサービスの享受もままならない。また,各種先端的サービスに係る投資費用はそれぞれ数億,数千万単位の予想がなされており,それらに対する財政負担は多大なものになると予測されます。

 

スーパーシティ構想において以下お伺いします。

@本町長期計画・第2期総合戦略との整合性があるのか。

A神石高原町テレコムと顔認証端末配付について,住民側の対応はどうなるのか。具体的に説明をお願いします。

B住民はかなりのライフスタイルの変更となると思われる。構想の実現には住民の理解が不可欠と思われる。住民アンケートなど予定されていますが,今後どうされるのか。

C個人情報をはじめ多くの情報の蓄積を行うデーターセンターも整備されますが,これらのデータの活用は両刃の剣(もろはのつるぎ)でもあり,情報の管理は必須であります。どうされるのか。

Dスーパーシティ構想と国のデジタル庁との関連性は。

以上5点について,お伺いいたします。

 

町長(入江)

@総合戦略との整合性は。

今回のスーパーシティ構想の基本となるデジタル化ですが,長期総合計画でも,時代に対応した情報通信基盤の整備を謳っているところです。

また,第2期総合戦略では,目指すべき将来の方向の中で,様々なテクノロジーを駆使して,「人」が主役であり続ける施策を行っていくと明記しています。従って,総合計画や総合戦略と目指す方向は一致しているものと考えています。

 

A神石高原テレコムと顔認証端末配付による住民側の対応はどうなるのか。

  あくまで構想であることをまず申し上げ,内容について説明いたします。神石高原テレコムは,本町が,自治体が,通信事業者なることで通信環境が格段に改善出来はしないか。

その上で,顔認証端末を住民の皆さんが持つことで,本人確認が簡略化したり,地域通貨券の活用や高齢者の見守りや未病の取組の一助になるのではないかと考えています。

 

B町民への説明は。

  現在,高齢者限定のアンケートは実施しております。ただ,町民全体にかかわる内容でありますので,具体的な事業を展開する上では,しっかりと住民説明を行ってまいります。

 

C個人情報の取扱いは。

  今回の構想では,多くの個人情報やデータを蓄積しますので,データの取扱い,特に個人情報については,個人情報保護条例に基づいて,厳格に取扱いたいと考えています。

 

D国のデジタル庁との関連性は。

  本年9月1日に設置される国のデジタル庁は,あくまで単に従来のやり方をデジタルに変えるだけのデジタル化だけではなく,デジタルを前提とした,次の時代の新たな社会基盤を構築することを目的として設置されます。現在,スーパーシティ構想は内閣府と協議しておりますが,デジタル庁の新設目的からすれば,この構想との関連もあるものと思っております。

 

木野山

 スーパーシティ構想の長期総合計画と第2期総合戦略との整合性をお聞きした趣旨は,住民にとって大きなライフスタイルの変更を伴う可能性のある構想だけに,本町の将来計画に絵が描かれていること,また財政計画を含めた長期計画,総合戦略に沿っていることが必要と考えたからであります。

 幸い,目指す方向は一致しているとのご認識でありますので,構想の実現化を目標に事務執行に努力をお願いしたいと思います。

 

 ただ一点,財政運営において,先般3月議会での総務課長答弁にあるように「こばたけ保育所など多くの大規模工事も予定されている。収入も国税を中心として減少する傾向は変わらない。厳しい状況が続き,経常収支比率も90%程度となる見込みだ。各種事業の見直しを行いながら経費の抑制と効果的な事業執行が必要である。」と今後も厳しいと予測されておりますが,財政計画との整合性はどうなのか。という事をまず伺います。

 

 長期総合計画は,期間中の事業の細かい積み上げから成り立っていると思います。その意味でも財政計画との整合性が必要と,私は考えますが,どうなのか。

 特区への申請時に,考慮されなかったのか。あくまで構想であって財源を具体的に練ったものでは無い。とご答弁されましたが,はあまりにも町民に対して無責任ではないか。私はそう思います。その点についてご回答をお願いします。

 

町長(入江)

 このスーパーシティ構想ですが,事業費については,先程から申し上げているとおり,事業の規模とか度も様な範囲でやるか,事業の規模で大きく事業費も変わってきます。それを,まだ決めているわけではないのでスーパーシティ構想に提案,申請をしたから何億もかかるという事ではありません。もちろん財政計画を考えながら進めていくわけですが,今やることに価値があるのであって,このサービスは20年先には一般的にどこの自治体にも出来ていると思います。その時に,このサービスを買うにはすごいお金がかかります。現在でも出来上がっているシステムを買うだけで多くのお金がかかります。運用するだけで掛かる。今だと,それにかかわる事業者はたくさんあります。それらから生まれる効果は計り知れないものがあると考えています。もちろん国・県の財政支援もありそれらを活用して出来るし,企業の負担もあると思う。

財政計画は,事業を実施する段階になったら財政推計も行いますが,規模を決めた段階でやっていくので,将来を見越したうえで,今やるべきだと判断して行っています。財政については,もちろん検討していきます。

 

木野山

 あくまで構想の段階なので,財政は計画していくとのご答弁と思いますが,やはり国家戦略特区に申請をするという大事業です。そういう意味では,財政の担当課ともまたスーパーシティ構想の担当課とも話しながら,町の戦略会議もありますので,財政について将来的な必要額も考慮しないでいきなり申請をする,と聞かざるを得なかった。それではどうも説得力がないのではないかと私は思います。確かに本町は100億近い基金も積んでいますし,財政は他市町に比べると余裕はあると思いますが,財政は大丈夫です,やりましょうと言う訳にはいかない問題だと思います。

 この辺りは,押さえながら計画は立てるべきではないかと,感じますので強くご要請をしておきます。

次に端末の配布の件ですが,質問の前文で申し上げたように,「*自治体神石高原テレコムを立ち上げ,格安での通信活況を提供し,全町民に顔認証端末を配布しその端末を利用することによって縷々説明された各種の先端的サービスを提供する」という2点については私のようなアナログ人間には思いもつかない事業であったというのが正直な気持ちでございます。

 このことで,私がお聞きしたいのは,この事業を実施することによって,

@町民の今のライフスタイルはどの様に変わるのか。言い換えると住民として初期的にどのような対応をする必要があるのか。ついて行けるのか。という事が聞きたい。

A町民が,神石高原テレコム製の格安SIM端末を持つ気持ちに果たしてなるのだろうか。利用できるサービスを行うと言われましたが,どのようなサービスを組み込むのか。今までのキャリア端末で充分に満足して,色々なことをされている方,特に若い方など,そういう人が換えるという事に賛同されるのか。格安シムの端末では出来ない事も有るようです。出来ない事があるのにキャリアの端末から格安端末に切り替える,それを配布する。こういうことが住民の皆さんに認められるのか。いうふうな事を私は心配をするのです。

対応できる住民ばかりならば良いのですが,現在でも,町の政策が良く分からない。HPで説明している。HPを見てくれと言われても如何すれば良いのか良く分からない。という方も少なからずおられます。良く分からないという人,いわゆる情報弱者の方にはどうするのか。

この事業は,こういった方々を対象とする事業でもあります。そこらをどのように考えておられるのか。気持ちをお聞かせください。

 

町長(入江)

 情報端末についても,今は顔認証端末を想定していますが,そうでない端末も沢山あります。どういう形で使い分けをしていくかはこれから考えていきます。高齢者だけでなく一般の方も格安シムを使って行うことが出来ます。何が出来なくなるかは関知していませんが一般的に使っている人がたくさん居られるのでそれ程問題はないと思っています。あくまでも強制ではありません。

このシムを使うことにより料金が3分の1あるいは4分の1になるという説明をしたときに,同意されればこのシムを提供するという事になります。

高齢者の健康情報は,心拍数とかそういった情報は,普通のスマホでも取れます。この端末が無ければ取れないということは無い。アプリケーションをインストールすると出来ます。そういった事を強制的にこの携帯でという事はしません。

アンケートとか説明を行い,その方が使用されるスマホ端末にサービスを提供する。そういった形で,どんどん,広げて行きたいと考えています。

住民の方々にスマホを常に身に着けておくようにという事もないわけですので,激的に生活環境が変わるという事はありません。

ここの処は,しっかりと説明していきたい。

 

木野山

 町長は,エクセルでも早くされているし,こういった事には詳しい。コンピュータ関連は詳しい。自分の感覚でそういった世界に居られる。我々はそういった世界に居ない。ユーチューブを見ようと思っても,IDとか言われたら,すぐには出来ない。そう言ったのがほとんどの住民です。そういった事を分かって頂いて,そういった住民の目線に落として,事業というものは展開をしていく。同僚議員が本日も,人と人とかヒューマン体制とか言いましたが,このことと思います。

住民目線に立って,皆さんがついて来られるようにやって頂きたいというのが本意です。

その意味で住民説明についての質問に入ります。

 

住民説明については,公表されているHPによりますと,令和3年4〜5月・・住民アンケート実施予定。事業化する際は「パブリックコメントの募集」「議会・住民説明」「議決」「個人情報保護関連手続き」など必要な手続きを順次行う。

となっていますが,住民側もデジタルへの対応が必至でありますので,町全体へ普及を図るためには,しっかりとした丁寧な住民説明と,住民の賛同の上での理解・協力が必要と思われます。その上で議会の承認が要るという事でございます。

 

 3月定例会において,町長施政方針の中にDXを推進することの重要性とその実現に向けての機構改革については言及があり,それに対する議員各位の一般質問の中で町長の思いの一端は伝わったかと思っておりました。

が,スーパーシティ構想についての具体的な説明はなく,ようやく4月13日の全員協議会での「神石高原町のDXについて」という説明の中で,あくまで(例)として挙げられた「本町のDXを実現することで目指す日常」という場面で担当課長が簡単な説明をされました。そのときに,文言の中で,「事業の実施については関係省庁と一緒に考え,100%実施することは難しいがまず手掛ける。ゴールになった段階で予算化する。国の国家戦略特区に向け申請を4月1日に行った。認定日は未定。」と説明があったと記憶しています。以降は,議会に対しての具体的説明はなく,一般質問の形を執っております。

 HPに掲げられた構想に目を通しますと,我々にとってめうぃ見張るような,町にとっては大変大きな構想だけに,もう少し早めに説明があっても良かったのではないかと思っております。

昨日の答弁によると,町長の思いの中で2年前から構想を練ってこられたとの事で,先程言ったように,今年度からデジタル推進課を設け実働体制を執られました。施政方針の中では,DXについての説明はされましたが,スーパーシティ構想もまた特区申請の事にも,一言も触れられなかったと記憶しております。

前段で,議会民主主義において町民の代表で得ある議会には,前段の段階で,当然説明があってしかるべきと考えます。我々議会は町民の代表として大変重いものを背負っております。

3月の定例議会において当然説明があって然るべきだと考えております。

何故この様な事になったのか,説明願います。

 

町長(入江)

 2年前から分かっていたのだろうとのお問い合わせと思いますが,昨日の質問の中で,「今回の申請の経緯ですが,2年前から内閣府の職員とまちづくりに関する趣旨の協議を行っていた中で,今回のスーパーシティ構想への提案へと繋り,提案に至ったものです。」と答弁しました。

 2年前からスーパーシティの話をしていたとは申し上げていません。スーパーシティという言葉は2年まえ以降から出ていたかも知れませんが,今回のスーパーシティ構想については,本当に,時間がなく4月以降に色々な提案が出て進めてきたものです。管内の職員と中身について2年前から色々練ってきたと言う様なことはありません。時間がなかった中で提案と言う形となったことは事実です。それを議会へ詳しい内容について構想・提案の説明が出来ていなかったことはお詫び申し上げます。なかなかその機会も無かったかとも考えています。

 これから,採択の有無に関わらずやって行くべき事は進めて行きたいと考えておりますので具体的に説明をさせて頂きたい。住民の方にも分かり易く説明をさせて頂きます。全員ではないが,スマートフォンを使われている方は沢山居られる。高齢者の方も使っておられる。今はそういうレベルです。出来るだけ「デジタル」を表に出さない「デジタル社会」を考えている。持っているだけで,裏ではデジタル技術が活用されているという社会を目指そうと考えている。

 説明は,キチンと丁寧に行いたい。

 

木野山

 少し勘違いをしていたのかも知れませんが,説明など縷々,情報をもう少し早めに入れて頂きたい。という気持ちがございます。よろしくお願いしたい。

 

 個人情報保護法は,個人の権利や利益を守りながら,個人情報を有効活用することを目的で定められています。

インターネットの普及やIT技術の発達に伴い個人情報が利用される機会が増えている事は事実です。そういった中において,本年4月19日の中国新聞社説によると,デジタル庁との関連もありますが,「菅首相が看板政策に掲げるデジタル改革関連法案が成立すれば,個人情報の取扱いに加え,国と地方の情報システムの在り方などが大きな変更を迫られる。

デジタル庁に各省庁や自治体でばらばらだったシステムや個人情報保護のルールを共通化させることが柱だ。だが,現在は,国・独立行政法人・民間企業を対象とする3つの法律と地方自治体による多くの条例にあるルールを,全国共通の情報保護ルールに一本化する。

データの共有が容易になれば感染症や災害対策などで国や自治体,民間企業の連携が円滑になる。という利点がある。

しかし,自治体からは住民情報が漏洩するリスクが高まるとの指摘がある。また,行政に個人データがより集中しやすくなれば,国民の監視・統制に結び付くという危惧も強まる。多様な個人データが悪用される恐れが払えず,情報が漏洩した場合の被害や影響も図りしえない。」と社説に書いてあります。情報の,警告,保障の検討を求めています。そうなのかとも思いましたが,また他にも,この改正案は,個人情報保護の充実ではなく,緩和し,行政の効率化や企業などによる個人情報利用を容易にすることだ。という主張もあります。

先程,岡崎課長は,国の一本化により個人情報の保護はより強固になると理解していると,言われましたが,逆であるという指摘もあるわけです。ですから,そういった中でどのようにデータを集積し個人の保護を考えておられるのか。その重要性をどのように考えておられるのか。お聞きしたい。また,サイバー攻撃に対するセキュリティは確実でなくてはならない,また前々から言われている様にオフショアによる中国への情報漏洩の問題もあります。こういった事を考えながら,この事業は行う必要がある。基本的な考えを,ご返答頂ければと思います。

 

町長(入江)

 国の法律改正は,日本はデータの活用が中々出来ていないというのでこうなると思いますが,単独で国の法律に逆らって独自にやりますという事にはなりませんので国の法律が決まればそれに従って,本町の個人情報保護条例に従ってしっかりと取り組みを進めて行くことになります。今回のスーパーシティ構想につきましても,その基盤の中で法律に基づいて処理する,個人情報を保護していくと考えています。

 

木野山

 個人の情報は,情報の主体である個人のものである。というのは間違いないと思います。

先程述べましたように色々な国の流れの中で,情報の保護が緩和になるとか,利用の度合いが増えて情報がどんどん漏れていくことが有ってはならないと思いますが,これは国の方針ですから,ある程度は従わなくてはならないと考えます。そういった事を勘案しながら本町独自の方式でデータの管理をしっかり行って頂きたい。

担当課長,こうやりたいとか何か答弁が有ればご答弁願いたい。

 

岡崎未来創造課長

 デジタルの実現に向けた改革という事で,法律の改革や地方公共団体のシステム標準化の法律もなされております。民間の使っている情報管理方式,行政の使っている個人情報の取り扱い方式がバラバラであったので,今回の法律が一つになった事により,国の情報保護委員会が一括で各自治体の個人情報保護にかかわる条例についても管理をする指摘を行うという,我々から見ると厳しい法律が施行されると思っています。

今までの,町の個人情報保護条例を,担当課,また担当課以外の,例えば福祉に関する情報や住民登録の情報などの活用方法が充分であったかどうか,チェックが出来ていたかどうかをいま掘り起こしていますが,こういった個人情報の取り扱いについての研修を内部で行う必要があると考えています。

今回の新しい法律の趣旨をしっかりと理解した上で今後正確な個人情報の取り扱いを行ってまいりたい。

 

木野山

 デジタル庁を設置するという国の姿勢が,地方自治体のシステムを大きく変換させるという事は間違いが無いので,早めに対応できるようにやって頂きたい。勉強会も含め条例の精査も行って頂きたい

本年9月1日に設置されるデジタル庁は,これまでの単に従来のやり方をデジタルに変えるだけのデジタル化ではなく,デジタルを前提とした,次の時代の新たな社会基盤を構築することを目的として設置されます。現在,スーパーシティ構想は内閣府と協議しておりますが,デジタル庁の設置目的からすれば,この構想との関連もあるものと思われます。との答弁でしたが,いま思えば,3月での質問では,すぐに対応出来ますとのご答弁ではなかったかとも思いましたが,個人情報に関しては先程述べましたので,視点を変えて,国のDX推進計画の中に,*自治体DXの取組と合わせて取り組む事項の中に,(2)デジタルデバイス対策として,2021・2022年度,各年度2000億円の予算計上があります。

デジタル化を集中的に推進するため総務省が取り組むものです。この事業は,先程言いました,情報弱者と言われる方,高齢者と言われるか,中々対応が出来そうにないという方々に対する国からの予算です。これを,多いに活用すべきと思いますが。どうでしょうか。

 

岡崎未来創造課長

 積極的に情報を把握しながら,取り組むことのできる事業であれば取り組みたい。






 

 令和3年3月第2回定例会 質問
 
 令和3年3月第2回定例会 一般質問

令和3年度の町長施政方針におけるまちづくり構想について

 

◆7番(木野山

 私は,今回令和3年度の町長施政方針におけるまちづくり構想についてという1点のみご質問をさせていただきます。

 世界的に蔓延するコロナ禍に対する対策を最優先に取り組まざるを得ない状況の中で,まちづくり構想において,本町の未来を創造するためにやるべき施策として,1,協働のまちづくりをスピード感を持って進めること,二つ目に新技術の活用において先進地になるくらいの取組を構築していくことと二つの取組を掲げられ,その推進のために役場組織を改編し,未来創造課を新設するとあります。

 以下,お伺いをいたします。

 一つ,協働のまちづくりをスピード感を持って進めるということはどういう意味なのか。それから,協働のまちづくりにおいて現在どのような課題があると捉えておられるのか。

2番目に,新技術の活用において,本町におけるDX,デジタルトランスフォーメーションの内容とその推進計画をお伺いいたします。また,国にデジタル庁というのが設置されるということで具体的な対応が必要になるというふうに思いますが,本町のまちづくりのこのデジタルの活用においてどのような利点があるのかなということも併せてお伺いをいたします。

 

 また,安心,幸せ,さらなる挑戦というものを念頭に編成をされました三つの最重要施策と3点の重点的事項という項目の中で,以下3点ほどお伺いをいたします。

 一つ,持続可能な農林業,商工業の振興において,協議会を設置し,具体策を検討するということですが,新しく設置をされる協議会について具体的な構想があればお聞きをしたいと思います。

 2番目に,国が新しく事業化をいたしました特定事業組合について,町内でどのように取り組めるのかしっかり検討するということですけども,これは人材不足に向けての人材派遣事業への取組と思います。本町のような零細企業の多い産業構造の中で果たしてこれがなじむのか,考えをお伺いいたします。

三つ目に,8つの挑戦のさらなる進化という項目の中で,今年度中に将来を見据えた観光振興計画を策定するというふうにありますけど,具体的にどのように取り組まれるか。

 以上,大きく分けて2点,細かく分けて五つお伺いをいたします。よろしくお願いいたします。

 

町長(入江) 

 初めに,本町の未来を創造するためにやるべき施策の中の協働のまちづくりについてのご質問ですけれども,人口減少社会の到来や,地方交付税をはじめとした歳入の減少に伴い,今までのような行政スタイルから違うスタイルをつくらざるを得ないのがこれからの自治体経営の在り方ではないかというふうに思っております。何より重要なのは,これからの時代は,行政に依存するというより行政に依存できなくなる,そういった時代が来たということでございます。皆さんが住む地域を豊かなまま保っていこうと思うとき,皆さんのまちづくりへの参画がとても重要になるということでございます。

 戦後,右肩上がりの経済成長の中で,行政は地域の相互扶助の力をある意味奪ってしまったのではないでしょうか。協働によるまちづくりとは,住民自治と団体自治の補完関係の再構築であると考えています。行政が担ってきた仕事を解体しながら本来やるべき主体にお返しし,次の社会に引き渡していく,引き継いでいく,こういった仕組みをつくることがこれからの行政の役割であり,行政責任だと思っています。

 協働によるまちづくりを推進する中で,今まで行政がやってきたことを住民に押しつけるのかとよく批判の声を聞くことがございます。しかし,今,日本は,少子化,高齢化と人口減少社会という歴史的大転換期の中にいます。特に,合併特例法が定める10年間を過ぎ,段階的に財源が縮小していく行政の中で,人口,労働力,人材,財政等多くの課題を協働という考え方で克服していきたいというふうに考えております。

 次に,新技術の活用ですけれども,少子化,高齢化による労働力不足が大きな問題,課題になっているところです。デジタル技術を活用すれば,例えば医師が情報通信機器を用いて専門的医療の診察ができる遠隔医療や,自動運転の実現により労働力不足が解消されるなど,中山間地域の課題が克服できると考えております。

 今月23日には,内閣府や経済産業省からも職員にお越しいただき,ドローンの実証実験も計画をしているところです。町としては,このような新技術が実験されるような環境づくり,また法整備,民間企業と連携する取組を一層進めてまいりたいと考えております。

 3点の重点的事項についてですけれども,初めに持続可能な農林業,商工業の振興において,協議会の設置についてですけれども,本協議会については農業に関して専門的な活動をされている農業委員会や土地改良区,集落法人連絡協議会,農業公社等で事前にしっかり議論を行い,現状の把握等も行いながら,どういった組織にしたらいいのか,そういった組織づくりを考えたいというふうに思っております。また,協議会としては,町内の優良農地の維持管理,なりわいとしての農業の在り方,農業公社や法人等の組織の検討,基盤整備等も含めた土地利用の検討を,そういったものを協議をしていく予定でございます。

 課題は大きく,一朝一夕で解決できるものではありませんし,一つの方法で全て解決できるものでもないというふうに思っております。当面は,モデル的に地域や集落を限定した取組になるかもしれませんし,試行錯誤をしながらの対応になるかもしれません。しかしながら,時間を要してもまずは協議会においてしっかり議論をいただき,町の農業振興に対する将来に向けた方向性を検討していきたいというふうに考えております。

 次に,特定事業組合についてですけれども,人口急減地域においては人材の確保が非常に難しく,事業の継続をも危ぶむ状況がございます。このような地域での企業は,どこも人材確保に苦慮しておられ,季節的に人材が不足する業界ではなおさらのことだと思います。そこで,特定事業組合を多くの企業が一緒になって設立をし,求人を行い,人材を確保しシェアしていく,シェアし合う。求人に応じた者は,通年雇用で職が安定するということがあって就職しやすいという面があります。本事業は,こうした利点が考えられます。本町のように過疎化が急速に進む地域では,この特定事業組合制度を活用していくことは大いに意義があるというふうに考えております。

 3番目の観光振興計画の策定ですけれども,現在本町の長期総合計画の中で,観光振興の将来目標に,町内外から観光客が絶えず訪れる町を掲げています。今後の方向性としては,豊富な地域資源の活用,農業体験型観光の振興,滞在型,宿泊型ツアーの実施,観光商品のプロモーション活動の展開としています。しかしながら,ビジョンや観光振興戦略,基本方針を定めた,観光振興に特化した個別計画がございません。今後の観光振興を図るためには,観光現場,観光を専門とする公的機関である神石高原町観光協会,行政等の多様な関係者,主体が連携する実行体制を構築し,ビジョンや基本方針を明確化し,共有化することが重要だというふうに考えております。観光は,地域経済活性化の推進力で,観光振興の取組は地方創生に関わる重要なテーマだと考えております。具体的な取組については,計画策定の中で検討してまいりたいと考えております。

 

◆7番(木野山)

 丁寧なご説明,ありがとうございました。

 これからの自治体経営の在り方というものを考えるときには,協働のまちづくりというものがどうしても進化をしていく必要があると冒頭で考えたときに,まだほかにスマートシティー化とかスリム化などがあるじゃないかと思ったときに,改めて町長の方針を読み返してみると,まちづくりの未来創造課というのをつくって,まちづくりの推進と,それからデジタルの二つを未来の大きな柱に据えて新しい課をつくるんだと言われており,この二つのことでこれからの自治体経営の在り方というものを将来に向けて変えていくということなのかなと理解をいたしました。そういった意味では,新しくまちづくりの未来創造課の課長に就任される人は大変荷が重たいのだなと思った次第でございます。

 そこで,その課の中において二つを行う一つの協働のまちづくりというものについて改めてお聞きをしてみたいなと思いますけれども,これは今核となってやっている協働支援センターができてちょうど今年で5年過ぎました。

また新しい計画を立てるというふうなことでございますけども,この協働のまちづくりを形にした支援センターができる前,その前に,今からいうと8年前,そのときにパネルディスカッションというのがありました。今は協働支援センターになっていますが,昔の公民館の2階でパネルディスカッションというのがあって,町長さんとか商工会あるいは自治会,自治振興会,女性会,いろいろな方がおられてディスカッションをされて,その中で町長がどういう考えでまちづくりを進めるのかということについて述べておられるます。

改めて,原点に立ち返るということでご紹介をしてみます。牧野町長さんです,当時は。2期目。合併で,行政区として31の自治振興会を立ち上げましたと。これはいわゆる協働のまちづくりと言えますが,今までは行政の主導型で来ていると。合併して8年たち,平成24年度の当初目標にチェンジを上げました。これは住民も変化の気持ちを持ってほしいと思ったからで,今までは行政に住民サービスを任せるというのがみんなの気持ちだったけど,そうでなしにチェンジして,これからは住民主体だというふうに思ってほしいということだと思うのです。その理由としても,昨年対比の予算が4億円も減って,自主財源は10%をもう切っているのだと。ほとんど依存財源で,交付税も合併して10年すると合併特例加算もなくなって約14億円も減になると。そういったことで,非常に行政も力がなくなってくる,行政側が。そういうことで,行政主導から住民自治への移行という意識改革をする必要がある。ですけども,その意識改革といっても行政からの押しつけでは駄目だと思っていると。住民の皆さんから要望を聞いている中から自然に移行していくことが望ましいことだ。

 

 協働というのは,住民が主体となってほしいということで,大きな目標を上げられて今日が来ておると私は思っております。ですから,その一歩のところから8年過ぎて,協働支援センターもできて5年が過ぎて,今の住民主体の行政スタイルがいくらかできているのだろうと思います。

そのできているところの課題,それをどのように捉えられて,今の新しい,もう一つ踏み込もうと,協働のまちづくりをもう一つ推進しようと,進化させようと思われておるのか。

最終的なところでその考えをまずひとつ町長にお聞きしたい。

 

町長(入江)

 基本的に協働のまちづくりの考え方は,今までも何回も述べさせていただきましたけれども,住民主体というのはもちろんそうなのですけれども,住民がこんなことをやりたい,あんなこともやりたいというふうにもちろん考え,地域のことを思って考えられていることを行政と一緒に今までやってきたというところがあると思います。

 今までというのはかなり遡って,要は日本の高度経済成長期,一般的に1955年から73年という僕が生まれた頃のことだと思いますけれども,その頃に,先ほど言いましたように,高度成長期で税金もどんどん入ってきて,役場も,役所もどんどん人を増やしてきて,どうするんだ,この税金をどうやって返していくのんだと,町民にということで,こんなことをやったらどうですかということをどんどん町側から,行政側から提案しながらやってきた。そういった時代だった,できた時代だったんです。それが,ずっと人口も増えてきて,それから1990年から人口減,日本全体が減少していく。まさに経験したことのない時代をこれから私たちは生きていく。今も生きているわけですけれども,しかも増えていく8,000万人と減ってきた8,000万人では年齢構成が全く違いますから本当にこれからどういう時代になっていくのかというのは予期できない,予測できない状況ですけれども,明らかに厳しくなってくるというのはもう分かっているという中で,今まで行政と住民がいろんなことを行政がお金を出してやってきたことということを見直していかなければ自治体運営が成り立っていかないということを今までも訴えてきたというか,それで協働のまちづくりということを進めてきたところです。

 

 はっきり分かりやすいのは,千葉県の松戸市にすぐやる課というのが1969年にできました。すぐやる課というか,すぐやる,何でもすぐやる課という課ができたんです。これをやったときの市長が松本清という市長で,今のマツモトキヨシ,ドラッグストアの創業者の方ですけれども,いわゆる民間の感覚で,これだけお金をもらっているのだからどんどんお返しをしなきゃいけないということで,高度成長期のときにすぐやる課,それを倣って何でもやる課とかそういう課がいろんな自治体にできたのですけれども,それは全く行政がどんどん受けてきます,何でも言ってください,行政がやりますよという時代だったのです。

でも,それは,もう今は全くそういう時代じゃない。真逆の時代なのです。けれども,どんどんそうやって肥大してきた行政サービスをこれからどうやって維持していくのか。もう維持は基本的にはできないというふうに思っているんです,今までのようなことは。ですから,そこを住民の方々と話をしながら,何を切って,やめて,やめるか住民の人が担うのかというところをしっかり議論しなきゃいけないというベースが基本,協働支援センターで,今5年がたちました。そこを,これからスピード感を持ってもう少し踏み込んで行政との役割分担というところをしっかり考えていかなければ,今神石高原町の予算はいろんなハード事業とかありますからかなり膨らんでいますけれども,これからはそうではない時代がもう来るのは明らかです。ですから,そういったところをしっかり考えていこうというふうに今考えています。

 

 未来創造課というのは,これから協働と新技術の活用というのは何回も言いますけれども,もう永遠のテーマです,神石高原町にとっては。ですから,今,例えば私が町長をやっている間だけとかということではなくて,将来ずっとそれは考えながら,研究しながら実行していかないと次の世代へ神石高原町は引き継げないというふうに考えているところです。

 

◆7番(木野山)

 私も,理論的にはよく分かります。その手法ですよね。どういうふうに取り組んでいくのかということで,具体的には今やっていることを少しずつ変えていって,解体という言葉を使われて,これは改革ということでレボリューションですか,非常に強い言葉で,解体をしてしまってはいけない。少しずつ変えていくというふうに理解をしてもいいかも分からないですけども,行政が担ってきた仕事を解体して本来やるべき主体に戻すと。

本来やるべき主体というのはここでは住民というふうに理解していいのでしょうか。

 

町長(入江)

 そうです。今のこの議論の中では住民ということになります。でも,協働の相手というのは個人であったり,もちろん営利団体もありますし,非営利団体もありますから。そういうことです。

 

◆7番(木野山)

 そういった意味では,住民側に幾らか行政が担った仕事を一緒にやっていくという,役割分担というふうな言葉がそこに出てくるのかなと思います。

 最初に取組を始めたときに,協働支援センターをどんな形にしようかといったときにパンフレット等ももらって,私もこんなのを作ってみたことがあります,その中では新しい円卓会議とかというようなものもつくって,自治振興会が一つの旧町村単位で,例えば私は三和の高蓋自治振興会の一員ですから高蓋の自治振興会を含んだ三和の協働支援センターの一員というふうにはなるんだろうと思うのですけれど,そこでいろんな取組をして,お金のほうも町から,支援センターへ,そこから自治会へ渡るような仕組みになって,形では住民主体というようになり,毎月会合がありまして,支援センターの中で円卓会議をされると。自治会の班長会議というのが毎月17日にありますが,そこの報告をされて,色々な取組を班長さんのところへ報告をされると。私は顧問という立場でのぞいているのですけれども,色々な活動が出てきて,5年間こうこうしました,新しくどこの自治会はこんなことをしております,こんな方針でしますということもそこで話し合われながら報告があって,高蓋の自治振興会は,それならばこうしようかなというようなことが出てきているわけです。ですから,ある程度その目的が住民のほうへ,伝わってきていると私は理解しています。

 それをもう一つ進化させるという意味では,最初に作るとき説明の中で,自治振興会,協働支援センターを新しく,NPO法人化をする。自治振興会を,そこまで持っていって自治のまちづくりに携わってもらうようにする組織にしたいというふうなことを聞いたことがあります。これは入江町長が課長のときに言われたか,それを聞いて,そのことも含めて分からないなりに町民の方に,住民の方に私も説明した記憶があります。ですから,最終的にはそこら辺を目的にしておられるのかなと思ったり,行政視点から新しい公共へということで,当時の政府の円卓会議でも社会事業法人化といいますか,そういうのも提案されたり,いろいろありました。

最終的にはその辺のところを思っておられるのかなと思いますが,そこだけ確認をしてみたいのですけど,どうでしょうか。

 

町長(入江)

 NPO法人っていうのはそのときに申したかもしれませんけれども,それは今でも特にそれを否定するものではないのですけれども,そういう一つの法人格を持つことによって,例えばいろんな団体とか色々なところと契約をするのがしやすくなる,任意団体よりはということが一つと,非営利でございますから,NPO法人は非営利でありながら収益事業もできるわけです。

ですから,一括交付金が神石高原町から,町から協働支援センターに出ていますけれども,そういったものを活用しながら収益事業もやってほしいなと。いろんなことを,観光とか色々なことができると思います,その地域で。そういったことを進めてほしいなという意味で一つのNPO,そのときは多分一般社団法人とかなかったと思います。

だから,そういう非営利団体,法人化すれば色々な民間との契約もしやすいのかなと。だから,そういう意味でNPOという例を出させていただいたところです。

 

◆7番(木野山)

 私も,分からないなりにそういう説明をした記憶があります。それを一遍に,焦って今の自治振興会のシステムを,そういう民間の事業に全部形を変えてしまう。NPO法人みたいな形にするという。 

 私はそれが最終的な形なのかなと,頭で考えれば分からないこともないのですけど,あまり焦っていってもいけないのかなと思います。

 そこで,また元に理論は戻りますが,そのパネルディスカッションの中でまた町長が2回発言されていまして,中山間地域が生き残りをかけていくためにはどうするかといえば,地域力の差となると思う。地域力ということは,住民がどれだけボランティア精神を発揮するかということ,地域の主体性がどこまで取れるかということも課題であると。

まだ取りかかりだからそういう考えを持たれていたのです。ですから,その辺の意識改革というのも始めていきながら,住民がどのようなことができるのかなということを改めて考えてもらえるように,これから取り組んでいかれたらいいのかなと。

私もこれはあかんよと言っているわけじゃないのですが,あまりに焦ることはないのかなと思います。今,コロナ禍もあり,色々世界情勢が変わってきまして,政府もお金を使うし,町のほうも財政が非常に厳しく逼迫している。人口も減少しているので,行政側も非常に体力が弱っていると言われても,それならば町民がそれを,住民がそれを全部一緒にやるということで,役割分担の中でそれを担うといっても,町民側というか,住民,国民の側も,民のほうも非常に今厳しいのです。もう自分で生きていくのに精いっぱいで,どうしようかなというふうなことが現実にあるので,どこまで出来るかなということも含みながら,意識改革をしながら,ぼちぼち焦らずにこの分は取り組んでいただきたいと思います。

 まちづくり推進係になって,そこでの仕事かなと思いますけれども,今は,前に頼りにしていた参事さんもおられないですし,なかなか,人材のところでみんながそれに取りかかるというのは難しいので。まちづくり推進課の今の仕事もその係が同じように引き継いでやっていく状況の中で,どれだけ今の町長の思いを,みんなで役割分担をしながらできるか,可能性があるのか。

なかなか難しいと思いますけれども,頑張らなければいけない。

 最後に,そのパネルディスカッションの中で,倉内さんという人が最後に言っておられますが,「行政側は長い目で中間支援施設というものをサポートしていきながら,ぼちぼちやっていくことが必要だ。1人で100歩より100人で1歩のほうがいいと思います。そのほうがハッピーになります。」と結んでおられます。そういった形で,これはどうしてもやり遂げなくてはいけない部分でしょうけども,皆さんとやりながら,意識改革ということを重点的に置いて,少しずつ取り組んでいただければ良いと思います。

 

 それでは,今の考えも含めて町長にお聞きしますけれども,まちづくり推進課のもう一つの柱であります新技術の活用という部分に移らせていただきます。

 これは12月に私も一般質問をしましたけれども,スマートシティーあるいはスリム化した町,そういう分のスリム化も含めて取り組んでいくべきことなのかなと思います。

そこで,昨日の同僚議員の質問の中であらかた形は見えたので,私がお聞きしたいのは,新しく民間のほうからアドバイザーといいますか,派遣をされますが,その派遣の方をお選びになったときに,まずどこから手をつけるのか,という部分で考えられて,医療の専門の人にアドバイスを受け,その人の紹介で,今の会社の,新しい派遣の方を選んだとお答えになりました。ですから,いろいろ聞いた部分で,町がどこに,まず最初に手をつけようと思って,このアドバイザーというか,派遣の新しい専門家を呼ばれたのか,というところをまずひとつ最初に押さえておきたい。

 

町長(入江)

 その会社の方に来ていただいてやりたいことはたくさんあるのですけれども,昨日も申し上げましたように,当面は高齢者を優先した健康管理の仕組みづくり,それと遠隔医療,遠隔といっても医師同士の遠隔医療というところで,その方に来ていただいて,県のDXの医療計画づくりの予算を繰り越していますからその取組を,ドローンとか教育とかいろいろありますけれども,そういったところを優先的に初めに進めていただきたいなと思っています。

 

◆7番(木野山)

 ですから,細目に,こことここをやりたいなという部分があって呼ばれたのか。

私が思ったのは,全体で行政の組織をスマート化といいますか,行政の中をデジタル化によって切り替えていって,それから裾の部分の実行部隊のほうで,いろいろドローンとか医療の遠隔,そういうふうに入っていかれるのかなと思ったのです。

ですから,そのことが目的なのか,それとももう一個上にあって,行政組織の中の色々な改革,技術による改革を先にされて,それから枝的(えだてき)に下へ下ろされるのかなと思って。

どういうふうに思われているのかなと思ったのが,一番気になったということです。

 何故そんなことを言うかといいますと,福山市がこのたびデジタル推進で民間を起用するという事が中国新聞に載っていました。それを見たら,CDOという最高デジタル責任者という方を民間から起用することを決められて,そこで全体のデジタル化をするためにはどうするかという大きな総枠にその人が関わられて,それである部分の,福山市は七つぐらいの分野があって,医療とか福祉,介護あるいは防災,安全,教育といろいろ分野があって,その分野ごとに今度はそのデジタル化を進めるためにはそれの補佐官みたいなのも雇われて,雇われるというか,派遣していただいて,一緒になってそれに取り組むというふうな組織的な段取りができている。ですから,その辺のところをデジタル推進室というところでやられるのか。そういうトータル的な仕組みをまず考えているという事なのでしょうか。

それとも,最初からすぐ細目のここへ,ここへと細かく入っていくのか。そこら辺の考えは,統一しておかないといけないと思いますが,どうなるのでしょうか。

 

町長(入江)

 福山市は,CDOの人を採用して市全体での取組を検討するというか,各そこのセクションごとで協議をされていくのだと思いますけれども,うちの場合,そんなに時間的な余裕もありませんし,人的支援があるわけではないので。もう明らかに課題として取り組めることというのは分かっていますから,例えば全体については,調整会議で説明したように,何かいっぱいDXでできるという,全国共通でこんなことができますというのはもうほぼ分かっている訳です。それを地域にどういう形で落とし込んで実装していくかというところが問題だと思っているのです。

 先ほど言いました繰り越した事業の計画づくりの中で,一応全体の提議はするかもしれませんけれども,具体的に今の健康とか遠隔医療とか物流とか,これは本当に神石高原町で課題となっている高齢者の見守りをどうしていくのかとか,小児科がないじゃないかとかそういったところを,そういう課題を直接,それで全て解決するとは思いませんけれども,解決できることはもう計画をしていく,実行していくほうが早いですからそこを進めていきたい。

来られる方はもちろん全体で知見がありますから,それは,いろんな全体のDX化というのはアドバイスをもちろんもらって進めていきたいと思っています。

 

◆7番(木野山)

 大体イメージが分かりました。そうすると,そこに踏み込んでいくときには専門家1人がおられて,町の職員さんもそこで勉強しながら一つ一つ事業をつくっていかないといけないですから,そうするとなかなかここも簡単なようで,全体を見ないで部分的にやっていくというのはなかなか厳しいところが出てくるのかなと思います。

全体の組織はどう考えるのか,というところから細目に入っていただきたいなというのが私の思いなのですけど。

 それで,時間もないので次に行きますが,国もデジタル庁を9月につくって,国全体をデジタル化で技術の革命を行うということを目的にされているDX推進計画というのがもう既に12月に発表されて,5年先にどうしようかという様なひな形ができておりました。

そうすると,本町も,その国の方針に従ってでも,またデジタル化を組織的に進めていかなくてはいけないという状況が出てくると思います。今言う部分的な医療の分野とかこの分野とかというだけでなしに,国の要請によってどうしても変えていかなくてはいけない部分も出てくる。

そうすると,そういうことをする中で国からの補助金の要項とかそういう部分を検討していくと,国の要請を聞かないと,国の言われるようにデジタル化というのを組織的に進めていかないと,前に行かなくなる可能性もあるのではないか。途中で国の方針に従って少しずつ改革をしていくような方向へデジタル化のやり方が変わっていかざるを得なくなる可能性もなきにしもあらずかなと思いますので,そういった心配もあります。

それで,今,住民課でマイナンバーカード,今20%ぐらいの,今住民課でマイナンバーカードを皆さんに推進していますが,これも一つの国の大きな方針のまず第一歩目です,これは。そこら辺に組み込まれて本町もそれをやっていかざるを得ない。

 それと,周りの各市町,ほかの県とか市町と同じシステムにして国の言うように動けるようなシステム化,デジタル化というのを進めていく必要も出てきますので,うちだけでやることでは済まなくなってくる。よその自治体とも共同でやっていくということを国のほうは推進の計画の中に入れておりますから,そこら辺との対応も含めて,これをやっていく必要があります。今の取組が非常に大きいところに入ってくるのかなと思います。そうすると,組織の中も,そういう色々なITとかデジタル化の中の組織的なものも変えていく。コンピューターのソフトも,恐らく事務ソフトも変えていく必要があると思います。危惧というのではないけども,そういうふうな展開になるのかなと思うのです。そこらの対応というのを町長はどう考えておられるのか。

新しい人材を入れてデジタル推進室もできましたが,ただそこの推進課の中のデジタル推進室というとこだけでそれが出来るのかと思います。どうでしょうか。

 

町長(入江)

 もちろん,デジタル推進室だけでデジタルのことをやるということではなくて,先ほど言いました健康管理であれば保健福祉課がありますし,物流の関係であれば色々なところがあると思うんです。だから,そういうところで協議をしながら進めていきます。国が進めるデジタル化,特に今のマイナンバーカードとかですけれども,マイナンバーカードも一つのツールです。手段なので,あれを使って何をやるかです。それを,例えばじゃあ神石高原町だけ先に免許証で使えるようにしましょうとかということはできませんから,それは国の指示というか,国の方針に従って推進をしていくことなのです。保険証にするとか,今ありますよね。だから,それは別にデジタル推進室でなくてもできます,そういうのがなくても。もうそれは,今でもマイナンバーカード,役場に来てもらったら指導っていうか,教えてあげてつくることはできますし,スマホを使って自分でつくることもできます。そういうことで,それが別になくてもできます。だから,今のマイナンバーカードを使って町独自のことをするのであれば国の方針を考えていかないと,勝手にやってもいけませんから,それはもちろん国の方針に従ってやります。それは町全体で,行政全体で国の方針というのはちゃんと考えてそれの指示に従ってやりますけれども,国が例えば細かいところで,ああせえ,こうせえと言うことはないのではないかと思います。こういう可能性はありますよという,ああいう資料は出されますけれども,それに対して地域や住民たちの課題としてどういう利用の仕方があるかとか,どうDXを進められるかということを,それに対して補助金が出てくるみたいなイメージを私は持っています。

 今,国との連携とか県との連携というのはデジタル推進室が中心になってやりますけれども,町全体でそれは進めていきたいと思っています。

 

◆7番(木野山)

 イメージ的にそのように捉えておられるなら,ビジョンを町長自らが持ちながらやっておられるのなら心配することもないのかなと思いましたが,いろんな箇所がいっぱいあって,資料を見ていますと頭がこんがらがってしまって。どれとどれをやってどうなのかなと思ってこんがらかる訳ですけれど,国の方針に従って,うちのシステムを切り替えていくという必要もあろうと思います。

新しくドローンのやり方とか,細目に当たっての,うちの本当に弱いところをデジタル技術でカバーしていこうとすると,それでまた財政的なソフトの組替えとか,そういうことも一つ,そこは別の分野で必要になってくると思います。

 色々なことを考えると,まちづくりをする中で,財政が厳しい中でまたそういうソフトにお金をかける必要が,事務経費とかをかけていく必要があります。課長の先程の説明では電子カルテだけでも2億円ぐらいかかるということです。ですから,色々なところで組み替えていこうとすると,もう何億円というまた先行投資をすることが必要になるのかなとも思います。そうすると,財政のところも,財政計画もやっていきながらそれも必要かなと思いますが,そこら辺のところの裏づけというか,そういうのは考えておられますよね。そこを確認しておきます。

 

町長(入江)

 もちろん,国の方針に従って今クラウド化を進めていますからそれによってシステムが変わるというのはあると思いますけれども,それは国の方針でやることなので,間に県が入ると思いますけれども,それは仕方ないと思うのです。例えば,今のHMネットの関係とかというのは,今DXでそういった遠隔医療を取り組む中で例えば独自にアプリケーションを作成するとか,そんな大きなお金をかけてということはないので。HMネットをごっそり神石だけ変えるとかということは全く考えられませんから,それはそれを活用してやる。ほかに活用してやられているのですから,もう既に。

うちがどうかなというところがありますけれど,今現状は,そういうところはもちろん踏まえて考えてやりたいと思います。

 

◆7番(木野山)

 ひとつよろしくお願いをいたします。自治体通信等を見ると,色々な民間の大きい企業がソフトをいっぱい組んで,ラインを利用した色々なやり方など事例を五つも六つも挙げて,よその町はこんなことをしておりますよと宣伝をしているじゃないですか。だから,そんなものをつまみ食いをするのも良いかもしれませんし,神戸がやっているようにマイクロソフトのクラウドの部分で,前にお話をしましたけども,職員同士で新しいソフトを開発して自分のところの町に合うような仕組みにつくり替えるなど。コロナ対策なんかでもそうやったという実績があるというふうに書いてありましたから,読んでみると,そういうようなことも含めて研究をされるのも良いのかなと思います。

しっかりそこは期待をしております。スマートシティーができれば良いかなと思います。

 

 次に,持続可能な農林業,商工業振興における協議会の設置というところでございますけども,この協議会の目的はしっかり書いてあるから,これからの本町の農業をどうしようかなという部分でございますから,それはそれで目的がしっかりしてるので良いと思いますけれども,この協議会をつくるに当たって私が思うには,ここに書いてあるのは,「農業委員会や土地改良区,集落法人連絡協議会,農業公社などとしっかり議論を行い」ということで,農業の本当に専門の人で,それぞれの分野でいろいろ考え方を持ってそれを構築された人ばかりが集まって協議を行い,今後の本町の未来をもう一遍考えてみる,ということですが,お山の大将ばかりがやって,その専門のとこばかりでやっていると,結論的なものは,何となくこの評議会の結論が見えるような気もしないでもない。こんなのかなと。ですから,そこのところには,僕は農業をあまりしてなくてよく分かりませんが,他の分野の方で,農業分野以外の人の知識というか,そういうことなどもお聞きをして新しい視点で農業というものを捉えてみるということも必要かなと思います。ですから,協議会をつくられる場合には,そういった新しい目といいますか,素人の意見といいますか,そういうのも生かせるような組織にしていかれたほうがいいのかなと思いますが,どう思われますか。

 

町長(入江)

 最終的に協議会をつくる訳ですけれども,農業委員会や土地改良区,集落法人とか農業公社でこの協議会をどういうメンバーでつくるかということを,事前に考えてやろうということです。それが協議会になるということではなく。私が今考えているのは,もちろんJAも入ってもらわなきゃいけませんけれども,出口戦略をしっかりしなきゃいけませんから。民間企業ももちろんそうです。商工会も入ってもらう。そういったいろんな団体,議員が言われるように,農業関係だけでなくいろんな視点で判断できる,検討できるような人材をその構成員としていきたいなというふうに思っています。それを今の4者か5者,町も入って5者で考えていくということです。

 

◆7番(木野山)

 分かりました。そのようにひとつお願いしたいと思います。

 1点気になるのですけれど,「基盤整備も含めた土地利用の検討」というふうに書いてありますので,そこの中で基盤整備をもう一遍やり替えようよと,ここはこうしようよと,この土地をもう少し広くしようよとかそういう意見が出ればそこへまた投資をするという考えもおありなのでしょうか。

そこも確認したいと思います。

 

町長(入江)

 どういった形で利用するかということを考えてそこに投資をしていくわけですから,その改修は,国,県,町の補助金というところがないにしても将来的にそういった利益が上がってくるような農業を考えた上で基盤整備をしますし,中間管理機構の事業とかを活用すれば負担が少なくて済むということもありますから。

今,階見でトマト団地をやっていますよね。ああいうイメージを考えています。

 

◆7番(木野山)

 分かりました。

 それでは次に,ここに言われておりますまちづくり事業組合,特定事業組合について。

これのことは,商工会の役員会に於いて,入江町長さんの,「再選の入江町長に聞く」という中国新聞の切り抜きを持ってきて,町長さんの方針で特定事業組合制度の導入をお手伝いしてくれと言われていると商工会事務局が言っていました。

質問にも書きましたように,零細企業の多い本町でこれがうまく機能するのかなと思いましたが,よく考えてみると,これは大変面白い取組ではないかと,仕組みが。これが単なる人材派遣だけに限り,人間の行き帰りで,仕事が年中あるような形をして就労してもらうというだけで見ると,それだけのものですけれど,この事業組合というのはそこの参加法人,参加企業,参加者を広く集めることによってこれは一つのまちの活性化に繋がっていくのではないかと思います。事業組合そのものが事業を行っていくと。ですから,これは面白いなと思いました。

そう考えると,国の制度で事業組合というのができていまして,色々な法的な規制がいっぱいあって,人材派遣業とか労働基準法とかそういうのも全部クリアしなくてはいけないということなど,いろいろあって,そこのところが我が町でできるのかなというのがあります。

メンバーは第三セクターも可能です。第三セクターも入ってもよいし,普通の民間の企業も入っていいし,農業をされている法人の人が入ってもいいし,色々な人がメンバーになれる。そのメンバーの中で人材を派遣し合うということなのです。ですから,非常に面白いなと思うのです。

 一番の問題点は,要綱を読んでみると,参加企業の資格の中に,資産から負債を引いた資本が1千万円以上必要と書いてある。これは,本当にクリアが必要ならば厳しいのではないかということもあります。どうなのでしょうか。そこをお聞きしてみたい。

 

政策企画課長(岡崎)

 木野山議員が言われました特定事業組合の組合員,協同組合の組合員になる者について,資本の制限というのは私が今知る限りではないというふうに思っていますけれども,そこについては正式に国にも問合せをさせていただいて,また回答させていただきます。

 

◆7番(木野山)

 労働基準法の中の基準の中で,参加企業の事業所が2千万円以上というのが普通なんです,聞くところによると,その事業も。だけど,小型派遣業とかになってくると,10人以下である中小企業事業主の財政基礎というのは基準資産額が1千万円以上とかというのが書いてあります。ですから,そこらのところがどうなんかなと思って気になったのですけれど,できれば担当課のところでしっかり指導をして頂き,これは前に進めていく方向性を持って,最初に言ったように,単なる人材ということだけに限らないで,まちづくりの大きい枠の中で考えていただければいいなと思います。

一言そこを,できるかできないのかというか,構想を。

 

町長(入江)

 今ちょっと聞くと人材派遣業の適用外ということなので,できると思います。いろんな企業に関わってもらえることで,そこに派遣された,派遣というか,その人材がつなぎ役にもなりますし,その企業同士で町内のいろんな出会いとか話ができる機会が増えますので,非常にいい取組だと思います。しっかり進めていきたいと思います。

 

◆7番(木野山) 

 観光のことですけども,観光協会が今まで観光を担ってもう16年たちますけども,観光については特化して一生懸命公的な役割を果たしておられるわけです,観光協会は。

ご存じのように,観光協会の事務局長は,今までずっと替わられて4人目になっていますし,事務局も最初はスコラでしたが,くるくる変わって今182ステーションにおりますが,それでも場所を5遍変わっております。そんな形で,事業展開をしながら課題があるたびに少しずつ少しずつ大きくなって,いろんなことに取り組んでおられます。そこの観光協会のやっておられることをもう一つ前に進めるということですが,個別の基本方針がないということなので,それと町の基本方針とが一緒になってという意味なんでしょうけど,これを定める理由はあると言えばあるのでしょうけど,どんな形の基本方針にされるのかなというのが一つあります。

簡単に説明を。

 

町長(入江)

 観光協会には,非常に神石高原町の観光行政を担っていただいて感謝しているのですけれども,町全体で,町のイメージとしてどういうふうに観光を進めていくのか,何を資源としてどういうテーマで進めていくかということを決める,そういった計画にしたいと思っています。

 

◆7番(木野山)

 観光と言いましたら,観光は他所から来てもらうわけですから,観光の基になる観光資源というのが一番大事であろうと思います。観光資源をどのように充実させてどのように捉えていくかということが一番大事です。

私が思うのは,目標を立てた個別計画の中にも,観光の資源は一個一個のスコラとか,ここのヒコーキ・タワーだ何だというんではなしに町全体が一つの観光資源だなという捉まえ方をしていただいて,町民,住民それぞれ一つの観光資源なのだ,というようなコンセプトを持ちながら大きな計画を立てていただきたいなと思います。

今まで言われてきた町の在り方そのもの,観光を含めて全体,総合的にコーディネートしていくということが大事なのかなと私は思いました。町の,大きなことを言えば歴史などについても掘り起こしていただいて,この高原町というのはこういう歴史を持っているのだよと。前にも言いましたけど,鉄が神石にはたくさん出ていて,その鉄のルートがありますよというふうな歴史もあるわけです。そういうことも含めて紹介をしながらやっていただきたいなと思います。

そういったことは今さらですけども,最終的には総合的な連携で,皆さんがそろって住民全体でこの町をどうするかということを考えていく。まさに1人の100歩よりも100人の1歩という部分を思い返していただいて,そのようにひとつ町政を進めていただきたいなと思います。

 

町長(入江)

 いろいろな提案をありがとうございます。観光については,まさに歴史も長い神石高原町ですし,希少動物とか生物もありますから,そういったものを全部含めて観光資源と捉えて計画をつくっていきたいというふうに思います。

1人の100歩よりも100人の1歩,1人の100歩も大切なのですけれども,両方しっかり取り組んでいきたいと思います。









  令和3年3月第2回定例会 当初予算質問

〇企業誘致促進事業

◆7番(木野山) 

 お試しオフィスは,コロナ禍の今でこそアピールポイントであると思いますが,説明では令和2年度はコロナの影響で少なかったということです。

アドバイザー2名体制で,マッチングセミナーなど事業展開を行うということですけども,今年こそ成果の上がる事業としていただきたいと思いますが,改めて具体策をお伺いします。

 

政策企画課長(岡崎)

 木野山議員さんの企業誘致促進事業の件であります。

 令和2年度については,コロナ禍の状況の中で,非常に人の動きに制約がありましたので,マッチングイベントはウェブでやっております。

マッチングイベントで言えば,140社について町がPRを行っております。その中で,現在12社の事業者と継続的な協議を行っており,先日も複数の社が本町へ来て,いろいろな状況を見て帰っておる状況があります。コロナの状況がありましたので,本町に視察など来ていただく方々が非常に少のうございました。3社6名の方が実際本町に来て,町の状況を見て帰っておるという状況があります。

 令和2年度については,新たに起業された会社が2件ありました。それから,事業の承継をされたものも1件あります。それから,新たに事業所の開設も準備をされておるところも2件聞いておりますので,そういった意味で言えば,継続的にこの企業誘致促進事業は行っていきたいと考えております。

 それから,先ほどアドバイザー2名体制と言われました。来年度アドバイザー2名体制で,一層この企業誘致が進むようにアドバイザー2名をお願いして,ずばり企業誘致のアドバイザー,それからデジタルトランスフォーメーションのデジタル化についてのアドバイスをもらう,そしてデジタル化の企業誘致も一緒に行うというアドバイザーを1名ずつ配置をして,来年度取り組んでまいりたいと考えております。

 

◆7番(木野山)

 なかなか事業の成果が上がってないのかなと思って心配しましたけど,今のお答えでは色々な者が本町へおいでいただいているということでございます。

 ご存じのように,徳島の神山町ですかね,このコロナ禍でも大変になっていると聞きます。そういったことで,本当にこのコロナ禍だからこそ企業がこちらへ来られるという条件がそろっていると思います。ですから,単なる今までどおりの事業展開ではなく,ちょっと変わった展開で,これは大変かなと。

それから,このお試しオフィスもどんどん使っていただいて,本当に実効が上がってきているのだと町民に見えるようにしてもらいたい。うなずいておられるので,答弁は求めません。

 

〇ケーブルテレビの広報

◆7番(木野山)

広報テレビ番組の全10回というのは「ひろおく便り」ということですが,ケーブルテレビの制作番組12回というのは,何か。

それと,令和3年度はLINEを使ったPRも行いたいと言われましたが,具体的な説明を。

 

政策企画課長(岡崎)

 町のPR事業になります。

 ケーブルテレビの制作ですが,これは本年度も行っておりますけれども,議会が終わった後に,町長側,それから議会側の状況について町民の皆さんに発信をしていきたいと思っております。

 それから,JIN(神)プレミアムの商品の紹介も,今までも行っておりますが,さらにやっていきたいと思っておりますし,町内にこんな企業があるんですよというような企業の紹介も行っていきたい,それから時事,例えば今で言えばコロナのワクチン接種はいついつ,こういうふうなものになりますよとか,そういった時事の情報についても発信をしてまいりたいと考えておりますので,ご理解を賜ればと思います。

 LINEについてです。

 LINEは,昨日いろいろな情報の話がありましたけれども,LINEについては比較的幅広い年齢の方が利用されておりまして,近隣の自治体もこういった取組を行っております。

来年度早々にLINEと契約を結んで,今SNSで言えばフェイスブックも取り組んでいますが,フェイスブックとLINEのすみ分けをした上で,例えばフェイスブックはこんなイベントがありましたというような,LINEはこういったことを町は今からやりますよというような,それから今町はこんなことを,例えばコロナのワクチン接種をあさってからどこそこでやりますよというような,生活に密着した情報や,今からのイベントはこういったことがありますよというような,今からの情報を発信する。

フェイスブックは今こういうことがありましたというようなことを発信していくというような,すみ分けをして,情報発信に努めてまいりたいというふうに思います。

 

◆7番(木野山) 分かりました。

 LINEについては,昨日,おとといぐらいから大変なことが起きております。

今まで使用されているところも,もう少しセキュリティーの面でしっかり頑張らないといけない。

また,政府もこれからどうするか少し不明なところがあります。

契約の際には,そういったことも含めて,セキュリティー面等も含めながら,ちょっと契約内容も検討して,うまく活用していただきたいと思います。

 一般質問でも言いましたけども,DXの技術のデジタル技術の活用につきましては,LINEを使って事業をして市町がとても多い。ですから,そこら辺も見直さなくてはいけない面も出てくるのではないかと思う。そこらも含めて,契約する場合には気をつけていただきながら,情報発信はしっかり行っていただきたいと思います。

 

〇ドローンの活用による地産地防事業

◆7番(木野山)

地産地防事業の業務委託で180万円程度組まれている。これは委託ですよね。

会社に依頼して色々な実証実験等を行う場を提供する。と書いてありましたけども,国や県の担当者の方もお招きをして,そういった意味でも国や県とのつながりを強めていきたいという事でございましたので,成果は期待をしておるわけですけれども,このたび新しく未来創造課ができまして,デジタル推進室ができました。そこには,また専門家を1人お招きするということでございます。

そのお招きをする専門家の方と,この事業委託業者とのつながりというか,関係というか,その辺をどうされるのか。このたびのDXの対策が新しいメインになるので,そこの担当がここをされるのではないかと僕は思いますが,その関係はどうなるのかなと,そこをお聞きします。

 

政策企画課長(岡崎)

 この地産地防事業の委託業者につきましては,令和元年度に実施をしました油木協働支援センターが実施をしたときの業者と今いろいろ話をしているところです。

DX,デジタル推進室に専門としてお呼びをする方の出身は,このドローンだけの事業ではなくて,町長が盛んに言っています健康・福祉の問題であったり,それからデジタルが活用できるような遠隔の医療の問題であったり,そういったドローンはドローン,遠隔医療は遠隔医療というようなパーツ,パーツを総体的に話ができるところの事業者さんと今話をしておりますので,来年度来ていただく事業者さんについては,ドローンの委託をする業者さんとは,関係が全然ないことはないのかもしれませんけれども,関係はない者というふうに考えております。

 

◆7番(木野山)

 関係がないというのはおかしいと思うのですが。

デジタル専門室の専門の方が来られて色々行う中で,ドローンが一つの柱だったではないか,遠隔医療と,もうひとつがドローンの方だと。そんなに細かい話はなかった。

全体のコーディネートというのはまだ考えてないと町長は言われた。それはどこでも出来るという話ではなかったかと思うのですが。

ですから,すこし関係があるのかなと思って。そうすると二人の関係が難しくなるのか。

全体を見られるのがデジタル推進室で,その下の専門家の分が今の事業委託しとる会社というふうに捉えられるのか。そこの説明だけもう一遍お願いします。

 

政策企画課長(岡崎) 

会社同士のつながりは多分あるのだろうというふうに思いますけれども,デジタル推進室ができれば,そういったデジタルを推進する担当課の中でドローンも推進をしていきますし,それから来年度事業をデジタル化に向けた計画をどういうふうにつくっていくかというところもそこでしますので,全然関係がないわけではないのですけれども,その人とドローンの事業の会社とが直接関係があるか,そういったところでは関係ないのではないかなとお答えしたまでです。

すみません。よろしくお願いします。

 

◆7番(木野山) 

 トラブルが起きないようにうまくやって頂き,こういうことを町長はしたいんだというモデル化,町民に見えるような形で事業展開ができれば良いと思います。

 

〇協働支援センターの運営経費

◆7番(木野山) 

協働支援センター関連で,「行政が縮む中で支援センターの充実が求められる」が,まだまだの感があるということで,「まちづくり推進係」ができ,協働支援センターの運営等についても「まちづくり推進係」の担当であり,もう少し協働のまちづくりを進化させるというか,もう一つ踏み込んでいくのだというときに,この協働支援センターが大きな核になるのだろうと私は思います。

協働支援センター自体の予算は,新年度あまり増えてないというか,それに特化したものがないのかなと。

そういったことで,新たに特化させるために,何か動いてもらう訳ですから,そういう予算的なものは組んでおられないのか,その辺のとこをちょっと聞きます。

 

まちづくり推進課長(矢川) 

それでは,協働のまちづくりについてでございます。

 まず,協働によるまちづくりを進めるために何より重要なことは,まず改めて住民自治とは何かと考えることから始まることだろうと思っております。この住民自治ですけれども,いわゆる地域づくりやまちづくりの理念や方向性を住民の皆さんが自ら決め,そして住民自らの手で地域をつくっていくということです。こういった地域づくり,まちづくりは,一人一人の住民の皆さんがこんな町,こんな地域にしていこうという,そういった思いから始まるものだと思います。この思いは一人一人異なるので,あらゆる人たちの対話によって合意をつくり出す,具体的な政策決定を行うことが重要で,地域づくり,まちづくりの全ての起源が住民であり,この思いが自治の出発点であると考えております。 

この様々な思いを行動につなげるためには合意形成というものが必要です。この合意形成は,手間暇はかかりますが,やはり対話によってつくり出すことが何より重要です。このプロセス,自治の力とは,意見や利害が対立する人との合意する力であって,この一連の流れの中で協働支援センターなどと積極的な役割分担と相互支援を実現することが求められております。

 協働支援センターの運営,課題解決のために一括交付金を予算化しておりますけれども,新規の事業の予算配分がないとのご指摘でございますが,行政の役割としましたらば,課題解決や地域活性化を実現するためには,予算,費用が必要な場合もあると思います。この財源確保の仕組みづくりとして,ふるさと納税の寄附先に自治振興会,協働支援センター,そしてNPO団体を直接的に支援できるように,これは行政責任として制度化をしております。そういったことで,その仕組みをぜひ活用いただきたいというように思います。

ただ,自助,共助,公助の役割を行う中で具体的な取組,事業でそれ以上に必要となる財源が必要ということであれば,今後検討してまいりたいと思います。

 

◆7番(木野山)

 協働支援センター長さんとも少し話しましたが,これからそういったことでいろいろ町側も,行政も協働支援センターへあれこれと言われるのかなと,ちょっと冗談げに話をしたのですが,そういった意味では,今最後に言われたように,財源が必要なら措置したいということなので,ひとつその辺はよくお話合いをしながら,要るものがあれば,しっかり措置をしていただいて,それよりもより住民側が財源というか,自分らの運動,運営費を自分たちで稼げる仕組みをつくるような方向を指導するのでもいいですから,そこにもまた少しは財源を持っていただいて,幾らか指導というか,一緒に協議をして,まちづくりのためにやる財源を確保していただきたいと思います。

 

〇放課後子ども教室事業とコミュニティ・スクール導入

◆7番(木野山)

 放課後子ども教室事業において,国庫補助金をいただくためにはコミュニティ・スクールの導入が必須となると書いてありますが,これはどういう趣旨なのか,僕も勉強不足ですけれど。

なぜこれが必要なのか。

 

まちづくり推進課長(矢川) 

この放課後子ども教室の財源となっております,事業名で言えば,学校家庭地域連携協力推進事業ということで,国,県,そして町が3分の1ずつ費用を持ち寄っておるものでございます。

この国からの補助要件に,コミュニティ・スクールを導入していることということが条件となっております。本町の対応としましては,令和3年度に全ての小学校,中学校でこれを導入する予定になっております。

このコミュニティ・スクールの目的ですけれども,学校運営協議会という組織を通じて,保護者や地域の皆さんが一定の権限と責任を持って学校運営に参画することにより,そのニーズを迅速かつ的確に学校運営に反映させるとともに,学校,家庭,地域社会が一体となって,よりよい教育の実現に取り組むというのが制度の狙いでございます。平たく言いますと,地域の皆さんが学校の運営にも参加する仕組みと捉えていただいて結構かなというふうに思います。

 

◆7番(木野山)

 いや,今まではなかったのに,急にコミュニティ・スクールの要件が入ったというのが,何故かなと思って。それは,コミュニティ・スクールというものを国がつくれと,暗に上から押しつけじゃないですけど,そういうようにしているのかと思うのですが,これはちょっとおもしろくないなという気持ちで聞いてみました。ですから,本当の趣旨は,今言われたとおりだと思うのですけれども,別にコミュニティ・スクールの導入をしなくてはいけないということはないのではないかと思います。

どう思われますか。

 

まちづくり推進課長(矢川)

 この取組も,私はこう思っているのですが,先ほどの協働のまちづくりをご説明申し上げました。その中で,地域と学校との協働の活動の一環であるというふうに考えております。

国としても,そういうように地域の皆さんと協働で学校を今よりもよくしていくというふうな一連の流れかなと考えております。

 

〇ALT体制

◆7番(木野山) 

 ALTの体制ですけども,1名は今度派遣会社からお願いをするということですけれども,ALTを導入されて何年にもなります。これは本当に重要な取組だとは思いますが,ALTを導入して,いろいろ指導を中学校,小学校,今度は保育所もありますけれども,そうすることによってどんな効果があったのかなと思いました。

何年もたちますが,本当に英語の力がどのように本町の子供達についたのかなと。なかなか分からない。ですから,英語の検定試験とか,いろいろそういう部分で前よりも何人多く合格者が出ておるよとか,そういう本当に実績が伴っているのかなということと,もう一つはここに書いておりますけど,令和2年度より保育所とかそこら辺にも活動を広げられましたが,それが中学校の指導体制に少しは影響があったのかな,なかったのかなと,そこら辺もお聞きしたいと思います。

 

教育課長(砂田)

 ALTが入ってどんなに影響が出てきているかということですが,先ほど英語力がどれぐらい向上しているかというのはなかなか見えにくいということもおっしゃっていただいたと思います。そんな中で,我が町のALTの活動によっては,ALTのネーティブな発音を学校の中で児童・生徒が聞くことによってリスニングの力というものは上がってきておると思います。ネーティブな発音に近い自分の発音ができる,それからきれいな発音ができるというふうな児童・生徒が増えていると現場からお聞きはしております。

 また,小学校では,英語に興味を持ち,低学年から英検にチャレンジしている子どもさんも増えております。また,中学校のほうでは,標準学力調査の結果では全国平均を上回っております。特に,聞くことに関しての力っていうのは正答率が高い実態がありますので,非常に成果が出ているものと思われます。

 また,先ほど保育所,幼稚園というふうなことがありましたが,令和2年度につきましては,ALTがちょっとコロナの関係で急遽1名帰国いたしました。2名の体制でスケジュールを調整しまして,小・中学校のほうの指導に当たっておりましたので,令和2年度につきましては保育所には指導に行っておりません。また,幼稚園につきましては,以前から補助金の交付ということで対応させていただいておりまして,実際にALTは行って活動はしておりません。

 

〇海外研修制度

◆7番(木野山)

海外に研修に出すというか,小学校,中学校,高校生ですが,子供を海外へ独り単独で出すというのは,これは大変ですよ,親にとっては。私は,希望者があるのかなと思ってね。僕はないと思います。ですから,ものすごく心配です。

僕の体験で言うと,うちの子供が大学卒業してアメリカのロスへ行くというときでも,独りで関空から飛び立ちましたけれど,無事に向こうへ着いて,それからどうするのか,一晩寝られなかったです,心配で。大学生でもそのように思うので,小学生を一人で出すということは無謀ですわ,それは。その辺のところを考えた事業なのかなと思ってね,ちょっとこれは30秒ほどで回答をお願いします。

 

町長(入江

 独りで出すと言ったことはないと思いますし,ツアーで行きますから,独りで行くことはありません。

 

◆7番(木野山)

 独りでないのなら良いですけど。説明では独りだと言われたような気がしました。

単独で行くというように。

 

〇今後の財政推計と計画

◆7番(木野山)

 最後,総務課にお聞きします。

 令和3年度の地方債の残高,12億円程度増加,起債発行額も昨年度より大幅に増。基金残高は前年度より5億円程度の減と見込む。基金総額も前年度と比較して総額は9千万円程度の減ということで,財政は非常に厳しいと思われます。

今後の推計と計画というのがあれば,簡単にお願いします。

 

総務課長(瀬尾)

 今後の財政の推計と計画についてでございます。

 今,令和3年,令和4年にかけて,庁舎,病院の建設を行っておりまして,予算的にも最も合併後大きな予算となっています。今後につきましては,こういった大事業が終わって,予算的には令和6年ぐらいまで100億円程度の予算規模になるかなと思っています。それ以降については,約90億円程度に減少するものと考えています。また,こばたけ保育所の建設とか,福枡大橋の改修,RDFの廃棄物の収集運搬施設など,そういった大規模な工事も今後予定されております。基本的に,収入が交付税中心に減少する見込みは今後変わりません。厳しい状況が見込まれて,経常収支比率も90%程度になろうかと思っています。各事業の見直しをしながら,経費の抑制と効果的な事業執行が必要であろうかと思います。

また,安定した有利な財源の確保を引き続き行ってまいりたいと考えております。

 

◆7番(木野山)

 大事業,病院,庁舎が終わっても,これからはデジタル化とか,これからの未来を創造するための予算という部分で言えば,まだまだ先行投資が非常にたくさん要るだろうと思います。

これから本当に町長の思いを実現する年に入っていくでしょう,主に。

ですから,そういうときには,もっともっと財源も必要だし,厳しくなるのかなと思います。ひとつ確実な安定的な財政計画をされ,安定した運営ができますように,ひとつよろしくお願いいたします