ホームチョット気になる話⇒葬儀でこまらないために

葬儀は納得できる内容と金額だったか?・・・・・・

いままでも、「値段が高い割には、実態が不明瞭だ」などと批判される葬儀の費用。

国民生活センターのデータによると、葬儀に関する苦情や相談は、年々確実に増加しているようです。

関係者によると、「どうしても葬儀になると遺族は慌ててしまい、そこを悪徳業者につけこまれる」 という背景があり、葬儀の知識にとぼしいことも様々な問題・トラブルが生じてしまう原因になっているのでしょう。

国民生活センターのデータでは、葬儀に関する苦情や相談だけでも、

ほど寄せられ、毎年確実に増加しているようです。
実態はこの数字の何十倍、何百倍はあるかもしれません。

具体的な葬儀トラブルの事例として

などなど.....、実に様々な苦情が寄せられているそうです。


最近耳にする「直葬」・「家族葬」とは?・・・・・・

こういう面倒さが多少でも影響しているのでしょうか、昨今では、 「直葬」・「家族葬」(後述)という形態の葬儀を行うケースもあるようで、 "葬儀"に対するイメージも少しずつではありますが変化してきているようです。


なぜ葬儀トラブルが発生するのか・・・・・・

葬儀に関するトラブルが多発するのは、遺族側に知識がないことや精神的に余裕がないことも 理由になっているとのこと。

葬儀の大事さは理解していても、他の処理に時間がとられて業者まかせになりがちとなり、その結果、

●業者との契約を口頭で済ましてしまったり
●十分な説明を求めずに、事を進ませてしまう

という結果になってしまいます。

いざ身内が死去するとお通夜葬式の準備とともに

などなど多忙を極めます。

その手の問題に詳しい人に言わせると、「誰か1人、葬儀業者との交渉担当者を選び、専任で対応させる。
それが無理なら、業者とのやりとりを曖昧にせず、葬儀の段取り、内容についてお互いしっかり確認.意思の疎通をとる。」
というのが、納得できる葬儀を行うための大事なポイントになりそうです。

最近では事前に葬儀を予約する「生前予約」システムも出始めているようで、イオンなどでは事前申し込みで費用も50%節約などというものもあるようです。


葬儀準備は事前にキチンと説明をうけてから・・・・・・

悪徳業者の場合、最初から必要費用をワザと省いておいて話を進め、後になってそれをオプションとして別途請求することで 結果的に費用が倍以上になるケースさえあるといいます。

聞かれない限り知らせない、聞かれてもウヤムヤにして答えない、という悪徳業者もいるといいますから油断できません。

オプションとして

などを追加請求されれば、費用がかなり上乗せさせられることは確実です。

それどころか、業者のなかには事前に全く説明や意思確認をやらず、葬儀終了後に高額の料金を請求するところもあるといいますから、要注意です。


高額の葬儀費用の実態は・・・・・・

慌ただしかった葬儀も無事終わり、ホットしたのも束の間、 葬儀業者からの請求書を見ると、どうしても費用が割高な気がしてしまう.....

費用内訳を見ると、「祭壇料・九十数万円」「会場料・十数万円」などとなっているが、 祭壇は備え付けのようだし会場は業者の所有のようだが........

実は、「祭壇」は業者にとって最も利益率の高い商品とのこと。
250万で仕入れた祭壇も、50万の「祭壇料」ならば、5回で元がとれてしまいます。
業者としては、高額な「祭壇」を勧めたくなる部分ではあります。
また、「祭壇料」は低めにして、祭壇を飾る高額な"生花"を勧めるケースもあります。

葬祭場はもともと業者が所有していることが多く、「会場使用料」はその建設・運用のコスト負担分の意味合いで 請求しているのであれば交渉の余地はありそうです。

業者によっては「会場使用料」を割引、無料化する、というケースも見受けられますが、コスト負担分という実態を知れば、 はたして本来の意味の"サービス"として受け止めてよいのか疑問が出そうです。

むしろ、そういう「会場使用料」無料業者の中には、葬祭場の"控え室使用"が別料金になっていたり、 他の様々な費用を上乗せしてくるところもあるので、十分確認しておくことが重要です。


葬儀業者をどうやって選ぶか・・・・・・

長年家族がお世話になっている信頼できる業者があればいいのですが、昨今は病院に深く食い込んで"顧客"を 待ち構えている業者を、病院の紹介でそのまま選んでしまう遺族も多いでしょう。

遺体の搬送を引き受けて、そのまま業者のペースで葬儀の契約も、なし崩し的に結んでしまう、というパターンになってしまいます。
2005年に公正取引委員会も、このような営業手法を問題視する報告を行っています。

病院に待ち構えている業者はあくまでも「遺体搬送業者」としての役目でしかありませんので、その業者に引き続き通夜葬儀準備までしてもらう 必要はありません。

納得できなかったら『他の業者にも見積もりしてもらいます』、とハッキリ相手に伝えることが大事です。

具体的に遺体搬送の例をとれば、専門家は
「車種や搬送時間などで異なるが、病院から自宅まで、基本料として約1万円。
それに距離分の加算料、 例えば10キロ以内3000円前後が加えられ、これにドライアイス代などの諸費用が 上乗せされて、10キロ圏内で全部で2万~3万程度の請求なら問題はないといえる」、といいます。

依頼するときはこの辺の情報を覚えておけば、悪徳業者に引っかからないひとつの目安にはなるかも。

《原価の一例》




葬儀業者の手口・・・・・・

単に遺体の搬送を依頼しただけだったのに、「必要ですから」と言って、遺体安置用の布団、枕机セット、線香、ロウソク などを買わせ、10万円も要求するようだったら悪徳業者と思って間違いないでしょう。

暴利を貪る他の例として、"ドライアイス"使用で、通常24時間分として10~15キロ使用、料金8000円~1万円程度なら 常識的な範囲だが、原価がほととんどかからない"ドライアイス"代を、1日1万円以上請求するような業者は要注意だそうです。

極端な例として、遺族の同意も得ず防腐処理(エンバーミング)を行い、「やる必要があります」と押し切って 高額な処理費用(十数万円)を請求するケースもあるそうです。

一般的に葬儀ビジネスの利益率は5割程度と言われており、なかには7割以上の利益を取る悪徳業者もいるそうなので、 くれぐれも"葬儀業者"選びには注意が必要です。


"飲食費"にはご注意を・・・・・・

棺や祭壇などは質素で構わないが、わざわざ参列してくれた人たちには、せめて感謝の気持ちを伝えたい。
そのために少しでも美味しい料理とアルコールを用意したい、と考える遺族は多いと思います。

葬儀に出される料理やアルコールは、基本的に遺族の希望を元に葬儀業者が"飲食業者"に手配するのが一般的。
葬儀の飲食費は、たとえ高額でも味と価格のバランスが納得できるならばいいのですが、悪徳業者は、ここで一儲けしようと企みます。

中堅以上の葬儀業者となると、自前で調理部門を持っている場合も少なくないそうです。
そうなると、通夜振る舞いや精進落としの料理、そこで飲まれるアルコール類も、 全て"葬儀社グループ"内で原価調達できることになります。

当然"葬儀業者"と"飲食業者"は、身内同士の契約でやりとりしてお互い利益を確保しているわけで、この中身まで遺族に開示することはないでしょう。
"葬儀業者"の利益上乗せ分がどのようになっているかは知りようがありません。

料理の中身も、日頃から一般客が利用し、不味かったら商売にならない厳しい世界で評価された料理ならば安心ですが、 得てして、"葬祭専門"の飲食業者の中には、厳しい選抜に耐えた料理とは言い難い内容のものを 提供するケースもあります。


寺院への布施.戒名料について・・・・・「戒名料は?」

都市部に住む家族は、先祖の眠る出身地の菩提寺とは疎遠になっている場合が多いことでしょう。

檀家となっている寺院と直接やりとりできなければ、葬儀業者に僧侶の手配を依頼するケースが大半になります。
そうなると"戒名料"など、まとめて請求されます。

葬儀費セット料金以外の"範囲外費用"となり、しばしば法外な費用を請求されてしまう根拠になってしまいます。
たとえ悪徳な業者でなくても、その費用が全額寺院側に支払われているか遺族には分かりません。

良心的な業者なら一般的な相場を教えてくれますが、すでに墓があり住職と面識があるなら『金額は....で失礼ではないでしょうか』とヤンワリ聞き、反応する相手の顔である程度判断する、という小ワザも使えます。

また布施.戒名料を渡すタイミングは本職の住職から言わせると儀式が終了した後がよいそうで、理由はたとえ金額に不満であっても手遅れだから、ということだそうです。


「"戒名"には格がある」・・・・・・

亡くなると位牌や墓石に刻まれる"戒名"(カイミョウ)
今の若い世代では、"改名"のこと?などと勘違いしている人もいるとか........

一般に、"戒名"には位(ランク)があり、高い位を望むなら、包む"お布施"(戒名料)もそれなりに高くなる、という漠然としたルールがあります。

訳知り顔のお節介お年寄り(?)などが特に拘るのが、"院居士"(インコジ)がもらえるか、という部分。
いわゆる、"○○△△居士"、というものですね。

もともと"戒名"とは、お寺に対して多大な貢献.功績.寄進があった故人に対する寺側からの感謝の気持ち、 という部分で与えられるものだそうで、死んだときぐらいしかお寺と関わりを持たない現代人が、 ヤレ戒名料が高いだの、ボッタクリだ、などという筋合いのものではないのかも知れません。

自分の田舎の父親は、いわゆる「立派な"戒名"」、と世間では言われる"戒名"をつけてもらいましたが、生前お寺の世話役として関わっていたためか世間の相場とは随分ちがいました。

普段からお寺とかかわりが深い地域では、"戒名も金次第"、というドライな感覚ではない"本来の戒名実態"、 がまだまだ残っているのでしょう。

そもそも、「院号」は、「院殿号」(1寺に1人ほどの位だったとか)に次ぐ位の名称で、 『寺院や仏教、社会への貢献度が顕著な篤信者に与えられる』、という大層なものらしく、"希望すればいただける"、 という筋合いのものではなかったのでしょう。(今はお金次第なのでしょうガ......)

お墓参りで戒名を見ては、『ここは"院居士"がついているから高かったろう、こっちはついてないからあまり包まなかったな.....』 などという尺度でしか見れないイヤな"金が物言う文化"が残っている限り、この"戒名料"問題はこれからも続くことでしょう。


一般的な相場の一例(あくまでも参考です)

地域により差があるでしょうが、2014年度では30万~60万が全国平均の戒名料相場のようです。

院 号戒名料
院殿号(インデンゴウ) 数百万~
院号(インゴウ) 50~100万円
居士(コジ).大姉(ダイシ.タイシ) 30~50万円
信士(シンシ).信女(シンニョ) 10~30万円



どんなお寺かはキチンと調べましょう・・・・・

檀家不足で経営難になっている寺院も少なくないといいます。
悪徳業者は遺族だけでなく、寺院側にも付け込んで、余計な費用を発生させている一因となっているかも知れません。

また、以下の事例もあるそうなのでご参考までに..........

葬儀社がいいご住職を知っている、との事だったので、その葬儀社にご住職の紹介をお願いしたそうです。

実はその葬儀社は裏で【宗教法人】を持っていて、紹介された住職はその葬儀社が運営する【宗教法人】に属している、 いわば「社員」

いろいろな宗派の「葬儀専門の住職」を集めた運営システムで、お布施も葬儀社が一括管理しており、 ご住職達には「お布施」ではなく「給料」という形で支払われる仕組みだったとのこと。

実際、檀家との兼ね合いで、お寺の無い住職さん(!)もいるそうで、たずねたらアパートだった、という冗談のような話があったとか........

良心的な葬儀業者なら、紹介するときにはどこのお寺で、どんな住職さんかをキチンと説明してくれるはずですので、 こんなところにも悪徳業者を見分けるヒントがありそうです。


悪徳業者に騙されない具体的な手段・・・・・




「直葬」・「家族葬」について・・・・・・

明確な定義があるかは分かりませんが、「死亡後、通夜とかの葬儀儀式を一切省略して、火葬場で火葬だけ行う」、という のが一般的な「直葬」イメージでしょうか。

亡くなったら盛大な葬儀で故人を送ろう、と考える人がいる一方で、親戚縁者がいないとか、経済的な理由で出来るだけ簡素な 葬儀を.......と思う遺族も当然いらっしゃいます。


「家族葬」の場合は家族や家族同様の付き合いのある人を中心とした小規模な葬儀、という意味で使われ訃報を伝えられたごく身近な友人・知人も参列するという形式が一般的なようです。

祭壇なども設け、お通夜・告別式といったセレモニーも少人数で行い火葬場まで共に行く、という通常の葬儀とほぼ同様な流れです。

儀礼的・社交辞令的な弔問は受けず、少人数で行う為司会・音響などの設備費用も不要で、通夜振舞い・返礼品等の費用もそれほどかかりません。

ただし埋葬に必要な物品の費用や葬儀祭壇等の金額は、基本的には通常の葬儀で使われるものと同様の物を提供されるため、家族葬といえど葬儀費用が極端に少なくなる、とはならないかも知れません。
(葬儀費用は200万前後が全国平均のようですが「家族葬」の場合ネットで49.8万などの業者もあるようです。)

自分も田舎の父親が旅立ったときは出来るだけ盛大な葬儀を、と思いそれなりの費用をかけましたが、あまり期間もおかず母親の葬儀が重なった ときには、さすがに「直葬」まで考えないまでも、葬儀費用をどうするか本気で悩みました。

菩提寺の住職に相談したら、『その気になれば田舎の葬儀は心配するほどの費用は要らない.....』、のアドバイスで あまり見栄を張らずやってみたら、ほどほどの持ち出しで一通りの葬儀は無事行えました。

地元の田舎では葬儀も自宅で執り行うのが通常であり(自宅なので葬祭会館費用は一切不要)、集落の大勢の人達が香典を持ってきてくれます。(互助精神)

葬儀費用のかなりの部分を占める飲食代も、食材さえ準備すれば近所のオバさん達が総出で作ってくれます。(材料代のみ)

先祖が眠る菩提寺に納骨を考えるのなら、「直葬」については事前に住職によくご相談するのが賢明かも知れません...... (菩提寺に無断で直葬したら、納骨を断られたケースもあるとか聞きますので)


「直葬」の注意点

死亡後、 通常24時間経過しないと火葬できないので、まず「遺体安置場所」を確保する必要があります。

自宅を使えない場合は......

また、全てを自分で行うのは困難でしょうからいずれ葬儀業者に頼むことになりますが、「直葬」といっても15~40万円(業者による) の費用は見ておく必要があるそうです。(火葬費用込み)

宗教的儀式が一切ないのはどうも......という方のために、葬儀業者にお願いすれば僧侶を呼び火葬場でお経を唱えることも出来るとか。 (お布施は5万前後、但し菩提寺に納骨予定なら要注意です)

いずれにしても、後悔しないよう"良心的な葬儀業者"を選ぶのが大きなポイントとなるようです。

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