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Mobile Core i7に関して

 Core i7シリーズの中で、モバイル向けに発売されているシリーズに関して簡単にご説明します。
モバイル向けのシリーズには、デスクトップ向け同様Core2ExtremeとCore2Quadの後継があります。
まずは、これらのモバイル向けCore i7シリーズのスペックを見てみましょう。

プロセッサ ソケット 動作周波数 最大周波数 バス・スピード TDP
920XM PGA988 2.00GHz 3.20GHz 2.5GT/s 55W
820QM PGA988 1.73GHz 3.066GHz 2.5GT/s 45W
720QM PGA988 1.60GHz 2.80GHz 2.5GT/s 45W

基本的な仕様は、デスクトップ向けと同じような内容で、TDPの低さが特徴的といえます。
なお、プロセッサナンバーの末尾にXMがあるものがCore2Extremeの後継、QMがあるものがCore2Quadの後継です。
どのモデルも、ソケット形状にはPGA988を採用しています。

主な仕様

 モバイル向けのシリーズにも、デスクトップ向けと同様の機能が搭載されています。
以下に、基本的な仕様に関してご説明します。
なお、3つのモデルの基本的な仕様は、ほぼ同じと考えてよさそうです。

コア数

 どのモデルも4つのCPUコアを持ちHyper-Threading機能を搭載、8つのスレッドで処理が可能です。
これは、デスクトップ向けモデルと同じ機能です。
Hyper-Threading機能に関しては、以前のモバイル向けCPUで同様の機能を搭載したモデルがあった記憶はありません。

キャッシュ

 L3キャッシュは920XMと820QMが8MBとデスクトップ向けと同容量が、720QMが6MBを搭載しています。
L1キャッシュとL2キャッシュは、各コアに独立して用意されており、データ処理にはインクルーシブ方式を採用しています。

ターボ・ブースト・テクノロジ

 デスクトップ向けCPUにも搭載されている機能で、4つのコアのうちいくつかの機能を低下させ、残りのコアをTDPの範囲内でオーバークロックするという機能です。
モバイル向けCPUのターボ・ブースト・テクノロジでのオーバークロックは、デスクトップ向けより大幅なクロックアップを果たします。
TDPの範囲内でのオーバークロックであるという制約はあるものの、大きな性能向上を見込めるものと推測されます。

ソケット

 ソケット形状は、今までのモバイル向けCPUとは異なるソケット形状で、PGA988を採用しています。
そのため、今までのCPUとの互換性は一切ありません。

メモリへのアクセス方法

 CPUからメモリへのアクセスは、デスクトップ向けと同様、CPUから直接アクセスする方式になっています。
デュアルチャンネルに対応しており、デスクトップ向けCore i7の800番台と同じようなダイアグラムになっています。

対応メモリの種類

 モバイル向けCore i7の対応するメモリはDDR3-1333とDDR3-1066で、デスクトップ向けの800番台と同じ仕様になっています。
また、ExtremeEditionでは、Intel XMPをサポートしており、これによりメモリの自動オーバークロックが可能となっています。

バスタイプとシステムバス

 モバイル向けCPUに採用されているDMIは、CPUから接続されているチップセットであるノースブリッジと、さらにその先に接続されるサウスブリッジを接続するためのもので、モバイル向けCore i7ではCPUとチップセットを接続するために使用されています。
これは、CPUから直接メモリとグラフィックボードに接続しているため、FSBやQPIを用いる必要がないためであると考えられます。

グラフィック機能

 デスクトップ向けCPUであるCore i7の800番台と同様で、PCI Express2.0グラフィックボードへ16レーンで接続されています。
そのため、1枚のグラフィックボードをx16で接続するか、CrossFireやSLIで2枚のグラフィックボードをx8で接続することになります。

モバイルCore i7のダイアグラム

MobileCore i7のダイアグラム

 チップセットはPM55の場合を記載しています。
今までのCore2シリーズなどとは異なり、チップセットはノースブリッジ・サウスブリッジの2つからPM55のみに変更され、メモリとグラフィックボードへの接続はCPUから直接行われています。
デュアルチャンネルメモリに対応しており、メモリの種類はDDR3にアップグレードされています。
グラフィック面に関しては、実際に使用できるかどうかの問題はありますが、機能としては8レーンで2枚のグラフィックボードを使用できるようになっています。
その際のCrossFireやSLIへの対応に関しては不明です。
基本的なダイアグラムの仕様はCore i7の800番台とほぼ同じと考えて良いようで、異なるのはCPUのTDP・動作周波数・最高周波数などの模様です。

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