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バッテリーあがり

しばらく車に乗らずにいてイザ、エンジンをかけようとしたらウンともスンともいわない、というときがあります。 これはバッテリーあがり（バッテリー電気容量の低下）などといわれる状態で、クラクションは鳴るがセルモーター(*1)は回らないとか、回ってもクークーと弱々しい音を立てるだけ....... などなど症状は様々ですが、こうなってしまうと自力でのエンジンスタートは不可能となってしまいます。

【バッテリーあがりの症状例】

• セルモーターはある程度回るがエンジンがかからない状態
• セルモーターは弱弱しく回るがエンジンがかかるほどの元気はない状態
• ドアを開けても室内灯も付かずセルモーターもウンともスンとも回らない(完全過放電)

完全過放電(*4)以外ならバッテリー充電器が一台あればバッテリーあがりでもあわてなくて済みます。

もっていない場合は救援車を探してその車のバッテリーからブースターケーブル(*2)接続で故障車のバッテリーへ電気を供給し エンジンスタート補助を行うか、近くのガソリンスタンドなどに応援を頼む、などの手段をとり解決にいたるわけです。

★........昔、YAMAHAxjr1300のバッテリーあがりでは 団地内の500ｍほど離れた下り坂がある場所までヘロヘロになりながら押していき、上から惰性で下りつつサードギア(ローやセカンドではエンブレがきいてストップしてしまいます) でクラッチを繋ぎエンジン点火させる、という一か八かのアラワザで窮地を切り抜けたこともありました.........ギヤ車ならではのワザなのでAT車には使えません。

ジャンピングスタートでの注意

バッテリーがあがってしまった車（故障車）をブースターケーブルを使って救援車のバッテリーによって始動することをジャンピングといいます。

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このときのブースターケーブル接続手順で大事なポイントは

『ブースターケーブルのうち黒いほう(−端子側につなぐ)のクリップを故障車側に接続するときは、 バッテリーから離れた位置のエンジン本体の金属部分に留める』.......ということです。

ヘェ〜、でもどうして.........と思ってしまいますが、難しい理屈はともかくバッテリー内部では化学変化により水素ガスが発生しています。
それと、ブースターケーブルのクリップをバッテリー端子に接触させた瞬間にスパーク(火花)が飛ぶことがあります。

万が一、バッテリーから水素ガス漏れていてそこに火花が飛んでしまうと、『バッテリーから発生する水素ガスへの引火・爆発』、という事態が起る危険性があるので、 それを防ぐための対策テクニックなのですね。

バッテリー端子から極力離れた位置に、黒いほうのケーブル(−端子側)を接続することで、安全性に配慮しているわけです。
最適な接続部位はエンジンハンガー(*3)とされていますが金属部分ならエンジン部分でもかまいません。

★.......水素ガスへ引火して爆発などありえない、という意見もありますが安全第一ということで判断してください。 といいつつ自分も以前はバッテリー端子につないでやってたりしてた時期があったりします.......

バッテリーの完全過放電

室内灯も付かない完全過放電状態(*4)になったバッテリーは一般の充電器(業務用でないもの)では充電能力不足で回復はなかなか困難になりますが、救援車からのジャンピング なら一般の充電器よりはるかに強力な充電パワーが得られます。

エンジンのかかった車（救援車）と過放電バッテリーをブースターケーブルで接続し充電するわけですが、まず最低でも30分〜1時間程度は充電し続けることが重要ポイントです。
こうすることで少しずつ過放電バッテリーも電圧が上がりだし、やがてエンジンスタートに耐えられるまで上昇してくれますので、けっして急がずに30分〜充電し続けることが大事です。

完全過放電状態になったバッテリーは少なからずダメージが残りますので、たとえ一旦回復したように見えても専門店でチェックを受けておいたほうがトラブル防止になると思います。

ジャンピングスタートの前準備

ジャンピングスタートの手順は車の取扱説明書に従い自己責任で行ってください。　 オマエの記事どおり作業したから故障した....などとならないよう自身の判断でお願いします。

【ジャンピングスタートの準備】

• 救援車の排気量......出来ればバッテリーがあがってしまった車と同程度かやや大きいくらいがベスト。 (要は故障車を始動させるバッテリーパワーがあれば理想なわけです)
• ブースターケーブルの長さ....両車のバッテリー間がブースターケーブルで接続可能な位置に駐車する必要があります。
• バッテリーのマイナス (-) 端子.....旧車などごく一部の車両では バッテリーのプラス (+) 端子でアースを取っている車があり今回の手順ではできません。
• HVカー(要:車の取扱説明書確認)......補機バッテリー（12V）として装備されていますが救援車にはなれません。 故障車になったときのためにジャンパー・ポイントがフロントボンネットのヒューズボックス内に用意されている場合があります。

ジャンピングスタートの手順

故障車の取扱説明書にバッテリーあがり対処の説明書きがある場合はそちらに従ってください。 万が一の事故を防ぐため、『絶対にブースターケーブル端子同士を接触させたり、指定箇所以外に接続しない』よう慎重に作業してください。　 くれぐれも作業中のうっかりショート事故にはご注意ください。


【ジャンピングスタートの手順】

• 救援車をブースターケーブルが届く位置に停車させたら救援車のエンジンを切りボンネットを開けておきます。
  
  
• あらかじめ故障車(救援される側)の再始動に必要な電装品以外は、すべてスイッチを切っておきます。 (ヘッドライト、ワイパー、エアコン、カーオーディオ、リア熱線デフォッガー、ドアミラーヒーター、ハザードランプなどはオフに......)
  
  
• まず、ブースターケーブルの2本あるケーブルのうち赤いケーブルの片方クリップを、 故障車のバッテリーのプラス (+) 端子に接続します。 (ブースターケーブルの金属クリップは、絶対にエンジンを含む車体・ケーブルの指示された部分以外の金属部分には触れないようにします)
  
  
• 赤いケーブルの反対側のクリップを、救援車のバッテリーのプラス (+) 端子に振動などで外れないよう しっかり接続します。
  
  
• 今度は黒いケーブルのクリップを、救援車のバッテリーのマイナス (-) 端子にしっかり接続します。
  
  
• ケーブルクリップが確実に接続されていることを確認したら、 このタイミングで救援車のエンジンを始動させます。
  
  
• 次に黒いケーブルの反対側のクリップを、故障車のエンジン本体の金属部分に確実に接続します。 (接続した瞬間から故障車側バッテリーへ充電が始まるため、スパークが生じる可能性がありますが慌てることはありません)
  このスパークによるバッテリーから発生する水素ガスへの引火・爆発を防止するため、バッテリー端子からなるべく離れたエンジン本体の金属部分に 接続するようにしましょう、というワケです。
  
  
• ケーブル接続作業が済んだら、故障車のエンジン始動前に救援車のエンジン回転数を1500回転〜2000回転ほどに上げ オルタネーター（発電機）の出力を高めておきます。 (アイドリングではオルタネーターの出力は最大になりません。　タコメーターがなかったらアクセルペダルを ややエンジン音が高くなる程度まで踏み込みます)
  
  
• ここで故障車(救援される側)のエンジンをスタートさせます。 MT車(マニュアルトランスミッション)の場合は、少しでも始動負荷軽減のためクラッチペダルを踏みクラッチを切った状態でエンジン始動を試みましょう。
  
  
• 完全過放電状態のバッテリーだとなかなかエンジンがかかりません。　 そんなときは故障車のエンジンスタートキーはオフにし、救援車のエンジン回転数を一旦アイドリングに戻しこのままの状態でしばらく充電し続けます。 時間がたてば少しずつ過放電バッテリーも電圧が上がりだし、やがてエンジンスタートに耐えられるまで上昇してくるハズです。
  (故障車のエンジンスタート時点ではまた救援車のエンジン回転数を上げるようにします)
  
  
• 無事に故障車のエンジンがかかったら、救援車のエンジン回転はアイドリング回転に戻します。 ブースターケーブルの取り外しは両車のエンジンがかかったまま、取り付けの手順の逆に行います。 (ここで油断してうっかりケーブル同士をショートさせてしまわないよう慎重に作業しましょう)
  
  
• 故障車はこの後しばらく走り回って(念のため最低でも１時間以上)充電する必要があります。 その後ガソリンスタンド・カーショップなどでバッテリー容量のチェックやバッテリー充電を行い必要とあればバッテリーを新品に交換しておきます。

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