２００７年５月１５日

このお寺の開基は、行円上人であるが
上人は若い頃は粗暴な性格で、狩猟を業としていた
上人がある日、山中で雌鹿を射止めたが
その傷口から流れ出る血と一緒に鹿の赤ん坊が生きているの見て
殺生の罪深さを知り、比叡山の横川（よかわ）で修行した。

そのとき、獲物の鹿の皮で法衣を作って
その法衣の裏面に陀羅尼経を書き込み
いつもこれをまとって修業に励んでいたので
｢革上人｣、｢皮の聖｣、｢皮聖人｣と呼ばれていた

革堂行願寺の寺宝の一つに
毎年8月20日過ぎに公開される有名な
「幽霊絵馬」がある

その昔、革堂に遊びに来ていた子守娘「ふみ」が
浄土宗の御詠歌を、子供に教えているのを見た法華信者が
娘を殺し土中に埋めてしまった
娘の両親は革堂の千手観音に願をかけ、娘の死の真相を知る

供養のために、おふみの子守姿を絵馬に描き
手鏡を添えて革堂に奉納しました、その絵馬が「幽霊絵馬」である
絵馬は現在ではすっかり色褪せて、子守姿がかすかに見える程度
ちなみに手鏡は絵馬の左端に裏返して貼られている
これが返って「幽霊絵馬」の悲話伝説を深めているのかも知れない

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