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AMD製CPUの種類

 ここでは、AMDで製造されているCPUの種類について説明します。
特に記載がない場合は、64bitに対応している製品です。
Athlonの後に、64の2桁の数字を追加する事で64bit対応品としていましたが、64と記載の無いものでも対応している製品もあります。

デスクトップパソコン向け

Athlon64 FX プロセッサ 70番台

プロセッサ・ナンバ FX-70 FX-72 FX-74
動作周波数 2.6 GHz 2.8 GHz 3.0 GHz
システムバス周波数 2000 MHz
熱設計電力 125 W
プロセステクノロジ 90 nm
パッケージ Socket F(1207 FX)
対応メモリ DDR2 PC2-3200~6400

 クアッドコアCPU。
ソケット形状にはSocket F(1207 FX)が採用されています。
使用方法には、2個1セットで使用しなければならない制約があります。
プロセッサ当たりのトランジスタ数は、デュアルコアであるAthlon64 FX-62と同じ2億2700万個、それを2つ使用するため4億5400万個となります。
しかしながら、HyperTransportサポートはプロセッサあたりx3となっています。
購入時の価格比較では、2個セットなのか単品販売なのか、確認を怠らないようにしましょう。

Athlon64 FX プロセッサ 50~60番台

プロセッサ・ナンバ FX-51~57 FX-60・62
動作周波数 2.2~2.8 GHz 2.6・2.8 GHz
システムバス周波数 1600~2000 MHz 2000 MHz
熱設計電力 89 W または 104 W 110 W または 125 W
プロセステクノロジ 90 nm または 130 nm 90 nm
パッケージ Socket 939 または Socket 940 Socket 939 または Socket AM2
対応メモリ DDR PC-1600~3200 DDR PC-1600~3200
または DDR2 PC2-3200~6400

 50番台はシングルコアCPU、60番台はデュアルコアCPU。
AMDのCPUの中でも最高峰のFXを冠に持つ、高価なCPUです。
Athlon64X2のラインナップや価格などの変更に伴い入手自体が難しく、またハイエンドモデルにはクアッドコア仕様のCPUが発売されるなど、現在ではあまり使用されません。

Athlon X2 デュアルコア・プロセッサ

プロセッサ・ナンバ BE-2300~2350
動作周波数 1.9~2.1 GHz
システムバス周波数 2000 MHz
熱設計電力 45 W
プロセステクノロジ 65 nm
パッケージ Socket AM2
対応メモリ DDR2 PC2-3200~6400

 デュアルコアCPU。
AMDが同社のAthlon64 X2の後継として発売したCPUです。
動作周波数の範囲は狭いものの、熱設計電力を全モデルより抑えています。
AMDのCPUが64bit対応であることを表現するために使用していた64の数字を、現在では64bit対応品が主流であり名称が長くなり不便との理由で削除しています。
また、プロセッサ・ナンバの頭文字に2文字のアルファベットを使用して、プロセッサのクラスと熱設計電力を表しています。
それ以降の数字は、上1桁がシリーズの種類、下3桁は新たなシリーズが追加されるごとに増加します。
今後は、追加されるモデルの表記が順次こちらに変更される予定です。

Athlon64 X2 デュアルコア・プロセッサ

プロセッサ・ナンバ 3600+~5000+ 3800+~6000+
動作周波数 1.9~2.6 GHz 2.0~3.0 GHz
システムバス周波数 2000 MHz
熱設計電力 65 W 65 W または 89 W
プロセステクノロジ 65 nm 90 nm
パッケージ Socket AM2
対応メモリ DDR2 PC2-3200~6400

 デュアルコアCPU。
AMDが販売するデスクトップ向け製品の中で、高いパフォーマンスを誇ります。
FXに次いで高価なCPUですが、PentiumDと比較すると同程度の価格帯になっています。
また、IntelのCPUとの価格競争のため、かなりリーズナブルなCPUとなりました。
通常であれば、モデルの数字が高いほど高性能なため価格も比例して上昇するのですが、本モデルではいくつかの逆転現象が起こっているナンバーも存在します。

Athlon64 プロセッサ

プロセッサ・ナンバ 3000+~3700+ 3000+~4000+ 3000+~4000+
動作周波数 2.0~2.4 GHz 1.8~2.4 GHz 1.8~2.6 GHz
システムバス周波数 1600 MHz 2000 MHz
熱設計電力 51~89 W 67~89 W 35~62 W
プロセステクノロジ 90 nm または 130 nm 65 nm または 90 nm
パッケージ Socket 754 Socket 939 Socket AM2
対応メモリ DDR PC-1600~3200 DDR2 PC2-3200~6400

 シングルコアCPU。
モデルナンバーを多く取り揃え、選択の幅を広く持っている製品です。
その為価格帯も幅広く、Athlon64 X2の低価格化に伴い、かなり安価なCPUとなりました。
同じ種類であるAthlon64の中にも、3種類のソケット形状のCPUが存在しますので、購入される際には注意が必要です。
DDR2メモリに対応したSocket AM2が登場しましたので、今後はこちらのソケットが主流になっていくのではないかと思われます。
また、熱設計電力が低く改良されているのも特徴です。

Athlon Sempron プロセッサ

プロセッサ・ナンバ 2200+~3400+ 2500+~3400+ 2800+~3800+
動作周波数 1.5~2.0GHz 1.4~2.0 GHz 1.6~2.2GHz
システムバス周波数 1500~2000MHz 1400~2000 MHz 1600~2000MHz
熱設計電力 62 W 35 W または 62 W
プロセステクノロジ 130 nm 90 nm または 130 nm 90nm
パッケージ Socket A Socket 754 Socket AM2
対応メモリ DDR PC-1600~3200 DDR2 PC2-3200~6400

 シングルコアCPUで、32bit対応モデルと、32・64bit対応モデルが混在しています。
L2キャッシュがAthlon64より少なく、128~256KB(一部512KB有り)となっています。
ソケットの種類が現在のAthlon64で使用されているSocket939の1~2世代前のSocket AやSocket 754を採用したモデルと、現在主に使用されているSocket AM2を採用したモデルが存在します。
本モデルにもDDR2メモリ対応製品が追加され、熱設計電力の低減が図られています。

ノートパソコン向け

Turion64 X2 デュアルコア・モバイル・テクノロジ

プロセッサ・ナンバ TL-50~66
動作周波数 1.6~2.3 GHz
システムバス周波数 1600 MHz
熱設計電力 31 W または 35 W
プロセステクノロジ 90 nm
パッケージ Socket S1
対応メモリ DDR2 PC2-3200~5300

 デュアルコアCPU。
AMD製モバイルCPUの中で、最高の性能を誇ります。
IntelのCoreDuoに対抗する製品で、現行のパッケージングとは異なるSocket S1を採用しています。
価格も極端に高くないので、静音を重視する場合やコンパクトパソコンやノートパソコンを製作する際の使用に向いています。

Turion64 モバイル・テクノロジ

プロセッサ・ナンバ MK-36・38 ML-28~44 MT-28~40
動作周波数 2.0・2.2 GHz 1.6~2.4 GHz 1.6~2.2GHz
システムバス周波数 1600 MHz
熱設計電力 31 W 35 W 25 W
プロセステクノロジ 90 nm
パッケージ Socket 754
対応メモリ DDR PC-3200・2700・2100・1600

 シングルコアCPU。
AMD製モバイルCPUシングルコアの中で、最高の性能を誇ります。
ノートパソコン用に設計されており、独自の電力制御を行うことでバッテリー寿命の延長を試みるなど、様々な工夫が凝らされています。
頭文字アルファベットの2文字目はモバイル適応度を表し、Zに近いほど高性能であるとされています。
MKシリーズはMLシリーズより熱設計電力が低いのですが、L2キャッシュ容量が低く設定されています。

モバイル Sempron プロセッサ

プロセッサ・ナンバ 2600+~3400+
動作周波数 1.6~2.2 GHz
システムバス周波数 最高1600 MHz
熱設計電力 62 W
プロセステクノロジ 90 nm
パッケージ Socket 754
対応メモリ DDR PC-3200・2700・2100・1600

 シングルコアCPUで、32bitに対応しています。
Sempronのモバイル版で、モバイルAthlon64と同じように熱設計電力が高くなっています。
しかしながら、システムバス周波数は高い設計になっていますし、対応メモリも幅広く、用途によっては本モデルか低電力モデルの選択と言うのも良いかもしれません。
現在は、Turion64がメインとなり、あまり使用されることは有りません。

モバイル Sempron プロセッサ(低電力タイプ)

プロセッサ・ナンバ 2600+~3300+
動作周波数 1.6~2.0 GHz
システムバス周波数 最高1600 MHz
熱設計電力 25 W
プロセステクノロジ 90 nm
パッケージ Socket 754
対応メモリ DDR PC-3200・2700・2100・1600

 シングルコアCPUで、32bitに対応しています。
Sempronのモバイル版であるモバイルAthlon64を、更に小型・薄型パソコン向けに低電力に改良してあります。
通常モデルと低電力モデルの見極めは難しく、単純にプロセッサ・ナンバやメモリ容量では判断ができず、こうすると簡単に見分けられると言う方法は無いと思われます。
このシリーズのCPUを購入する場合は、そのモデルが低電力タイプかどうかを見極めて購入される事をお勧めします。
現在は、Turion64がメインとなり、あまり使用されることは有りません。

旧世代製品(デスクトップパソコン向け)

Athlon XP プロセッサ

プロセッサ・ナンバ 1500+~3200+
動作周波数 1.333~2.4 GHz
システムバス周波数 266~400 MHz
パッケージ 462pin または Socket A

 シングルコアで、AMDでは第7世代と呼ばれている、32bitに対応しているCPUです。
ちなみに、Athlon64やAthlon64 FXは、第8世代です。
システムバス周波数も、現在主流のAMD製CPUに比べると、見劣りしてしまいます。
新たに組み立てを行う場合は、使用する事はあまり無いと思います。
Athlon XPはメモリの制御をチップセットで行う為、対応メモリはチップセットに依存します。

旧世代製品(ノートパソコン向け)

モバイル Athlon64 プロセッサ

プロセッサ・ナンバ 2800+~4000+
動作周波数 1.6~2.6 GHz
システムバス周波数 1600 MHz
熱設計電力 62 W
プロセステクノロジ 90 nm 2800+は130 nm
パッケージ Socket 754
対応メモリ DDR PC-3200・2700・2100・1600

 デュアルコアCPU。
AMD製モバイルCPUの中で、最高の性能を誇ります。
IntelのCoreDuoに対抗する製品で、現行のパッケージングとは異なるSocket S1を採用しています。
AMDでの製品情報掲載も終了し、現在はTurion系CPUがメインになっています。

モバイル Athlon64 プロセッサ(低電力タイプ)

プロセッサ・ナンバ 2700+~3000+
動作周波数 1.6~2.0 GHz
システムバス周波数 最高1600 MHz
熱設計電力 35 W
プロセステクノロジ 90 nm
パッケージ Socket 754
対応メモリ DDR PC-3200・2700・2100・1600

 シングルコアCPU。
Athlon64プロセッサのモバイル版であるモバイルAthlon64を、更に小型・薄型パソコン向けに低電力に改良してあります。
熱設計電力が低く、早い時期から販売されている事もあり、優秀なCPUと言えます。
現在は、Turion64がメインになり、入手は困難です。
低電力のモバイルタイプは、2700+は1.6GHz、2800+は1.8GHz、3000+は2.0GHzであれば、低電力シリーズと判断できます。

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