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相続税は一般庶民にもかかる?

 平成27年(2015年)元旦から、相続税法改正で『相続税の大増税』が始まります。

 相続税の最高税率は50%から55%まで引き上げられ、基礎控除が4割も引き下げられるのです。   この改正により不動産価値の高い都心部に居住していると、 2人に1人が相続税の課税対象になるといわれます。

従来は「相続税が発生する」ケースは統計的に『100件に4件』といわれ、『相続税』ウンヌンはお金持ちの世界の話であって 一般庶民には縁のない税金、というイメージでした。

 ところが今回の改正によりヒョッとしたら都市部に持ち家がある一般庶民にも課税の対象が大きく広がるかも、といいますから聞き捨てなりません。

万が一相続税が発生してしまうと相続税の支払いは 『現金一括払い』が原則(*1)だそうなので手元に現金がないため泣く泣く自宅を売却する、 ケースもあるそうで、心当たりのある方は事前準備も必要になってきます。

 相続税を期日までに支払わないと、期日から2カ月までは年利7.3%、期日から2カ月以降は年利14.6%の利息がかかるといいますから、サラ金並みの恐ろしい利息を取られてしまうわけです。

★......実際地価の高い東京23区では2010年でも課税対象割合は約9%あり、さらに都心部の港区や渋谷区などでは20%前後に達しているといいますから 2015年からの相続税法改正後では特に都市部でさらに多くの人が課税対象になることが予想されます。
現状では全国で課税対象割合は約4%だそうですが、今回の改正では10%まで増える、との試算も出ています。(2014.10)

 案の定この相続税制度の変更により相続税は富裕層の方々にだけかかる税金とは言いにくくなってきました。     相続の割合が平成27年(2015年)を境に大きく変化し、課税対象被相続人の数では、税制度改正前の平成26年では約56,000人だったのが、 改正後の平成27年には約10万3,000人になり約84%の増加となりました。  また、課税割合は約4.4%から約8.0%に増え、相続義務を負う被相続人がほぼ倍増しました。(2018.2)


相続税税率構造の見直し

 今回の相続税法改正のポイントは、『税率構造の見直し』と『基礎控除額の引き下げ』のふたつがあります。

 現行の相続税の税率は六段階に設定されていますがこれが2015年からの改正後は八段階に細分化され2億円以上の資産に対する税率がアップします。   相続財産額(法定相続分に基づく取得金額)が2億円〜3億円が40%から45%にアップ、6億円超の最高税率は50%から55%まで引き上げられます。

年々増加する社会保障費を補うためにも、消費税率アップより相続税を強化するのは当然、という意見もあるようですが、相続税などに全く縁のない庶民はともかく、 資産家の人たちにとって悩ましい制度改革になりそうではあります。

マア、我々庶民で億単位の資産を持っている人はそれほどいないでしょうから、相続する(させる)にしても庶民には関係なさそうではあります。  財産が基礎控除の範囲内であれば、申告なんてする必要はまったくないわけですから。

 しかし、問題は次の『基礎控除額の引き下げ』です。


基礎控除額の引き下げ

 この改正で大きく影響を受けると思われるのが『基礎控除額の引き下げ』で、都会に持ち家がある場合では、 不動産価値によっては課税対象になるケースが激増しそうです。

基礎控除というのは、「ここまでの金額には相続税はかかりません」、という相続財産額のボーダーライン(上限)ですが、今回の改正によりこの上限金額が、大幅にダウンします。

改正前の基礎控除額は、「5,000万円+(法定相続人数×1,000万円)」、でしたが、改正後には、「3,000万円+(法定相続人数×600万円)」、となり、 一気に4割も減額されることになりました。

ちなみに遺産が一億五千万円法定相続人が4人のケースで相続税を計算すると、 改正前と後では以下の違いが出てきます。    

改正後の相続税 改正前の相続税
基礎控除額 5,400万円=3,000万円+(600万円×4人) 9,000万円=5,000万円+(1,000万円×4人)
課税対象 9,600万円=15,000万円-5,400万円(基礎控除額) 6,000万円=15,000万円-9,000万円(基礎控除額)
相続税 1,330万円 700万円



つまり、この例だとほぼ倍の相続税となってしまうわけですから、身に覚え(?)のあるご家庭はいまからそれなりの準備が必要となります。


相続税は現金一括払い

 上記の例では、改正前の相続税計算では納税総額「700万円」でした。 現金でこの金額をポンと払えるお宅はなかなかないと思いますが、 ましてや改正後の納税総額は「1330万円」と、ほぼ倍になってしまいますから、 はたしてこの金額を現金一括払いできるご家庭はどのくらいあるのでしょうか。

地方暮らしではよっぽどの金融資産でも持っていない限り、土地家屋をふくめても一億五千万円の遺産になるケースはなかなかないと思いますが、 都会で持ち家なら資産価値もかなりの金額になるはずです。

法定相続人が4人の場合でも基礎控除額は5400万円たらずですから、これ以上の遺産があったら相続税対象となりますので、相続税対策は考えておく必要があります。

たとえ地方で暮らしていても、基礎控除額5400万円(法定相続人が4人の場合)だけ(?)となると、立派な家屋があり土地持ちのケースでは遺産総額がこれを上回るケースは少なくないと思われますから、 これからは『相続税が発生する相続』が日本全国で増えていくかもしれませんね。

項 目 補 足 説 明
相続税の支払いは『現金一括払い』が原則
(*1)
 申告期限内に現金一括で払えない場合には、一定の要件を満たす必要はありますが"払えない分の現金を後で払う"という"金銭延納"が認められています。  さらに金銭延納でも払いきれない部分については"物納"も認められています。

例えば相続税の支払いが1億円(!)の例ですと........納税額のうち3千万円までは申告期限内に現金で納められるが残りは期限内に準備できない、 という場合は"金銭延納"という方法があります。

その"金銭延納"で払える現金は5千万円まではなんとか工面できるが、あとはもうどうかき集めても残りの現金は用意できない...... となったら残り2千万円分を"物納"という形にして払うことが出来ます。 ただし、あくまで"物納"というのは最後の手段ですから現金があるのに最初から1億円の物納は出来ないことに注意してください。

★......金銭延納の延納期間は、例えば相続財産に占める不動産の割合が75%以上の場合には「期間20年以内で金利は2.3%」など、不動産割合により期間・金利が異なります。 (2014.4時点)



相続税対策はお早めに

 このように、2015年からスタートする相続増税の大波をモロにかぶりそうなご家庭は、いまのうちから相続税対策が必要となります。

特に、相続対象家屋がある場合、そこに住んでいる相続人と、外に生活基盤があってそちらで暮らしている相続人に分かれているケースでは、 家屋敷を含めた遺産分配をどういう方法でやるか、しっかり話し合っておかないと、相続発生時にトラブルの基となってしまいます。

家を相続人で公平に切り分けるわけにも行きませんし、かといってお金に換えるため家を売ってしまうということも、そこに住んでいる相続人にしてみれば なかなか難しいことになります。

相続は争族」といいます。 やはり被相続人が元気なうちに家族が納得できる相続対策を きちんとしておくことがなにより重要となりそうです。


 

相続登記は義務となる

 従来は“相続登記は義務じゃないから放っておこう”というケースが多かったようですが、2021年4月28日に不動産登記法が改正され、 2024年を目処に、相続で所有権の取得を知ってから3年以内に所有権移転登記を行なわないと、10万円以下の過料が科せられるようになります。

 これにより、これまでは遺産が少ないから“相続税は無縁”として相続登記をしない人が大半でしたが、これからは遺産の過多に係わらず移転登記が必須となります。

 また、不動産を相続する場合、従来は相続人同士がなかなか合意に至らず、遺産分割協議が数年に及ぶケースがありましたが、そうした場合でも、「3年以内」に相続登記をしなくてはならなくなります。

 全国で放置された土地の総面積は、今後、北海道に匹敵すると言われるほどとされますから、国も放置したままにはできないわけで、 これからは所有権移転登記の義務を怠ると“罰”が課されることになるわけです。(2021.8.21 msnニュース引用)


相続税対策.......相応分の遺産分配

 いざ相続となるとやっかいなのが「誰もが納得する公平な遺産分配」という問題。

たとえ普段は仲の良い兄弟・姉妹でも、親に対する貢献度も違いますし、人間お金がからむとついつい欲が出てしまうもの........特に元凶となる(?)のが相続人達の配偶者、 つまりもともと他人だった嫁やダンナの存在です。

例えば兄弟が二人いたとして、実家に長男夫婦が母親と同居して生活の面倒を見ているが、次男一家は独立して離れて暮らしており、性悪のオニ嫁の尻にしかれ実家にはほとんど寄り付かない、 というよくありがちなパターン。

次男の嫁さんが性格が良くて物事の道理が分かり、出しゃばらないタイプなら、相続でモメるなどというミットモない事態など(タブン)起こりませんが、 そんな出来た嫁さんと結婚できる甲斐性が次男にあったら、そもそも相続(争族)トラブルなど発生しません.........

こういう性悪な嫁(娘ならダンナ)がいる場合間違いなく起こるのが、イザ相続になったときの遺産分配方法のトラブルで、円満な相続どころでない、 骨肉を争うマサに"争続"となっていくわけです。

以下は母親が亡くなり相続人は兄弟二人となったある家族の相続フィクションです.........


★........遺言で特に指定されていなかったら、二人兄弟の場合であれば1/2ずつ遺産を分配する、というのが法律上の決まりではありますが、釈然としないのは長男夫婦です。
なにせ母親の世話は全て自分たちがやってきており、次男夫婦は全くと言っていいほど母親の世話などしていませんでした。

普段何の手伝いもしてこなかったクセに、いざ相続の段になるとチャッカリと半分の財産分与権利を主張してくる 次男夫婦の態度にムカツク兄ですが、法律で決まっている限りどうすることも出来ません。

困った問題は、不動産の名義も母親になっていたため、「家も財産分与の対象」となってしまうこと。

弟が現金で財産分与の請求してくれば、自分たち一家が今生活している実家を処分してでも現金を用意し遺産分割しなくてはなりません。

かといって、いまさらローンを組んで住宅購入というのは資金の問題もありますし、なにより子供達もいますので出来れば広い実家にこのまま住み続けたいと考えています。

現金を残してくれていればお金で解決もできるのですが、なにせ財産らしいものといえばこの実家ぐらいしかありません.........

弟とはなんとか話し合いで互いに納得できる形に収めようとも考えているのですが、ネックとなるのがおとなしい弟を尻に敷いているアノ性格の悪い鬼嫁で、 すぐにでも自宅を処分して財産分与させろとウラで弟をけしかけているようです................


  

確認できる銀行の取引明細

当事者同士で決定的に決裂した場合には弁護士に依頼するしかありませんが、そうなれば、お金と時間を無駄に浪費することになるのです。 遺産の規模や争いの内容にもよりますが、100万円単位の弁護士費用がかかることも少なくないですし、争いが深刻化すれば年単位の時間がかかることも珍しくありません。

そこで次子さんは今度は自分で銀行に行って、明細を取得することにしました。次美さんが銀行に照会したところ、驚く事実が判明しました。なんと、母の預金口座からほぼ2か月にわたり、ほぼ毎日50万円ずつの出金があったのです。

お母さんの銀行の数年分の取引明細がこれなんだけど、お母さんが動けなくなってから毎日50万円引き出しているんだよね、これってどうなの?」

ドサッと銀行の取引明細の束を机の上に置きます。 今ある現金などすべてを表に出して、葬儀などに使ったお金を差し引き、残ったお金を姉と半分にすることで協議が終了しました。(2021.4.17)


 

相続の上乗せ....「寄与分」

 いままでの相続制度では、複数の相続人がいる場合、面倒を見ようが家に寄り付きもしなかろうが、相続人の立場であれば皆が等しく相続する権利がありました。   以前は、一生懸命貢献しようが、ほったらかしにして一度も世話をしたことがなかろうが、イザ、分配は公平、という不条理がまかり通っていたため、「相続は“争続”」だったのです。そのため、相続人の間で不公平感が生じることが多々あったわけです。

 そこで主に相続人間の実質的公平を図ることを目的として、被相続人の遺産の中から、その貢献度を考慮した相当額の財産の取得を認める、という「寄与分」という制度が新設されました。

 ただし、「寄与分」が認められるのは、付き添い看護費用の支払を免れるような看護を行い、看護費用の支払を免れた、などあくまで被相続人の財産維持に貢献した場合などが対象となり、 単に子が親の面倒をみたといったような理由では、「寄与分」には該当しません。

 ほかにも、被相続人の事業(農業、漁業、小売業)などに、給料を得ずに長年無償で携わったとか、入院や治療費等を負担するなどして、被相続人の財産維持や増加に貢献した場合などが考えられます。(2021.5.2)


  

相続人以外も遺産分配の対象...「特別の寄与」

 これまで「子(相続人)の配偶者」などという立場で相続人の権利を得るためには、義父と養子縁組したり、特定遺贈(遺言により遺言者が指定した財産を無償で譲ること)を受ける、 などの特段の便宜を図ってもらわない限り、義父母の介護を献身的に行っても、相続人に該当しないため法的に義父母の遺産をもらうことはできませんでした。

 そのため、義父らと同居するお嫁さんがいくら介護に貢献しても、遺産分割協議からは蚊帳の外となり、いままで不公平感はあったのです。  そのため夫の死後、 義父らとの縁を絶つ「姻族関係終了届」を出す女性が近年増えていました。

 2019年1月から「相続人以外の貢献度を考慮する」よう法制度が大幅に改正され、相続人以外でも生前に親(被相続人)の療養看護などで特別に貢献した人は、金銭請求権を行使できるようになり、 相続財産の一部を金銭としてきちんと請求できるようになったのです。

 現時点では具体的な算定方法は決まっていませんが、例えば『介護にかけた時間×都道府県が定めた最低賃金』を時給換算する、などという形で請求できるようになるわけです。    

 そうはいっても、「コッチが世話した」などと主張するだけでは、証拠が無い限り水掛け論となってなかなか認めてもらえないでしょう。  介護施設に支払った費用、自宅介護にかかった諸経費などは、 相続のときに精算が可能ですから、やはり、あとあと揉めないように、親の介護で使った諸経費の記録は、キチンとつけ領収書も保管しておき、介護ノートをつけたり、 介護の様子を写真に撮ってスマホ等に保存しておくなどで、余計なトラブルを抑制できる体制は整えておきたいものです。

 日記帳やメモを残せば、介護のためにどれだけ時間を割いて働いたかも分かります。 介護で使った大人用オムツなどへの出費も、普段の買い物とゴチャゴチャにせず、領収書を残すことも必要になってきます。

 一番いいのは、亡くなった後ではなく、生前の暮らしの中で親が使う分の、電気代やガス代、水道代、食事代などの諸経費を、「1カ月×〇万円」などと決めて、親の財布から出してもらうか、 もしくは、いずれかのタイミングでまとめてもらっておくことです。(2021.2.12)


  

2020年相続制度の改正点

 2019〜2020年にかけて相続制度の改正が行われました。 その中でいままでと大きく変わった点がいくつかあります。(2020.4.15 週刊ポスト2020年5月1日号増刊『週刊ポストGOLD あなたの年金』より)  

従   来 新   制   度
親が亡くなると故人名義の銀行口座は“凍結”され、相続人全員が合意した「遺産分割協定書」などを金融機関に提出し審査が終わるまで引き出すことができない。 「預貯金の仮払い制度」が創設され、遺産分割協議がまとまる前でも、相続人のうち1人の請求で故人の口座から一定額(金融機関ごとに上限150万円まで)の払い戻しを受けることができるようになった。
遺産分割により、残された妻が自宅に住めなくなるケースも。 自宅不動産を「所有権」と「居住権」に分割し、所有権は子供が相続、居住権は配偶者(妻)が持つことができるようにする「配偶者居住権」が2020年4月から新設された。
これにより残された妻は生涯自宅に住み続けることができる。
「長男の妻」が義父が亡くなるまで長く介護していた、などというケースではこれまでは長男の妻に相続権はなかった。 無償で故人の療養介護にあたった身内の者には、相続人でなくても、「特別の寄与」があったとして遺産の一部を「特別寄与料」として受け取ることができる権利が新設された。
金額は、ヘルパーなどを雇って介護した場合にかかっていたはずの金額をもとに計算することになる。
自筆遺言は保管場所が決められていないため、遺言者の死後、見つからなかったり、遺産分割が終わったあとに発見されたりして相続トラブルの原因になることも少なくなかった。 2020年7月から、遺言者本人が作成した自筆遺言を法務局に保管(電子データ化)してもらう制度がスタート。  これにより申請時に形式上の不備がないかを担当官にチェックしてもらえるため、 せっかく作成した遺言書が無効になるリスクを減らすことができるうえ、さらに遺言者が死亡したあと、相続人は法務局から遺言書の写しの交付を受けることができるので偽造が問題になることもない。



代襲相続

 もし、3人の相続人がいて、うち1人が亡くなった場合は、相続財産は残った2人で山分け、というイメージがありますが、これは正しくないようです。

被相続人よりも早く「第1順位」の相続人が亡くなっていた場合(例えば親よりも早く次男が死亡した.....などのケース)では、もし亡くなった次男に子供(被相続人から見て孫)がいたら、 その孫が次男に代わって相続人となる「代襲相続」という制度があります。

 田舎などで何代も続く古い家系では、往々にして相続手続きなど行わず家を継いだ家督が財産を独り占めにする、というパターンが多いと思います。  しかし、イザ相続という問題が起こると過去何代にも わたり大勢の相続権利を持つ子孫が発生しているわけですから、法的には全ての相続人のルートを辿り今現在の相続人たちに公平に遺産を分配する手続きが必要になります。

先の東日本大震災(2011年3月11日)後にも数多くの相続手続きが発生したわけですが、ある家の相続人を調べたら法定相続人が120人以上もいて相続手続きはほぼ不可能だろう、 というケースもありました。


遺留分(いりゅうぶん)

 複数の相続人がいる場合、たとえば良く世話してくれた子どもには遺産の多くを相続させ、ほとんど音信不通になってしまっている不義理の子供の分は少なくしたいというケースがあるかも。

人情としては世話をした人間により多くの遺産分配があってしかるべき、だったら遺言書でその旨記載して不義理な者には残さないようにしよう.........という気持ちも分かりますが、 遺産相続を受け取れる相続人には「遺留分(認められた最低限の相続分)」という、遺産総額から最低限の取り分を相続できる権利が法律で保証されています。     しかも、この権利はたとえ遺言書にどのように書かれていても侵害できません。

実際、普段なんの役にも立たなかった相続人がズーズーしく「遺留分」を主張してくれば認めざるを得ないわけで、こうなるとドロドロの相続(争族)争いになる場合が多いのだとか。

ただ、この法律も一方では正統な相続人を保護する役目もあるわけで、例えば色ボケしてしまった父親が性悪な女にだまされ、法定相続人でもないその愛人に全財産を残す遺言をしてしまった、 などという事態も予想されるため、残された法定相続人が不利益にならぬよう、遺産の最低限の割合の取得を相続人に保証する『遺留分』というしくみでガードしているわけです。


相続財産を受け継げる権利

 通常、相続財産を受け継げる権利は、基本的には被相続人と一定の身内関係にあった、いわゆる「法定相続人という立場の人間」に権利が発生し、民法の規定によると、 「配偶者(法律上の夫または妻)」、「子(直系卑属)」、「父母(直系尊属)」、「兄弟姉妹(傍系血族)」の4種類の立場の人が対象となります。

もし、内縁の妻や長男の嫁、叔父・叔母などに遺産を残したいのであれば、これらの者を受遺者とする遺言書を作成する必要があります。
しかし、中には諸般の事情で法定相続人ではあるけど「コイツだけには財産を残したくない....」などと関係がコジれてしまった相手がいるかもしれません。

   

法定相続人 身内関係 遺留分の計算
直系尊属(ちょっけいそんぞく) 父母・祖父母など自分より前の目上の世代、直系の親族で養父母も含む。叔父・叔母、配偶者の父母・祖父母は含まれません。
直系卑属(ちょっけいひぞく) 卑属とは子・孫・甥・姪など自分より後の目下の世代で養子も含む。甥・姪、子の配偶者などは直系でないので含まれません。 配偶者、子はそれぞれ自己の相続財産の2分の1。



相続税の申告・納付

 ある日唐突に起きる『相続』.......亡くなった瞬間から『相続』は自動的に開始されてしまいます。 相続税の申告・納付の期限は「相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヶ月以内」というのが決まりですから、 「喪があけてから...」とか「気持ちの整理がついてから....」などの言い訳は通用しませんのでのんびりと構えていてはいられません。

特に相続人同士が普段からコミュニケーションがとれている場合はいいのですが、もし音信不通の法定相続人が一人でもいたりするとかなりやっかいなことになってしまいます。

★......3.11大震災で実際あったケースですが、いざ不動産相続しようとしたら何世代にもわたり相続手続きをしてこなかったため、 ナント法定相続人数が百何十人にもなっていたそうです。(子から孫.....とドンドン一族の数はふえていきますから)

もうこうなってしまったら相続人全員の合意が必要な書類を集めるだけでも大変な時間と労力がかかってしまいますから、正当な相続手続きをとることは難しそうです。


一日でも相続税申告が遅れると罰金

 10ヶ月以内という期限内に申告しないと「一日でも申告が遅れたら無申告加算税(納付すべき税額の5〜20%)という罰金が課せられ」 てしまいますから要注意です。 期限を過ぎてしまったのを自分たちが気づき慌てて申告・納税したとしても納税総額「1330万円」だとプラス66万5千円の無申告加算税が発生してしまいます。

また、自分たちは気づかず税務署から指摘された場合、ナント(20%の)263万5千円もの無申告加算税がプラスされてしまいますから恐ろしい納税額になってしまいます........

さらに、納税が遅れることになりますから延滞税(年7.3%〜14.6%)というペナルティも上乗せされ課せられてしまいますので 万が一相続税が発生しそうな遺産にありつけそうなカタは、 くれぐれもそのあたりの金銭的な見通しと申告期限に注意が必要です。


銀行口座凍結

 銀行は名義人の死亡情報を、家族からの申し出、回覧板や外回りの銀行員の報告など、さまざまな方法で入手しており、確認されるとすぐに故人の口座を閉鎖する手続きを取ります。

故人が死亡すれば、銀行口座の残高は相続人全員の持ち物になるため、相続人の誰かが勝手にお金を引き出せないよう、銀行が死亡を知った時点で、 引き出しができないようにするわけですが、これが「銀行口座凍結」といわれます。

口座が凍結されるということは、公共料金などの自動引き落としも出来ず、葬儀など何かとお金がかかるのに死亡者名義の預貯金が降ろせなくなってしまう、ということです。

金融機関の凍結された預貯金を引き出すには、除籍謄本・相続人全員の印鑑証明・遺産分割協議書を添えて手続きしなければなりませんから、 通常、葬儀も終わり遺産相続が終了した後となり、最低でも死後数ヶ月以上かかってしまいます。

これでは故人が世帯主の場合は一家の当面の生活費にも困ってしまう、という事態になってしまいますからここをよく理解しておきイザというときのため準備しておく必要があります。   しかし、病気などではそんな余裕もあるでしょうが、交通事故など不慮の場合にどうするか普段から考えておくことが大切です。


絶対やってはいけない.......不動産を共有

 相続財産として土地などの不動産がありますが、この不動産相続で絶対にやってはいけないことのひとつが、「相続人同士で不動産を共有」すること。

親が亡くなった直後にお金の話はしたくない、目の前の揉め事を回避したい、といった心理で、とりあえず“共有”のままにしてしまう、というケースが多いのが現状ですが、 しかし、これは、後々必ずと言っていいほどトラブルを招きます。

土地を売ったり、家を建て替えたりする際には、共有者全員の合意が必要になります。   1人でも反対者がいれば処分や建て替えができなくなるわけですが、 それぞれが結婚して別々の家庭を築いていたり経済状況もさまざまですので、本人よりもその配偶者が話し合いに口を出したりして兄弟といえど考えが一致するとは限りません。

最悪のケースでは、共有者の1人が自己破産したり、借金や税金の滞納で持分が差し押さえを受けた場合や、共有持分を売却した場合などは、第三者の手に渡るおそれさえ出てきます。

“共有状態”をいつまでも放置しておくと、共有者が亡くなってさらにその権利が相続されると、共有者がねずみ算式に増えていき、最後には収拾がつかなくなる可能性さえあります。

このような場合の遺産分割には、大きく3つの方法があります。    

方法 内容 欠点
現物分割 Aの土地は長男に、Bの土地は次男に、現金は長女に、など財産ごとに誰が相続するかを決める方法。最も簡単な方法。 財産ごとの価値によって不公平が生じやすいのが難点。
換価分割 不動産を分ける際にその不動産をお金に換えてから分ける方法。財産を公平に分けることができる。 売却に手間と時間がかかるうえ、思うような値段で売れないことも。また、売却時に「譲渡所得税」が課税されるほか売却手数料もかかるため、遺産が目減りするのが難点。
代償分割 一部の相続人が不動産などをいったん相続し、不公平が出た部分をほかの相続人に現金(代償金)で払う方法。公平感があり後で揉め事が起こりにくい。 代償金を払う相続人は多額の現金を用意しておく必要が生じる。


相続放棄

 相続財産はプラスのものだけとは限りません。 借金がある場合はそれも受け継ぐことになります。

借金を相続したくなかったら『相続放棄』という手がありこの期限は「自分のために相続が開始されたことを知ってから3ヶ月以内」と決められています。 逆に言えば何の法的手続きをとらないまま3ヶ月経過してしまうと『借金を含めたすべての財産を受け継ぐ意思がある』 と判断されてしまいますから注意が必要です。


名義預金

 名義預金とは、通帳の名義は妻や子供になってはいても、実質的な所有者は被相続人である夫のもの、とみなされる預金のことで 父親の死後に子供が知らなかった自分名義の預金通帳が出てきた、などという場合に起こります。

親としては金銭的に油断してもらいたくないし浪費されても困る、ということもあってなかなか子供名義の高額の預金があることを子供には話したくないわけです。

しかし税務署に名義預金だと判断されてしまうと、せっかく子供に残そうとした預金も父親の相続財産に加算され、相続税の対象になってしまいます。
贈与には、双方の「あげた」「もらった」という意思表示が必要ですから、「もらった」という意識を欠くこの預金は「親の財産」とみなされてしまうことになってしまうわけです。

  こういうときのために問題なく預金は相続人のものになる、「家族信託」という方法があります。  自筆証書遺言で、信託する旨を定めれば親が死亡した時、信託が成立します。


遺言書作成で気をつけたいところ

 せっかく遺言書を作成していても、思わぬ記載ミスがあったために遺言書が無効となる場合があります。

例えば遺言書に、「土地の一部は、Aとその息子Bで分けてほしい」という記述があって日付と名前も明記され、押印もされた、一見すると完璧に思える遺言書も、 この内容では不備があり受け付けてもらえません。

「.....分けてほしい」と書かれていても、その分割割合が示されていないため不動産登記も相続税の申告もできないのです。

遺言書には、「自筆証書遺言」、 「公正証書遺言」、「秘密証書遺言」、 「特別方式遺言」などがあり、それぞれ決まりがあります。

■■ 自筆証書遺言(公証人の世話にならない)の基礎知識 ■■


自筆証書遺言を作成するときはネットなどの見本を参考にするとともに、金融機関名、口座番号等の記載ミスには十分注意して作るようにします。


相続税対策.........生命保険

 実はこうなることを予見していた母は、兄を受取人とした生命保険に入っていました。

保険金は「民法上遺産分割の対象とはならない」、ので保険金受取人は兄だけとなります。
ここから弟の相続分を現金で支払えば、晴れて実家を自分のものにすることができます。(ただし税法上は、保険金も相続税の対象...後述に計算式あり)

母親は次男のオニ嫁の性格を知っていて、こうなるであろうことを予測し手を打っていたから、この窮地を切り抜けられたわけです。

世のシジ・ババさんたちも、息子と結婚した嫁(娘であれば旦那になったヤツ)の性格ぐらいは、とっくに見抜いてらっしゃるでしょうから、 相続でトラブルになっても可愛い子供が苦労しないよう、オニ嫁・バカ旦那たちに大事な財産を持っていかれないよう、万全を期しておくことをお忘れなく。


生命保険の相続税

 「被相続人の死亡によって取得した生命保険金や損害保険金で、その保険料の全部又は一部を被相続人が負担していたものは、相続税の課税対象となる」 ので注意が必要です。

ただし、生命保険には「500万円×法定相続人の数」という非課税限度額の枠が設けられています。 (なお、相続人以外の人が取得した死亡保険金には非課税の適用はありません)。

これを最初の相続税計算のケース(遺産15,000万円、法定相続人4人)で計算すると.......

基礎控除額
5,400万円=3,000万円+(600万円×4人(法定相続人))。

生命保険の非課税枠
2,000万円=500万円×4人(法定相続人)。

遺産の15,000万円から(基礎控除額5,400万円)+(生命保険の非課税枠2,000万円)を差し引いた
7,600万円が課税対象となります。


相続税対策(1).......生前贈与

 これまではいわば「対岸の火事」だった相続税も、今回の税制改革によりいつ自分の身に降りかかるか分かりません。  そこで必要になってくるのが「相続税対策」です。

相続税対策で最もポピュラーな方法が「生前贈与」です。
年間110万円までなら、誰に贈与しても非課税になる制度で、子供が小さいころから長期間行えば節税効果は高い ですから資産家の人にはオススメかもしれません。

相続人が4人なら、年間で440万円の生前贈与が可能になります。 5年も行えばまるまる2,200万円もの財産が無税で相続できることになるわけで、 どうせお墓に持ってはいけないお金ですから、抱え込まずドンドン気前よく(?)「生前贈与」しましょう。

モチロン、有り難くいただいた相続人たちは、ドンドン気前よく使っていただき、少しでも日本経済に貢献してもらいたいと思います。

ただ、この方法を社会人になった子どものほうから親にお願いするのもナニなので、出来れば子供が小学生あたりから、 親が自主的にやっておくと、波風も立たないかも知れません。

子どもや孫が自宅を購入する際に資金を贈与する場合も、「住宅取得資金贈与の特例」など利用して現在は最大1,200万円までは税金がかかりません。

ただし、連年贈与(毎年同じ額の贈与を繰り返す)には注意しなければならない点があり、一度にその合計額を贈与したものとみなされ、課税されてしまう可能性がゼロではありません。

税務署に連年贈与と認定されないためには、贈与契約書を毎年作成すること、受贈者が贈与の事実を認識していること、 贈与された財産(預金通帳や印鑑など)を受贈者が管理して自由に使えるようにしてあることが必須です。


「教育資金の一括贈与」

 平成25年、高齢者世代の保有する資産の若い世代への移転を促進する狙いもあり、『教育資金の一括贈与に係る非課税制度』が創設されました。

祖父母が、金融機関に子・孫名義の口座等を開設し、教育資金を一括で拠出した場合、子・孫ごとに1,500万円まで非課税となる、という制度です。

平成25年9月末契約数は40,162件、信託財産設定額合計は2,607億円となっているそうです。

但し、教育資金等の使途は、金融機関が領収書等でチェックし、書類を保管。
孫等が30歳に達する日に口座等は終了となり、残金に対して贈与税が課税されることになります。


扶養義務者間(親子間等)の贈与税は非課税

 実は、「教育資金の一括贈与」の制度を使わずとも、無税で同じ金額を贈与することが可能な方法があります。

そもそも、扶養義務者間(親子間等)で必要の都度支払われる教育資金ならば、贈与税は非課税となります。(相続税法第21条の3二)

つまり生活費や教育費を必要の都度、お孫さんやその父母である息子、娘に渡すようにすれば、全く同じ効果が得られるわけです。

更に付け加えると、生活費や教育費であれば金額がいくらになろうが、たとえ合計で1,500万円以上になったとしても無税で贈与することが可能です。

「教育資金の一括贈与」を使いドカンとプレゼントするのももちろん良いのですが、その方法では貰った当初は「お母様....」などとネコなで声で喜んでくれた息子のヨメも、 いずれ貰った時のありがたみも薄れ、やがて家に頻繁に顔を出すこともなくなる........という現実も予想しておきましょう。

子、孫に会える回数を多くしたかったら、必要な時に必要な金額を贈与した方がよっぽど足繁く会いにきてくれますし、息子のヨメにもより以上に感謝(?)されること請け合いです。


相続税対策(2).......二世帯住宅

 原則同居していることなど適用条件がありますが、実家に親と同居して二世帯住宅を建築し「小規模宅地の評価減の特例」の対象となる、 という方法があります。 同居している子どもが、親の土地(自宅の土地)を相続すると、330平方メートルを限度に、評価額を80%も減らすことができる、というものです。

適用されれば、居住用宅地330u(改正後)までなら評価額を80%減額できるますから、例えば土地の評価額が1億円なら2,000万円まで減額できるので大きな節税効果があります。  独立してマイホームを買うという計画はやめて、親との同居を考えればそのお金で、実家をリフォームできますし思い切って建て替える、というのもいいかもしれません。

墓地や墓石、仏壇、仏具などは「祭祀財産」となり相続財産には含まれませんから、まだ準備していないなら生前に購入して支払えばその費用は相続財産からカットされます。
お金持ちの方は立派なお墓を作ってください(?)。

例として、念願のマンションを購入直後、母親が亡くなり家を相続すれば、間違いなくかなりの高額相続税を支払わなければならないケースを紹介します。 親と同居しているか、持ち家に住まない、いわゆる「家なき子」であれば小規模宅地の特例をうけられ80%減となります。

自分で購入した建物を「持っている」だけで「住んで」いない場合は、「家なき子」の要件は失わない、と解釈できるわけです。

相続した親の家は「持っている」だけでよくて「住む」必要はないのです。しかも「所有」も「申告期限まで」でいい。


相続税対策(3)........賃貸物件を建てる

 土地不動産の評価価値を合理的に下げて節税する、という方法もあります。

例えば、賃貸物件が建っている土地(貸家の目的とされている宅地)は、「貸家建付地(かしやたてつけち)」という評価になり、 「自用地(自分で使用している土地)」と比較すると約20%評価を下げられます。

そこで、保有する土地に賃貸物件(賃貸アパート)などを建てて運営したり、実家を二世帯住宅かつ賃貸併用住宅にすれば、賃貸物件が建つ土地は 「貸家建付地」の扱いとなるわけです。

「賃貸併用住宅の土地評価額」は、建物の自宅部分(借地権)と賃貸部分(借家権)の面積比に応じて按分されます。

「建物評価額」は固定資産税評価額と借家権控除で算出され新築評価額の70%程度まで減額できますから課税遺産総額を大幅に減らせます。

相続税を詳しく知りたいときは 国税庁のホームページで確認してください。


相続税対策(4).......相続時清算課税制度

 贈与者が亡くなったとき予想される遺産が、相続税の基礎控除以下(になるであろう)の人にとってメリットがあるのが、 平成15年度の税制改正で導入された、「相続時清算課税制度」、です。

この制度を利用すると、2,500万円までの生前贈与であれば、一切贈与税はかからないので、子供たちへの援助を考えている 親は、贈与税を気にせずに安心して気前よく贈与できます。

なかなか給与が上がらない昨今ですから、それなりに豊かな親は子供たちの生活応援のため、そして消費を増やして日本経済に良い影響を与えるため、 子供や孫にドンドンお金をプレゼントしましょう。

ただし、贈与者が亡くなって相続財産を計算する段になったら、残った遺産にプラスして、生前贈与していた分を加えた合計で 相続税を計算しなければいけません。

この制度を利用すると、生前贈与した金額が非課税枠の2,500万円を上回る場合は、オーバーした金額×20%が、 贈与税の対象となりますのでご注意を。

また、この贈与税を払い込んでいた場合、将来贈与者が亡くなって遺産の相続税額が発生したら、既に払い込んでいた分を相続税額から差し引くことができます。
その際、相続税額より支払った贈与税が大きい場合は、その差額が還付されます。

■■ 相続時清算課税制度の利用条件 ■■




贈与税の改定

 世代間の資産移転を進めるため、今回の相続税法改正とともに贈与税も改正されました。

★【教育資金の一括贈与に係わる非課税処置】......2015年末までの期間限定ですが祖父母が孫やひ孫に将来の教育資金をまとめて渡す際、 孫1人あたり1,500万円まで贈与税が非課税になる制度があります。

制度を利用するには、「金融機関に信託用の口座を作る」、「利用できるのは、孫が30歳になるまで」、「それまでに使い切らなければ、残額に贈与税がかかる」などの条件はありますが ゴッソリお国に税金を納めるよりカワイイ孫のために、と考えるジジ・ババはご検討ください。

親が「子供の結婚費用や出産費用」を負担しても、社会通念上相当と認められるものについては贈与税の対象外となります。


遺言信託

 2015年1月から始まる相続税の課税強化に応じてニーズが高まっているのが、信託銀行が手がける"遺言信託"というもの。

"遺言信託"というのは契約すれば遺言書作成の相談から保管、遺言内容の執行までをトータルでやってくれるサービスで、 三井住友信託銀行は2014年6月16日から取引残高が5000千万円以上の顧客に対し、手数料30万円の無料化を行うそうです。

従来からあるサービスのようですが三井住友信託銀行での2013年度実績では契約実績3000件、2011年度比41パーセント増といいますから"遺言信託"利用者は着実に増加しているようです。

遺産相続は別名『遺産"争族"』、といわれるほどトラブルが多いようですが、 自分が死んだ後で親族が相続をめぐって醜い争いをはじめる.......というのは誰しも望まないもの。
親族間の無用なトラブルを避けるためにも、こういうサービスを利用してリスク回避するというのも"争族"防止方法のひとつかもしれません。

家裁に持ち込まれる遺産相続トラブルは年々増加しているそうで、遺産分割調停は2013年に1万2878件と10年前に比べ3割増えたそうです。 調停まで持ち込まれるのだから、さぞかし遺産額が多いだろうな、と思いますが、実は調停成立件数の75%が遺産額が5000万円以下というケースなのだとか。


相続税対策(番外編-3)・・・・・不動産の相続税計算

 不動産の相続税計算にあたって、不動産の価値基準に採用される値段は、土地と家屋で異なります。

たとえば土地の値段、と一口にいっても、土地は一物四価の商品といわれ、 実際には、「売買取引時価(実勢価格)」や「公示価格」、「路線価」、「固定資産税評価額」などといったいくつもの価格があります。

通常、売買取引時価1億円の土地の財産評価額は約7000〜8000万となります。
ですから、現金より土地で持っているほうが財産評価額は安くなり、相続税も安くなります。
(注意.....路線価は毎年1月1日を評価時点として改訂されるが、売買取引時価は常に変動しているため、売買取引時価より路線価のほうが高くなってしまうケースもありうる)


相続税・贈与税では土地の値段(相続税評価額)は路線価(公示地価の80%を目標)で評価することになっています。
公示地価とは国土交通省が地価公示法に基づいて、発表されるその年の1月1日の土地価格(更地としての価格)のことをいいます。

路線価には「相続税路線価」と「固定資産税路線価」の2種類があり、相続税に関係するのが「相続税路線価」です。
「固定資産税路線価」は、一つひとつの土地の固定資産税評価額を決める際の基準となる価格です。

「相続税路線価」を調べるには、全国の路線価図(過去3年分)データを国税庁のページで確認してみます。
路線価図には1平方メートルあたりの単価が千円単位で表示されていますので、たとえば図中に「200」とあればその単価が20万円ということになります。 (*単価がわかっても実際の金額計算はやや面倒で、土地面積や調整率などが関係するのでHPの説明を熟読する必要があります)

相続税がどれくらいかかるのかザッと試算する程度なら、土地の相続税評価額は固定資産税評価額と大きくかけ離れた金額にはならないので、 概算で出す分には固定資産税評価額を土地の評価額と考えても問題はないと思います。

路線価
土地の相続税計算に用いられる価格。 国税庁が相続税計算のために利用している簡便法。国土交通省が年に1回定める不動産の公式価格、公示価格地価の80%ぐらいに計算されています。

ただし、路線価は全国の主要な市街地の道路にしか設定されていません。全国の全ての道路に値段をつけることは現実的に不可能です。
そのため、路線価のない土地を評価するときは、代替として固定資産税評価額を使います。

固定資産税評価額
国が定めた「固定資産評価基準」に基づいて市町村が、3年に1回、決定している価格。 固定資産税の計算に利用されている価格です。公示地価価格の70%ぐらいに計算されています。

路線価より低い水準となっており、そのまま相続税・贈与税の評価額として使用することは適切ではありません。

そのため、相続税・贈与税の評価の際には、これを何倍かにします。このことから、この評価方法を倍率方式というのです。

倍率を閲覧したいときは、国税庁が運営している路線価図等閲覧コーナーを利用するといいでしょう。

「路線価」、「倍率方式の倍率」、を閲覧したいときは、国税庁が運営している路線価図等閲覧コーナーを利用。


相続税の還付

 多少お金のある人でさえ一生に一度あるかないかという相続税の経験。  周囲に相談する相手もそうそういない相続税は「孤独な税金」とも呼ばれるそうです。

しかし相続税法の改正により課税対象者が増加するであろう昨今、万が一の場合に備え覚えておきたいこととして「納めすぎの相続税もある」という現実です。

フジ総合グループ代表 藤宮 浩氏によれば『......私どもがこれまでに手掛けた、3000件を超える相続税案件のうち約7割のケースで、実際に税金が還付されています。 しかも、数千万円単位の大金が手元に返ってくることも少なくありません........』という現状があるとか。

納めすぎの理由として挙げられるのは主に以下の3つがあるそうです。


還付されるためには土地の評価がどのようになされたかがポイントのようで、特に「不整形地」と呼ばれる土地をどう評価するかで大きく差がでるようです。

特に台形の土地に適用される「かげ地」や、広大な土地を売るときに適用される「つぶれ地」などであれば、土地の評価額が何割か差し引かれることもある、 ということですからゼヒ詳しい専門家に相談してみましょう。

相続税の還付手続きは「更正の請求」と言い、国税通則法に定められた正当な権利で、納税後でも申告期限から5年以内であれば還付可能だそうです。   また、還付金はあくまでも納めすぎた税金が戻ってくるだけなので、新たに課税されるということもないそうです。


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