トマトジュースがスーパーの棚から消えたのは2012年2月11日から。
その前日、京都大学大学院の河田照雄教授らの研究グループのある発表がきっかけでした。
トマトに《13-oxo-ODA》という物質が含まれていることを発見し、マウス実験によって
脂肪肝や血中の中性脂肪を改善する効果が実証された、
と発表されてから翌日の品切れ騒動になったようです。
その発表によると、
『マウス実験では有効成分を与えたマウスは与えなかったマウスに比べ、血中や肝臓の中性脂肪が3割以上も少なくなった』
、というのです。
マウスで効果があった分量を換算すると1日にトマト6個かトマトジュース600cc(コップ3杯程度)。
ということで、日に6個は無理でもトマトジュースなら.......と、メタボな旦那さんを持つ奥様方がスーパーにダッシュで殺到した結果、
棚から見事にトマトジュースが消えてしまった、というわけです。
このように、マスコミなどで特定食品の効能が謳われると消費者がその食品に殺到することを
《フードファディズム現象》
と言うのだとか........
トマトジュースを飲むだけで手軽にダイエット出来るとなれば、メタボで悩んでいるオジサンにとって朗報には違いないでしょうが
ハタシテ実際の効果はどうなのでしょうか。
もともと「トマトは体に良い」、ことは昔から分かっていたことで、その上飲んで肥満が改善できるというのなら、やはり「素晴らしい食品」だったんだと思わざるを得ません。
でも過去にも「納豆」や「バナナ」などが一時的にもてはやされ、そしていつのまにか消えていきましたが、今回のトマトはどうなっていくのでしょうか。
今のところ、「脂肪肝には有効な治療薬がほとんど無い」そうなので、今回研究チームが発見した成分が将来的に役立てばスゴイことになりますね。
ただし、こういう研究成果が医薬品になるまでには長い期間がかかりそうですので気長に待ちたいと思います。
メタボは糖尿病や動脈硬化を引き起こす原因となりますので、
防止するためにも、食事制限と適度な運動がやはりもっとも効果的な対策のようです。
トマトに救いを求めるだけではなく、もっとも基本的な「食生活と生活習慣」に気をつけたいものです。
レッドアイやブラッディ.メアリーなどの「トマトジュースを使ったカクテル」は、昔から悪酔いしないといわれるそうです。
トマトジュースとアルコールの同時摂取では、「血中アルコール濃度や体内蓄積アルコール量が平均3割減少」
するとのこと。(週刊文春.2012.7月12日号より抜粋)
どうやらトマトジュースに多く含まれる「リコピン」という成分の効用らしいのですが、生のトマトをそのまま食べるより
砕いたり加熱したほうが「リコピン」の吸収率が約3〜4倍あがる
そうで、さらに脂溶性の「リコピン」はオリーブオイルと一緒に摂取すると約4倍も吸収がよくなるのだとか。
さらにさらに体内からアルコールが消失する時間も短縮されるそうなので、二日酔い軽減効果も期待できるかも........(でも一番の特効薬は飲みすぎないことでは?)
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2011年12月、日本生殖医学会で
「トマトジュースを飲み続けると精子が元気になり男性不妊も改善される」
という研究結果が発表されたそうです。
詳細は(週刊文春.2012.7月12日号)に記載されていますが要するに、
トマトジュースに含まれる「リコピン」は『抗酸化作用』が非常に高く、
精巣内の活性酸素を消去することで精子に良い影響をもたらす可能性がある、
と考えられるそうです。
『抗酸化作用』とは活性酸素により"体がサビ"ていくことを防ぐ作用のことで、
近年健康の話題に頻繁に登場するキーワードですね。
しみやシワ、たるみといった肌の老化は紫外線やストレス等によって余計に溜まった活性酸素が原因とも言われています。
「リコピン」は肌にも蓄積するそうで、肌の角質層の状態が改善したり、目の下のシワが減少する可能性が示唆されているそうですから要注目成分かもしれません。
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