古くから、中国ではお茶は不死の霊薬、などともてはやされていたそうですが、
現在でもお茶は素晴らしい保健飲料である、という認識は専門家の人たちの共通認識になっています。
お茶の薬理作用といわれるもの
お茶のしぶみをつくっているのは"タンニン"の仲間である"カテキン"です。
昔、飲み水の悪い場所ではお茶にわかしてから飲め、とかお茶でうがいしろ、などと言われたそうですが、
これはカテキンがもつ殺菌力を利用したもののようです。
そのほかカテキンには血管を収縮させたり体液の分泌をおさえたりする作用(収斂作用(*1))もあるそうで、
お茶を飲むと気分がさわやかになるのはこのおかげのようです。
昔から、入れて一晩置いたお茶は身体に毒だ、という言葉がありますがお茶が害毒である、といった意味合いよりも、
本来お茶が持っている薬理作用が出すぎてしまって裏目に働いてしまうから、ということのようです。
逆に言えば、お茶というのはそれほど薬用効果に優れている保健飲料である、ということになるのかもしれません。
実は、"宵越しの茶は飲むな"といわれるモトとなったのは"カテキン"の過剰な効能のようなのです。
入れてから時間がたってしまったお茶には、茶葉のなかの"カテキン"が水の中により多く溶け出していることになります。
"カテキン"にはもともと収斂(しゅうれん)作用があり、体液の分泌を抑える働きで胃液の分泌までさまたげてしまい、結果として消化不良をまねく原因になる可能性があります。
お茶の三要素といわれるものは.......
この三つが、お茶のおいしさを引き立てる三要素といわれるものだそうです。
アミノ酸のなかの"テアニン"という成分が味のうまみに関係しているそうですが、入れて時間を置きすぎると
お茶の最大の特色である渋み成分の"カテキン"が先に出すぎてしまい
せっかくのアミノ酸のうまみ成分が台なしになってしまいます。
お茶の香り成分には百種類もの物質が関係しているそうで、
その物質が絶妙に影響しあうことによってお茶のアノいい香りを作り出しているわけです。
もともと香り、というものは非常に微妙なものだそうで、そのなかのいくつかが欠けると、そういう絶妙のバランスがくずれ、あの深みのある
香りがなくなってしまうのだそうです。
入れたてをおいしくいただく、というのが一番のようです。
入れたての煎茶はきれいな黄緑色をしていますが、入れて時間を置きすぎると"フラボノイド"が酸化されて黄色が濃くなりしまい、
そのうちには茶色になってしまいます。
一晩置いてしまったお茶は、たとえ身の毒にはならないとはいえ、お茶としての値打ちはなくなってしまっています。
やはりお茶を楽しむためにはお茶の三要素をしっかりキープして味わいたいものです。
お茶の種類と温度
上等のお茶ほどあまり熱いお湯でいれず、ぬるめのお湯でゆっくりだすのがいいそうです。
あまり熱いお湯をそそいでしまうと濃く出すぎてしまい、うまみ成分のアミノ酸より、渋みのカテキンばかりが先に出てしまい、
せっかくの味が台無しになってしまいます。
胃腸にもいいことはありません。
おいしい入れ方
1杯目で成分の80lが煎出されます。 2杯目からは90〜95℃のお湯を注ぎ10秒位待って飲みます。
おいしい上に身体にもいいといわれるこのお茶、毎日おいしくいただいて健康な生活を維持していきたいものですネ。
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