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CPUの性能とは

 CPUには、パソコンの情報を処理するという大切な役割がありますが、CPUの種類によって持っている機能と持っていない機能があります。
では、CPUには具体的にどのような機能があるのでしょうか?
本ページでは、それらの機能などに関してご説明します。

CPUの性能の表し方

 一口にCPUの性能といっても、インターネットやお店で売っているCPUを見ると様々な説明がされています。
例えば動作周波数とかFSB周波数とか、それはどのような事を説明しているのでしょうか?
ここでは、これらの言葉の意味をCPUの仕組みと一緒にご説明します。
まずは、CPUの中でどのような事が行われているのかを見てみましょう。

CPUの中でのデータ処理

 CPUに入ってきたデータは、どのような手順で処理されていくのでしょうか?
簡単な図で見てみましょう

CPUの内部処理

外部からデータがCPUに送られてくると、まずはキャッシュメモリに送られます。
そのデータは、「命令の読み込み」・「命令の解読」・「命令の実行」・「結果の書き戻し」と、大まかに分けて4段階の処理方法を経て処理されます。
そして、処理されたデータはまた外部へ送られていくわけです。
このように、CPUのデータ処理はいくつかの段階を経て行われているのだということを覚えておいてください。
では、CPUの性能を表す指標がどのようなものなのか、ご説明して行きましょう。

CPUの動作周波数

 CPUの性能を最も簡単にそして分りやすく比較できるものに、動作周波数があります。
動作周波数はその単位をHz(ヘルツ)で表し、この動作周波数が高い(大きい)ほど、高速でのデータ処理が可能になります。
まず、マザーボードには一定の間隔で周波数を発生するクリスタル(水晶振動子)があり、これを基準に様々な動作が行われます。
これを利用して、CPUは自分の中で新たな規準となる動作周波数を作り出します。
では、基準とは具体的にどういうことなのでしょうか?
CPUの内部処理には、いくつかの段階があることを先にご説明しました。
これらの動作をそれぞれが勝手に行うと、タイミングがずれてしまったりしてデータの処理が出来なくなってしまいます。
ここで基準となるのが、動作周波数です。
ここまでご説明すると大体お察しかとは思いますが、動作周波数が高いと言う事は、データのやり取りを行うためのタイミングがそれだけたくさんあるということになります。
その為、動作周波数が高いほど高性能になると言う考え方になるわけです。
しかしながら注意しなければならないのは、一概に「動作周波数が高い=高性能」では無いと言うことです。
同じタイプのCPUならまだしも、他社メーカーの製品や、同じ会社の製品でも基本的な構造が異なる場合は、気をつけましょう。

キャッシュメモリ

 CPUの中でのデータ処理で、まずデータの受け渡しが行われているように書かれている部分がキャッシュメモリです。
使用される単位はB(バイト)で、主にKB(キロバイト)やMB(メガバイト)が使用されます。
単位自体は、ハードディスクやメモリの容量と同じ単位を使用しています。
このキャッシュメモリの主な役割は、CPUが行うデータ処理の途中経過を保存して、次の処理の時に素早く参照できるようにします。
データの容量とCPUがアクセスできる速度の相関関係は、下図のようになります。

CPU・メモリ・ハードディスクの記憶容量とアクセススピード

CPUという部品は、非常に高速な処理能力を持っている反面、その周りの部品はそれについていける程の高速なデータ通信を行うことが出来ません。
そこで、CPU内部に独自のメモリを持つ事で、データ通信にかかる時間を短縮しており、このときに使用されるメモリがキャッシュメモリと呼ばれているわけです。
人間の作業にたとえると、キャッシュメモリが人間の脳、メモリが走り書きできる紙、ハードディスクがノートと言った感じでしょうか。
CPUの性能を比較する時、このキャッシュメモリの容量が大きいのかどうかで、作業効率が変わると言っても過言では無いでしょう。
また、このキャッシュメモリには1次から2次もしくは3次まであり、数字が少ない程高速でのアクセスが可能である事も覚えておいてください。

FSB(フロントサイドバス)周波数 または システムバス周波数

 CPUに動作周波数があるように、他の部品にも各々の動作周波数があります。
CPUはデータを高速で処理する為、データの読み書きの時にタイミングを取る必要があることは先の動作周波数でご説明しましたが、外部部品であるメモリとのデータ通信にもタイミングがあります。
この周波数の事をFSB周波数、または、システムバス周波数と言います。
呼び方が異なるのは、IntelとAMDが違う呼び方をしているだけですので、あまり気にする必要は無いと思います。
様々な動作周波数がある中で、なぜシステムバス周波数が注目されるのかと言うと、CPUとメモリは高速でデータ通信を行いその頻度も高い為、CPUの性能を左右する大きな要因の一つと考えられているからです。
システムバス周波数に関しては、CPU自体がどれだけの性能を持っているかというより、どの程度の性能のメモリに対応しているのかを表していると考えていただければ分りやすいかと思います。
またCPUに高いシステムバス周波数に対応できる性能があっても、メモリやマザーボードの性能がそれ未満だと、性能が抑えられてしまう場合もありますので注意しましょう。

64bitテクノロジ

 CPUの性能は、データをいかに多く処理できるかにかかっています。
処理できる量を増やすためには、次々と速く処理するか、いっぺんに多くのデータを処理する必要があります。
64bitテクノロジは、データの量を増やす手法の一つで、前モデルの32bitに比べ多くのデータを処理できます。

Bit数

しかし、この機能を最大限に利用する為には、OSやソフト自体が64bitに対応していなければなりません。
64bitに対応したOSは販売されていますので、自作する場合などは対応した製品を購入するように気をつけてください。
2006年半ば現在では、まだそこまで必要性の無いように思われる64bit化ではありますが、2007年に発売されると思われる新OSの性能などを考えると、これらの性能向上は必然なのかもしれません。
価格を抑えるのなら未対応、長く使いたいなら対応品を購入すると言う使い分けも良いかもしれません。
しかしながら、CPUの64bit化への流れは止まらないと思いますので、迷われているのであれば64bit対応品を購入される事をお勧めします。

デュアルコアCPU

 デュアルコアCPU自体は、サーバー用などで既に販売されてはいました。
少し前までは、一般的な自作パソコンやメーカー製パソコンへの使用は珍しく、また高価なことからなかなか手が出ない製品でした。
しかし、新発売されているCPUはデュアルコア化が進み価格も手頃になった事で、メーカー製パソコンへの採用も普通に行われるようになりました。
では、このデュアルコアとは具体的にどういうものなのでしょうか?
CPUの処理能力を向上させるためには、高速化か大容量化を行うという話は先の64bitテクノロジのお話でもありましたが、デュアルコアの手法は大容量化に属します。
CPUの中でのデータ処理の時と同じような図でデュアルコアCPUの内部処理を説明すると、下図のようになります。

デュアルコアCPUの内部処理

1次キャッシュが二つに分かれているかなどの細かいところに関しては、製品によって差があるかもしれませんので、あくまで簡略図として見てください。
このデュアルコアと言うCPUが優れているのは、一つのコアの中に2つの独立した処理機構を持っているというところにあります。
独立した処理機構を持つと言う事は、外部から同時に2つのデータが送られてきた時、いわゆるシングルコア(一般的なCPU)では一つのデータ処理が終わるまで、後から入ってきたデータには待っていてもらわなければいけませんでした。
しかし、二つの処理する機構を持っているのですから、2つのデータが送られて来ても同時に処理できてしまうわけです。
Intelの採用するHTテクノロジやAMDのスーパースケーラー方式による並列方式に比べ、デュアルコアでの並列処理は完全に独立した二つの処理機構がありますので、更なる高効率化が見込まれます。
また、現在までIntelやAMDの行ってきた並列処理の手法は、デュアルコアに対しても有効です。

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