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田舎のトイレは汲み取り式

 田舎の汲み取り式トイレの場合、排泄物は「汲み取りタンク」に一時貯蔵され、ため込まれた汚物は定期的に汲み取り作業をしなければなりません。    昔はバケツなどを用いて人の手作業でため込まれた汚物をかきだしていましたが、現在はバキュームカーで吸引する仕法が一般的となっています。

 汲み取り式トイレは、汚物を単に汲み上げただけでは、完全に回収することができません。  抜き取ったあとは便所の中から、 業者のオジさんが「もういいよ~」と言うまで、バケツ何杯分かの水を注ぎ、「汲み取りタンク」内部を清掃しなければなりません。

 バキュームカー料金は、居住している人数や「汲み取りタンク」の大きさにもよりますが、2ヶ月に1回程度の頻度で来てもらい、毎回2千円ちょっと、というのが都会で言えば「下水道使用料」というわけです。

 汲み取り式トイレの欠点には、臭いがキツい、というのもあり、これが苦手な若者も多いです。  汲み取り式トイレの臭いは、強い刺激臭を放つため通常の消臭剤では臭いの根源を断つことが難しいとされます。

 汲み取りトイレのおすすめ消臭グッズとしては、バクテリアを使ったバイオ消臭グッズがあります。  これは消臭剤と変わらず、 トイレ内に設置するタイプで、バイオの力で汲み取りトイレの匂いを消臭してくれるそうです。   即効性はないそうですが、菌を根本から除去して、臭いの発生源をなくすので、汲み取りトイレには有効かも。


  

下水道設備がない田舎でトイレを水洗にしたい

 地下に下水道が設置されている地域であれば、水洗トイレを設置して排水管を下水へ設置すれば、工事は終わります。  しかし、田舎は下水道設備がないエリアの方が多いため、この方法は使えません。    水洗にしたかったら自前の浄化槽を取り付けるケースも出てきます。

 浄化槽とは、微生物の浄化作用によって汚水を綺麗に生まれ変わらせ、再び自然界へ放出させる循環ルートを設けるもので、汲み取り作業は必要ありません。  ただし、 定期的なメンテナンスを行う必要があるため、その費用も掛かりますし、立地や周辺環境の条件によっては、浄化槽の取り付け工事ができないこともあります。

 そういったケースでは、残念ながら普通の水洗トイレの設置は諦めるしかありません。  しかし、簡易水洗トイレなら、汲み取り式トイレの構造はそのままに、水洗トイレへの交換が対応可能かもしれません。


  

簡易水洗トイレ

 下水道設備もなく、浄化槽も設置できないが、水洗式のトイレは使いたいという場合、水洗式便所に近い実用性が得られる、 簡易水洗トイレ(簡易水洗式便所)というタイプがあります。   このトイレは便槽と便座の間に排泄ボウルがあり、一旦排泄ボウルに留まった排泄物は、排水操作による少量の水で、 流排泄ボウルについた残存物が流され、便槽に落下していきます。

 見た目は一般的な水洗トイレですが、トイレから流した排泄物は自宅敷地内の「汲み取りタンク」(便槽)に溜まる仕組みになっています。

 また、臭いに関しても、田舎のボットン便所「汲み取りトイレ」は、便器側から「汲み取りタンク」の便槽が丸見えで、それに伴い臭いが立ち上ってきてしまいますが、簡易水洗トイレは一般的な水洗トイレほどではありませんか、 便器と便槽の間をフラッパー弁などで遮断・密閉するので、「汲み取りトイレ」よりは便槽から立ち上ってくる臭いや、ハエなど虫の侵入を防ぐ事ができるため、衛生面でも優れています。

▼ 簡易水洗トイレのタイプ ▼




  

「汲み取りタンク」を大きくする

 ただし、水洗式トイレにすると、排泄物を流す際、水も使用します。  一般的な水洗トイレでは排泄物を流す際、1回あたり~5ℓの水が必要とされますから、 家族が多くトイレの使用頻度が高かったり、ウォッシュレット機能を搭載したりすると、すぐ「汲み取りタンク」が一杯になり、汲み取り費用がかなり嵩むこととなります。

 その点、簡易水洗トイレは1回あたり約500ml程度で流せるというメリットもあり、一般的な水洗トイレよりは汲み取り費用はある程度押さえられます。       ただ、ボットン便所よりは当然高くはなるでしょう。

 「汲み取りタンク」で水洗トイレを気兼ねなく使いたい場合、タンクのサイズを現在のものより大きなタンクに取り換える方法があります。    目安として、 1人×100リットルとして、4人家族なら400リッター程度がいいでしょう。  給排水管工事は資格を持った人しか行えず、基本的には自治体の指定工事店でないとできません。

 塩素系洗剤は汚れを落とす力が強いため、ピカピカに掃除をする事ができます。  しかし、パッキンなどが変形する恐れがあり、頻繁に使用すると劣化が進み水漏れに繋がる可能性もあります。

 トイレやキッチンなど、排水管は複数通っていますが、これらの排水管が合流し、一カ所にまとまる場所が「排水桝(排水マス)」です。  排水桝は庭などに設置されていることが多く、ふたが地表に露出しているので、 見かけることもあります。

 最近のものは、排水管と同じ塩化ビニルでできているものが増えていますが、昔の古いタイプの排水桝はコンクリート製で、幅が約30~40センチあり、四角や丸い形のものがあります。


 

排水管の勾配の付け方や基準

   

汚水管の太さと勾配基準
排水人口 管径 勾配
150人未満 100mm以上 2/100以上(100cmで2cm下がる)

2/100勾配の時、540cmだと何cm下げればいいかの計算式例。

「2 : 100 = X : 540」⇒「100X = 2×540」⇒「X = 2×540÷100」⇒「X = 10.8」⇒ 10.8cm

▼ 排水管工事の注意点 ▼





トイレ交換の基礎知識

  ▼ 必要工具・用品 ▼



     
【トイレ交換のポイント・排水管の位置】

20年以上前は、壁からトイレ排水管芯までの長さは各社バラバラで、壁の面から370~420mmmだった。

最近は200mmが一般的となっており、便器交換する場合、既存の排水管から、新規の排水管位置まで、排水管を延長する工事が必要になる。

ただし、トイレルームが広く、壁から便座が離れるのが問題にならなかったら、既存排水管をそのまま利用するのもあり。

また、排水芯の壁からの距離によって利用できる便器がきまるが、大掛かりな排水管延長の工事が不要の、付属の排水アジャスターを使う「リフォーム便器」というものがある。
【最近の一般的なトイレ排水管】

壁から排水管芯までの距離が、200mmであれば、「リフォーム便器」を使う必要はない。

しかし、20年以上前に設置したトイレは、距離が200mm以上あるため、最新の便器へ交換するには、排水管の位置を、新しい便器に合わせ変更(延長)する工事が必要。

【「リフォーム便器」を使わず一般トイレを使う床工事】

新しい便器の排水管位置へ、既存の排水管を繋ぐためには、床を一部剥がし、既存の排水管を伸ばす必要がある。

排水管(塩ビ管)のカットは、床下に入って作業できれば楽だが、一般家庭では既存の排水管に手が届く大きさになるよう、床板を丸鋸で四角く開ける必要がある。(木造の場合)

また、新しいトイレの排水管の径に合わせ、床に排水管を通す丸い穴を開ける必要もある。

根太に床板が乗るよう、切り抜く。  塞ぐとき床下の補強も行っておく。  ついでに床のリフォームを行い、掃除が楽な防カビのクッションフロアを貼っておく。
【排水管の連結作業】

「リフォーム便器」を使わず、一般的な便器を利用する場合、排水管の延長工事を行う必要がある。

既存の排水管を途中でカットし、90度エルボを2個使い、既存排水管から延長パイプを使い、新しいトイレの排水管位置に合うよう、長さを変えてやる。

床工事は、大掛かりなものではない限り、床の改修工事・クッションフロアの貼り替えまで含め、1~3万円前後かかるとされる。  それ以外に、トイレ設置工事費は2万円以内が相場。

【トイレのフランジ】

便器交換工事を行うとき一番厄介なのが、既存フランジ(便器と排水パイプを繋ぐ接続部品)の形状が、各メーカー毎に異なるため、 そのまま接続できないこと。  さらに、便器を外してみないと、既存フランジがどうなっているのか、排水管のサイズはどうかなど判らない。

しかも、古いフランジは排水管にガッチリ接着され、引っ張ったくらいでは外せない。  これがトイレ交換の最難関。  古いフランジが使えるなら、 フランジと便器の接合部に、ドーナツ型のガスケット(パッキン)を装着するだけで済む。

フランジは別売で、便器に同梱されてこない。 フランジ径は、排水パイプの大きさによって異なり、一般的には75、古いトイレは100の場合がある。
【交換フランジ】

一般的なフランジ。 画像は「三栄水栓 トイレ用 床フランジ 大便器用  呼び75配管用 H80-8-75 」。

パッキンは交換便器に付属してくるものを使う。    フランジとアダプタのセットを一緒に購入しておくと助かる。 TOTOは「T53WR75またはT53WR100」。

排水管にフランジを差し込む。  接着剤は不要と言う説もあるが、漏水や匂い対策でやった方が無難。   その後トイレ床にネジ留めする。 
【フランジの構造と撤去方法】

フランジは円盤の形をした継手部品で、上部がビスでトイレの床に固定され、さらにボルトにより便器と接続するようになっている。  床下では排水管の内側に差し込むように接続されている。

既存のフランジ傘と床の隙間にバールを差し込み、浮かせ根元から切り落とす。  作業の前に、排水管内に異物が入らないように、トイレットペーパーか、 新聞紙をひもで結わえたものなどを管内部に差し込んでおく。

排水管の内側に嵌まり残っているフランジは、排水管を傷つけないよう、引き回し用ノコギリで一か所縦にカットし、ヒートガンで熱して剥ぎ取る。
【一般トイレは排水部の塩ビ管を立ち上げる】

リモデル便器の場合は、一部を除いて必要ないが、TOTOの排水芯200mmの一般便器を取り付ける場合、排水管の塩ビ管を60mmほど立ち上げる必要がある。

TOTOでは、60mm立ち上げ用アダプターというのを販売している(品番・HH01001R)。 

【リフォーム用トイレ(リフォーム便器)】

既存の排水管と、新しいトイレの排水管位置が離れている場合、「リフォーム用トイレ」に付属する「排水アジャスター」を使い、排水パイプの長さを加工調整できる。

TOTOは「リモデル便器」、リクシルは「リトイレ」というリフォーム用便器がある。  タンクレストイレは、電気で水を流すので、東日本大震災で停電時に流せない問題が浮き彫りになった。

リフォーム便器はパイプ詰まりが心配で、価格は一般トイレより1万円ほど高いが、全体的な工事費は安くなり、工事時間も短いので1日でトイレリフォームを完成させる時にはおすすめ。

【リフォーム用トイレ・排水アジャスター】

リフォーム用トイレには、既存の排水管と、新しいトイレの排水管を繋ぐ、「排水アジャスター」(アダプター)が付属してくる。

排水管同士の途中に、適正長さにカットしたパイプを接続することで、壁から排水芯までの距離が305~540mmの範囲であれば、取り付け可能になっている。

ソケット式と呼ばれるこのタイプは、排水ソケット(排水アジャスター)のパッキンが経年劣化で変形することがあり、トイレ便器と床の接地面からじわじわと水が漏れ出す場合がある。






リフォーム便器によるトイレ交換工事

     
【タンクの撤去】

水道元栓を閉めておく⇒止水栓の元栓を閉めておく⇒タンク内の水を排水しておく。  止水栓は水周りの工事や修理時に、一時的に給水を止めることができるように備え付けられている栓。

ウオッシュレットに接続されているホースを取り外す⇒ウオッシュレット内にある水を、ドレンボルトを緩めて排水しておく。

タンクの給水管を外す⇒タンク下の便器に固定されている取付ネジを外し、タンクをまっすぐ上に持ち上げ撤去。

ウオッシュレットに接続されているホースを取り外したら、便座を手前に引き出し取り外す。

【既存便器の撤去】

バケツを用意し、便器に残っている水をポンプで抜く。  便器を床に固定している両サイドのボルトと、(ついていれば)前側のビスを抜き、便器を取り外す⇒固くて外れない場合、グリグリ便器を回すようにする。

既存の排水管が壁から200mmで、フランジが使えるなら、一般便器の取付作業へ。 フランジは新品に交換するのが一般的。

壁から離れている場合、「リフォーム用トイレ」を使い、既存のフランジ(排水管と便器の間の部品)と、新しい便器が付属の排水アジャスターを繋ぐ。

どうしても一般の便器を使うなら、既存の排水管位置を移動させる床工事が必要になる。
【止水栓(給水管)の交換】

便器を取り付けてしまうと工事スペースが制限されてしまう場合、止水栓交換作業はこの時点で行っておく。

水道元栓が閉まっているか確認⇒止水栓の元栓を閉めておく。

(新しく交換する場合)プライヤーで給水管をガッチリ掴んで古い止水栓を外す⇒新しい止水栓を取り付ける。

ねじ込み部には、水漏れの原因になるので、必ずシールテープを3~4周巻き付けておく。

基本的に、止水栓はタンクへの給水ラインと、ウオッシュレツトに行く側と、2系統ある。

【リフォーム用トイレの排水アジャスター加工】

排水管同士の途中に、適正長さにカットしたパイプを接続することで、壁から排水芯までの距離が305~540mmの範囲であれば、取り付け可能になっている。

付属の型紙を設置位置に当て、既存の排水管と新しいトイレの排水管位置を確認し、取扱説明書に従い、アジャスターを適正位置に配置する。

既存の排水管の芯々ラインを、床に記しておく(画像の場合横に引く)。  このラインは連結パイプを正確に切断する基準線となる。

接続パイプは、壁からの長さによって、自分でノコギリで切る必要がある。  便器の前側を固定する部品も床に取り付けておく。
【排水アジャスター組み立て・トイレの設置】

連結パイプを適正長さにカットしたら、接着剤を付ける前に、一度組み立てて、長さが型紙通り適正か確認しておく。  パイプ同士を連結させる塩ビ用接着剤(エスロン)は、一旦接着すると外すことはできない。

排水アジャスターを組み立てる。  既存の排水管に差し込むパイプには、付属のパっキン(ガスケット)を入れ込んでおく。

型紙には、便器を床に固定させるネジ穴の位置が記されている。 その位置にドリルで下穴を開けたら、便器を据え付け、床にボルト止め。

陶器製はボルトの締め付け過ぎには注意。  最後の締め付けは手で行うこと。

【新しいタンクの取付】

取扱説明書に従い、付属の給水ホースや各パーツをタンクにセットしておく。  パーツによっては、便器に据え付け後に取り付けるものもある。

タンクを真っすぐにしたまま、便器に乗せ、下からボルト止めする。  陶器製はボルトの締め付け過ぎには注意。  最後の締め付けは手で行うこと。

止水栓にホースを接続しクリップで止める。  取説の手順に従い、止水栓を開けてロータンクに流れる水量の調整と、満水でキチンと給水がストップするか確認しておく。

今回取り付けるのは、TOTOピュアレストEX(手洗なし)。
【便座の据え付け】

取扱説明書に従い、便座(ウオッシュレット)を取り付けるベースプレート(固定ヒンジ)を便器に取り付け、便座をボルト止めする。

ウオッシュレットに付属の吸水ホースを、止水栓に接続しクリップで止める。

便座を温める電気のラインも、コンセントに接続する。

操作パネルが壁付けの場合は、取説に従い取り付ける。








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