・・・・・・い ・・・・・・ ッ
て ぇ ――― !!!
なんで俺、伊集院 庇ってんだよ !!?
馬鹿じゃん !! 死ぬじゃん !!! アホだーーー!!
くっそーー!! 俺、反射神経 良すぎ!!
考えてから動こうぜ!?
↑ ボディガードなので正しい行動かと思われます
俺が自分に突っ込みを入れているのも束の間、伊集院のドレスが舞った。
すらりと細い足が露わになる。
…………………う、っそだろ!!?
伊集院は、その腿に銃を装備していた。
素早く それを抜き、撃った男に向ける。
伊集院の目は感情を無くしたように色褪せ、冷たく光っていた。
・・・・・・殺す、気・・・だ!!!
「待っ、…伊集院 !!! 」
ダメだ、聞いてねえ!!
俺は、訓練所で見た、百発百中の伊集院の腕を思い出していた。
銃弾は、確実に頭蓋を撃ち抜くだろう。
「駄目だ!! 伊集院!!!」
「 …… ッ 」
「 真 … 琴 … !! 」
俺は痛む身体を起こし伊集院を抱き締めた。
ガーーン…と大きな音と、悲鳴。
山谷さん達だろう。
伊集院の腕が力を無くして だらりと垂れる。
「ばっ…か、大丈夫だよ」
泣きそうな伊集院の顔。
「大丈夫だから」
伊集院の震えが伝わってくる。
その様子が小さな子供みたいで、桐香にするように頬にふれようとすると、べと、
と自分の手に血が付いていることに気がついた。
ああ、さっき腹に さわっちまったんだった。
「わり」
ふれずに手を引く。
服に血がついちまったなー。
う、ドレスの値段 考えると恐ろしい・・・。
やべ、なんか目が かすむ。
貧乏人の俺は、その値段を考えて気が遠くなり、ずるっ…と身体を沈ませた。
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