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この世に生を受け、バタバタと慌ただしい日常を送り続け早や幾年....フト気づけばもう還暦を迎える年齢に...........
そんなバタバタ人生の節目である還暦を迎え、嫁さんからの誕生日プレゼントは........
「デジタル一眼レフカメラ.NIKON D800.28-300VRセット」。
カメラ本体に、「28-300_f3.5-5.6G/ED VRズームレンズ」がセットになっているお買い得パックです。
寛大な嫁さんと、ナントカここまで生き延びられた体にしてくれた両親に感謝.感謝ですね......
フルサイズ一眼レフ機で風景や記録写真を撮るとしたら、だれが何と言おうが現時点では「D800」はベストな選択になります。
3600万というぶっちぎりの画素数による「質感表現」は、
たとえどんな難癖をつけられようが、文句なしに素晴らしいものがあります。
今回初めて「ニコンのカメラ」を手にしたわけですが、昔はニコン・カメラというのはプロ御用達の高価なカメラ、というイメージがありました。
そもそもニコンの前身は戦前、海軍の肝いりで東京計器、岩城硝子、藤井レンズが合同して出来た日本光学工業という会社で、
戦艦大和の巨大な測距儀や潜水艦の潜望鏡などの優れた光学製品を作っていた、という話は聞いていました。
いろいろな本にも書かれていますが、ニコンが認知された有名な話として、米国紙ライフ誌のカメラマンだったデビット・ダグラス・ダンカン氏が、
たまたま目にする機会のあったニコンのレンズ(ニッコール)の性能にすっかりベタ惚れし愛用したことから始まったといいます。
当時のレンズといえばドイツ・ツァイスが最高とされていましたが、
ニッコールのほうが解像力や描写力が優れていたことに驚いたダンカン氏は、ライカのボディにニコンのレンズを付けたカメラで報道写真を撮るようになります。
朝鮮戦争の報道写真を見たライフ本社は、『このレンズはいつものレンズとは違って大変シャープだ。 一体何を使っているのだ』、と問い合わせたそうですが、
以降同誌カメラマンの間にニコン・レンズの優秀さが広まり、その後ニコンのボディの優れた性能も確認され、レンズ・ボディ共にニコン製カメラは取材現場で活躍するようになっていきます。
朝鮮戦争当時、報道カメラマンたちは競ってニコンのカメラを戦場に持参。 そんな中から、「あまりの寒さでライカやコンタックスといったドイツ製カメラはシャッターが切れなくなったが、
ニコンのカメラだけは問題なく作動した。」とか、「ジャングルの取材で川にニコンのカメラを落としてしまったが、
乾燥させたら問題なく動いた」、などの数々の「ニコン神話」が生み出され、
ニコンカメラの名声が高まっていくことになりました。
ニコン技術陣は、製品化にあたり米国MIL規格(軍需用品の規格)のさらに1.5倍という厳しい自社規格を設定。
実験・試作を繰り返し業界水準をはるかに超える品質を追求したといいますから、こういう企業の姿勢も成功要因のひとつだったわけです。
その後もニコン機の名声は着実に高まっていき、1964年の東京オリンピックでは、それまで報道写真の現場で大きなシェアを占めていたライカやスピグラなどのプロ用カメラを押しのけ、
報道カメラとして圧倒的なシェアを占めるようになっていきます。
実際、当時海外メディアのカメラマンたちは、東京に手ぶらで来て東京でニコンとニッコールを買って、オリンピックのグラウンドへ馳せ参じた、
という新たな「ニコン伝説」も誕生したそうです。
その後もニコンは次々にカメラ歴史に残る名機を生み出し、ニコンF3というカメラにいたっては1980年から2000年まで20年にも渡って製造され現役を務めた名機でした。
ダンカン氏は2018年102歳で逝去。 ニコンはすぐお悔やみの言葉を発表しました。 「性能の高さをダンカンさんに見出され、直後に朝鮮戦争が起こるという偶然も重なって、ニコンが世界に認められました。
これが原点となって、日本のカメラ製品が世界市場を席巻していったのです。」(ダンカンさんの報道写真を研究してきた小秋元龍さん.....週間新潮通巻3142版より)
発売日 | D800 | D810 | D750 |
2012年3月22日 | 2014年7月17日 | 2014年9月25日 |
有効画素数 | 36.3メガピクセル | 3635 | 2432 |
ISO感度 | 100-6400 | 64-12800 | 100-12800 |
高速連続撮影FX | 4コマ/秒 | 5コマ/秒 | 6.5コマ/秒 |
D-Movie | 1080/30p | 1080/60P | 1080/60P |
寸法(W×H×D) | 約146×123×81.5o | 約146×123×81.5mm | 約140.5×113×78mm |
重量(本体のみ) | 約900g | 約880g | 約750g |
ボディ価格 | 239,800円 | 30万円〜 | 20万円〜 |
モニター | 3.2型TFT液晶 | 同左 | 同左・チルト |
撮影可能コマ数 | | 約1200コマ | 約1230コマ |
バッテリーパック | EN-EL15・MB-D12(別売)・単3形電池×8本 | 同左 | EN-EL15 |
さて、勢いと還暦のドサクサで手元に届いたこのD800。
なにせ、フルサイズ機(*2)最高の有効画素数36.3メガピクセル(3630万画素!)を誇る、超弩級プロ用高級デジタル一眼レフカメラ....
(シロウトが使っても特に問題はないでしょうけど)......
フルサイズ機のセンサーは一般的なAPS-Cセンサーよりも面積比では約2倍以上大きく、被写界深度が浅く(ピントの合う範囲が狭く)なり、背景がよくぼける。
やはり何といってもこのボケ味の美しさを求めるユーザーにとっては、フルサイズ機は非常に魅力的なカメラ、となるわけです。
当然イメージセンサーが大きければ、より多くの光を取り込め情報量が増えるので、豊かな階調やノイズの少ない高感度撮影などが可能になる、
さらに驚愕の3630万画素!、というまさにいいとこどりの欲張りスーパーカメラなのです。(....スイマセン、自慢しすぎました)
ほかにも交換レンズの「焦点距離」、という問題があり、フルサイズセンサーは35mmフィルム用の数値を基準にしているので焦点距離50mmのレンズは、フルサイズ機ではそのまま50mmとして使えます。
しかし、APS-Cセンサーのカメラでは約1.5倍に換算する必要があり75mm程度の画角になってしまい、結果としてAPS-Cはフルサイズに比べて広角側が弱くなってしまう、ということになります。
そのほか老舗メーカーニコン機にするメリットのひとつとして古くからの豊富なレンズ資産が揃っている、という点も見逃せません。
フィルム時代から一眼レフを利用していたユーザーなら昔使っていたオールドレンズを利用することもできますし、今後も次々と登場する最新レンズから自由に選ぶこともできますから。
灼熱の砂漠、極寒の極地、ジットリとした熱帯、など地球上のあらゆる撮影シーンでのプロユースに耐えるべく、タフな堅牢性と厳重な防塵防滴処理が施されたマグネシウム合金性ボディを持つこのカメラが、
カメラ好きオッサンの最高峰ツール(!!)となるべく 手元にやってきてくれました。
中判デジタル一眼に迫る画質(スデに超えているとの噂も)をシロウトが容易にモノに出来るであろう(?)、この"超弩級ハイスペックカメラ"を、
スナップ写真オンリーだったヘタレオッサンがナントカ使いこなせるまで、いったい何年かかるでしょう。
分厚い取り扱い説明書を見ながら、10年くらいかけてジックリとD800の操作をマスターしようとしましょうか。
【ライバル機CANON EOS 5D MarkVとのスペック比較】
| ニコン D800 | CANON EOS 5D MarkV |
有効画素数 |
36.3メガピクセル |
22.3メガピクセル |
撮像素子 |
35.9×24.0mmサイズCMOSセンサー |
36×24.0mmサイズCMOSセンサー |
記録画素数(FX) |
7360×4912ピクセル(サイズL) |
5760×3840ピクセル(サイズL) |
記録画素数(DX) |
4800×3200ピクセル(サイズL) |
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映像エンジン |
EXPEED 3 |
DIGIC 5+ |
常用感度ISO |
100〜6400(拡張50〜25600) |
100〜25600 |
フォーカスポイント(*3) |
51点(11点クロス) |
61点(41点クロス) |
シャッタースピード |
1/8000〜30秒 |
1/8000〜30秒 |
シャッターレリーズタイムラグ |
約0.042秒 |
|
起動時間 |
約0.12秒 |
|
フラッシュ同調 |
1/250秒 |
1/200秒 |
連続撮影速度 |
1〜6コマ/秒(DX) |
3〜6コマ/秒 |
シャッター耐久性 |
20万回 |
15万回 |
寸法(W×H×D) |
約146×123×81.5o |
約152×116.4×76.4o |
重量(本体のみ) |
約900g(D700より10%軽量化) |
約860g |
ボディ |
マグネシウム合金ボディ |
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ボディ価格(2012.9.28最安値) |
239,800円 |
277,000円 |
発売日 |
2012年3月22日 |
2012年3月22日 |
|
D800は素晴しいカメラで最高の画像を残してくれますが、時々「白飛び」写真を写してくれます。
カメラは被写体の明るさに合わせて自動的に露出値を設定してくれますが、背景と手前の明るさに差がありすぎると「白飛び」や「黒つぶれ」を起こすときがあるわけで、
決してD800が悪いわけではアリマセン。
とはいっても、ナンデモカンデモ白飛びや黒つぶれが悪い、というわけではなく、朝焼けや夕焼けの風景を撮るときなどは、シルエットが黒つぶれになったほうが味が出るわけで、
撮影シーンによって使い分けする方法でもあるわけです。
とりあえず、カメラの設定で「白飛び」対策をしておきます。
明暗差の激しい場所で役に立つのが『HDR』(ハイダイナミックレンジ合成)機能です。 HDR撮影では、明るい部分と暗い部分の両方に露出をあわせた写真を撮影。
それを自動的に合成することで、目で見たときのような自然な明るさの写真を撮ることができます。
【P170.........アクティブD-ライティングで撮影する】
これを設定しておくとハイライト部の白とびを押さえ、暗部の黒つぶれを軽減する効果があります。
撮影メニューの[アクティブD-ライティング]を選び、マルチセレクターで効果の度合いを選ぶ。 今回は「オート」を選択。
【P113.........被写体の測光方法を変更する】
適正な露出を得るために、カメラが被写体の明るさを測ることを「測光」といいます。 ファインダー接眼窓の右にある測光モードダイヤルを回し、「マルチパターン測光」に設定します。
「マルチパターン測光」はほとんどの撮影状況に対応できる測光モードで、画面の広い領域を測光して、被写体の輝度分布、色、距離や構図などさまざまな情報から、
見た目に近い画像が得られます。
使用説明書にも、[アクティブD-ライティング]を設定したときは、測光モードを「マルチパターン測光」に設定することを推奨しています。