日本の防衛力(艦船編)

 わが国も防衛に関してやっと普通の考えが通じる世の中になったようで、自衛隊は必要ない、世界はみな仲良しだ、などのタワゴトをいう輩も最近は表立っての行動は控えるようになりました。   昨今の竹島や尖閣諸島周辺でのキナ臭い動きに、今まで平和ボケしていた日本人たちもやっと国土防衛や国境警備の重要性に気づき始めたのではないでしょうか。

一国の力が大きくなると従来のパワーバランスが崩れ、覇権争いが拡大し、周辺諸国と諍いを始めてやがて紛争にいたる、という構図は昔から起きていたことで、 現に隣国の大国がまさにその行動をとり始めました。   誰しも争いごとは好みませんが、覇権争いから紛争が続けばいずれは拡張主義国家が何らかの軍事手段をとってくる段階が訪れ、忌まわしい戦闘状態にもなりかねません。

 自国の国益を守り相手の領土侵略を許さない、そのような事態を招かないために日本も防衛力強化に努めているわけです。    日本も昔アジア各国で侵略戦争したじゃないか、という話はよく聞かれますが、対戦国の司令官であるマッカーサーは戦後、「日本は侵略戦争ではなく防衛のための戦いだった」と言ったそうです。

  アメリカ合衆国初代大統領、ジョージ・ワシントンは「戦争に備えることは、 平和を守る最も有効な手段の一つである」、と言いました。    紛争解決のためには、まずは話し合い・外交努力をする必要があるにせよ、「話せば相手はわかる」ほど世界は甘くありません。

 外交とは片手に棍棒をもった話し合いといいます。  出来るだけ強力な棍棒を見せつけてやることが、相手にそれ以上つけこませず妥協させる必要パワーになります。    まず棍棒のうちの一本、海の国益を守る海上自衛隊の棍棒(艦船)から見ていきたいと思います。

 第二次大戦中、空母を有効利用したのは日本、アメリカ、イギリスの三カ国だけで、しかもイギリスは艦載機が旧式で空母は限定的に使用しただけでした。     空母部隊を本格運用できたのは、実質、大日本帝国海軍と米海軍のみだったのですから、日本という国は本当にスゴイ国家だったわけです。

  当時の日本側空母の一覧はこちらです。


参考資料

【記事および画像はwikipediaより抜粋しています。】





掲載記事の一覧

【 海上自衛隊・代表艦船】



いずもひゅうがいせ
こんごう





【諸外国の空母 】

遼寧(中国)インヴィンシブル(英国)シャルル・ド・ゴール(フランス)
カヴール(イタリア)ジョージ・H・W・ブッシュ (CVN-77・米国)
アドミラル・クズネツォフ(ロシア)







ミリタリー、トイガン・楽天ランキング



いずも・日本
全長 248.0 m
全幅 38m
排水量 基準 19,500トン
機関 2軸推進 ガスタービン(28,000PS)×4基
速力 最大 30ノット
乗員 約470名(約970名:最大)
艦載機 哨戒へり×7機  輸送・救難へり×2機
兵装 20mm機関砲×2基 対艦ミサイル防御装置×2基
進水(就役) 2013年8月6日(2015年3月予定)


いずもは、平成22年度装備調達計画に基づく平成22年度計画19,500トン型ヘリコプター搭載護衛艦として、 ジャパン マリンユナイテッド横浜事業所磯子工場で2012年1月27日に起工し、2013年8月6日に進水。建造費用は1,139億円。
命名前は、平成22年度(2010年度)予算で建造される護衛艦であることから、年度にヘリコプター護衛艦を意味する記号の「DDH」を付け、「22DDH」と呼ばれていた。
本艦の艦名においては、旧海軍の戦艦に使用されていた「長門」の名前を継ぐ「ながと」を推す声もあったが、日本国内外で波紋を呼ぶ可能性があることから見送られた。
なお、旧海軍の艦船では装甲巡洋艦「出雲」がある他、航空母艦「飛鷹」に改装された船舶として橿原丸級貨客船「出雲丸」がある。



遼寧(りょうねい)・中国
全長(飛行甲板) (305.0m)
全幅 73m
排水量(満載) 基準 55,000トン(67,500トン)
機関
速力 最大 29ノット?
乗員 約1,960名
搭載機 67機(推定)
兵装 CIWS×3基 10SAM×18連装2基
進水(就役) 1998年(2012年9月25日)


遼寧(りょうねい)は、中華人民共和国がソビエト連邦(以下、ソ連)で設計された航空母艦ヴァリャーグの未完成の艦体を入手し、 航空母艦として完成させたものである。
艦番号は16。最初はヴァリャーグの漢語訳の「瓦良格」と紹介している。2012年9月25日、正式に就役し艦名は「遼寧」と発表された。
中華人民共和国への回航後も長らく命名はなされず、ロシア、ウクライナ時代と共通の「ヴァリャーグ」と呼ばれた。
この時期の艦名の仮名表記は一定せず、「ワリャーク」(朝日新聞)、「ワリヤーグ」(世界の艦船)、「ワリャーグ」(時事通信社)、「ワリヤーク」、「ワリャク」(産経新聞)などがある。
中国への売却後、日本など外国メディアでは、本艦は台湾平定の功績で知られる清朝初期の将軍に由来する「施琅」と呼ばれることもあったが、 新華社通信や軍事雑誌『艦船知識』は、ヴァリャーグの漢語訳の「瓦良格」と紹介している。また2011年4月27日には、国務院台湾事務弁公室が「施琅」の名称を否定している。
2012年1月時点では、複数の中国メディアが伝えたところによると、消息筋の情報として「毛沢東」、「北京」、「薩鎮氷」などの候補が挙がっていた。
尖閣問題から軍部より「釣魚島」と命名するように求められてもいた。
なお、空母としての艦名が決定していなかったため、中国メディアでは「航母平台」(空母プラットホーム)と仮称していた。
2012年9月25日、遼寧省大連市にて引渡しセレモニーが行われ正式に就役し艦名は「遼寧」と発表された。



ひゅうが(DDH-181)・日本
全長 197.0 m
全幅 33m
基準排水量(満載) 13,950トン (19,000トン)
機関 2軸推進 ガスタービン(25,000PS)×4基
速力 最大 30ノット
乗員 約340〜360名
艦載機 哨戒へり×3機  輸送・救難へり×1機(最大積載数×11機)
兵装 20mm機関砲×2基 Mk.41mod.22VLS(16セル)×1基 12.7mm重機関銃×7基 HOS-303 3連装短魚雷発射菅×2基
建造(就役) 2006年(2009年)


本型は、その外見のために事実上のヘリ空母として言及されることが多いが、公式の種別では、前任のはるな型(43/45DDH)を踏襲して本型も「ヘリコプター搭載護衛艦(DDH)」とされており、 また、実際にも空母としてではなく護衛艦としての機能がかなり重要視されている。
対潜・対空ミサイルを発射できる垂直発射システムと新開発のC4ISTARシステムによって、艦自身も、強力な対潜・対空戦闘能力と高度な指揮統制能力を備えている。
これは、本型をベースとして開発されているものの最低限の自衛火器しか搭載しないいずも型とは対照的に、在来型のヘリコプター搭載護衛艦の延長線上にあるコンセプトである。
そして同時に、広大な全通甲板と大きな船体容積によって、多数のヘリコプターを同時に運用できる強力な航空運用能力を備えている。
これにより、従来のヘリコプター搭載護衛艦よりも優れたゾーン対潜戦能力を実現するとともに、輸送ヘリコプターや救難ヘリコプターにも対応できることから、 戦争以外の軍事作戦(災害派遣や国際平和活動など)や水陸両用作戦など多彩な任務も柔軟に遂行できる。
なお、従来の軽空母や強襲揚陸艦の一部をも上回るほど巨大な船体を備えていることから、ハリアーのようなSTOVL型の戦闘機を運用する軽空母と比較されることも多いが、 防衛省は本型での固定翼機の運用については公式にいかなる発表もしておらず、また、自衛艦隊司令官経験者からも、空母とはまったく本質を異にする艦であると指摘されている。


船体 ヘリコプター運用能力、護衛隊群旗艦能力をはるな型(43/45DDH)より発展させる事が要求されたことと、各種の能力向上もあり、基準排水量は歴代自衛艦で最大(当時)の13,950トンとなった。
満載排水量は推定で19,000トンとされ、イタリア海軍の「ジュゼッペ・ガリバルディ」や、スペイン海軍の「プリンシペ・デ・アストゥリアス」、 タイ王国海軍の「チャクリ・ナルエベト」などの軽空母と同等か上回っており、イギリス海軍のヘリコプター揚陸艦「オーシャン」よりは小さい。
自衛艦としては、ましゅう型(12AOE)もほぼ同等の基準排水量を備えているが、補給艦は搭載量が大きいことから、満載排水量は12AOEのほうが一回り大きく、全長も24メートル長くなっている。
艦体や上部構造物はステルス性を考慮して側面には傾斜がつけられ、表面は平滑に整形されている。主船体は7層、艦橋構造物は5層の甲板から構成されている。
艦橋構造物は右舷に寄せられて、いわゆるアイランド方式となっており、長さは70メートル、幅9メートルである。艦橋はアイランドの4層目(03甲板)に位置しており、 同レベルの後部には航空管制室が設けられている。このアイランド部を除いて、第1甲板(上甲板)は艦首から艦尾まで全通した全通甲板構造となっており、全域が飛行甲板とされている。
これにより、艦体の後方3分の1程度が平らなヘリコプター甲板だった従来のDDHや、最初に発表された予想図のような艦形では不可能だったヘリコプター複数機の同時発着艦運用を実現した。
また、艦橋が視界を遮ったり気流を乱す事も少なくなり、ヘリコプターの着艦作業も容易になった。
なお、ヘリコプター運用の妨げになることから、欧州のSTOVL空母が設置しているようなスキージャンプ勾配は設置していない。また、飛行甲板の左舷側にはキャットウォークが設けられている。
艦内には、旗艦としての運用に備えて司令公室、幕僚事務室、司令部要員の居住スペースを備えるほか、緊急の災害対策本部としての使用も可能なように多目的室などの設備もある。
また、戦闘を任務とする海上自衛隊の艦船としては初めて、設計段階から女性自衛官の居住スペースが確保された。女性自衛官は17名が乗艦する。



インヴィンシブル・英国
全長(飛行甲板) 210.0 m(168m)
全幅 36m
排水量(満載) 16,000トン(20,500トン)
機関 TM3Bガスタービン×4基
速力 最大 28ノット
乗員(航空要員)(海兵隊員) 685名(366名)(600名以上)
艦載機(一例) シーハリアー×9機 哨戒ヘリ×9機 早期警戒ヘリ×3機
兵装 ゴールキーパー×3基 GAM-B01 20mm機銃×2基
進水(就役) 年(1980年)


インヴィンシブル級航空母艦は、イギリス海軍が建造した軽空母の艦級。公式の艦種呼称はCVS(対潜空母)とされている。 2010年には空軍型ハリアーも退役し、F-35の就役までは、固定翼機をもたないヘリ空母として活動することになった。 世界で初めてスキージャンプ勾配によるSTOVL運用を導入した艦級であり、フォークランド紛争において実戦投入された際には、 搭載するハリアー・シーハリアーによる戦闘空中哨戒・近接航空支援で活躍した。 ソ連海軍のキエフ級航空母艦とともに、現代的な軽空母の先駆者として高く評価されている。

船型としては全通甲板型が採用されており、上部構造物は右舷側に寄せたアイランド方式とされている。 飛行甲板上には、船体中心線と平行に、長さ168m×幅12.2mの発艦レーンが設けられている。 飛行甲板とハンガーを連絡する艦載機用エレベーターとしては、長さ15m×幅9mのものが中央前部と中央後部に1基ずつ、いずれもインボード式に設置されている。 ガスタービン主機をシフト配置している関係から、アイランドはかなり長大なものとなった。 また英空母の通例として、アイランドは右舷いっぱいに寄せられてはおらず、その外側には車両等が通行できる程度の通路が残されている。 小型の空母なので艦の動揺軽減のために船底に固定式のフィン・スタビライザーを2組備えることで、艦載機の離着艦の安全をはかり、 シーステート7という荒れた海でも33km/hで航走して70%の時間で動揺を5度以内に収める設計となっている。

いせ(DDH-182)・日本
全長 197.0 m
全幅 33m
基準排水量(満載) 13,950トン (19,000トン)
機関 2軸推進 ガスタービン(10,000PS)×4基
速力 最大 30ノット
乗員 約340〜360名
艦載機 通常へり×3〜4機  (最大積載数×11機)
兵装 Mk15ファランクスCIWS×2基 Mk.41VLS(16セル)×1基 12.7mm単装機関銃×7基  HOS-303 3連装短魚雷発射菅×2基
進水(就役) 2009年8月21日(2011年3月16日)


いせ(ローマ字:JS Ise, DDH-182)は、海上自衛隊の護衛艦。ひゅうが型護衛艦の2番艦。
艦名は令制国の伊勢国に由来し、戦艦(航空戦艦)伊勢に次いで二代目、海上自衛隊の護衛艦としては初代である。
「いせ」は、中期防衛力整備計画に基づく平成18年度計画13,500トン型ヘリコプター搭載護衛艦2320号艦として、アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド横浜工場で2008年(平成20年)5月30日に起工し、 2009年8月21日にアイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド横浜工場で挙行された。
進水・命名式において、防衛大臣政務官岸信夫により「いせ」と命名された。
艦番号は当初DDH-146、建造番号2406号が与えられていたが、その後艦番号DDH-182、建造番号も2320号に変更された。
2013年11月、フィリピンを襲った台風30号の被害の救援のために、レイテ湾に輸送艦「おおすみ」、補給艦「とわだ」、と共に派遣された(「サンカイ(現地語で友達)作戦」)。

シャルル・ド・ゴール (Porte-avions Charles de Gaulle, R 91) ・フランス
全長(飛行甲板) 261.5m()
全幅 64.36m
排水量(満載) 36,600トン(40,600トン)
機関 K-15加圧水原子炉×2基
速力 最大 27ノット以上
乗員(航空要員含む) 1,950名
艦載機 総計 40機
兵装 シルヴァーVLS(8セル)×4基 ミストラル短SAM6連装発射機×2基 20mm単装機砲×8門
進水(就役) 1994年5月7日(2001年5月18日)


シャルル・ド・ゴール (Porte-avions Charles de Gaulle, R 91) は、フランス海軍の持つ10番目の航空母艦であり、フランス海軍初のアメリカ海軍以外では唯一の原子力水上艦である。 フランス海軍旗艦で地中海側のトゥーロン軍港を母港とする。推定建造費170億フラン(約26億ユーロ)。 本艦はヨーロッパの海軍では唯一の正規空母であり、アメリカ海軍の空母と同じように蒸気カタパルトを備える。 デザインは正規空母としてはじめてステルス性を考慮したものとなり、エンクローズ型艦首から艦尾に渡って飛行甲板が設置され、カタパルトは艦首側とアングルド・デッキ側にそれぞれ1条ずつ設置された。
本艦は飛行甲板のスペースを狭めないために右舷側のアイランド、左舷側のアングルド・デッキや舷側エレベーターなどは左右にオーバーハングさせた設計である。 アイランドはステルスのため上方に向かって幅が増える形状である。
蒸気カタパルトはアメリカ製のC-13である。着艦にはアングルド・デッキ上でアレスティング・ワイヤーを使用する。 アメリカ海軍の空母がカタパルト4基、エレベータ4基、艦載機約80機を搭載するのに対して「シャルル・ド・ゴール」はカタパルト2基、舷側部が長い台形状のエレベーター2基、 格納庫内に艦載機約40機とちょうど半分程度の能力となっている。
船体の寸法は修理用ドックと建造費の関係から前級と同程度に抑えられ、排水量は約10,000トン程度増加したが船型を肥やして対処したために安定性が増している。 水面下には電子制御されたアクティブ・フィン・スタビライザー、舵、移動式バラストの組合せにより、シーステート5から6の荒れた海でも航空機を運用できる優れた船体安定性を備え 、 船体の横揺れ(ピッチング)を0.5度以内としている。 艦尾には中心線上に1枚舵を挟み込むように4枚羽のスクリュープロペラが片舷に1軸の計2軸推進である。
フランス次期空母 シャルル・ド・ゴール級は本来は2隻建造されるはずだったが、建造当時の財政難に加え上記のような設計ミスのため、もう1隻には新型空母が計画されている。

こんごう・日本
全長 161.0 m
全幅 21m
基準排水量(満載) 7,250トン (9,485トン)
機関 2軸推進 GE LM2500×4基(100,000PS)
速力 最大 30ノット以上
航続距離 6000海里(巡航速度:20ノット)
乗員 約300名
艦載機
兵装 54口径127mm単装速射砲×1門 ハープーンSSM4連装発射機×2基 68式324mm3連装短魚雷発射菅×2基  Mk15MOD2 20mmCIWS×2基 Mk41VLS(90セル)×1基 
進水(就役) 1991年8月26日(1993年3月25日)


日本はイージス艦をアメリカに次いで導入した国家であり、保有数も世界で2番目の6隻である。
イージス艦(イージスかん)とは、イージスシステムを搭載した艦艇の総称。通常、高度なシステム艦として構築されている。
フェーズドアレイレーダーと高度な情報処理・射撃指揮システムにより、200を超える目標を追尾し、その中の10個以上の目標(従来のターター・システム搭載艦は2〜3目標)を同時攻撃する能力を持つ。
開発当初の目的である艦隊防空だけではなく様々な任務に対応可能な汎用性を持つため、アメリカ海軍ではイージス艦のみで水上戦闘群を編成している。
イージス(Aegis)とは、ギリシャ神話の中で最高神ゼウスが娘アテナに与えたという盾(胸当)アイギス(Aigis)のこと。この盾はあらゆる邪悪を払うとされている。
「こんごう型」の就役により、8艦8機体制(新八八艦隊)が完成するなど、 イージス艦の配備は海上自衛隊にとっても大きな時代の節目となった。
自衛隊のイージス艦はアメリカ海軍と異なりトマホークミサイルを搭載しておらず、純粋な防空艦として運用されている。
48隻の護衛艦のうちイージス艦は6隻だけで、建造費も1,400億円・年間維持管理費40億円と護衛艦史上最高額である。
海上自衛隊の護衛艦の名称は旧日本海軍の艦のものを使用する場合が大半であるが、イージス艦にはそれ以前のミサイル護衛艦(DDG)で使われていた駆逐艦の名称ではなく、 ヘリコプター搭載護衛艦(DDH)と同様に戦艦と重巡洋艦の名称が使われており別格の扱いを受けている。
自衛隊インド洋派遣の際には高性能なイージス艦の派遣を巡って議論が発生し、政治的問題化したため一時期派遣が見送られた。
「こんごう型」の4隻はミサイル防衛に対応した改修がおこなわれ、日本におけるミサイル防衛の一翼を担う重要な存在となっており、 北朝鮮によるミサイル発射実験に対して発令された破壊措置命令4回すべてに出動している。
「あたご型」2隻も2013年現在、ミサイル防衛機能の追加改修を行っている。



カヴール(Cavour, C 550)・イタリア
全長(飛行甲板) 244.0m()
全幅 39.m
排水量(満載) (27,100トン)
機関 LM2500ガスタービンエンジン×4基
速力 最大 28ノット
乗員 個艦要員451人、航空要員203人 司令部140人、海兵325人、予備91人
艦載機 総計 20機
兵装 シルヴァーA43VLS(8セル)×4基 76mm単装速射砲×2門  25mm機関砲×3門
進水(就役) 2004年7月20日(2008年4月27日)


「ジュゼッペ・ガリバルディ」の竣工直後より、イタリア海軍は2隻目の軽空母の保有を計画した。 「ジュゼッペ・ガリバルディ」が「ヴィットリオ・ヴェネト」などヘリコプター巡洋艦の延長線上で開発されたのに対し、 この2隻目の軽空母は揚陸艦任務も重視してウェルドックを設置するなど、強襲揚陸艦に近いものとして構想されていた。 90年代中ごろになると、この計画はNUM(Nuova Unita Maggiore: 新型大型艦)として具体化した。 96-97年版のジェーン海軍年鑑で掲載された設計はスペイン海軍の「プリンシペ・デ・アストゥリアス」に近く、20,100トンの制海艦として軽空母任務を重視したものとなっており、 艦名は「ジュゼッペ・マツィーニ」(Giuseppe Mazzini)が予定されていた。 しかし、続く97-98年版においては、むしろアメリカ海軍のタラワ級を小型化したような14,000トンの強襲揚陸艦となり、98-99年版では28,000トンに大型化して、 艦名は「ルイージ・エイナウディ」とされた。この案では、主機はLM2500ガスタービンエンジン2基によるCOGAG方式、速力は25ノット、ウェルドックも備えることとされていた。 その後、2001-02年版で、主機を2基増やして速度を30ノットに強化、ウェル・ドックも廃した軽空母として再度変更され、この案で発注が行なわれた。 イタリアの造船会社フィンカンティエリが受注し、セストリ・レヴァンテに所在するリヴァ・トリゴーゾ造船所で、2001年7月17日に起工した。 この時点での艦名は「ルイージ・エイナウディ」であったが、建造途中に艦名は「アンドレア・ドーリア」に変更され、2004年7月20日に進水した。 艤装中、さらに艦名は「カヴール」と変更されて、就役した。

船型としては平甲板型の空母艦型が採用されており、全通した上甲板はほぼ全域が飛行甲板とされている。その1層下の第1甲板はギャラリデッキとされており、 戦闘指揮所(CIC)などの司令部区画や食堂などの居住区が設けられている。 その下のハンガーは3層分の高さを確保した。また安定的な航空機の運用能力を確保するため、引き込み式のフィンスタビライザーを片舷2枚ずつ計4枚装備して安定化に努めている。 主機関は、基本的には「ジュゼッペ・ガリバルディ」と同様、ゼネラル・エレクトリック LM2500ガスタービンエンジンをCOGAG方式で2基ずつ4基、両舷2軸に配しているが、 艦型の大型化に伴って、より大出力のモデルが採用されており、合計出力は46%増加して118,000馬力とされた。 また所要の速力を確保するため、船型を細長くすることで抵抗の減少を図っているが、それでも最大速力は28ノットと、「ジュゼッペ・ガリバルディ」より2ノット低下している。 抗堪性向上のため機関はシフト配置とされており、前部機械室が左舷軸、後部機械室が右舷軸を駆動するものとされ、それぞれの機械室には2基のガスタービン主機と減速機が1組として収容されている。 またその間には25mの中間区画が設置されている。推進器としては、ガスタービン艦の通例として可変ピッチ式プロペラ(CPP)が採用されている。 また揚陸艦機能を重視したことから、精密な操艦が要求される場合に備えて2基のサイドスラスターを有するほか、推進軸に接続された発電機をモーターとして使用しての電気推進により、 9ノットまでの低速航行にも対応できる。 主発電機としては、出力2,200kWのディーゼル発電機を6基搭載しており、3基ずつ前後の機械室に設置されている。

全長 161.0 m
全幅 21m
基準排水量(満載) 7,250トン (9,485トン)
機関 2軸推進 GE LM2500×4基(100,000PS)
速力 最大 30ノット以上
航続距離 6000海里(巡航速度:20ノット)
乗員 約300名
艦載機
兵装 54口径127mm単装速射砲×1門 ハープーンSSM4連装発射機×2基 68式324mm3連装短魚雷発射菅×2基  Mk15MOD2 20mmCIWS×2基 Mk41VLS(90セル)×1基 
進水(就役) 1991年8月26日(1993年3月25日)






ジョージ・H・W・ブッシュ (USS George H. W. Bush, CVN-77)
全長 333.0 m
全幅 41m
排水量(満載) (102,000トン)
機関 ウェスティングハウス A4W 原子炉2基 蒸気タービン4基、4軸推進、260,000 shp (194 MWT)
速力 30ノット以上
乗員 士官・兵員:3,200名
艦載機 85〜90機
兵装 ESSM短SAMランチャー 2基 RIM-116 RAM 2基
進水(就役) 2006年10月9日(2009年1月10日)


ジョージ・H・W・ブッシュ (USS George H. W. Bush, CVN-77) は、アメリカ海軍のニミッツ級航空母艦第10番艦でニミッツ級の最終艦となる。艦名は、第二次世界大戦中海軍パイロットだったジョージ・H・W・ブッシュ第41代アメリカ合衆国大統領に因む。 ジョージ・H・W・ブッシュは太平洋戦争当時の元海軍パイロットの名が命名された最初の空母ともいえる。後継艦ジェラルド・R・フォード (USS Gerald R. Ford, CVN-78) (計画名CVN-21)への橋渡し的な存在として、従来のニミッツ級とはかなり異なる艦型にすることも計画されたが、結局小規模な変更にとどまった。 ジョージ・H・W・ブッシュは多くの新型装備を搭載し、ジェラルド・R・フォード級航空母艦の実験艦ともいえる位置づけになる。ケーブル類を極力少なくし、光ファイバーで電子機器をつなげることによって軽量化と省力化を図るといわれている。また、空母のドックインのたびに問題になっている大型電子機器の搬入に柔軟に対応するために、一部の船室をモジュール化し柔軟にレイアウトできるように設計されている。また省力化に伴い問題になるであろうダメージコントロールについても艦内各所に新型の感知システムを採用することで半自動化する。 また、計画当初ではカタパルトは電磁式を採用する予定であったが就役までに完成できない可能性が高くなったため従来通りのスチーム式カタパルトを搭載する。

全長 161.0 m
全幅 21m
基準排水量(満載) 7,250トン (9,485トン)
機関 2軸推進 GE LM2500×4基(100,000PS)
速力 最大 30ノット以上
航続距離 6000海里(巡航速度:20ノット)
乗員 約300名
艦載機
兵装 54口径127mm単装速射砲×1門 ハープーンSSM4連装発射機×2基 68式324mm3連装短魚雷発射菅×2基  Mk15MOD2 20mmCIWS×2基 Mk41VLS(90セル)×1基 
進水(就役) 1991年8月26日(1993年3月25日)






アドミラル・クズネツォフ   (ロシア)
全長(飛行甲板) m(304.5m)
全幅 72m
排水量(満載) 53,000トン(59,100トン)
機関 ボイラー×8基 蒸気タービン×4基  200,000馬力
速力 最大 29ノット
乗員 固有要員:1,980名(うち士官520名) 航空要員:626名 司令部要員:40名
艦載機 Su-33艦上戦闘機:12-15機 Su-25UTG艦上攻撃機:3-5機 Ka-27PL対潜ヘリ・Ka-27PS捜索・救難ヘリ・Ka-31早期警戒ヘリ:合計50機以上
兵装 P-700「グラニート」対艦巡航ミサイル (SS-N-19):VLS12セル 艦対空ミサイル (SA-N-9) 搭載3K95個艦防御システム「キンジャール」:8連装回転式発射機24基(ミサイル192発) 「コールチク」近接防御システム (CADS-N-1):8基 AK-630 30mmガトリング砲:6基 ウダフ1 (RBU-12000) 魚雷防御用ロケット爆雷:10連装発射機2基
進水(就役) 1985年12月5日(1990年12月25日)


アドミラル・クズネツォフ(ロシア語: アドミラール・クズニツォーフ)は、ソビエト連邦が建造し、ソビエト連邦海軍が保有し、2012年現在ロシア連邦海軍が保有している重航空巡洋艦である。 正式な艦名はクズネツォフ・ソビエト連邦海軍元帥であるが、長いのでロシアでも他国でも一般に略称で呼ばれている。 これは、1939年から1955年まで海軍総司令官を務めた(戦後の一時期、左遷されている) N・G・クズネツォフ・ソ連邦海軍元帥に敬意を表した艦名であり、 ソ連海軍ではいろいろな艦船の名としてしばしば候補に上がっていた。
艦名はいくども変更されたことで知られ、大雑把な時期を示せば以下のようになる。 設計時点では「ソビエト連邦」、起工段階では「リガ」、進水式では「レオニード・ブレジネフ」、 海上公試では「トビリシ」であった。 どの艦名も、主に政治的事情が理由で変更され、最終的に海軍元帥の名に落ち着いた。
現在ロシア海軍が保有している唯一の航空母艦の位置付けにある艦であり、2012年現在アメリカ以外の海軍では最大の航空母艦である。 なお1936年に締結されたボスポラス海峡・ダーダネルス海峡の航空母艦通過禁止に関するモントルー条約に対しての政治的処置として、 ソ連およびロシア海軍におけるこの艦の艦種分類は「航空母艦」ではなく「重航空巡洋艦」となっている。
本艦はアメリカ海軍の空母と異なりカタパルトは装備せず、CTOL(通常離着陸機)の艦上機をスキージャンプで発艦させ、着艦時にはワイヤーを使用するSTOBAR(短距離離陸拘束着艦機)方式で運用している。 ソ連海軍は1970年代、二度にわたって蒸気カタパルト装備の原子力空母の設計案を作成したが、技術的に可能であってもコスト、そのための専用機関の開発、 スペースを取るなど問題があり、スキージャンプ機構でSu-33の発艦が可能であることが証明され、搭載ミサイルの発達により艦載機のマルチロール性を追求した方が得策と判断されたことから、 蒸気カタパルトを装備されることはなかった。
イギリスのインヴィンシブル級ほかSTOVL機を運用する軽空母においてはスキージャンプ装備は必須とも言える装備であったが、CTOL機をスキージャンプを用いてSTOBAR運用する正規空母は、 長らくこの「アドミラル・クズネツォフ」のみであった。2012年現在、 インドがロシアに発注しているキエフ級から改装の「ヴィクラマーディティヤ」と、 インドで建造中の「ヴィクラント」はともにスキージャンプを用いたSTOBAR運用を予定されており、この2隻には本艦の実績が生かされることとなる。 2008年9月6日、ロシア海軍航空隊司令官代理ニコライ・ククレフ少将は記者団に、「クズネツォフ」は「確実に2020年まで、或いは、2025年まで存在する」と語った。 2番艦ヴァリャーグ(11436 設計)は、建造中止後ウクライナから中国に売却。中国海軍により空母建造計画の一環として整備が進められ、遼寧として完成した。

関連サイト・バックナンバー