深田広幸行政書士事務所 大阪府行政書士会所属
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相続の単純承認・限定承認


相続欠格相続人の廃除は、相続人が相続人たる地位を失う場合ですが、反対に相続
人が相続を承認するのはどのような行為をした場合かが、単純承認限定承認です


単純承認


相続人が、被相続人の財産(マイナス財産を含めて)を全面的に承継することを内容とし
て相続を承認する場合を、単純承認といいます。

どのような場合が単純承認となるかは、

相続人が相続財産の一部または全部
を処分した場合
相続人が自己のために相続が開始したことを 知らずにした場合は、単純承認にはなりませ ん。
また、保存行為や短期賃貸借をしても単純承 認にはなりません。
遺族として葬式費用を相続財産から支出した ような場合も、単純承認にはなりません。
熟慮期間(3ケ月)内に限定承認、また
は相続放棄もしなかった場合
背信行為による単純承認 相続人が限定承認あるいは放棄した後でも、 相続財産の全部または一部を隠匿したり、自 己のため消費をしたり、悪意で相続財産を財 産目録に記載しなかったような場合は、単純 承認になります。
ただ、相続放棄をした者が、背信行為を行っ た場合でも、その放棄によって相続人になっ た者が承認していれば単純承認にはなりませ ん。

相続人が単純承認したときは、無限に被相続人の権利義務を承継します。


限定承認

相続人が被相続人の債務及び遺贈の弁済を相続財産の限度で清算し、たとえ債務超
過であっても相続人の固有の財産で支払う必要のないものを、限定承認といいます。

マイナスの相続財産(借金など)がどのくらいあるのか、わからない場合などは、限定承
認の制度を利用すれば、プラスの財産の限度で相続できますので合理的なのですが、
手続きが面倒であるため、あまり利用されていません。
(2000年で746件)

相続人は、相続があったことを知った
時から3ケ月以内に財産目録を調製し
て、家庭裁判所に提出し、限定承認を
することを申述します
相続開始前に限定承認はできません。
相続人が数人あるときは、共同相続人全員 の共同で限定承認します。
清算手続(概略) 【除斥公告】
限定承認をした後5日以内にすべての相続債 権者・受遺者に、限定承認をしたこと、及び2 ヶ月をくだらない期間を定めて、その期間内 に債権の申出がなければ清算から除斥する ことを示して、その請求を促す公告をします。
知れている債権者には、個別に債権申出で の催告をします。
【弁済】
その後、申出債権者、知れている債権者に法 定の順序で弁済をします。


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