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部分的に穴が開いたり裂けたりした銅管を「ロウ付け(ハンダ付け)」という方法で修復します。
■■ハンダ付け失敗の原因■■
- 母材の汚れ.....表面を磨き、地肌をだしておくこと。
- 母材を加熱し過ぎる....フラックスの有効成分が加熱により失われる。
- フラックスの不足......フラックスは十分に塗布しておく。
銅管のロウ付け修理の手順 |
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【接合前処理】
切断端部の内外面を面取り。 はんだ付けする所に付着している油やさびを落とし、サンドペーパーで磨き、金属の下地を出す。
母材のスキマが0.05〜0.12oの時、最高の強さが得られる。 スキマが広いと弱くなる。
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【フラックス(はんだ付け促進剤)を塗布】
はんだ付けは、接合させる金属の表面に異物や酸化膜があるとうまくいかない。 そこで針金や金属同士のはんだ付けはハンダの流動性(ヌレ)をよくするため、必ず金属加工用のフラックスを塗布する。
継手内面には絶対に塗布しないように接合部の管端3〜5mm離して継手と重なる銅管外面にフラックスを塗布して挿入後1〜2回転させると管全体にフラックスが一様に回る。
塗布したフラックスが乾いてしまうほど長時間放置せず素早く作業する。
フラックスを多量に塗布すると、ろうのまわらないところやボイドができて、通水後の漏洩の原因となる。 また管内にフラックスが多量に残ると、銅管や継手を腐食させる原因となる。
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【加熱】
サポートスタンド、バイス等で母材が動かないように固定し、バーナーでハンダ付けする部分を弱火で加熱する。
炎を管部から接合部へ、接合部を円周方向へと動かしながら進め継手付近に赤茶色の変色が見え始めたら適温。 まず接合部より10〜30mm離れた管部分から均等に予熱をはじめる。
次に接合部をバーナーの炎でロウ付け、ロウがすきまに吸い込まれていく適温(230〜250℃)まで加熱する。 温度は高くても低くてもダメ。
ブローホール防止のため直接ろう棒を炎で溶かしてはいけない。 母材からの熱伝導でろう棒を溶かすようにし、炎の外炎は、補助的に当てる要領でろうを差す。
呼び径3/4″以下では炎が管および接合部を包み込んでしまうので、一方向からの加熱でも、周囲の状況によっては十分に接合できる。
加熱⇒フラックスが溶け出してくる。⇒炎の先の色が薄黄緑色に変ってくる。⇒少しなれてくると銅管および銅管継手の焼け具合い(銅管の表面が黒くなったり、
適正なろう付け温度に近くなると銅管が薄い赤みを帯びた状態)でわかる。
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【はんだ付け】
フラックスが沸騰し、水分が少なくなった時点でハンダをさす。 この時ハンダに直接炎を当てないようにする。 ハンダが溶け、銅管と継手のすき間にすい込まれるようになったらバーナーの炎を離す。
溶け出してくるろう材の先端を継手に当てて、力を入れずにスーッと吸い込まれる温度で250℃前後、一カ所から一気に充填される。
接合が適温になったら、炎でろう材が直接溶かされないように接合部より炎を離し、炎を当てた反対側から銅管と継手の境界部にソルダーを押し当てる。
差しろうは、真下から上に向かって行う。 ろうは溶け、銅管と継手のすき間にすい込まれる。
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【はんだ付けの注意点】
第一段階は浸透作業。 すきまにロウを十分吸い込ませるために、継手を重点的に加熱。
第二段階はフィレット形成作業。 フィレット形成作業は、真上から下側に向かって行い、温度を上げ過ぎない様に、炎を遠ざけて、ろうのなじみ具合と流れ具合に注意して行う。
接合部は床または壁から浮かした状態で接合し、炎を当てた反対側からろう材を差すようにする。
ろう材の適量は管径の1.5倍弱を目安。 呼び径1/2″程度の銅管の場合は、継手の直径分の長さのろう材(直径2mmの場合)で十分接合できる。
継手の直径分より少し余分にろう材を折り曲げてろう付けするとムダがなく接合できる。
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【事後処理】
ろう付け後、濡れた布などで接合部をよく拭いて外部に付いているフラックス等を除去しておく。 不完全だとサビや腐食の原因になる。
配管が一部または全部完了した時点で、なるべく早い時期に水圧テストを行ない、その後、水で管内のフラックスを洗い流す。
接合部はあまり急激に冷すと、接合部に入っているロウ材がとんで接合が不完全になるので、 接合部近くの管から徐々に冷やす。
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ロウ付け関連用品 |
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ハンダ・フラックス付き |
ホームセンターで売られているハンダ(ソルダーという名称...〜をはんだづけするという意)は数千円とかなり高額。
それにフラックス(はんだ付け促進剤)というものも必要なのでシロウトが一回だけ作業するだけなのに材料代だけでもケッコウな出費となる。
これは300oハンダが3本とフラックス5gがセットになっており、DIYで応急作業するにはピッタリ。
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フラックス(はんだ付け促進剤) |
銅管と銅管継手は空気中の酸素に触れて、表面が酸化しているが、はんだ付けは、接合させる金属の表面に異物や酸化膜があるとうまくいかない。
そこで針金や金属同士のはんだ付けは、必ず金属加工用のフラックスと呼ばれる液体を塗布し表面の酸化した被膜や汚れなどをはがす。
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サイジングツール |
ハンマーで軽く叩くだけで、変形した銅管の管端矯正
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自動着火ターボトーチ(スクリュー炎) |
ロウ付け作業の適温は温度は高くても低くてもダメで230〜250度位にしないととキレイに溶けて流れない。
ハンダに直接火を当てると温度が高くなりすぎて付かなくなりダマになりやすいので直火を当てず周囲を温める。
バーナもカセットコンロのボンベ使用だと火力が足りなく温度が低いままでつきにくい。
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TFテクタッチ |
マーキング部まで差し込むだけで接続できる給水・給湯用銅管継手。
工具が不要なので火を使えない現場や狭い所でも施工でき施工時間が短縮できる。 取り外しには『テクルーズ』と言う工具が必要。
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放射温度計 |
非接触式で温度が測れる。 測定範囲が-60〜500℃と広い。 室内の気温差、ピザ窯の温度、ロケットストーブ各部の温度、天ぷら油油温、赤ちゃんミルクの調乳用......一台あればいろいろと利用できそう。
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