gosei_title

 INDEX

ネット社会の策動

(初出 2013.7.29 renewal 2019.9.20)

インターネットは実に便利だ。
こんな私だって、社会に向けて情報発信できる。
自費で本を出版したら、いくらかかるかわからない。
Webならタダだ。

買い物もできる。値段も安いし、宅配便で送ってくれるから、少なくとも重い荷物を持ち帰る手間がはぶける。

いやはや、便利な世の中になったもんだ。

展示会の事前登録もネットでできる。
先日行った情報系の展示会の登録もネットでやった。
ところがだ。その日以降、自宅に何度もウイルス付きのメールがやってくるようになった。

展示会との関連性について、確証はない。
が、どう考えても、その日が境に急に増えている。
おかげで、トロージャンというのが、高級紳士服のことだけではないのを知ったが・・・。
(【補注】展示会から漏れた個人情報は商品広告に回されるようであり、よく思い返すと、 ウイルス付きメールは無料ソフトが有料化するというので継続を断ったことに起因するような気がする。)

情報系の展示会には、ネット犯罪から身を守るための展示もされている。
そういう展示会だから、Web系の嫌がらせも受けがちなのかもしれない。
(【補注】たぶんそれはない。でも、頼みもしないのにメールがどんどん送られてくることはある。 やはり、名刺交換は信頼できる企業に限った方がよいかも)

うちのパソコンは、ノートンさんのおかげで守られているが、ホントのところ、 ネット犯罪が増えれば増えるほどアンチウイルスソフトを作っている会社が一番儲かる。 ってことは、犯人はアンチウイルスを作っている会社か? と疑いたくもなる。 (【補注】パソコンが不調になった際(→Windowsの定期upが原因だった)、パソコンメーカーに問い合わせたが、 まったくもって役にたたなかった。そもそも電話が繋がるまでに、かなりの時間を要した。 その際にも、ノートンは親身になって対応してくれた。それだけでも、ありがたかった。)


友人からの頼みで、グループ旅行の幹事をやらされている。 いやはや、みんな要望が違って、行き先を選ぶのも大変だ。

「いい温泉宿を見つけたい」と思って、ネット検索した。
最近では、利用者の評判も出ていて参考になる。
とはいえ、関係者が高評価の投稿をしていたとしても、わからない。 「匿名だと何でもできる」、と考えてしまうのが、ネットの怖いところだ。

ネットで温泉宿を検索していたら、翌日、某旅館あっせん業者から分厚いカタログが送られてきて、 「会員になってくれて、ありがとう」と手紙が添えられていた。おまけに、翌日、勧誘の留守電までかかっていた。
そんなところの会員なった覚えがない。
どこで、私の住所と電話番号を知ったのだ!
こっちから、お断りのはがきか架電をしようかと思ったが、個人情報がもっと漏れてしまうので、できない。

実は、この一件がきっかけで、本連載を思いついた。

ワタシが想像するところ、この旅館あっせん業者は、直接に個人情報を収集したりしてはいない。
無断でカタログを送りつけられていい気分になる人はいない。 逆に、「この業者からは絶対に宿を紹介してもらいたくない」と思うのが普通だ。
ちょっと考えればわかりそうなこと。まったくの逆効果である。

別に、あらゆるところから個人情報を収集しているネットマーケティングの業者が存在するのではないか、と私は推測する。
私の住所電話番号を知っているのは、電話会社とかプロバイダーとか通販会社など。上記の展示会主催者もそうだ。
そういうところから委託を受けたネット企業が、個人情報をこっそり収集していて、リスト化している。
そして、誰かがWebで旅行先を検索すると、そのリストと照合して、「こいつが旅行先を探しているぞ」とばかり、 該当者の個人データを旅館あっせん業者に横流しする。

「当社に顧客データの管理を委託すれば、ヒット率が上がりますよ」とか何とかいって、旅館あっせん業者から委託料をせしめる。

繰り返すが、これは新規顧客獲得という点から見ると、まったくの逆効果だ。
当然のことながら、私は、送られてきたカタログをよく見聞して、そこに掲載されて“いない”旅館を予約した。

(【補注】この旅行は、直前に台風が来たのでキャンセルした。キャンセル料を取られる数時間前だった。 Webで直接手続きができたので、ギリギリ間に合った。いろいろ悪口書いてるけど、いゃぁ、ネットってほんとに便利だ)


以前、私も労働問題の解説サイトを持っていた。
いろいろトラブルがあって止めたが、当時はたいへん役に立っていたようだ。カウント数もどんどん上がった。

今でも、Q&Aサイトには私の廃止したサイトへのリンクが残っていたりする。
だいぶ前だが、ためしにそのリンクをクリックしてみたことがある。
「つながりません」という結果を想像していたが、あに図らんや、いわゆる「怪しい」「みだら系」のサイトに接続された。

表記上のurlと違うアンカー先をソースコード内にすり替えて記載しておけば、こんなことは簡単にできる。
人助けだと思ってネットを使うと、逆に加害者にされてしまう危険もあるのだ。

いやはや、怖い世の中になったもんだ。