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古民家は永続的に維持していくもの

 現代の住宅事情は、「安く、早く」建てられた建売住宅を、世代交代の都度取り壊し、 子や孫の世代はまた新たな住宅ローンを組んで建て替える、という無限住宅ローン生活がお決まりとなっています。     これに対し、古いコトワザのひとつに、「家は末代まで」、「かわいい子には普請をさせるな」、などという教訓があるそうです。

 家というものは、「一旦建てたなら代々の当主が必要に応じて修理や改修を繰り返す」、 ことで朽ちさせずに永続的に維持していくものである、という考えが根本にあったのでしょう。  ですから、 古民家は「永く住み継がれるスタイル」を前提にして建てられており、「容易に修繕・再生できる住処」という大きな特徴をもち、 それが古民家の大きな魅力・美点になっています。

 太い柱や梁を互いに堅固に組み上げ、家全体が大きな鳥籠のような造りとなっている木造軸組み構造の最大の利点のひとつが、 部材の朽ちた部分だけを新しい材料に置き換えられること。   古民家再生においては、劣化部分だけを切り離して新しいものに交換することで、やがて建物全体をよみがえらせるできるわけで、この点が醍醐味でもあります。

 「かわいい子には普請をさせるな」のことわざにあるように、子・孫の世代が住宅ローンで縛られずに、豊かに住み続けられる、 古き良き時代の住宅環境を再び実現できるよう、「古民家スタイル」の考え方を大切に受け継ぎ、 これから古民家リフォームに汗を流したいと思います。

 身一つで他に頼むものがないことを現す、「徒手空拳」というコトバがありますが、「資金と道具」は個人の懐事情もあるので何とかしてもらうとして、 古民家再生というハードルの高い作業に「徒手空拳」で立ち向かうことは、闇夜に電灯もないまま突っ走るようなもので、いずれ転ぶのは目に見えています。

 やはり、そこで問題になるのが「どうやって(know-how)」、いかに「対策を講じるか(乗り切るため最適解を探し実行するか)」、ではないでしょうか。    know-howは「特定の物事に対する専門的な技術・能力・知見・経験」という意味とされます。     ここは、そのknow-howとやらを少しずつ会得(?)しつつ、ムボウともいうべきシロウトによる「明治26年築の古民家再生」に艱難辛苦するオッサンの奮闘記です。    よろしかったらお付き合いください。(2022.6.13)


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DIY古民家再生・奮闘記メニュー

   

 工事別作業内容  
■■ 基礎工事 ■■
基礎工事とは、地盤と建物のつなぎ部分にあたる”基礎”を造るための工事。   真四角の束石コンクリート(コンクリートピンコロ)を床下に設置。
■■ 土台と大引き ■■
 
基礎の上に、継手・仕口を駆使し「女木(めぎ)」、「男木(おぎ)」を組み込んで「土台」を構成していく。
■■ 柱の基本構成 ■■
 
必要なら柱交換が必要となる 屋根を持ち上げるため突っ張り棒を当て、少し屋根が持ち上がる程度に上げておく。
■■ 継手・仕口について ■■
同じ方向に木材を継ぎ足すのが「継手」。 2つ以上の木材を角度をつけて接合するのが「仕口」。
■■ 床張り工事 ■■
断熱材と床合板の貼り付け

■■ 貫・横架材の構造 ■■
横架材(おうかざい)とは、木造建築の軸組において、梁・桁・胴差し・土台など、水平方向(横向き)に渡された部材。
■■ 外壁工事 ■■
鎧張りは一般的な杉板を外壁材として釘留めしていけばいいだけなので作業も楽。







■■ 内壁工事 ■■
最近は和洋折衷住宅が多くみられるようになり、洋室でも木の柱を適度に見せることによって、ナチュラルな雰囲気にしたり、フローリングの床を基本とし一部に畳を使った、 大壁と真壁の両方を使うケースも増えてきている。
■■ 鴨居・床の間・押し入れ ■■
敷居や鴨居・長押などの部材全般を、内法物(うちのりもの)」と呼び、一般的に柱の取り付く面、上下にあたる造作材を指す。

■■ 耐震工事 ■■
 
古民家リフォームでは、耐震工事と称するヘタな筋交い施工は危険。
■■ 天井裏の工事 ■■
天井裏の工事について。
■■ 屋根工事 ■■
古民家の屋根は「入母屋屋根」。

■■ ドアの取付 ■■
 
玄関ドアの取付作業。


■■ サッシ窓工事 ■■
サッシ窓をはめ込む「まぐさ」周りの工事。



■■ ロフトの作成 ■■
 
屋根下にある(物を収納する)屋根裏部屋、ロフト(loft)を作る。
■■ 住宅付帯設備 ■■
対面キッチン廻りのカウンター付き壁を作る。

■■ 壁・天井のクロス貼り ■■
壁クロス貼りの作業手順。



■■  ■■


■■ 配管工事 ■■
 
水まわり工事に便利な工具/部材について。



■■ 設備工事 ■■
換気扇ダクトの設置などの設備工事について。


■■ 薪ストーブの設置 ■■
 
古民家リフォームしたら、リビングにデーンと薪ストーブを置きたい。 

■■ トイレのリフォーム ■■
 
下水道設備がない田舎でトイレを、水洗式にしたい。
■■ 解体作業 ■■
古民家解体作業....広い空間を作りたい
■■ 天井クリーニング ■■
天井部分の梁や鴨居のホコリ落としをやっていく。 

■■ 必要資材 ■■
柱や土台の材木、床壁の構造用合板など、必要資材について。

■■ 竹製ベッドの製作 ■■
周りに勝手に生えてくる竹を使って「竹製のベッド」を作る。
■■ 東屋を作る ■■
 
休息用の東屋を庭の片隅に作る。



■■  ■■







   

古民家は地震が心配?

 現代の家は、土台はコンクリート基礎に固定し、建物にも「筋交い」を入れ、部材同士を「金物とボルト」でガチガチに固める、「剛構造」で建てられています。  地震力に対して極力丈夫な構造にして、 激しい揺れに力で対抗しようとするのが現代主流の建築方法というわけです。  一方、古(いにしえ)より地震国日本に建てられてきた古民家は建物が地面と固定されておらず、 柱が石の上に乗っているだけの玉石基礎(石場建て)となっています。

 築100年以上の古民家、と聞くだけで「大地震が発生したら即倒壊」というイメージが浮かびますが、2011年3月11日の東日本大震災では、明治27年に建てられた実家は、 震源地近くでも瓦が縦一列だけ落ちたものの、ちゃんと耐えてくれました。   近隣周辺の築百年近い古民家でも、損壊・倒壊してしまった事例は一軒もありません。

 地震大国日本では、地震の揺れで住宅が倒壊する危険性は極力避けなければなりません。  建てられてから100年以上もたつ古民家が、幾多の大地震に耐えて現代まで残っていることが、 古民家が非常に強い耐久性と耐震性をそなえている、という証ではないでしょうか。

 古民家に地震の大きな揺れが襲い掛かると、建物全体が地面に直接固定されていないので、足元が動くことで建物に直接負荷がかかることを軽減し地震力を受け流す、 いわゆる「免震構造」になっているわけです。

 免震構造は、地震の揺れを各部で吸収して、地震エネルギーが建物に伝わり難くするとされますが、建物が地面から浮き上がろうとする力を重い瓦で押さえ、さらに揺れが大きくなったら、瓦を落とすことで建物にかかる荷重を減らし、 柱や貫が曲がったり土壁が崩れることで、地震力を吸収する「制震」機能が働きます。

 ご先祖様たちは、「地震に耐える」剛構造より、「地震をいなす」柔構造の家を作ったわけですが、 土台が地面とつながっていないおかげで、建物に地震力が伝わる力を軽減させるというのは、まさに地震大国日本にうってつけのスバラシイ工法であり、 これは伝統構法ともいわれます。(2022.6.20)


  

「古民家は危ないから潰せ」?

 伝統構法と現代の主流である在来工法の違いについては明快に区別できないとされますが、伝統構法は大きな木を柱と梁として力強く組み合わせることによって耐力を生み出す考え方で、壁は単なる間仕切りとしています。     したがって、現代の柱や壁の断面積を基準として算出する耐震診断では、古民家が「耐震診断を受けると0点」になってしまうといいます。

 本来、免震+制震構造で建てられているはずの古民家の研究はまだまだ不十分であり、そのため建築業界においては古民家は古くて危険だから問答無用で建て替えてしまえ、 というのがいまだに一般常識となっているわけです。

 昨今は古民家リフォームがブームになっていますが、古民家リフォームにおいて問題となるのが、そもそも柔構造であるはずの古民家を、リフォームと称しそれまで石に乗っていただけの足元を、 コンクリートの基礎を作り土台を地面とガチガチに固定する「ナンチャッて剛構造化」してしまうこと。  古民家はこの時点で免震構造を失ってしまうわけで、 一説では「たぶんこの形が一番やばい」とされます。

 もしこういう工事を行う場合、建物もよほど補強しないとマズイことになりそうなのはシロウトでも予想できますが、古民家構造の詳しいメカニズムが分かっておらず、 これが「古民家リフォームでは筋交いを入れるな」などという極端なハナシにもなるわけです。

 鉄やコンクリートのような無機質な素材は、経年変化とともに強度が低下しますが、木は乾燥した状態を保てば、かなり長持ちするといわれます。      京都・奈良の古刹(こさつ・由緒ある古い寺)などをみても明らかなように、たとえ数百年前の木材であろうが朽ち果てることもありません。  経年変化に強いのも木材の特徴です。

 単純に比較できませんが、木材は素材として鉄やコンクリートよりも強いといわれます。   同じ重さで比較すると、曲げ強度は鉄の約15倍、 コンクリートの約400倍もあるといいます。  その他にも意外な面として木材は火にも強い、という性質があります。  加熱実験では木材は鉄やアルミよりも強度低下が遅いという結果がでており、 鉄は火災時レベルの熱(800℃以上)を受けると急激に強度が低下し、5分ほどでほとんど強度がなくなるそうですが、木材は15分経過しても60%の強度を保っているそうです。

 木は燃えると表面が焦げて炭化層を形成しますが、ある程度以上の厚みがあれば内部まで燃え進むには時間がかかるともいわれます。    万が一火災にあっても、構造体が残る可能性が高いわけです。(2022.6.20)


古民家は柔構造

 古民家は部屋と部屋の間には壁がなく、太い柱や梁を互いに堅固に組み上げた、全体としては家が大きな鳥籠のような構造をしています。

柱や梁の木材同士の接合部は、「継手」や「仕口」と呼ばれる技法で凹凸に加工して組み合わされ、木でつくった込み栓や楔という小さい部材でおさえます。 これを「木組み」と伝統工法では呼んでいます。

地震の揺れに対して、木と木とが多少めりこみあいながら建物全体が一緒に揺れることにより、地震の力を「柔らかく」受け流し建物全体で揺れを吸収する、というのが古民家構造で、 これは「柔構造」と言われます。

それに対し現行の建築工法は、筋交いや構造用合板を入れた壁をもうけたり、金物で軸組を接合することで、「強固に、ガッチリ」組上げることで地震の揺れに耐える構造で建てられます。
これが「剛構造」、というわけです。(2022.6.12)


古民家の耐震工事

 古民家の地震対策だからといって、現代の家に施す耐震補強の「固い」やり方を、そのまま古民家に単純に取り入れてしまうケースが見受けられます。

しかしその方法では地震の時にその部分に応力が集中し、結果周辺部材を破壊してしまい、せっかく「柔構造」でバランスを保っていた古民家がよくない影響を受けてしまいます。

古民家の最も有効な耐震工事というのは、「腐った部材や老朽化した部材があれば、新しいものに取り換える」、ということにつきるようです。


シロウトがDIYで古民家再生をやりたい?

 「不器用」というコトバがあります。   卵焼きは真っ黒に焦がしてしまう、電球交換すると力加減が分からないものだから割ってしまう、というヒトがいますが、 やはりこういうのは「不器用なヒト」と言わざるを得ないでしょうネ。   一方、舌でリボン結びが出来る人とかは「器用なヒト」なのでしょう。 

 世の中、何をやらせても人並み以上という「多才」なヒトはいますね。  俳優であり監督でもあった伊丹十三氏は、 英語はネイティブ並み、ギター、ヴァイオリンを弾きこなし、古今東西の文化造詣も深く、絵や文章も達者......こういう「才能のカタマリ」のような方もいらっしゃいます。

 こういうヒトは「奮闘」というコトバは似合わない感じがします。   「奮闘」には、「...奮闘努力の甲斐もなく....」などと使われるように、 どこか『挫折』が付きまとうケハイがありますカラ。

 しかし、凡人がナニかを成し遂げようとしたら、そこは「奮闘あるのみ」でしょう。  とりたてて趣味もなく、人様に自慢できるほどのサイノウは無いが、体のアチコチにガタは来ているものの、 ほぼ五体満足というオトウサンが、メデタク定年を迎えたとします。  そのオトウサンが、今はやりの、古民家再生とやらにチャレンジし、 ノンビリ田舎暮らしでも、と思い立ったとしましょう。    トウゼン、出来るだけ費用はかけず(ココ大事デス)、ある程度まで目標は叶えられる見通し(自信ではアリマセン)があり、かつ、奥様の了承を得る、という条件はクリアする必要がありますが。

 そうは言っても、犬小屋を作るわけではないので、それなりの「マネーと道具」、「知識」、そして「やる気」は必要です。    「不器用なタイプ」を何人も見てきましたが、共通するのはおしなべて「やる気」に欠けている、という点ですネ。   「やる気」がないから1、2回の失敗ですぐ匙を投げる「根性なし」であり、したがって、「向上心」も芽生えず、いつまで経とうが、 ブキヨウというサイクルから抜け出せない....。エラそうにいえる立場ではモウトウないのですが、「不器用=根性なし」という式が成立してしまうかも。(2022.6.13)


家の作りやうは、夏をむねとすべし

 昨今の日本の夏は、災害級の猛暑日が頻発し、尋常な気温ではなくなっています。  鎌倉時代中期( 弘安の役の直後?)に生まれたとされる、日本三大随筆の一つ『徒然草』の作者、 吉田 兼好(本名:卜部 兼好・うらべ かねよし)は、『家の作りやうは、夏をむねとすべし....(家作りの方針は、夏向きを中心に考えるのがよい...)』としています。

 壁ではなく柱で家を支える構造の古民家は、戸を開け放せば風が家の中を吹き抜ける作りになっています。   クーラーのなかった時代の蒸し暑い夏でも、 風が家の中を通り抜けることで暑さは随分和らいでくれていたわけです。   古(いにしえ)より猛暑で有名な京都盆地に暮らした兼行も、夏の暑さにはかなり辟易(へきえき・うんざりする)していたのかもしれません。

 しかし、近代の日本の住宅間取りは、ほとんどが壁で室内を細かく区切り部屋を設けるのが主流となり、ドアを開け放して南北に風が吹き抜ける解放感を味わえる、という作りにはなっていません。    したがって、夏はクーラーがないと生死にかかわるような暑さに晒される、という恐ろしい構造となっています。

 他方、気密性がアップしたため、冬場の寒さから解放されたものの、多湿の日本では高気密が徒(あだ・役に立たない)となり、憖(なまじ・中途半端なため)家の湿気がなかなか抜けず、 そのためカビの発生も増え家も傷みやすく健康にも害を与えるという、終(つい)の棲家にしては、何とも相応(ふさわ)しくない、おかしな家作りとなっています。

 日本には昔から「家は末代まで」、「かわいい子には普請をさせるな」、などというコトワザがあるそうです。     家というものは、「一旦建てたなら代々の当主が必要に応じて修理や改修を繰り返す」、 ことで朽ちさせずに永続的に維持していくものである、という考えが根本にあったのでしょう。

 現代の住宅事情は、「安く、早く」建てられた建売住宅に35年も住宅ローンを払い続け、途中何度も塗装やリフォームを繰り返し、やっとローンを払え終えたと思ったら、 安普請の家はすでに老朽化が進み、子や孫の世代はまた新たな住宅ローンを組んで建て替える、という無限住宅ローン生活が続いていきます。

★....日本三大随筆・「枕草子(清少納言)作成時期・平安時代中頃」、  「方丈記(鴨長明)・鎌倉時代初期」、  「徒然草(吉田兼好)・鎌倉時代末期?」。(2022.7.8)


DIYで使う工具の話

古民家の基礎工事 DIYで欲しい・手道具 DIYで欲しい・計測冶具
基礎工事で揃えたい道具 シンプソン金具について 電動工具のネット購入
電動丸ノコこぼれ話し 電動ドライバーこぼれ話し 電子ジグソーこぼれ話し
電動糸ノコこぼれ話し 電気カンナの話 ドリル・スタンド購入
電動角のみ組み立て トリマ・ルーターについて 研磨用の道具・サンダー
マキタ・マルチツール マキタ・レシプロソー DIYで使っている電動道具
ガーデニング用・バリカン コンプレッサーについて エア工具のあれこれ
スプレーガンについて 釘打ち機について エアブラシについて
継ぎ手(つぎて) ピザ窯の製作 囲炉裏(いろり)



 

古民家の耐震診断

 現行行われている耐震診断は、「剛構造」をベースとした診断法です。

建物の耐震性は「壁の量」として評価され、壁の総延長が長いほど耐震性は高いとみなされます。

太い柱や梁を使い、伝統工法の「柔構造」でしっかりと建てられ、何十年にも亘り地震に耐えて来た古民家が、耐震診断にかけると 「倒壊のおそれあり」とされてしまい、不利な結果が出てしまうのが現状です。

耐震診断の結果を鵜呑みにせず、伝統工法の構造を理解している信頼できる専門家の意見を聞くことが必要です。

いまのところ建築基準法は「剛構造」の考え方だけを採用していますが、国交省主導で伝統木造の「柔構造」を科学的に検証するための実験や研究が進められているそうで、 いずれ伝統工法の強度を正当に評価できる建築基準が出てくることが期待されています。(2022.6.12)


参考情報

【 参考古民家再生ユーチューブ 】


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