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「キッチン」と「台所」、「シンク」と「流し」の違い

 昔の日本家屋の台所は、カマドと水の桶、まな板がある程度でしたが、近年では水を受け水を流すための「槽(シンク)」、給水設備、排水設備からなる「流し台」、 コンロなどの「加熱調理器」、換気扇などの「換気設備」、ワークトップなどの「作業台」、 キャビネットなどの「収納庫」といった付帯設備が一体化されている「システムキッチン」が一般的となっています。

 「キッチン(kitchen)」とは「台所」を意味する英語であり、いずれも「食材を調理するための専用スペース」 という意味は同じで、本来なら「キッチン=台所」です。  ただ、使い分けとして、古民家の台所は「キッチン」とは言いませんし、たとえ純和風の建物であっても、 昔の「カマド」でも使っていない限り「現代風の調理器具」を揃えていたら「台所」とはあまり言いません。

 つまり、「キッチン」を謳うなら、「システムキッチン」のようにある程度は現代風の先端的な機能を詰め込んだ、快適な調理スペースであることが求められるわけです。  したがって、アパートの狭苦しいスペースの台所に、いくらIHなどの最新設備を揃えても、「キッチン」と呼ぶのはいささか躊躇われるわけですが、日本の場合呼び方に厳密な基準はありませんから、 この辺りは曖昧となっています。

 「キッチン」のスタイルにはキッチンとダイニングに仕切りがない「オープン型」や、カウンターなどで仕切った「セミオープン型」、 キッチンがダイニングやリビングから独立している「クローズ型」があります。  また狭い日本の住宅は「ダイニングキッチン」 のように家族が集まって食事をする場所として使うケースも増えています。

 一般的に「シンク」と「流し」は別物ですが、日本の場合使い分けが曖昧です。  シンクは英語では「sink」と呼ばれ、 水を受け水を流すための槽(容器)としての意味合いがあり、水栓や排水口、水切りかごなどが含まれる場合があります。   一方「流し」という場合、 食器や調理器具を洗うための水の流れる部分全体、また洗面所では手や顔を洗うための水の出入り口を指していることが一般的です。

 つまり、「流し」とは周囲の機能やスペースを含む設備全般を差し、「シンク」はその一部と言うわけです。   「シンク」は日本では「キッチンシンク」とか「洗面所のシンク」と呼ばれるように、それらの一部と見なされているわけです。(2025.10.12)


対面キッチン廻りのカウンター付き壁

 キッチンの主な形式には、「アイランド型」と「ペニンシュラ(半島)型」がある。

 壁際の棚と「アイランド型キッチン」の間隔は広すぎても使いづらいし、狭すぎるとキッチンの引き出しを開けたままだと移動しずらいのでダメ。

  【キッチン施工のポイント】




キッチンパネル利用術

 キッチンパネルは、耐火性や耐汚染性を高めるため、主に調理スペースの壁に取り付けられるパネルで、ガスコンロやIHクッキングヒーターなどの加熱機器周辺の壁面に取り付けるパネル。     これにより、熱や油ハネから壁を保護し、清掃を容易にします。

 素材の種類は、「硬質メラミン」、「金属」、「不燃化粧板」、「ホーロー」が主流ですが、キッチンパネルの中には、撥油加工や撥水加工がついていない種類もあるので要注意。

 費用は使用する素材や広さによって異なりますが、一般的なメラミン化粧板を使用した場合の目安としては、1㎡あたり1万円~2万円ほど。  キッチン全体のパネルを交換する場合、 パネル本体の価格と工事費で、4万円~7万円程度が目安。  パネルのサイズは縦935mm×横2755mm×厚さ3mmなどで販売されています。


「メラミン化粧板」利用術

 「メラミン化粧板」とは、合板やパーティクルボード、MDFなどの板状の素材に貼る塗装を施した化粧板のことで、デスクやテーブルの天板などに使われています。     表面硬度が高く、対汚染性、耐摩耗性、耐熱性、耐水性に優れており、傷付きにくいので、主に什器の天板に使用されます。

 メラミン化粧板は「アイカ」という看板を出してる建材屋か材木屋じゃないと買えないそうです。

 化粧板の種類には「メラミン化粧板」以外にも安価なや「ポリエステル合板」、「プリント化粧板」、「ポリ合板」などがありますが、表面硬度や強度面ではどうしても「メラミン化粧板」に劣ってしまうのと、 「メラミン化粧板」は高価なので、用途に合わせて選びます。

 「ポリ合板」は、合板にポリプロピレン(またはポリエステル)系の樹脂シートを貼り付けた化粧板で、比較的安価で加工がしやすいため、住宅の内装やDIYにもよく使用されます。    ただ傷や熱に弱く耐久性は低めなのでキッチン廻りは使えません。




「ツキ板(突き板)」利用術

 「突き板」とは天然木を厚み0.25ミリ(1ミリの1/4の厚み)に薄くスライスした薄くスライスして色々な基材に貼ったもの。  少しの天然木無垢材から 多くのツキ板を作り出すことができる為、 天然木の有効利用にも繋がります。

 突き板合板は材木屋さんでも扱ってないところが多いが、(GIFUというネットショップ)で販売している。(1枚だと送料が高いのがネック)


「リメイクシート」利用術

 「貼って剥がせるシール壁紙」、いわゆるリメイクシートは裏面が粘着のシールになっていて、「キッチンが古くなってしまったから見栄え良くしたい」などといったとき、 簡単に貼り付けられるシートです。

 玄関の扉にも使えるリアテックのリメイクシートのような耐候性があるタイプもあるので、防水性があるリメイクシートならばバスルームやキッチンなどの水回りにも使えるが、の一番シンプルな使い方が、やっぱり「壁紙」。

 レンガのような3Dデザインもあります。 スキージーを使っても気泡ができてしまったときは、針で小さな穴をあけ爪先やスキージーで擦ると空気が抜けて、平面な仕上がりになります。 


「キッチン床材」利用術

 床材には「フローリング」、「クッションフロア」、「フロアタイル」、「コルクタイル」などがあるが、水や油が飛び散ることが多いキッチンの床材は滑りにくい床材を選ぶことが重要です。    さらに、水を頻繁に使う場所なので、耐水性の高い素材を選ぶことが重要です。

 汚れやすいため、掃除のしやすさも重要で、クッションフロアは耐久性は低いが必要水に強く、掃除のしやすさも。




アイランド型キッチンの製作

 大きさと高さは、コンロ(IH)のサイズ、シンクの大きさ、主に使う人の身長などで決定されますが、ついやってしまうのが天板の高さを高くしてしまうこと。 高さは800~900mmの範囲が一般的な目安ですが、 シンクの高さを合わせると、コンロにかけた鍋が高く感じてしまうのは確実。

 身長160~175cmくらいの場合は、850mm前後がベスト。  ただ、今回は土台として50㎜の木枠を設けるので、高さ調整は可能。

 製作する際注意するポイントその.1として、シンクの排水通路の取り回しをどうするかがキモ。 現在のキッチンはシンク下はゴミは異なっており、排水、給水の工事がやりやすいが、シンクの下に引き出しを入れる設計だと、 排水管との距離がどれくらいとれるか、干渉しないよう検討する必要があります。

 その2として、背面に給水管が立ち上がるハズなので、引き出しの後部と干渉しないよう隙間には余裕を持たせること。 つまり、奥行き600㎜のキッチンに、引き出し奥行き500㎜では、配管と干渉してしまうということ。 最低でも後ろの壁面から150mmは欲しい。

      【製作手順】

   
【「システムキッチン」の骨格】

部材は目立つ部分はランバーコア(18ミリ)、隠れる部分は針葉樹合板(12ミリ)が安価に製作できる。

それらを箱型に組み立て「システムキッチン」の骨格とする。

仕切り板の間隔、シンクとコンロの大きさ、排水管、給水管の配置で決まる。

排水管スペースのメンテナンスをやりやすいよう、その部分に引き出しを設けないタイプ。
【天板の加工】

天板のくり抜き加工は、シンクとコンロの配置で決まる。 シンクはイケアで売られている560×460mmのサイズを使う。 ステンレススチール製で22800円。





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引き出し造作ポイント

 材料は本体は厚み12~18mm程度の合板で、底板は5~9mmの合板。  重いものを入れる場合は厚めの底材にする。  水濡れの可能性がある台所用には向かないが、 衣服タンスの引き出しなら部材は桐またはファルカタ集成材が適している。  耐水性が必要なら「メラミン化粧板」。    

【引き出しの加工は「片胴付き追い入れ接ぎ」】

背板と側板の接合は「片胴付き追い入れ接ぎ」。 サネの厚みは3mm程度で十分。 5mmほど掘り込む。

側板の張り出し寸法は5mmでも十分だが、突き出してストッパー代わりにしたりと使い方は現場合わせ。

底板の厚みは重量物でも格納対応するよう下は5㎜、上は2.5mm程度の化粧合板を貼り合わせ8mm程度にして使う。 
【前部の引き出しのサネ加工】

サネの厚みは全て3mm程度。 掘り込み深さは5㎜。 普通はストレートビットで掘るがエンドミルを使うと切れ味が全然違うのでお勧め。

溝深さ5㎜の場合、キチキチだと入りにくいし、やり直す必要も出てくるので、余裕を見て6mmに。  特に底板は多少ユルユルでも四方に嵌め込まれるので問題なし。

扉板の指を掛ける部分は、掴みやすいよう彫り込み加工をしておく。
【加工のポイント】


①の溝堀だと、貼り合わせたとき表から四角い隙間が見える。

この上に扉板を張るので問題はないが、隙間を出したくなかったら、②のように溝を最後まで掘らず、底板が差し込まれる深さ以上で、かつ突き抜けない位置で止めれば、 表面からは塞がって見える。

【組み立てたらクランプで固定】


隅にボンドを塗り、キッチリ直角を出して組付けたら、クランプで固着するまで固定する。 釘は使わない。

ボンドはコニシの木工ボンドが一般的だが、内装の現場で結構使われる化粧板を貼り合わせる速乾ボンド(Gボンド)があると便利で、ビスの数も減らせる。

多少斜めでも、クランプで角度調整してやればOK。
【スライドレールの取付】


スライドレールの厚みは12.7mm。 誤差も考慮し引き出しと壁の隙間は13㎜にしておく。 レールの前方位置は木口と合わせる。

レールの長さは200~650mmと用意されており、今回は450mmを使用。 ホームセンターは高いので(ネットの金物屋)で買う。 スガツネ工業が評判がいい。

【スライドレールは組み立て前に設置しておく】

スライドレールの機構は「ベアリングタイプ」と「ローラータイプ」があり、ベアリングの入った可動部がある「ベアリングタイプ」を使う。

スライドレールの取付位置は側板のセンターより下に。 いちいち図るより治具を充てる方が楽。 レール本体側のレールは箱にする前に付けておく。 前後の位置は本体側とツラ一。

スライドレールを水平に設置する場合、レーザーを当てながら固定すると確実。



木枠で造るキッチン廻りのカウンター

   

対面キッチン廻りのカウンター付き壁を作る
【枠組みの製作】

対面式のキッチンは丸見えだし味気ないので、壁で囲みついでにカウンターを置く。 枠組材料は60×45mmの床根太を使う。

正面にカウンターが付くことで豪華な雰囲気が出る。

壁だけだと105mm間柱でないと強度的に不安だが、L字形でかつカウンターがつくので、60mm材でも十分強度は出る。

【ボード張り用の胴縁を廻す】

キッチン側は枠材(根太材)に直接ボードを張る。

カウンターが付く面は電気配線を廻す関係上、胴縁を打って配線ラインを確保しておく。

胴縁を使わない場合、配線を通すため根太に穴を開ける必要があるため、胴縁で逃げた方が楽。  強度も上がる。

【配線の通り道を確保しておく】

胴縁を打ち付ける際、配線が通る部分には配線分の隙間を開けておく。

配線が通る部分には必要に応じ隙間を確保しておく。



【上に載せる笠木を付ける】

L字形の笠木は、出来れば4m材1本で加工すれば杢目も揃う。

出角は簡単なポン付で留め加工はしない。 ボンドをつけクランプで挟み固定させるとしっかりくっつく。

カウンター側から小口が見えないよう取り付ける。

笠木固定ビスは見えないよう裏から打つ。 ボンドも併用する。
【カウンターの取付】

カウンターは30mm厚のタモ材を接ぎ合わせで張り合わせたもの。

人が移動する側の角は丸く落としておく。

上端はトリマーで面取りしておく。 裏面の端は軽くカンナで面取りする。

【固定時は胴縁を利用すると楽】

組み立て時、予めカウンター高さに胴縁を打っておけば、そこにカウンターを載せられるので取付のとき楽。





【カウンター側板の取付】

左側に立てる側板の取付。 上からの固定はボンドを併用し天板からビス留めでダボで隠す。  右は壁に固定する。

下は床に斜め打ちし穴はダボで塞ぐ。 下穴はダボで塞ぐので水平に開けておく。

側板はカウンターより少しだけ幅を縮めておく。
【カウンターを支える「持ち送り」】

カウンターは3mあるので、真ん中を持ち送りで支える必要がある。

縦方向は枠材後ろから少し持ち上げる角度でビス打ち。 横手方向は下から天板にビス留め。

下からのビス穴は樽栓で塞いでおく。 樽栓は同じ材で作ればほぼ目立たない。

【ニッチ(部分的に凹んだ部分)に棚を作る】

部分的に凹んだ部分をニッチと呼ぶ。

カウンターのニッチ部に棚を作る。

固定は枠木の裏からビス留め。

【表面に石膏ボード貼り付け】

単純なアイランド型キッチンも、カウンター付きの壁で囲えば、調理中の雑然とした様子は隠せる。

カウンターがあると調理した料理を並べたり、椅子を置いて調理した料理を食べたりする食卓としても利用できる。



【裏側】

正面と同様に裏側にも石膏ボードを張っていく。






図は「大工の正やん」チャンネルの《居酒屋風のカウンターが付いた対面キッチン》参考。 



キッチン参考情報

     
【天板トップは外せるように】

市販のキッチンは天板トップが簡単にはずせるように、下からビス止めされている。





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【張りつけ作業のポイント】

壁に一枚目の「キッチンパネル」を貼る際、基準となる角材を打っておくと確実。

「キッチンパネル」の中には、撥油加工や撥水加工がついていない種類もあるので要注意。



【引き出し】

目立つ側板は耐水、耐久性の高い「メラミンカラー棚板」。   似たようなものにプリント合板があるが耐久性に天と地の差があるので注意。

引き出しの底材は、重い調味料など入れてもいいように表面「ポリ合板(2.5mm)」と底面「ベニヤ板(5.5mm)」をGボンドで貼り合わせて使う。

Gボンド(速乾ボンド)はメラミンやポリ、突き板などの化粧板を貼り合わせるのが主な用途。

洋服の収納引き出しならば桐(キリ)の代用材として使われる「ファルカタ」がお勧め。



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