参考になる本などは、他サイトに多くリストがある。参考にされてはいかがだろう。私の場合、自分で読んだ本のみを載せる。また、現在は、国内外の関連サイトを見ている最中であり、最終的にリンクをお願いしてご承認をいただいたサイトを載せてゆきたい。その上で、有益な本やサイトをご紹介いただければ幸いである。







参考になる本

殆ど専門家の書いたもので、しかもアメリカで発行されたものの訳本が多い。つまり、日本では大人のADHDについての本は非常に少ない。専門家の立場で書いてあるので、診断を受けカウンセリングを受ける事を前提としている。日本ではあまり当てはまらない場合が多いが、それでもADHD自体を学ぶには大変役立つ。

何についても言えるが、完全無欠な本はない。だから、多数の本を読む事で、互いに矛盾する点があるとしても相対的に有益な知識を深める事が出来るだろう。ただし、本の中にもとんでもないものもある。まるでADHDをおとしめる目的で書かれたのではないかと思われる”専門医”の本の中では、たとえば、ADHDは暴力的で他人を傷つけ、性的非行に走ると決めつけているようなものさえある。なるほど、そのように言う専門家もいるのだろうが、この著者は自分でデータをとったわけではなく、そのようなデータをただ引用しているに過ぎない。本を読んでみると、その”専門家”が診断したのはせいぜい数人のようだ。しかも、自分が治してやっているという意識が鼻につく。

それならば、ADHD当事者をわざわざおとしめるようなデータばかりを引用する意図が不明だ。

一方、次に上げる本は殆ど専門家なりに、あるいは当事者なりに自分でデータをとっている。他の専門家の意見も引用しているが、決して否定的なデータばかりではなく肯定的なデータも多数引用している。

むろん否定的な物でもまた専門家の本かも知れないし、そのような本を読むなとは言えないが、多くの本から普遍的な知識を得ていれば、自分で判断がつくはず。

自分の状態の分析、およびその原因を正確に知る事は、自助努力をするにしてもより効果的な方法を探し出すのに役立つ。そのいみで、参考になる本を多数読む事は良い結果に結びつくだろう。多数の本を読めば、少しずつ食い違った記述にも出会うだろうが、自分自身の理解を深めるためにも役立つだろう。次に、順不同に挙げてみる。これらの本は、基本的には私の読んだ本であり、今後も随時増やしていきたい。

なお、本の善し悪し自体は読んだ人が判断する事であり、お勧め度などのお節介は書かない。


書   名       出 版 日

    出 版 社

  著   者

  訳   者

                                        内   容


わかっているのに出来ない脳 01/10/10 花風社 ダニエル・エイメン  小児精神科医  ニキ・リンコ
原題  「Healing ADD」

この本で特徴的なのはADDの6つのタイプ
  典型的ADD
  不注意型ADD
  過集中型ADD
  側頭葉型ADD
  辺縁系型ADD
  「火の輪」型ADD
および、一般に抽象的に受け取られがちなADDをSPECTという装置で脳の映像を撮り、それにより脳の働き具合を診断する手法を紹介している。また、一般人がとりうる手段としては、食事、サプリメント、運動、行動療法であろうが、それも確認しながら、出来れば専門家のアドバイスを受けながら行う事が前提となっている。



バークレー先生のADHDのすべて '00/06/25 株)ヴォイス ラッセル・A・バークレー  精神・神経学
えじそんくらぶ編集協力
海輪由香   
原題  「Taking charge of ADHD: The complete,Authoritative Guide for parents by Russel.a.Barkley」

原題にもあるように、ADHDの子供を持った親のための本。ADHD児の親には非常に参考になるし、ADHD自体を理解するためにも参考になる。また、ADHD児を扱う教育機関や、専門家の参考にも鳴るだろう。だが、大人のヘルプサポートについては記されていない。成人のADHDには触れていないので、すべてとは言い難い。



片づけられない人のための仕事の本
02/09/20
WAVE出版    
リン・ワイス 心理療法士 ADHDの息子を持ち、自らもADHD
ニキ・リンコ        
原題  A.D.D. On The JOB Making Your A.D.D.Work for you

これは成人の当事者向けに、ケース別に細かく対処の仕方が述べられており、実戦向け



さあ、どうやってお金を稼ごう?
03/01/01
花風社      
ディル・S・ブラウン LD.ADHDを持つ  公務員として働きながら自助グループを主催
ニキ・リンコ          
原題  Learning a Living

これから就職しよう、仕事を始めようとする人には参考になるかも知れないが、アメリカと日本の実情の違いから、そのまま日本で当てはまるかどうかは別。



片づかない!見つからない!間に合わない!
01/02/28
WAVE出版      
リン・ワイス 心理療法士 ADHDの息子を持ち、自らもADHD
ニキ・リンコ          
原題 Attention Deficit Disorder in Adults

成人のADHDを理解するには参考になる。しかし、他のアメリカ本と同じく、きちんと診断を受け、治療を受けている事を前提としての自助努力。日本の実情では当てはめられない。



大人のADHD
00/01/11
株)ヴォイス
ディヴィッド・サダース/ジョセフ・カンデル共著 医学博士
田中康雄監修
海輪由香子訳
原題  Adult ADD

ADHDとはどういうものかを基本からわかりやすく説明。成人のADHDについて学ぶには適切と思われる



片づけられない女たち
00/05/31
WAVE出版
サリ・ソルデン 心理カウンセラー ニキ・リンコ
原題  Women with Attention Dificit Disorder

いわば、日本でADHDが一般に認識され始めたきっかけとなった本。ADHDにつき、易しく解説している。著者がADHDであることもあり、当事者に対してのアドバイスも多い。ただ、やはり専門家に診断を受け、サポートを受けている事が前提で、現在の日本ではそのまま当てはまるわけではない。

なお、原題とは無関係な邦題「片づけられない〜」がそのままADHDのイメージとして定着してしまい、あるいみで功罪半ばする感がある。ただし、これについては補足が必要。ADHDという現象は元々目に見えないのだから、それを比較的本人にも周りにも見えやすい片づけられないという現象に的を絞った題名をつける事で多くの人の目に触れた事は、そのごADHDに就いてとにかく知識を広めた点で大きな功績があると思う。 ただ、片づけられない=ADHDという図式が先行してしまい、片づけられない症候群などという言葉さえ生んだのは、この片づけられない〜という題名をつけた出版社の意図するところではあるまい。あくまで、受け取り方であり、片づけられないをことさらADHDと結びつけ、興味本位で取り上げたマスコミの問題だろう。

今ではマスコミにもADHDと正面から向き合う姿勢も出てきたと思えるので、上記は、あるいはさけられない過渡期なのかも知れない。



オロオロしなくて良いんだね
02/06/10
花風社
白井由佳 大人のADHD自助グループSOAA主催
日本人の成人の当事者による、成人のADHDについての初めての本。白井さんご自身の現在に至るまでの経緯、それからADHDとどうつきあってゆくかの具体策もあり、今までのアメリカ本の翻訳と違って身近な参考書



ひらめきすぎる人々
02/10/30
株)ヴォイス
ロクスケ(私である)
ADHDを単なる障害ととらえず、脳の仕様の一つと考える。ただ、現代の生活上非常に使いにくい仕様なので、それをどう使いこなすかに力点を置いている。ご一読いただきたい。



Journeys through ADDulthood


サリ・ソルデン
片づけられない女たちの著者 サリ・ソルデンさんの、心理カウンセラーとしての経験を通した対処のの仕方を主として書いてある。やはり、専門家の殆ど居ない日本ではこのような情報は参考になるかと思われる。残念ながら、日本での発刊の予定はないとのこと



教えて私の「脳みそ」のかたち
02/12/10
花風社
岡野高明(精神医学等医博)/ニキ・リンコ共著
ADHDとはどういう状態なのか、どのように対処してゆくべきかなどが当事者と専門医の対話という形でわかりやすく語られている



ADD/ADHDという才能
03/07/25
株)ヴォイス
トム・ハートマン ADHDの子供の父。ADHDに関する様々な活動をし、同時に幅広い肩書きを持つ 片山奈緒美訳
原題  ATTENTION DEFICIT DISORDER:A Different Perception

ADHDを単なる障害とせず、現在スタンダードとなっているファーマー型とは異なったハンター型の人間であり、社会を発展させる有用な部分としている。ただし、スタンダードではないので社会に適応するには苦労がある。
はじめ、ADHDをそれらしくこじつけた説なのかと思わないでもなかったが、それなりに豊富な事例を読んでいると何となく説得されてしまう部分もある。ADHDをプラス思考を持って理解するには役立つ。また、ADHDが様々な問題を克服してゆく方法をこれも実例を挙げて説明しており、この部分がかなり有用と思われる。



へんてこな贈り物
98/12/10
株)インターメディカル
エドワード・M・ハロウェル/ジョン・J・レイティー共著  精神科医学博士・開業医 司馬理英子訳
原題  Driven to Distruction

本当を言えば冒頭に挙げるべき本。ADHDにつき、「片づけられない女たち」より早く日本で紹介したもので、正確に説明されている。とくに、脳の機能的な低下とADHDとの関連を記述した最終章は参考になる。ADHDでは結果と行動が結びついていない、ワーキングメモリーが良く機能しない、意識のフィルターが働いていないなど、基本的な問題と原因が納得出来る。また、前頭葉、神経中枢系統の障害との関連もよく説明されている。



当事者が語る大人のADHD 私たちの脳には翼(はね)がある
04/10/09
株式会社明石書店
ロクスケ+WingBrain委員会メンバー
WingBrain委員会第二弾プロジェクトによる出版。より深くADHDの可能性に踏み込み、その可能性を信ずるにはどうしたら良いのかを具体的に書いている。ADHDは単に社会に適応するだけではなく、ADHDの機能を発揮してADHDとしての役割も果たせるのではないかという点に注目している。是非ご一読戴きたい。



星野先生の 知って良かった、アダルトADHD
04/03/25
株式会社ヴォイス
星野仁彦  医学博士心理学
本人もADHDである、専門医が書いた一般向けのアダルトADHDに就いての解説書。例を引いて分かりやすく書いてあり、非常に参考になる。ADHDの問題点、対処の仕方を解説しているが、基本として専門家と相対して問題を解決するというスタンスであり、その目で見て正直に書いてあるが、専門家に簡単に受診出来ない当事者にとっては少々きつい説明もある。



ADHDと自閉症の関連がわかる本
04/05/10
株式会社明石書店
ダイアン・M・ケネディ アメリカCHADDの前州顧問 ADHD当事者 海輪由香子 訳
原題  The ADHD-Autism Connection
ADHDは通常単独ではなく、様々な共存症を伴うのが普通であり、自閉症もその一つ。それらの発見、観察、対処法、治療法を多数の例を引いて紹介している。子供のケースだが、親にとって参考になる。



他に、直接ADHDに就いて書かれているわけではないが、人間の性格全般の問題については「困った人たちの精神分析」   小此木啓吾著    大和書店
が面白かった。つくづく、まともな人間などこの世に存在しないのだと判る。
           



参考になるサイト


Society of Adult ADHD

私がこのサイトを開設するきっかけともなったサイト。大人のためのADD/ADHDを本格的に支援するページで、BBSやチャットなども充実しており、私も時々おじゃましている。

WingBrain

ADDの人たちが自分たちで本を発行することになった。ADDは社会的弱者でも敗者でもない。生き方を工夫すれば素晴らしい可能性を示せることを、本作りを通じて実証する。

でら子屋

お子さんのADHD診断をきっかけとして開設されたページ。プーさんによる発達障害などの説明は興味深い。今後もますます充実してゆくサイトで、時々アクセスされてはいかがだろうか。

けやき

LD児の親の会。ADHDリングあり。広範な活動をされており、ADDの共存症として現れがちなLDについて学べる。

MA MAISON

ADHD児の育児を記録。資料が充実している。資料を集めるだけではなく、具体的な方法、すなわち食餌、接し方などなど体験を通して紹介されておられる。子供がADHDと最近分かり戸惑っている親御さんには大きな力になるのではないだろうか。

Strange Bottom Up

ADHDなどの情報交換の場。参考資料や掲示板などが充実している。また、ADDをプラス思考でとらえているのも好感がもてる。

えじそんくらぶ

子供が対象。しかし、メディアの取り上げ方、資料分析など、広範な活動をされている。また、社会のADDに対する偏見をただす活動(出版物などに公開質問状など)を積極的にされている

とんとこの風景

ご自身がADDであるとんとこさんの日常を通じての生活ぶりを紹介。幼い頃から診断を受けるまでの経過が、色々参考になるのではないだろうか。また、新婚の理解あるご主人との二人三脚も,自分のADDに悩んでいる多くの方々を勇気づける。

ADD/ADHDでも出来る収納塾

ご自分のお宅の掃除が完成してゆく様子を実況中継。収納の仕方を事細かに説明。MLや自作絵本、療養日記など、幅広く扱っておられる

satie's website


ご自身がADHD、LDであるsatieさんが作っているページ。当事者ならではの感覚が文字を通して見えてくる。多少ページが見難い点があるが、中身は濃い。












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