不適切な草加寺子屋の諸問題 アルコール消毒液

草加寺子屋は、草加市内の小学校21校で、小学3〜6年生を対象に、土曜日の午前9時から午前11時まで開催されます。草加市教育委員会が作成した学習プリント(答付き)を使用します。

草加寺子屋のアルコール消毒液は、2022年度から、アルコール濃度が75%のものに変えるようです。一方、放課後子ども教室は、「厚生労働省が推奨するアルコール濃度基準の70%を下回る花王のハンドスキッシュEXをを使い続ける」という不適切な対応をしています。

不適切な草加寺子屋の学習プリントの問題

以下は、2022年5月21日土曜日の算数の学習プリントにあった問題で、三角形の面積と分数の計算です。これは、一例で、問題、答の間違いは沢山あります。

不適切な三角形の面積の問題

草加寺子屋の三角形の面積の問題

三角形の面積の問題の答は、底辺3cm×高さ2cm÷2=3cm2となっていましたが、三辺の長さが、2cm、3cm、5cmという三角形は存在しません。この問題は2019年度の草加寺子屋でも出題されていました。草加市のHP草加寺子屋(土曜学習)問題シートのリンク『6年生算数 問題集』の「小学6年生 6月 たしかめ問題NO.1」で確認できます。人間はミスをしますが、そのミスを何年も放置していた事になります。

下図は、この不適切な草加寺子屋の問題と解答のスクリーンショットです。草加寺子屋の不適切な三角形の面積の問題 教育委員会作成 スクリーンショット

不適切な分数の計算問題

草加寺子屋の分数の問題 4分の1−2分の1分数の計算問題(4分の1−2分の1)の答は4分の3となっていました。足し算が引き算になってしまった単純ミスです。小学校では負の数は教えませんが、間違った問題でも、正解を答える小学生はいるでしょう。

コロナで長らく中止されていた草加寺子屋が5月21から再開されました。中止期間中に、問題を点検する時間は、例年と違って、沢山あったはずです。

不適切な草加寺子屋のアルコール手指消毒液

現在、草加寺子屋で使われているアルコール消毒液はジェルタイプのもの(ディーケアレル消毒ハンドジェル)で、しかも、アルコール濃度が表示されていません。

ジェルタイプのものは子供の使用に適切か

21の小学校の草加寺子屋で使用しているアルコール消毒液はジェルタイプです。アルコール手指消毒液の取り扱い説明書には、「目に入った場合は、速やかに洗い流せ」と書いてあります。ジェルタイプのものは、グリセリンの粘性のために、目に入った時、洗い流しにくいという欠点があります。また、「小児(5才から11才)の場合は、保護者の管理の基で使用するように」とも書かれています。しかし、教育委員会からは、そのような指示はなく、現場の学習支援員もそのような配慮はしていませんでした。

アルコール濃度が表示されていない

「液体とジェルタイプの除菌・消毒・手指洗浄用アルコールのエタノール濃度(国民生活センターの報道発表資料 2020年9月17日)」には、『アルコール需要の拡大が加速する中、PIO-NETには、新型コロナウイルスに関連した相談のうち、除菌や消毒等を目的とするアルコール含有商品について、「商品にアルコール濃度の表示がない」、「濃度が表示されているが本当だろうか」などといった商品の安全・品質や表示に関する相談情報が、2019 年 12 月以降の約 8 カ月(2020年7月31日までの登録分)で689件寄せられています。(中略)商品テストの結果、商品本体の表示等に問題がみられるものがありました。そのほかにも、消費者庁では2020年5月19日、アルコールを主成分とするとされるハンドジェルにおける配合割合が大幅に表示を下回っていたとして、景品表示法に係る措置命令が行われました。』と、書かれています。

品薄状態が解消されたのは、いつか

「転売規制の解除について-消費者庁」には、『需給の逼迫が改善すれば解除すべき性質のものです。こうした考え方の下、メーカー側の協力もあり、国内生産増加や輸入拡大によりマスクおよびアルコール消毒製品いずれも供給量が増加し、市中での購入が可能な状況となったことから、需給の逼迫が改善しているものと判断し、2020年8月29日、マスクおよびアルコール消毒製品の転売規制を解除しました。』と、書かれています。

2020年5月頃は、アルコール消毒液が品薄となっていたので、選択の幅がなかったかもしれません。しかし、2020年9月頃には、品薄状態は解消されていました。

ところが、2020年9月、教育委員会は草加寺子屋用に、アルコール濃度の表示がなく、ジェルタイプの同消毒液を5個買い増しています。情報公開請求で判明しました。

草加寺子屋のアルコール消毒液への対応

上記の経過から、教育委員会は「早急に、ジェルタイプではなく、アルコール濃度の表示が75%の消毒液に変える」と約束しました。2022年度から、アルコール濃度の表示が75%の消毒液に変えるようです。教育委員会は適切な対応をしました。

放課後子ども教室の問題点

放課後子ども教室を管轄する子ども育成課は、2022年度も「濃度表示がなく、厚生労働省が推奨するアルコール濃度基準の70%を下回るハンドスキッシュEXを使い続ける」という不適切な対応をしています。草加市 放課後子ども教室の欠陥アルコール消毒液草加市 放課後子ども教室の欠陥アルコール消毒液

草加市 放課後子ども教室のサイキョウ・ファーマ社の「HAND GEL」2021年度は、販売中止になっているサイキョウ・ファーマ社の「HAND GEL」という製品を使っていました。

不適切な草加寺子屋の健康観察票

下の画像は草加寺子屋の健康観察票です。クリックで拡大します。草加寺子屋の健康観察票

”月曜日から健康観察を行い、毎週持参し運営管理委員運営管理員に確認してもらう。”という決まりになっているようです。まとまった期間の体温は、相当な個人情報です。運営管理員に確認してもらった後は、教育委員会に提出する事になっています。

健康観察票の提出方法

問題は提出の方法です。2022年度の場合、学習支援員の健康観察票は、運営管理員が集め封筒に入れ、教育委員会指導課に提出します。この時、健康観察票は机の上に置かれます。学習支援員が封筒に入れ、他の者が見られない状態で運営管理員が確認する訳ではないのです。また、健康観察票の取り扱いについて、教育委員会からの指示はなく、運営管理員に任されています。前年度の場合は、観察票が長いこと机の上に放置されていました。

草加寺子屋と土曜寺子屋

元々、土曜寺子屋は木下博信 元草加市長が始めたもので、名称は草加っ子土曜寺子屋でした。

2007年の夏休み期間に限定して始まった「寺子屋」は、参加者や保護者に好評だったため、2009年以降は5月から翌年3月まで、期間をさらに延ばして実施している。(2011年6月13日 読売新聞)

当時は、無料の学習塾を自治体が主催するのは珍しかった為、全国の自治体が草加市を視察しました。その結果、全国の自治体や非営利組織が土曜寺子屋という名称の学習塾を作るようになりました。以下のリストはその一部。

  • よこすか土曜寺子屋教室 主催 横須賀市教育委員会
  • 大分豊府中学校の土曜寺子屋
  • 世田谷総合高等学校の土曜寺子屋
  • 小学生のための補習会「土曜寺子屋」(神奈川県愛川町)対象児童に制限あり
  • 山口県周南市熊毛中学校区 土曜寺子屋

上記のような経緯から、草加市は「土曜寺子屋」から「草加寺子屋(土曜学習)」と名称を変えました。

草加寺子屋に関連する外部リンク

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。