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床張り工事

 「床組(ゆかぐみ)」とは、木造建築物において、床面を支えるための骨組のことを指し、以下の4種類の床組が使われています。

▼ 床組 ▼




古民家・(太鼓)根太の処理と床張り

 リフォームでは、既存の床の上に新しい床材を重ねて張る方法もあるが、長く住むためにもやはり一旦床をめくって床下の状態を確認し、傷んだ箇所は修繕したいもの。

 和室以外は全面フラットのフローリング貼りにする予定ですが、古い床は多かれ少なかれ水平になっていません。  床の傾きは中古住宅は6/1000(約0.34度)までが許容範囲。 新築は3/1000。

  既存の土台を利用するならまずはレーザーで水平を出し、土台全体を一度定位置に戻してやって、各部をビスでしっかり止めます。
     先に床工事を終えてしまうと、床下の湿気対策が出来ないので床工事前に湿気対策工事は終えておく。

 


古民家リフォームにおける太鼓根太の床作り

 昔は大引きも根太も既製の角材など使わず、丸太を厚み105mmとか45mmに挽いたもの(太鼓)を使い、その上に床下地を張っていた。  (太鼓材)は大体芯があり強度があるので、傷んでいなければ十分再利用できる。   下がっている箇所は矢を打って微調整する。

 計測により土台の一番高い部分が分かるので、そこから5ミリ程度上げて、新しい根太掛けの上端にする。    

【今回の工事概要】

既存の太鼓根太を利用しその上に野縁(新たな根太となる)を張り断熱材を敷きつめ、30mm厚のフローリングを張りフラットなフローリングにする。

まず古い床板を撤去し床下を検査。  傷んでいる部分は交換。 その後古い土台を出来るだけ定位置に戻してやり、ビスでしっかり止めていく。
【古い床板をめくり土台の状態を確認】

取りあえず古い床板をめくり、床下の大引き、床束(地束)、根太の状態をチェックする。

築130年なので大分傷んでいるはずはずなのだが、床下のリフォームをやっていたらしく、束石は石ではなくコンクリートになっていた。 地束もほとんど傷んでいない。

地面に防湿シートも敷いてある。

【床板を剥がした状態】

大引きに太鼓根太が乗っている。

床束(地束)は取り換えているらしく、腐食はなさそう。

束石もコンクリート製に替えられている。

地面には防湿シートらしきものが敷き詰められている。

 
【レーザーで現状の床レベルを計測】

床板を剥がす前にレーザーラインと床の隙間が一番短いところ(一番沈んでいない箇所=1番高い場所)を探し基準点とする。

レーザーのラインと床板の間隔を各ポイントでひたすら計測していく。  このときレーザーラインを壁や柱にマークしておく。

正式な不陸調整は野縁を張る際に行うが、床板を剥がし土台をチェックする際、各箇所の段差誤差は出来る範囲で縮めておく。
【】

今回は太鼓根太のうえに野縁を置き、間に30mm厚の断熱材を入れ込み、その上に30mm厚のフローリング材を敷く予定。

したがって、レーザーで確認した一番高い場所の根太を基準とし、(断熱材30mm)+(フローリング材30mm)-(床板の厚み)の高さに水糸を張り巡らしておく。  この厚みのスケールを作っておく。

この厚みスケールを各ポイントの根太に当て、水糸高さとのズレをこの段階で出来る範囲で調整しておく。

基準より2mmほど高い分は許容範囲。  下がっているのはダメ。   本調整は野縁を張った時点で行う。  
【太鼓根太の高さを揃える】

図のように左右に水糸を渡し、太鼓根太の高さを揃えておく。

高さ調整は床束で行うが大体は縮んで緩くなっていることが多い。

傷んでいたら新しい床束に交換するが、この際プラ束か鋼製束に替えたいところ。 これだと高さ調整も楽でシロアリも食わない。

【大引きの高さを確認】

一本単位で高さを確認するときは水糸が確実。  大引き端に水糸を張りスペーサーをかましておく。

同じ厚みのスペーサーを準備し、端から端に渡した糸に当て、各ポイントで大引きの高さを確認する。

鋼製束を使うと大引き高さの調整が楽。
【高さの確認は水糸が確実】

水糸とスペーサー上端が合うよう大引き(太鼓根太)の高さを調整する。

鋼製束を使うと大引き高さの調整が楽。

【床束(地束)の高さ調整】

古い束材は大体緩んでいるので、床束を一個ずつ叩いてみて、しっかり効いているか浮いていないか確認し大引きにビスで固定していく。

床束は腐っていなくても縮んで短くなる。 ブラブラになっている場合、三角に削った矢を大引きとの間に差し込む。

傷んでいたら新しい床束に交換するが、プラ束か鋼製束なら高さ調整も楽でシロアリも食わない。
【下がっている太鼓根太を上げる】

基準点との段差が大きい箇所は、三角に削った矢を大引きとの間に差し込むことで調整したらビスで固定する。

高さが広範囲に大きく狂っている場合、新たに根太受けを打ち合わせる。

高さ調整した太鼓根太と大引きは、ウレタンボンドを併用して、しっかりビスで固定しておく。

【太鼓根太は大引きにビスで固定】

太鼓根太と大引きはビスでしっかり結合しておく。 段差の粗調整も床板を外してあるので腰をかがめてやる必要がないので楽。





 
【既存根太の上に野縁材(新たな根太)を打つ】

もともとの太鼓根太が全然傷んでいないので、その上に天井下地に使う野縁材で下地をつくる。

厚さ30mmの断熱材を入れるが、野縁が寸足らずなので野縁の下に2.5mmのベニヤをスペーサーとして入れ高さを揃える。

目標高さは、(基準スケール)-(床板の厚み)+(断熱材30mm)+(フローリング材30mm)。
【野縁の配置】

通常の尺モジュールだと、根太間芯々ピッチは303mm、根太巾40mmの場合、根太の間隔は、303-40(20+20)=263mmとなる。

その場合断熱材幅は、303-40+5(ガチガチに詰めるための厚み)=268mmとする。

本来は既存断熱材の幅に合わせて263mm幅に野縁材を配置したいが、今回は太鼓根太に合わせランダムに野縁材(新根太)を配置していく必要がある。
【根太と断熱材】

断熱材を敷く。

リフォームで断熱材を敷く場合は、予め断熱材を任意幅にカットしておき、敷いたら根太(胴縁)で挟む、という方法が楽。

断熱材幅はガチガチに詰める。

【床の下地合板を張っていく】

断熱材の上に15mmの合板を張る。  12mは薄い。





【床下地の隙間に気密テープ】

下地合板の継ぎ目を気密テープで塞ぎ気密性を高める。





【床板下の断熱材に気密テープを貼る】

断熱材の継ぎ目を気密テープで塞ぎ気密性を高める。 無いときは養生テープ。

透湿防水シート、または防音や断熱用のシートを使用するなら、この段階でスタイロを敷き詰めた全面に「バリアエース」などの気密防湿シート(ポリフィルム)を貼っておくと完璧。

透湿シートを貼る場合、字の側が防水なので、地面側にする。

【床板を仮並べして杢目(もくめ)のバランスを見る】

床下地を張らず直接床板を張るケース。

二枚目から張って継いでいく際、似たような杢目だと違和感が出ない。

そのため一旦並べれるだけ仮並べして、全体のバランスを見る。

バランスが取れたら、手前から張っていけるよう順番を考えて積み上げておく。
【一枚目の床板を張る】

曲がった敷居の癖を拾い一枚目を張る。

一枚目床板の端がピッタリ合うことはないので、クッションフロア貼りの要領で「巾定規」を使い、壁のクセをクッションフロアに転写して端をカットしていく。

リフォームの床張りはこの最初の一枚を無事張れたら、半分終わったようなものとされる。
【巾定規で壁のクセを拾う方法】

薄いベニヤを四角くカットし使いやすいようツマミをつけ「巾定規」とする。 サイズ85×170で2箇所に指が入る穴が開いている。

  「巾定規」が届く範囲で一枚目床板を壁と平行移動させておき、壁に密着させる側に壁のクセを鉛筆で記していく。

そのラインを正確に切削してやれば、理論的に壁と密着するハズ。
【出っ張りのある柱は「首切り」】

床張りは古い敷居に合わせ張っていくが、キレイに張っていくのは大変でこれが面倒な作業となる。

必要に応じ出っ張りのある柱は「首切り」して入れ込めば少々の凸凹でも引っ付けられる。

ただし通し柱のような大事な柱はあまり深く欠かないよう1㎝程度まで。
【床板を張っていく】

ウレタンボンドを塗りフローリング材を張っていく。 厚み30mmであれば下地合板は使わず、このまま張っていく。 固定はタッカでは無理でビスで固定していく。

15mm厚のフローリング材を使う場合、下地合板を張る必要がある。  その場合固定は4mmタッカー長さ38mmを使う。
【一枚目の床板は床下からも引っ付けておく】

一枚目を確実に引っ付けるため、一度断熱材を外し、床下に体を入れ、根太の裏側からビスで床板を引っ張っておく。

とにかく一列目はしっかりと固定させるようにする。



【グロスクリアオイル塗装で仕上げる】

塗られたら困るラインはマスキングでカバーしておく。

この塗料は多めに塗って拭き取って磨き込むタイプ。 発火性があるのでしみ込んだ布を車に積み込んだままにしておくと、直射日光で発火の可能性があるので注意。

塗り終わり硬くなる前に、シッカリ拭き取る必要がある。


内容の一部はユーチューブ《大工の正やん》を参考。


不陸検査

      

【太鼓根太の不陸検査】

太鼓根太の天端目標高さは、床板の上で計測したレーザーラインから床板厚み分を引いた数値。

したがって、レーザーで確認した一番高い場所の根太を基準とし、(断熱材30mm)+(フローリング材30mm)-(床板の厚み)の高さに水糸を張り巡らしておく。  この厚みのスケールを作っておく。

この厚みスケールを各ポイントの根太に当て、水糸高さとのズレをこの段階で出来る範囲で調整しておく。

本調整は野縁を張った時点で行う。  
【】

今回は太鼓根太のうえに野縁を置き、間に30mm厚の断熱材を入れ込み、その上に30mm厚のフローリング材を敷く予定。

したがって、レーザーで確認した一番高い場所の根太を基準とし、(断熱材30mm)+(フローリング材30mm)-(床板の厚み)の高さに水糸を張り巡らしておく。  この厚みのスケールを作っておく。

この厚みスケールを各ポイントの根太に当て、水糸高さとのズレをこの段階で出来る範囲で調整しておく。

基準より2mmほど高い分は許容範囲。  下がっているのはダメ。   本調整は野縁を張った時点で行う。  
【レーザーで床レベルを計測】

その場所で床に立てた木材にレーザーラインをマークしておく(これが基準スケール)。一番高い箇所を基準点とし、レーザーを飛ばせば各ポイントの床段差レベルが判明する。

基準レベルに合わせ、根太受やスペーサーを使い床下地の高さを調整していく。  1mm単位の厚みが異なるスペーサーを沢山用意する。

床板の目標天端高さに水糸を張りめぐらし、各ポイントでその水糸ラインに床板高さを合わせて調整していく方がイメージがしやすい。




既存床板を利用した下地作り

   

古民家・(太鼓)根太の床張り
【古い畳の下地板の例】

この古い畳下地板は撤去する。  下地板が傷んでいなければ、どこかに再利用したいので、できるだけ破損させず取り外したい。

床板の端に見える釘の周辺にバールを当て、ハンマーで先端をめり込ませ抜けばキレイに外せる。

ただ、端だけはノミで欠いてやる必要がある。

【既存の床上に重ねて張る工法】

新しく張る根太は断熱材の幅に合わせ古い根太と直交(既存床板と同じ向き)させるように張っていく。 

レーザーで四隅の高さを決めて置き、水糸を張り巡らして根太高さを一定にする。

既存の床レベルを出来るだけ水平にするため、厚さ2~3ミリのベニヤを根太下に差し込み高さレベルを揃える。





大引きに根太掛けする

        

【床の軋み対策】

根太を敷居や壁に接触させて固定してしまうと、タワンだ時にキシミ音がするので、擦れないよう隙間を開けておく。 根太を一本に繋ぐときも少し隙間を開ける。

根太の間にカットした根太を入れると多少は床の軋みを失くせる 全個所に入れる必要はない。

一本木を使えず継いで使う場合、必ず乱子(りゃんこ)に継ぎ、継手を一か所に集めない。
【高さ調整材(根太掛け)を取り付ける】

ある程度大引きの水平がとれたら、根太掛けで微調整し水平に直してやる。  新しい根太の上端は経年沈下に備え5mm程度上げておく。

根太掛けは細切れでも良いが、長い材を縦にして、欠いて使って通した方が、高さがきれいに揃う。

根太掛けを土台に固定していくときは、大き目のビスで、上下2本づつ、450mm間隔でしっかり止めていく。
【根太掛けを入れる】

簡単で楽なのが、既存の大引きはそのままに、根太掛け(白い材)で水平を出し、新しい根太を張るやり方。

根太掛けは長い材のまま使った方が綺麗に揃う。 根太掛けは大引きと交差する部分は切り欠き、45mm程度の上乗せ高さにする。  当然、新しく張る根太も上乗せ高さ分、 既存の大引きから浮く。 割れ防止が必要なら下穴を開けておく。

そこで、基準となる根太から糸で水平を出しておき、大引きと新しく張る根太の間にパッキンを挟み、根太上端高さを調整していく。

【根太の割り付け】

根太掛けに割り付け(位置決め)する。

30mmなどの厚みのある床材を使うなら、根太の間隔は900mmでもいけるが、450mm程度にしておくのが無難。

根太材は長さが決まったら、まとめて一気に切っておく。

まず部屋の周りの部分に根太受を、柱にも固定し綺麗に止めていく。

根太掛けで調整し水平に直したら、その上に新しい床材を張っていく。
【根太の繋ぎ部分】

根太同士を繋ぐ場合、ピッタリ合わせず若干隙間を開けておく。

根太材は45×60mm、一寸五分×二寸が標準。 それを背使い(60mm側をタテ)で使う。

ピッチは床板を30mmの根太レスで張る場合360mmぐらい。  大引き間隔が1m位になると根太はシナる。 そんな時は根太裏に一本根太を打っておく。

【昔の(太鼓)根太高さ調整」

古民家の(太鼓)根太を持ち上げるときは、高さ調整はクサビ(矢)を打ち込む。



【根太高さをパッキンで揃える】

根太高さを微調整するため、1~45mmの厚みの異なるパッキンを、何十枚か用意しパッキンを挟み、ビスで固定していく。

パッキン(調整材)を入れて水平高さを決めるので、ベニヤのような薄いものから、傾き高さをカバーする高さがあるものまで、 様々な厚みの材を用意しておくと微調整が楽にできる。

古典的な糸張りで水平を見るほうが、目に見えるので、レーザーよりパッキン調整がやりやすい。

【】

根太の間隔は900mmでもいけるが、30mmなどの厚みのある床材を使うなら、450mm程度にしておくのが無難。

根太材は長さが決まったら、まとめて一気に切っておく。 まず部屋の周りの部分に根太を、柱にも固定し綺麗に止めていく。

曲がっていると断熱材のスキマが出てしまう。 根太材を大引きに固定していくときは、寸法治具を使い303mm間隔になるようにする。






断熱材と気密シート

     

断熱材を敷く
【床下地を張る前に断熱材を敷く】

床下地は30×45mmの野縁を使う。  野縁を張る方向は、古い太鼓根太と直交する向きにする。

このまま構造用合板を張った方が楽だが、せっかく床を張り替えるので、断熱材を入れる。  断熱材は際根太内法の実寸より1~2ミリ程度大きく加工しギチギチに収める。

床下地の野縁を張る前に、先にスタイロフォームをカットしておき、それを野縁で挟むように張ると隙間も生じずキチッと敷き詰められる。
【予め断熱材をカットする工法】

通常断熱材は等間隔に張った根太の間に詰め込んでいくが、既存の太鼓根太は間隔は不定。

幅が不規則なら断熱材は各根太間に合わせたサイズにカットしていく工法となる。  このやり方の方が断熱材がキチッと収まり隙間が出ない。

また野縁の下には幅の広い太鼓根太があるので、専用の「WZピン」をつかわなくても落下しない。
【スタイロフォームの幅に合わせ野縁を張っていく】

スタイロフォームは30mm厚を使う。

野縁の高さがスタイロフォームより低かったら、薄いベニヤを細く割り、スペーサーとして高さを合わせておく。

根太部以外の断熱材に乗ると踏み抜くので足元に注意。  移動するときはかならず根太の上に足をかける。



【スタイロフォームの受け金具】

断熱材が落下しないよう受け金具を使うか端材で支える。

専用の「WZピン」という金具があり、二つに折って使うこともできる。

スタイロフォームを長くして使えば、大引きの上に載せられるので、支え材がなくても落ちることはないし、 手間を惜しまないなら、端材を使って支えを自作するのもアリ。
【スタイロフォーム幅に根太(野縁)を張っていく】

スタイロフォームを置いたら、野縁をキッチリ押し付け固定する、という手順でやった方が、断熱材がキッチリ収まる。

野縁が曲がっていると断熱材のスキマが出てしまうので、固定するときは曲がりを修正しておく。

スタイロフォームの幅が一定なら、寸法治具を使い等間隔に野縁を張ることもできる。

【合わせ部に気密シートを張る】

断熱材を敷き詰めたら、貼り合わせ部を気密テープで塞ぐ。

直接隙間風が当たらない場合は、コスト削減で養生テープで代用しても可。



【(太鼓)根太に断熱材を貼る】

(太鼓)根太の上に、野縁材で30mmの断熱材を挟んでいく。

野縁は2mmほど断熱材より薄いので、下に2.5mmのベニアをパッキンにして敷いてやる。

(太鼓)根太の間隔がバラバラな場合、隙間に合わせて断熱材幅を加工するか、一度根太を剥がし、間隔を揃えるかだが、面倒なので断熱材幅を加工する。

断熱材幅を決めカットしておき、そこを野縁で挟んでいく方が楽。   仕上げ床板は、30mm杉・根太レスを貼る。
【断熱材の遮蔽施工】

壁際や境目の隙間はウレタンフォームでキッチリ埋める。

その上で壁際には「気密防水テープ」を貼っておく。

気密を完璧にしておかないと、床下からの空気が壁の内部へ通り抜け、壁の内部が床下と室内をつなぐ冷気の煙突となってしまう。
【気密防湿シートで床全面を覆う】

透湿防水シート、または防音や断熱用のシートを使用するなら、この段階でスタイロを敷き詰めた全面に「バリアエース」などの気密防湿シート(ポリフィルム)を貼っておくと完璧。

透湿シートを貼る場合、字の側が防水なので、地面側にする。

【室内に空気が入らないような遮蔽施工】

断熱が疎かだと、壁の内部を床下からの空気が通り抜け、床下と室内をつなぐ煙突となり、床下の冷気が間仕切り壁内に流入してしまう。

床合板の上に間仕切り壁をつくれば、床下の冷気の流入を防ぐことができるが、壁の中に空気が入らないような施工が必要。

継目を塞いだ厚板合板が気密層となり、床下空間(外気)と室内を区画する。
【土台ボルト類の気密処理】

アンカーボルトには防水テープを貼り、ホールダウン金物は、コーキングを打っておく。

これだけで土台下からの空気は上がってこない。






「床下地(下地合板)」を張る

     

【一般的な根太と合板の配置方法】

合板は1820×910mmが定尺。 厚みは12㎜は心もとないので24ミリは欲しい。  根太を910mmピッチに配置し、間に等間隔で2本根太を配置すれば、根太間芯々ピッチは303mmになり、定尺合板を突き合わせていく場合、 両方の合板端がちょうど一本の根太に均等に載る。

今回は下地合板に合わせた根太配置ができないため、下地合板は使わない。  野縁の上に直接30mm厚のフローリング材を張っていく。



【床下地合板の捨て貼り】

床下地合板を張る。 床下地板のことを「捨て貼り」と言い、根太の上に「床下地」を貼っていくやり方を「捨て貼り工法」と呼ぶ。

床下地合板は12mm厚合板、もしくは24mm厚が基本。

張っていくときは湿気による伸縮を考慮し、床鳴防止のためギチギチより数ミリ間隔を開ける。 上にフローリング材を敷くので問題無し。

【床下地板の張り方は千鳥張り】

継ぎ目の根太に打ち込むビス穴が1ヶ所に集中しない、などの理由で、捨て貼りの構造用合板は、継ぎ目が交互になる「千鳥張り」が基本。

単純に並べて張る方法もある。
【床下地板の端】

床下地板の先端は、土台幅の半分(芯)まで伸ばして設置する。

柱が見える「真壁工法」では、下地合板は柱の出っ張り部分をカットし奥に追い込んで張る必要がある。

土台の芯まで入れ込んでおけば、床下からの隙間風が直接入り込むことを防げるので、断熱効果も望める。
【床下地は土台芯まで伸ばしておく】

柱との取り合いはマルチソーで不要部分を欠く。

壁下地桟を設けたい場合、下地端を柱で止めず、柱芯まで入れ込んでおくと、上から桟を脳天打ちで止められるので楽。

伸ばすのを忘れると、イザ壁下地桟を設けようとすると、柱間隔やなんやらで時間が取られてしまう。

千鳥張りで張った合板の根太位置には、隅線を引いておきネイラーで固定していく目標ラインとする。
【床下地を全体に敷いて高さを確認】

針葉樹合板15mmを床板に張っていき、敷居や畳寄せより合板が高くなっていないか確認するが、まだ固定しない。    ビス止めしてから気付いてもやり直すのは大変になるので、すべての高さを確認後固定する。

合板を千鳥張りで根太の上に配置したら、根太にビスがキチンと当たるよう、墨壺を使って根太材の芯をマーキングしておく。
【根太と下地を接着剤で固定】

住居でない物置の床ならともかく、住宅の場合床鳴りや床の浮き防止のため、根太上にウレタンボンドを塗ってから下地を張り付けるのは必須。

根太と下地の接着程度なら、水性の木工用ボンドでも使えるが、弾性がなく水分に弱いので、フローリングを張るときはウレタン系弾性接着剤を使用するのが鉄則。  木工用ボンドもアクリル系の水性根太ボンドも、弾性がないため硬化後割れて音が出る。
【床全面をエアネイルで釘留め】

建築基準法では床下地の固定は釘を使用するのが前提となっている。  釘打ち機用の初期の釘は、「NC釘」と呼ばれ、JIS認定ではないので構造部に使用できない。

12mm厚合板はCN50(太め鉄丸釘)を使い150mm間隔で打つことが決められている。 24mm厚ならCN75以上、ただし、根太が45mmなら長さ69mm以下が必要。

めり込ましすぎると構造耐力が低下する。




フローリング材の張り付け

 仕上げ材(フローリング材)の「張り方向」は、捨貼りと同様根太と直交がセオリーだが、捨貼りをキチンとしてあり、仕上げ材の木口接続部が根太の上にくるよう張り付ければ、 どのような方角から張ってもさして問題は無いので、効率と見映えで都合の良い張り方向を考える。

 無垢材は吸排湿性があるため、湿気を吸って膨張した時、材が押し合って盛り上がったりしないよう、ところどころ遊び調整隙間を設けておくのが望ましい。 

 杉・桧材の無垢フローリングの張り付けでは、釘打ちをした時に、木繊維を縦裂きに割ってしまう。
   

【床板・壁・根太・断熱材の取り合い概略図】

土台上に施工される壁の断熱材は密着させるように納める。

最後、床板を壁に密着させ収める。

無垢材の場合幅方向には膨らまない。  むしろ痩せていくので次の材を収めるときは当て木してギッチリと押し込んでやる。

その後経年劣化で少し隙間が出てくる。 だから最初はギチギチに合わせておく。

また、無垢材には床ボンドは使わず、そのかわりステープルで6㎝前後の狭いピッチで大量に打っていく。
【床板は一度仮並べする】

節目の似たような床板を並べていった方が、違和感もない。  面倒でも張る前に、一度仮並べして全体のバランスを見る。

板目が揃ったら、床板を張る順番を考えて積み上げたら、順に張っていく。

床板は太鼓根太の場合、30mm厚の根太レスが理想。 下地が合板なら15mm厚×150mm幅の檜もいい。 ただ幅が広い床板は反りが出る場合もあるので両端をカンナ掛けする。

外に面している最終床板の端には、水にぬれないようコーキングを施しておく。
【フローリング材の「割付」】

そのまま張っていくと、最後に張る板が数センチ幅になってしまい、他と幅が大きく違ってしまいカッコ悪い。

そこで、最初と最後の板で幅を調整する「割り付け」を最初に行い、そのとき出来るだけ羽目板の目が同じく揃うように割り振る。

図は本実目透かし加工の羽目板を左側から張っていく例。 下地骨組みに雌実(メザネ)部分をエアタッカーで釘止めする。 本実目透かし加工は雄実を釘打ち。 材の張り付けパターンは、同じ寸法のフローリング木材を一定間隔でずらして貼っていく「定尺(ていじゃく)貼り」が一般的。   『りゃんこ張り』、『ずらし貼り』とも呼ばれる。

定尺貼りと異なり、継ぎ目の位置がランダムになる、さまざまな長さのフローリング木材を使用する『乱尺貼り』もある。  長さを揃える必要がないため、木材のロスが抑えられる。

その他、床に対して斜めに貼る『斜め貼り』、独特なデザインが目を引く『ヘリンボーン貼り』、『フレンチヘリンボーン貼り』 、『市松貼り』などがある。
【フローリング材の「木調合わせ」】

1枚1枚の木目と色合い(木調)を吟味し、部屋の入り口や真ん中の人目につく場所には良いもの、家具下やクローゼット内などの見え難い場所には 色合いや木調が外れる材を、というように工夫して張っていく。

計画する施工箇所にフローリング材をある程度“仮並べ”してみる。
【長さ寸法のカット】

一枚目は「雄ザネ」を切り落としておく。  「ちどり」張りは、必ず卓上切断機を使い正確な直角にカットする。

無垢フローリング材を「ちどり」張りする場合、施工後に木口接続部の「跳ね上がり」を抑える『ジョイントカッター』で木口を繋ぐ加工が望ましい。
【捨貼り上へ張り付ける】

床の「鳴き」防止として、フローリング材の裏側に接着剤を塗付する。  弾性のあるウレタン系かエポキシ系の木質系床材専用接着剤を使う。   白い液剤の木工ボンドは絶対に使わないこと。

壁材とフローリング材の接面は、『巾木』を設置して目隠しする。 

壁際周辺部の「納め」は、材の膨潤時対策として、必ず5㎜程度隙間を設けるように調整。 またフローリング同士の目地も、名刺一枚挟む程度の隙間をつけて張っていく。
【釘打ち】

釘は『フロア用スクリュー釘』を使う。  オスザネ(凸側)の出っ張り根元の上から、内側に向って斜め45度の角度で釘打ち。

ステープルは捨貼りを大きく貫通しない程度の長さ(38~50㎜)を選び、エア圧は試験打ちを何度も行って慎重に調整する。

直接釘打ちすると実(サネ)が割れやすいので、事前にドリルで釘の太さと同径の「導き穴」を開けておくほうが無難。

オスザネ部分(凸側)を立裂きに割ってそのまま張り込んでしまうと、フローリング材がめくれ上がってつまずいたりするので、新品の材に交換する。
【壁際の納め】

「真壁造り」の場合、柱に掛けこませるよう、柱根元とフローリング材を、ノミとノコギリを駆使して丹念に納めていく。  柱の切り欠き深さは強度を保つ意味でもあまり深く取らず、10~15㎜までにしておく。   その分、フローリング材のほうを形状に合わせて切り欠きする。

切り欠き高さは、仕上げフローリング材の厚みよりほんの気持ち程度(0.2~0.3㎜程度)小さくしておき、フローリング材の切り欠き部を金槌で軽く潰してからはめ込むと、後に潰された部分が復元して、しっかりと抑えられる。

最終的な帳尻合わせは、壁際との隙間5mmほど空くサイズに、凸側をタテ挽き用ノコギリで挽き、納める。
【一枚目を古い敷居に床板端を合わせるのは大変】

一枚目に張る板は節があろうが兎に角真っ直ぐなものを使う。  古民家は太い柱がはみ出していたり、敷居が歪んでおり、一枚目の床を張るのが大変。

最初に張るときは曲がった敷居の癖を拾い、時間をかけて根気よく敷居に合わせた加工を行う。

柱を1㎝程度首切りして床板を収める方法が早いが、あまり構造材には欠損は加えたくない。

一枚目は一度スタイロフォームを剥がし、床下から床板を根太ともどもビスでひっつけ固定し、とにかく一列目を正確に止めてやる。
【巾定規で壁のクセを拾う】

古民家の壁や敷居は歪んでおり一枚目床板の端がピッタリつくことはないので床板の壁側端を整える必要がある。

クッションフロア貼りでは「巾定規」を使い、壁のクセをクッションフロアに転写して端をカットしていく方法がある。  サイズ85×170で2箇所に指が入る穴が開いている。

薄いベニヤを四角くカットし使いやすいようツマミをつけ「巾定規」とする。  「巾定規」が届く範囲で一枚目床板を壁と平行移動させておき、壁に密着させる側に壁のクセを鉛筆で記していく。   そのラインを正確に切削してやれば、理論的に壁と密着するハズ。
【端の床板の耳落とし】

床板を敷き詰めていったとき、端だけ幅が細い材になってしまうとみっともない。

バランスが良くなるよう、必要に応じ一枚目と最後の床板は端を落として調整する。

白木の場合「グロスクリアオイル」などを塗る。

最後の一枚は端を斜めに落として壁際に押し込みやすくしておく。
【縁側部分の収め】

縁側と根太の高さが揃った場合、傷んでいなかったら元々の床はめくらず、上からしっかり釘で抑えた上に、床をフラットに張る場合がある。

ただ、その場合縁側部分にはスタイロフォームが入らない。

縁側と根太の段差があるようなら、電気カンナをかけてできるだけ面一の高さにしておく。





 

一つの部屋の床全体が波打っているとき

 既存の根太のまま、波打っている部屋全体をフラットにする。    

【部屋を小さな升目に墨付けして区分け】

床が全体に波打っているようなら、時間がかかるが、部屋を出来るだけ小さな升目に墨付けして区分けし、高さ測定していく。

床を碁盤と同じように墨付けして、区画番号をつけていく。

その区画ごとの高さのスペーサーを、スライド丸ノコを使って切り出しておく。



【高さ調整のスペーサーを配置していく】

各箇所の高さのバラツキに応じ、その厚みのスペーサーを、スライド丸ノコを使って角材(使う根太材)から切り出す。

スペーサーには区画番号を記入しておく。  配置したら、その上に根太を置いて高さを確認する。

高さが揃ったら、根太ごとスペーサーを床にビスで固定する。  繋ぎ目は段差出やすいので、削るかスペーサーを入れ微調整する。





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