治療法

脳の生まれつきの機能障害なので、ADD自体は治療は今のところ不可能である。ではあるが、何度も記述しているように障害と共存し、改善する方法はいくつでもある。

リタリンをはじめとする何種類かの薬物が処方されるが、大抵は神経伝達物質の流れを正常化したり精神安定剤のようなものだ。もちろん、医師による処方が必要で、自分の判断で使用は出来ない。その必要量も人によりかなり違い、反応を見ながら処方を決めるのだとか。
本質的な治療の永久的な効果はなく、定期的に飲み続けなければならない。人によれば副作用が現れたり効果がなかったり依存性が問題になったりするとも言うが、きちんと医師の処方に従って使用すれば危険は少ないし、そしてその効果による見返りは十分にあるとも言う。処方を受け、使用している人たちの言葉が専用サイトのBBSなどに乗っているが、総じてこの薬物療法は効果があると思う。

民間療法も多数有るらしい。銀杏エキスや朝鮮人参などの服用が効果があるとか、ニンニク、緑茶などの多飲も効果があるという人がいる。私は、頭が混乱したときなど、濃い緑茶をゆっくり飲む。元々がお茶好きの為もあるが、むしろ気分転換の意味が大きいのではないか。それなりに効果がある。治療とは言わないだろうが、混乱したとき、落ち込んだときなど、気分転換にお茶やコーヒーを飲むのも悪くはないと思える。カフェインも、それなりの薬効はあるのかも知れない。

ビタミン類の集中摂取が良いという人もいる。一部をのぞけば民間療法はおおきな害もないし、効果があると信じ込むことで症状が改善されるので有れば良いのではないか。事実上は、民間療法でも根本的なADD障害が直るわけではない。なお、ビタミンの不必要な大量摂取は深刻な健康被害をもたらので、やるならば医師の指導の元に行った方が良いだろう。
飲尿療法が良いという人が結構いるようだ。私は試していない。飲尿は他の病気にも効果があると一時ブームになったことがあり、何らかの効果はあるのだろう。
民間療法は大きな害はない、と書いたが、あくまで一部を除けばだ。漢方、生薬にも使用法を誤ると非常に危険な物、習慣性のある物などがある。したがって、本当に危険はないのか確認してからやることが大切だろう。生兵法はどんな場合でも大けがの元なのだ。確実なのは、常用しても多少変則的な方法で行っても害がないと確認されている方法を採ることだろう。飲尿療法も自分が出す分を飲むだけなら飲み過ぎにもならないだろうし、飲尿療法で深刻な問題を起こしたという話も聞いていないが、出来れば確認した方が良いのではないか。



お茶はもう五千年近く世界中で飲まれているのだから、安全性は確認済みと見て良いだろう。私はそれなりの効果があると思っているからおすすめしたいが、もちろん寝る前にがぶ飲みすれば寝られなくなるし、空腹時に飲み過ぎれば茶あたりをする。気分を落ち着けるには、高級煎茶を低温でゆっくり入れて飲む方が良いし、気分を引き立てるなら安いお茶を高温で一気に入れて飲むのが良い。茶葉と水を一緒にして冷蔵庫で一晩おいた水出し煎茶は暑さしのぎに良い。まあ、余談になったが。
安全な飲み物の例としてお茶を挙げたが、コーヒーやココアなどにも言えることで、カフェインのとりすぎは逆効果をもたらす。カフェインの経口致死量は大人で10グラムほどだから、コーヒーを100杯立て続けに飲まなければ死ぬことはないし、そんなに飲んだらカフェイン以外の原因で死ぬ。が、一日10杯飲む人はたまにいる。それを長く続けると、神経物質の伝達に異常を来たし、ぼけ状態になる可能性もある。せいぜい、常飲するなら一日3、4杯くらいにしておけばいいのではないか。
お茶の場合は、入れ方によりカフェインの出方が違うし、茶葉を一回ごとに替えるのでなければ何杯飲もうと余り気にすることはない。自分で異常を感じなければ別に好きなだけ出涸らしを飲んでも安全ではないだろうか。それに、カフェインは他のアルカロイドと違って依存性はないと言われている。






ADDの根本的な障害は、薬物の使用でかなり改善される場合があるが、ADDの二次障害には効果がない。二次障害は、主として精神的なストレスから生ずる場合が多い。幼少時から親や教師、友人たちから、うるさい、怠け者、おっちょこちょい、何一つまともに出来ない、だらしがないなどなどの言葉を浴びせられ、また自分でも人が出来ることが自分に出来ないのは自分が怠け者だからだと自責の念に駆られひどい自己嫌悪に陥る。こうしたストレスが性格をゆがめ、人間嫌い、人間不信、対人恐怖そして鬱症状に至る場合がある。
最近は子供のうちに障害が発見され、薬物やカウンセリングなどそれに適した治療が施され、早々と障害による不利益を克服することも可能になった。

問題は、自分がADDであることをしらず、すべて自分の無能力のためだと自己評価を低くしながら生きてきた大人のケースだ。もちろんその場合でも薬物の効果は有るだろうが、長年染みついてしまった二次障害の影響は子供のように拭える物ではない。

従って、時間はかかるが、自分で生活の仕方を工夫して対処してゆかなければならない。もちろん、鬱症状などが現れていたら、それなりの医療処置も受けなければならないだろうが。その工夫の数々は別項で、私のとった方法として挙げてある。人により異なるだろうから、一例として読んでいただきたい。

私は、ADDの存在を知らずに自分の障害を矯正してきたわけだが、その方法の中にADD者の生活の改善に役立つ物があることを発見した。だが、無駄も多かったことは仕方がない。自分に足がないことに気づかないでいくら練習しても早く移動は出来ない。が、自分の障害の原因を正しく知れば、義足や杖、車椅子の利用が出来る。自分の障害を正しく知ることで効果的な対処が出来ることを理解するべきだろう。そのためにも、疑いがあったら受診するのが良いだろう。

問題として、まだADDが正確に認識されておらず、別に書いているように、専門家でさえADDは虚構だと言ったり、子供だけの障害だといったり、大人になれば解消すると言ったりする場合が多い。専門サイトのBBSでも、医師の無理解に嘆く人たちがずいぶんいる。さらに、前述したように、医師自体の人格に問題が有る場合が残念ながらかなりあるようだ。人格形成をする青春時代に極端な競争に明け暮れ、膨大な知識の詰め込みに時間を費やし、医師になるとちやほやされるために尊大になり、患者の痛みを理解できないようになるという。

もちろん、医師の側にも言い分はある。わがままな患者が多いというし、何でもないのに何かあると直ぐ診察に来る患者、なにか不都合があるとすぐ文句を言う患者も多いという。研修医の間は収入は少なく仕事量は多く、ストレスが重なって自殺する医師の数も馬鹿にならないそうだ。二十四時間ほとんどプライベートな時間をもてない場合もあるし、精神的な問題、つまり鬱病などを抱える医師の数も多いとか。

親が医師だから,金になるからという医師も居る。脱税の上位にはパチンコ店と並んで医師が常連だ。

医師一般に人格上の問題が有るとは言わないが、患者の思いとのすれ違いは多いだろう。病気は医師の診断により治療方法が決められ、それに従って投薬、手術、リハビリ、食事などが計画立てられ、そして治癒へと向かう。それが出来るのは確かに医師だけだ。が、患者の心のケアに無頓着な医師についての嘆きがあちらこちらのサイト、新聞、雑誌,テレビなどににあふれているのはなぜだろう。もちろん不満が目立つのは理解する。感謝の言葉が多いのも事実だ。だが私の直接見聞きする範囲でも医師に対する不満は大きい。

正しい知識を有した専門家の不足、医師と患者のすれ違いのために、正しい診断を受けられる機会はかなり限られている。それが今は大きな問題としか思えない。

誠実な医師に巡り会うためには、何度か苦い思いをして複数の病院に当たってみる必要がある。そのさい、次のような医師だったら時間の無駄と考えて次の医師を捜した方が良い。もし事前に予約時にでもADDについての見解を聞けたら、時間はもっと有効に使える。

1)ADDは一過性のブームで、存在しない病気だと言ったらパス

2)子供の障害で、大人にはないと言ったらパス

3)気のせいで、生活を変えれば大丈夫。とりあえず鬱の薬をあげましょう、といわれたらパスADDの診断はそれなりの時間がかかり、鬱だとしてもそれなりのケアが必要であり、薬を飲めば直ぐ直るというものではない。

4)ADD/ADHDは男の子の障害で、女の子には無い、と言ったらパス

5)ADD/ADHDはほとんど知能障害を有し、反社会的性格を有し、将来犯罪を犯す可能性が大と言ったらパス。それは個人レベルの話であり、ADD故の問題ではない

6)患者を子供扱いし、尊大な態度で接する医師は、基本の患者を癒す点において問題がある。パスしたほうが良いかもしれない。

しかし、本当にADDではないかもしれない。躾の悪さ、性格上の問題,鬱、一時的なストレス、トラウマなどでADDと紛らわしい現象が現れる場合もある。したがって、ADDではないと診断されたからといって、ADDと言ってくれる医師を見つけだすまで病院巡りをするのも問題。

はじめに
ADD/ADHDとは
このホームページの趣旨
運営方針
私について
ADDは言い訳の理由にならない
自己診断
白日夢
ADD以上の問題
ADD以外の問題
私なりの工夫
掃除の手順
パートナー,家族などとの共同生活
ADDであるからこそ得られる人生の特典ー標題の由来
その後
参考になる本
ご意見など
お気楽ページ
システム手帳

次へ ー 私の場合の問題
トップへ