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エアスプレーガン

 エアスプレーガンは大正時代にアメリカから導入されて以来、国内でも塗料や被塗物に合わせたスプレーガンが次々に開発され 現在では広く使われているエアツールです。

エアスプレーガン コンプレッサーの圧縮空気圧力を利用し吹き加減を微調整できるスプレーガン塗装のメリットとして、@.高粘度の塗料を吹付ける事が出来る、   A.一度に広い範囲の塗装が出来る、 B.誰でも均一の塗装ができる、などがあります。

 昨今の住宅塗装工事などでは、特に住宅密集地などではあまりスプレーガンによる塗装は行われなくなってきたといいます。

 主な理由としては、油性塗料をシンナーで希釈するためシンナー臭いが立ちこめ近所迷惑になる、手で塗るローラー塗装などに比べ塗料が飛び散りやすい、 飛散するため塗料の消費が手塗りと比べやや大目、などから使用を自粛するケースがあるようです。

 ただ、スタッコ仕上げ、リシン仕上げ、吹き付けタイル仕上げなどでは今でもエアスプレーガンのほうが多く使われているようです。


コンプレッサーAC461X  スプレーガンによる塗装のデメリットとされる点も、水性塗料であれば水で希釈できますし、塗料の飛び散りは養生をキチンとすれば問題ないわけです。   塗料の飛散のムダ問題も、昨今のスプレーガンは省燃費タイプのものも出ておりだいぶ改善されてきているようです。

 基本的にローラーや刷毛で塗り、狭くて塗料やローラーなどの道具を持ち運べない場合は吹き付け塗料にする、など必要に応じて使い分ければいいのでは。

 なによりスプレーガンによる塗装のメリットは仕上がりがキレイなこと。  シロウトでも本職と見まごうほどの仕上がりが実現できますから、 DIYリフォームの強力な塗装ツールとなってくれます。




エアスプレーガン......種類

 スプレーガンには、調整によって噴出パターンをタテやヨコに広げられる平吹きタイプと、吹いた跡が常に円の形になり大きさを変えられる丸吹きのタイプがあります。

平吹きタイプはパターンの調整が効くため使いやすくオールマイティーに使用でき、塗装初心者なら必ず持っていたい一品です。

   

タイプ タイプ・特徴

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【圧送式スプレーガン】

「圧送タンク」や「ダイヤフラムポンプ」などの機械を使い、機械で圧力を掛け塗料を噴出させるシステムです(圧送タンクやダイヤフラムポンプが必要になります)。 塗料はある程度の量(1キロ〜10キロ)を作り、まとめ吹きや粘度のある塗料を吹く時に使用します。

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【吸上式スプレーガン】

ガンの下に塗料タンク(カップ)が付いていて、塗料を吸い上げて噴射するタイプです。カップは0.75〜1リットルを中心に用途に合わせて用意します。 このガンがあれば、家具塗装/車体塗装など、まかなうことが出来ますし、一般の方ならこのタイプをお勧めします。

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【重力式スプレーガン】

ガンの横側にカップが取り付け、塗料の重力によって吹き付けるタイプです。通称カップガンともいう。プロから初心者まで、幅広く使えるタイプです。 このタイプは主としてカップ別売りですが、コストパフォーマンスを考えると、このタイプを一つ持っていればほとんどの塗装はカバーできるのではないでしょうか。 一般的に一番多くの人たちに愛用されているタイプです。

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【ピースガン】

細かなヘアーラインやルアー・ネイルアートなどの絵を描くための、口径の小さいガンです。口径が小さいので塗料詰まりを起こしやすいのが欠点。でも細かなアートワークではこいつの独壇場です。



  

エアースプレーガンの調整ポイント

【引き金】

スプレーガンのトリガー(引き金)は2段式になっており、スプレーガンのトリガー(引き金)を軽く引くだけだと空気だけ出てくる構造になっており、 更に強く引くと塗料とエアの両方が噴出するようになっている。



最初に軽く引くことができる部分(1段目)ではエアだけが噴き出される。



さらに奥までトリガーを引く(2段目)と塗料とエアの両方が噴出されるようになっている。

【塗料吐出量調節ツマミ】

このツマミでスプレーガンから噴出される、塗料の量を調節する。  ツマミを緩めて(左に回す)いくにつれて、2段目の引き幅が広くなり塗料の噴き出す量が多くなっていく。

  スプレーガンのトリガー(引き金)は軽く引くと空気だけ出て、更に強く引くと塗料とエアの両方が噴出する構造になっているが、 吐出量調節ツマミをいっぱいまで閉めこむ(右へ回す)と、この2段目の引き幅がなくなり、塗料はまったく噴き出さなくなる。

一般的に吐出量調節ツマミをいっぱいまで閉めこんだところから、2〜2.5回転ほど緩めたくらいがもっともポピュラーな吐出量といわれる。
【エア量調節ツマミ】

スプレーガンから噴き出すエアの量を調節するツマミで、いっぱいまで閉めこむと、エアがまったく噴き出さなくなる。    基本的にエアの圧力はコンプレッサの減圧弁調整ノブを回して調節するが、簡易的にはこのツマミで微調整する。

  理想的な使用法としては、スプレーガンに設定されている適切なエア圧力になるようコンプレッサ側で調整して、このツマミは全開にした状態にして使うのが望ましい。
【空気キャップ】

空気キャップは縦位置や横位置に変えることで、塗料の噴出パターンを切り替えられる。



縦にすると、塗料の噴出パターンは横長となる。



キャップを縦位置にすると、と横位置にするとは縦長になる。



【パターン開き調節ツマミ】

スプレーガンから吹き付けられる塗料は、広い面積が塗装しやすいように通常は縦長の楕円形をしており、 この楕円形の縦幅をパターン幅と呼びパターン調節ツマミを回すことにより、このパターン幅を変えることができる。

  パターン調節ツマミを右にいっぱいまで閉めこむと、吹き付けられるパターンは丸い円形になり、左回転で緩めるに従ってパターン幅は縦方向に広がる。  



  

使用後のメンテナンス

 使用後にスプレーガンを洗浄せずそのままにしておくと、スプレーガンの中で塗料が固まってしまい、 特に油性塗料だと詰まりの原因となってしまいます。  作業終了後はすぐに洗浄液で清掃を行います。  使用した塗料が水性塗料であれば洗浄は水で行い、 油性であれば、洗浄液はペイントうすめ液などを使います。

 塗料の通過経路内を手っ取り早く洗浄するには、塗料カップ内の汚れを落としたあと、洗浄液を入れ、エアキャップ前面をウエスなどで押さえながらトリガー(引き金)をいっぱいに引く、 ブローオフ(強制逆流)という方法で、塗料経路を逆流させることで強制的に洗い流すのが効果的とされます。  「捨て吹き」とも言うようです。

 「捨て吹き」を行うと洗浄液は塗料通路を逆流しまた塗料カップに戻ってきます。     塗料カップに戻る洗浄液に色がつかなくなるまで、古い洗浄液は捨て、新しい洗浄液を入れ「捨て吹き」を繰り返します。      一度ではなかなかキレイになりません。  キレイな洗浄液になるまで何回かこの作業を繰り返します。

 スプレーガン外側の汚れはウエスに洗浄液を含ませた布などで丁寧に拭き取ります。    エアキャップや塗料ノズルなどの微細な箇所の清掃には、専用のクリーナーセットも用意されています。 


  

うすめ液の使い分け

 塗料には、ラッカー系、アクリル系、水性など、基剤の成分によりいろいろな種類があり、それぞれ薄める溶剤に違いがあります。     油性塗料(アクリル)やラッカー系塗料は水で薄めたり洗ったりすることができないため、専用のうすめ液が必要となります。

 ホームセンターで売られているうすめ液は主に、「ラッカーうすめ液」と「ペイントうすめ液」があります。  油性塗料をうすめたり洗浄する場合は「ペイントうすめ液」を使います。

 シンナーは英語で「thinner」、和訳すると「希釈液」です。  ですから 「ラッカーシンナー」とあれば、「ラッカー用のうすめ液」ということになります。

 塗料の一種であるラッカー (Lacquer)は、セルロース誘導体を溶剤に溶かし、これに可塑剤、顔料などを混合した塗料で、古くはウルシの木の樹脂から作られる「漆」があります。     溶剤の蒸発により直ちに塗膜を形成するため速乾性があります。    また、特に顔料を加えないものをクリアラッカーと呼び、木材、金属、皮革などの塗装に広く利用されます。   乾燥すると硬くて耐久性の高い塗面を作ります。


  

潤滑オイル

 清掃後、動きをスムーズにするため摺動部分に潤滑用のオイルを塗布しておきます。  潤滑オイルにはシリコン系やテフロン系などがありますが、 金属同士が擦れあう部分にシリコンは不向きで、かえって滑りが悪くなりますので、テフロン(PTFE)配合の潤滑スプレーがオススメです。

  PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)はデュポン社によってテフロンという商品名になりましたが、固体の中で最小の摩擦係数を持っているとされます。

 シリコンは金属と他素材には有効で、特にゴム部品の保護と蘇生効果がありますから、エアガンなどには適しています。

 スピンドル油というのもあります。  ミシンや精紡機などの主軸 (スピンドル) の回転をなめらかにするために利用される潤滑油ですが、 日本工業規格(JIS)ではスピンドル油をはじめとする並級潤滑油をマシン油と総称しています。  マシン油は低粘度のオイルでグリースや金属加工油などの原料油としても使用され、 添加剤が一切含まれていないのが特徴です。

 添加剤としてモリブデン粒子を用いた、モリブデンオイルというものもあります。   荷重のかかる部分に使えば軸や軸受け面の表面に入り込み、 金属が削れるよりも先にモリブデン自体が削れ、金属表面の磨耗を防ぐという働きがあります。

 チェンソーオイルはガイドバーとソーチェンの保護力を高めるため粘度の高い物を使用します。    指定粘度(10W-30)のエンジンオイルでも代用することが出来、添加剤により油飛びを抑制し、ソーチェンやガイドバーに付着しやすいようになっています。

 レシプロ(往復動)タイプのコンプレッサーは、ウエットタイプであれば車のエンジンオイルと同様に、焼き付き防止のコンプレッサーオイルが必要です。    ただし車のエンジンと違い燃焼工程が無いので、粘度の硬いオイルは不向きでサラサラのオイルが適しています。

スプレーガンのメンテナンス
【メンテナンスキット】

必要な道具
  • 洗浄液.........各部の洗浄。
  • 容器.........各部の漬け置き用。
  • ウェス.......清掃。
  • 清掃ブラシ.......汚れ落し。
  • 軍手.......汚れ保護。
  • ビニール手袋......汚れ保護。
  • メガネスパナ.......塗料ノズルの脱着。
  • 針........ノズルの詰まり除去。     
  • 摺動用オイル......ニードル弁摺動用オイル(非シリコン系)。
【清掃開始】

塗装作業終了後、洗浄液を塗料カップに注ぎ、清掃ブラシなどでカップ内部に付着している塗料を擦り洗いして汚れを落とす。

汚れた洗浄液は通常は破棄するが、うすめ液で希釈された状態なので、薄めすぎにならない限り使用した塗装へ戻せばエコ。

綺麗なウェスでカップ内をクリーニングする。



【捨て吹き】

塗装作業終了後、洗浄液を塗料カップに注ぎ、清掃ブラシなどでカップ内部に付着している塗料を擦り洗いして汚れを落とす。  汚れた洗浄液はすべて廃棄する。

綺麗な洗浄液をカップ内に入れたら、エアー圧は低めにし、空気キャップの全面をウエスで覆い、トリガーを引く。  これが「捨て吹き」。

この状態でトリガーを引くと、エアーが逆流しカップ内に空気が注入され、塗料経路がシンナーによって洗浄される。

【塗料ノズルの取り外し】

汚れが酷いとき、長期間保存の前などには、各パーツの分解清掃を行う。

10oスパナで塗料ノズルを取り外す。  このとき必ずトリガーを引いてニードルと塗料ノズルの接触をフリーにしておかないと、ニードルが曲がる事がある。



【塗料ノズル穴の清掃】

塗料ノズル穴の詰まりがあれば、針で塗料ノズル穴の内部をよく清掃しておく。





【各部の分解・清掃】

空気キャップ、塗料調節ねじ、ニードルバネ、ニードル弁セットを取り外す。

外した部品を洗浄液に浸した後、丁寧にブラッシングを行い洗浄する。

乾いたらエアブローでホコリを吹き飛ばし、分解の逆手順で組み立てる。  ニードル弁摺動部に少量の非シリコン系のオイルを塗布する。



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三寸五分(*1)........

1寸は3cm(正確には3.03cm)。 3.5寸(10.5cm)、4寸(12cm)、5寸(15cm)。
耐震性能は柱の太さよりも壁量で決まるので、1階建てなら3.5寸の太さの柱でも強度面はそれほど問題にはならない。
ただし、仕口加工でほぞ穴が多くなれば断面欠損が大きくなるので、破損する可能性が4寸〜材よりも大きくなる。



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