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見直された「土壁」の強度

 2003年(平成15年)、建築基準法施行令第46条により、1100号第1-5に定められた仕様の施工であれば、これまで「0.5倍」とされていた土壁の壁倍率が、 「1.5倍」までアップされることが決まりました。

 壁倍率「1.5倍」と見なされるには、土塗り壁の壁厚7cm以上などという基準があります。 壁厚5.5cm以上だと1.0倍。   「告示1100号第1-5」には、「貫」を使うことや「竹小舞」、 「土壁の材質」などの細かい規定がありますが、一般的な土壁工事を手がける大工さんや左官屋さんなら、当たり前の中身になっています。

 従来の住宅工事では、筋交いの使用が義務付けられていましたが、この平成15年の建築基準法の改正によって、土壁に強度があると認められたことで、貫を使用した土壁でも家を造れるようになりました。      壁倍率1.5倍は、3cm×9cm角の片筋交いを入れたのと同様の強度であり、貫と土壁だけで建物を設計することもできるわけです。 

 もともと土壁は、動くことで揺れのエネルギーを吸収する柔構造であり、大きな揺れによって、家は揺れ、土壁も崩れたりしますが、倒壊は免れることが多く、建物として修復・継続使用が可能です。

 これに対して、柱間に斜めに取付け、つっぱって動かないことで、揺れに抵抗する筋交いは剛構造で、一回目の揺れには耐えても、複数回の揺れには弱いと言われ、また、大きな揺れによって、 割れたりして損壊し、修復・継続使用が難しくなります。

 筋交いまで破損するようなダメージでは、たとえ修復するにしても、壁構造は新たに作り直す必要がありますが、土壁であれば、そのまま塗りなおせばいいわけです。




鎧張りで外壁を張る

 鎧張りは一般的な杉板を外壁材として釘留めしていけばいいだけなので作業も楽。   また、たとえ外壁材が破損しても、その段の外壁材だけ部分交換で張り替えることができるという手軽さもあり、メンテナンスしやすいのも特長です。

 鎧張りの板材は、ホームセンターで12mm~19mm厚・幅20mm・長さ2000mmの杉板で500円前後(ウッドショック前)で、1㎡あたり1500円程度とかなり低コスト、かつ高耐久なところが強み。  ただ、 木材は火災が心配だが、窯業系サイディングだと防火性能が高い。

 外壁材塗装は、張る前に行う。  裏面は外気にさらされず経年変化が起きにくいのでお好みで。    

【一般的な外壁廻り】

基礎パッキンを入れる場合、「防鼠材」でパッキン部をカバーする。

土台部は水が入り込めば腐ってしまう。  合板・シート・水切でカバーしておくこと。







【鎧張りの下地に胴縁は不要?】

金属系や窯業系サイディングの外壁材で外壁をスッポリ覆う場合、空気層を確保するためシートと外壁の間に胴縁を廻し隙間を設けるのが一般的。

もともと風通しのいい鎧張りでは、胴縁は使わずに打ち付けるやり方もあるが、胴縁はシートの継ぎ目を抑える役目もある。

外壁をつたって土台に雨水が流れ込まない構造であれば、水切り不要とされているが、台風のような横殴りの豪雨でも水が侵入しないよう、 水切りは必要。
【鎧張り(下見張り)の外壁の角の収まり】

先端を斜めにカットした板同士を互い違いに合わせ、角を作り組んでいく上級者向けの方法がある。

ただ、組み合わせた角を隠さない工法は、一枚ずつ角度を測りカットして壁板の先端をピッタリ合わせる必要があり、加工が面倒。
【L字に組んだ板でコーナーをカバー】

初心向きのL字で板を組んだコーナー材でかぶせて目隠しする簡単な方法が楽。

出隅部の組み合わせ部分を、L字に組んだコーナー材でスッポリ覆い目隠しする。

初心者が鎧張り(下見張り)で外壁を施工する場合は、こちらの方法がオススメ。  簡単で早く見た目よく施工できる。
【スターターの貼り付け】

このスターターの厚みによって、最底辺に最初に打つ板の角度が決まる。

好みの角度に合わせた適当な厚みの材を使う。  ただし全周分、同じ厚さの長さ分用意する。

スターターと一段目下端は、水切り金物と少し隙間を開けて張る。  水切り金物とピッタリつけてしまうと木が水を吸って腐りやすくなる。
【壁板を張り付けていく】

2枚目以降は、下の材の上端と上の板の下端の重なり代が、30mmほどになるようにして、後はひたすら釘打ちしていく。  板材長さは、曲がりやねじれが出るので、2m以下が扱いやすい。

同じラインに板のつなぎ合わせ目が揃わないよう、ズラして張った方が見た目が良い。  板の重なりが自動的に30mmになるような『高さ決め治具』があると便利。

板の張る面は、木裏(木の中心側)が外側にくるようにする。  木表側に反るので、木表を外側にしてしまうと板が開いてしまう。
【釘の打ち方】

木は伸び縮みするので、 上下に打って板を完全に固定してしまうと、割れてしまう恐れがある。  そのため、下の材との重なり部分のやや上に一か所だけ打つ。

上部に打って吊り下げるやり方でも良さそうだけど、重なり部分に打つのが一般的のよう。  上に打つと強風で下がバタバタするからか。

釘が目立たないようにするには、黒いコーススレッドを使う。  手持ちのネイラーは50mmまでの釘しか打てないのでN50(=普通の50mmの鉄丸釘)を使う。
【一人作業用の便利治具】

長い板材を一人で支えながら、壁に釘止めしていくのは大変。

一人作業の時には、張る板の片方を一時的に受け止められる、フックのような『支え治具』があると便利。  下板の端にこの支え治具をかけ、上の板を乗せておけば作業が楽になる。

支え治具は重なり代が30mm間隔になるよう造っておくと定規にもなる。
【本実接ぎによる縦張り外壁】

横に張る鎧張り以外に、縦に板材を張っていく方法もある。  片側は凸、反対側は凹に加工された壁板を使い、前の板の凸に次の板の凹の部分をはめ込んでいく。

胴縁に木工用ボンドで外壁を留めたあと、表に出ないように隠しくぎを打って板を止めていく。  縦張りの場合、胴縁は横向きに配置される。

壁板の長さは普通は3mだが、5mという長さもある。
【壁板上部の収め枠】

胴縁に打ち付けるだけでなく、上部に外壁を収める溝を設けておく。



【目板張り】

本実接ぎ以外にも単純に突合せで張っていき、最後に隙間に「目板張り」を張り収める方法もある。

ただ、目板分全てを釘一本ずつを手打ちしていく必要があるので大変。

張り終えたら、下見板から7mm伸ばした位置でカットする。



耐震・構造用合板規格

 「シングル筋交い」は2培、「ダブル筋交い」は4培強度がある。 構造用合板は、薄い木と木を接着剤で張り合わせており、接着剤は湿気を通さないため濡れるとボンドの寿命が短くなるので、目に見えて簡単に改修出来る部分に使うのは良いが、 見えない場所には使わないこと。  使う場合は出来るだけ濡らさないよう養生する。

構造用MDF(木造住宅 耐力壁下地用面材)という耐震・耐水・透湿の者もあるる  ホクシン(株)製。  室内の間仕切りに使うときは太鼓張り(両側に張る)にすると耐震強度が上がる。

DAIKEN 壁大将。


外壁の下見板張り

 下見板は、一般に製材所で製材した12㎜×210mmの寸法に挽いた、2年以上自然乾燥で乾かした杉板。   下見板は12mm以上の厚みがあり、プレーナーで仕上げて11mm程度になる。     幅を揃えて張る場合、側面にもプレーナーをかける。

 砂落とし(端切り)は高く積み上げておきチェーンソーで一気に落とす方が早くて楽。      

【外壁下地材の張り付け】

硬い断熱材を使用する場合、両端が止まる間柱部分以外の外壁下地材に釘は打たないでおく。  理由は「内壁施工」参照。

吉野石膏の「タイガーEXハイパー」は外壁下地として耐力壁となってくれる。 固定釘は専用のものを使う。



【透湿防水シートを張る】


外壁下地を張り終えたら、その上に透湿防水シートを全面隙間なくタッカーで留めていく。  貼り方は下から上へ重ねるように、重ね代はケチらず。

このシートは外部からの雨水を壁内に入れず、壁体内に溜まった湿気を外に出して壁体内結露を防ぐという、 相反する2つの機能を有する優れたシートで、デュポンのタイベックが一択。

万が一の水の侵入を防ぐため、外壁材の内側に張る防水シート(ハウスラップ)は、家を支える土台を30mmほど覆うよう下げて張る。

【通気用の胴縁を張る】

建物の通気性を高めるため、胴縁は縦に配置するのが理想。

この上に下見板用の下地胴縁を張っていく。

使う胴縁は21×45mmの米松。

杉材を下地にすると板の反りで釘が抜けたり、風の振動でも抜けてしまうことがあるが、米松は硬いのでそういうことは少ない。

そのため、わざわざ米松を使う。
【水平胴縁の取付】

通気用胴縁に、下見板の下地となる胴縁を水平に張っていく。

360mmピッチで張る。

【コーナーの胴縁(下地)取り合い】

下地が交叉するコーナーは、隙間が出ないよう図のように一方の胴縁を長くしておく。



【下見板をしゃくる】

プレーナーを通して仕上げたら、下見板の両端を溝切カッターでしゃくる。

しゃくる寸法は、17mm幅で深さは板の半分の厚み。  左右端を裏表にして加工する。



【下見板を張っていく】

左から張っていくのが定番。

下見板を張る釘は、38mmのステンレス丸頭釘(スパイラルリング釘)。  スクリュウだけでなくトゲトゲもついている。





【コーナー部の下見板の突合せ】

コーナー部の飛び出した下見板は、鉛筆でマークし、丸鋸で余分な分を落とす。



【釘の頭を決めるチョークライン】

下見板下地に釘を斜め打ちしたら、糸をかけチョークラインを引く。

このチョークライン通りに釘で固定していく。

釘は下見板左右に、2本ずつ打っていく。  スクリュー釘なのでなかなかピッタリ釘がライン通りに揃わない。



【サッシ枠に綺麗に収める】

下見板の縦張りは、左から順に張っていくのがセオリーだが、サッシ枠に綺麗に収めるよう張り付けすることが可能。

本ザネ加工した板では出来ないが、相じゃくり板の場合はサッシに綺麗に張り付けてから、逆戻りさせつつ張ることもできる。







【下見板の下端をカット】

張り終えたら、レーザーを使い下見板下の余分な部分をカットする。  切り口にはペーパーをかけておく。

下端のカットは丸ノコで一気にやる場合があるが、万が一のことを考え手ノコで挽く。





【角当ての取付】

コーナー部に「角当て」を取り付ける。

「角当て」上端は勾配の軒天に当たるので、屋根の勾配に合わせ先端をカットしヤスリをかけておく。

「角当て」の釘は38mmより長めの50mmステンレス丸頭釘(スパイラルリング釘)を使う。



【「角当て」下端の処理】

「角当て」下端は、下見板より3~4mm長く切り、ヤスリがけしておく。







【廻り縁を打つ】

軒天との取り合いは、少し大きめの廻り縁を打つ。

直射日光がバンバン当たるところでは、板の中心分が割れることがある。  下見板が縮んだ時も杢目の中心が割れる。  それを防止するため、下見板の杢目の中心を廻り縁に写し、廻り縁のその箇所にだけボンドを塗っておく。

その状態で廻り縁を張っておけば、下見板の塗っていない部分だけ縮み、下見板杢目の中心が割れることはなくなる。

下見板の下端にも、割れ止めとしてボンドを端面に塗り付けウェスで拭き取っておく。



【】









外壁の基本構成

 建物の外壁外回りには「筋交い」は入れず、耐力壁として「モイス耐力壁」を張る。 これを張ることで木製の筋交いを入れたときより強度が上がる。  ただし、「モイス耐力壁」だけでは強度が出ない場合は、 「筋交い」を併用する。   一般的には、外壁は「モイス耐力壁」のみ、内壁は木製の「筋交い」を入れる、というのが基本。

 今は補強金物で建物全体をガチガチに固めるのが主流ですが、昔は金物の代わりにホゾ加工を工夫し、込栓を打つなど手の込んだ仕事で建物の強度を少しでも上げる工夫を重ねてきたわけです。    現代は手間はかけずに金物を使って手っ取り早く建てるやり方となっています。  その後も大地震が起こるたび、金物はドンドン増えていくようになり、大工の手間も増えています。 その分頑丈にはなっています。

 建物の水平のねじれ力を弱める「火打ち」でさえ、最近は「鋼製火打ち」が多用されています。  木製火打ちに比べ容積が1/3ほどの「鋼製火打ち」の方が、現代の様々なデザインの建物には使いやすいのでしょう。

 木造軸組みの外壁に耐力壁として張る構造用合板は、薄い板を接着剤で何層にも貼り合わせて合板を構成しています。   構造用合板は接着剤の耐久性によって特類と1類に分けられ、 特類は接着剤の耐久性が確保されているので、外壁や屋根の下地材として利用され、1類は、防水処理された外壁、屋根、間仕切り壁、床の下地として利用されています。

 接着剤は湿気が大敵とされており、雨ざらしになった構造用合板は、接着剤が剥がれすぐブヨブヨになってしまいます。

というわけで、台所とか風呂場の水回り口に使う構造用合板は劣化が進みやすいので、外壁に使う場合も、湿気対策はしっかり行うことが重要です。

また、接着剤には寿命があり劣化していくため、一般的に構造用合板の寿命は25~30年とされています。

 構造用合板を外壁の耐力壁として使う場合、作業の手間を考えれば、筋交いを入れず、高倍率構造用合板にはCN50釘(太め鉄丸釘)、一般の構造用合板にはN50釘(鉄丸釘)を使い、 150mm間隔で打ち込む構造用合板だけ使った壁工法の方が楽。   ただし、筋交いは突っ張り強度と引っ張り強度を持つが、構造用合板は引っ張り強度しかないので、 釘は打ち込みすぎてはいけない、規定間隔で打つ、など細かい規定がありますが、手抜きしない限り、シロウト工事でも安心で合理的。

 ただし、構造用合板の両端サイドに、ガツチリ固定できる柱があることは絶対条件。  古民家は壁がもろいというデメリットがあるとされるので、 柱と梁の間に耐力壁を設置して耐震力を高める、というのは有効かも。  ただ、筋交いであれ、構造用合板であれ、いずれも揺れでは柱頭柱脚に引抜きが起こるので、ホールダウン金物等は絶対必要とされます。(2022.8.12)




外壁・外側の基本構造

【外壁の基本構造・内部から見る】

というのが基本となっています。

【外壁の内側の基本構造】






外壁用間柱の施工

 「間柱」は家の構造を支える柱ではなく、外壁下地材の受け材となり壁を支える柱。   耐火ボードを張ってしまえば見えなくなる。  設置間隔の基本は芯々で455mm。    重いサッシ枠台など乗せる場合、間隔を狭くし、外壁が厚く変形しにくいなら、間隔を455mmより広げることも可能。

 間柱の寸法は、木造軸組構法の家で壁の柱が140mm角なら、「間柱」の奥行きも140mmに近い数値にする。 幅は30~50mm程度。 耐力壁としたかったら最低40mmは必要。     木材は杉材の30×105×3000mm、または30×120×3000mmがよく使われる。     「筋交い」と「間柱」の取り合いは、「筋交い」を優先し「間柱」を欠く。

 マンションのリノベーションで間柱を使った壁を新たに備える場合、天井高さによってサイズが多少変わるが、一般的に幅30mm、奥行きが40mm。  軽量鉄骨製の建物だと、 角型鋼管又は広幅H形鋼の幅が100×100~200×200mm程度なので、間柱もそれに合わせる。

  【間柱を立てていく手順】




横架材(おうかざい)

 垂直に立つ柱や束などの部材ではなく、横向きに渡している桁や梁などの、主として縦長断面で構造を担う太い部材を、まとめて「横架材」と呼び、細物は横架材とは呼ばない。

 さらに、建築物の構造上重要な役割を果たしている部分は「主要構造部」と定義され、そこに使われる材料を「主要構造材」と呼び、梁もそのひとつ。    桁、棟木、母屋、胴差などはその他の主な横架材とされる。

 建築法では、「はり、けた、その他これに類するもの」の構造部材全般が「横架材」。

 基本的に、「横架材」は下に空間を持つ部材を指し、土台も横使いされているが、横架材とは呼ばない。  構造部材としての横架材は、建築基準法施行令によって、中央部付近の下側には耐力上支障が出るような欠込みをしないよう定められている。      欠込みを禁止していないが、耐力上支障のないようにしなければならず、 また欠込みしたうえで補強し耐力を上げる、ということは禁止。

  【横架材の種類】




間柱・構造用合板規格

 間柱は、壁の下地材や下地受け材となる柱で、基本的に455mm間隔で設置する。  場合によっては300~450mm程度、外壁が厚く変形しにくいなら、間隔を広げることも可能。

 間柱のサイズは、木造軸組構法の家で140mm角の柱がある壁なら、奥行きは140mmに近い数値にする。 幅は30~50mm程度。  「筋交い」と「間柱」の取り合いは、「筋交い」を優先し「間柱」を欠く。

 マンションのリノベーションで間柱を使った壁を新たに備える場合、天井高さによってサイズが多少変わるが、一般的に幅30mm、奥行きが40mm。  軽量鉄骨製の建物だと、 角型鋼管又は広幅H形鋼の幅が100×100~200×200mm程度なので、間柱もそれに合わせる。    

【竹小舞土壁はこのまま使いたい】

この壁の外側が外壁となっている。

せっかくの古民家の竹小舞土壁を、そのまま壊すのももったいない。

今回は内側の壊れかけている壁面は撤去するが、できれば竹小舞土壁はこのままにして壁板で覆いたい。

ただ、隙間風防止のため、羽目板を張る前に、断熱材は入れておきたい。

【外壁に構造用合板を張る】

外壁に面した柱・間柱に、外壁下地として構造用合板を張り付けていく。  厚みは一般的には9mm、奮発して12mm。 910×3000mmが多い。

軸組工法でも家の外側すべて合板を張って『耐力壁』とするメーカーが増えている。  柱の間に断熱材を入るが、 筋交いがあると邪魔という理由で構造用合板だけで耐力壁とするケースもある。

45×90mm断面の筋交いの「壁倍率」は2.0とされる。 一方、厚さ7.5mm以上の構造用合板を使用した「壁倍率」は2.5。  さらに、筋交いと違って効き目の方向性も無い。
【間柱に構造用合板を打ち付ける】

基礎パッキンの上から桁の芯まで張るのが基本。  外側から間柱に構造用合板を張る際、間柱がたわんだ状態のまま固定されないよう、 内側から補強材を仮留めし間柱が動かないようにしておく。

間柱は材を所定の長さにカットして横から挿し込み、斜め釘打ち、またはビス留めするのが基本。

【治具を使い正確な位置に合板を合わせる】

重い壁材を一人で貼っていく場合、なかなか位置決めするのは大変。

重い大きな構造用合板が、下にズリ落ちないよう、また垂直が狂わないよう、土台と柱側面に予め固定治具を仮留めしておき、合板をその上に乗せ固定していく。

合板を固定する釘は、高倍率構造用合板にはCN50釘(太め鉄丸釘)、一般の構造用合板にはN50釘(鉄丸釘)を使い、150mm間隔で打っていく。 パンチング(釘を打ち込みすぎる)に注意。
【高さ固定用の専用治具(ストッパー)を作る】

ストッパーをいちいち仮止めして作業したくない、または一定の高さに揃えたいときは、専用治具を作るほうが便利。

これを作業箇所ごとに移動させていけば、作業が簡単になる。

外壁下の縁は土台下端(基礎天端)と面一にせず、10mmほど上にあげて設置する。
【ストッパーの活用】

間柱の厚みは、構造用合板の端が確実に釘止めできるよう、柱幅に合わせる。

外壁に張る構造用合板端は、間柱の芯々にくるよう配置。

サッシの入るまぐさ周り、一番下の土台部分には、合板を乗せるストッパーを設置しておくと、一人作業でも楽。 まぐさ部分のストッパーは面一になるよう当ててもよい。

【耐力壁合板と柱・間柱の釘打ち代】

構造用合板は引っ張り強度しか保てない。  外壁を貼っていく場合、継ぎ目の釘打ち代(くぎうちしろ)が狭い、もしくは無いと耐力壁を構成できない、

外壁を耐力壁として機能させるためには、合板の継ぎ目部には必ず幅の広柱または間柱が来るように配置する。  和風住宅で基準にする柱間隔の単位を間(けん)といい、 1間は6尺(1820mm)、畳の長辺長さ。
【規格品外壁が使えない施工例】

910mm幅の規格品外壁を使った場合、左側の継ぎ目の釘打ち代が無いケース。

この場合、壁材を間柱に合わせ加工する必要があり、施工が面倒になる。 今回は柱の位置に合わせ、面倒でもカットしていく。





透湿防水シートを貼る

 透湿防水シートを貼るのは通常大工さんが行うのが一般的だが、工務店によっては外壁屋さんが貼るケースもある。   この場合外壁を張るまでの期間が数か月かかる場合もあり、 その間外壁は防水もされておらず長期間雨風に晒されてしまう。

 そうなってしまうと、下地材は雨を含み曲がりが生じ、耐震性にも悪影響を与えるし、なにより壁が湿気を吸ってしまい、後にカビの発生原因にもなってしまう。      

【透湿防水シートを張る】


外壁下地を張り終えたら、その上に透湿防水シートを全面隙間なくタッカーで留めていく。  貼り方は下から上へ重ねるように、重ね代はケチらず。

このシートは外部からの雨水を壁内に入れず、壁体内に溜まった湿気を外に出して壁体内結露を防ぐという、 相反する2つの機能を有する優れたシートで、デュポンのタイベックが一択。

万が一の水の侵入を防ぐため、外壁材の内側に張る防水シート(ハウスラップ)は、家を支える土台を30mmほど覆うよう下げて張る。
【サッシ周りのシート貼りは念入りに】

ケチらずシートの重ね代は十分余裕をもって貼っていく。

貼れない場所や切り込み箇所は、後で片面防水テープで塞いでおく。

カット後はサッシ周りを両面防水テープでしっかり抑える。

【縦胴縁でシートを抑える】

張り終えたシートを縦胴縁で押さえ、最後に外壁材を貼る、というのが外壁の基本構成。  胴縁(どうぶち)は、透湿防水シートと外壁材の間に設置し、その厚みが通気層となる。

18mm以上の空間を取れば、通気層として有効。  胴縁寸法は(18/21×45mm)とか1分(3mm)刻みで厚み寸法がある。 杉は釘が効かないので米松がいい。

板張りの外壁の場合、最近は12.5mm厚ボードを外壁下地に使うので、胴縁は不要になりつつある。




胴縁を張る

 透湿防水シートを抑え、外壁材を固定する下地となるのが「外胴縁」。    昔の隙間だらけの家と違い、現代の住宅は気密性が格段に向上しているため、多湿気候の日本の家屋は、暑さ対策としても家の通気性は非常に大事なポイント。  外壁の湿気対策も必須であり、 以前であれば胴縁は壁の下地、という程度の認識だったが、現代では胴縁は通気性を左右する重要な部材としても捉えられている。

 胴縁の張り方は、外壁の張り方により、横胴縁と縦胴縁があるが、上昇気流の関係で、縦張りは通気性に有利。  昔は胴縁について、通気性を確保しつつ外壁の下地になるという発想がなかったため、 現代においても相変わらず胴縁は横桟で通す職人もいる。

 横胴縁でも、短くして互い違いにズラして張り、最上端と最下端には、半円に切れ込みが入った胴縁を配置しているケースもあるが、あまり効果的ではないとされる。    横胴縁でもすべての胴縁を、切れ込みが入った部材にすれば多少改善できるが、高価になる。   どちらの張り方でも、下の隙間から生物が侵入して来ないよう、金網等でガードする必要がある。

     

【胴縁で空気層をつくる】


外壁内の水蒸気は、通気層の空気の流れで排出されるように胴縁を設ける。 サッシ廻りと天井付近は、特に通気性が重要。

透湿防水シートを抑え、外壁材を固定する下地となる胴縁は、空気の通り道の役目も果たす。

壁下から入る空気が、天井までスムーズに抜けていくよう、空気の通り道を、胴縁を使ってうまく張っていく必要がある。

縦に外壁を貼っていくときは、まず縦胴縁を入れ通気層を確保し、横胴縁を入れる。
【横胴縁の施工について】


煙突効果による上昇気流の関係で、縦胴縁の方が通気性に有利。  構造的に横胴縁施工だと、どうしても下から上にのぼる空気の流れが阻害されてしまう。

横胴縁でも湿気を滞留させておかないように、横に張る材を短くして、縦方向に抜ける通気孔を設けることで、多少は通気性が確保できる。

通気層は縦一直線となるようにし、隙間は30mm開けておく。
【開口部の胴縁の施工方法】


開口部の縦の通気経路は、開口部の横材によりどうしても遮断され、湿気が抜けず溜まってしまう。

そうなると外壁材に苔が生えてしまう。 また、冬場の凍結により外壁材の割れが発生してしまう。

通気経路と排水経路を確保するため、空気が滞留しないように胴縁の配置は角を密着させず、胴縁同士の端を30mm程度ずつ開けておく。
【出隅・入隅部分は胴縁をダブルで配置】

出隅・入隅・ジョイント部分は、外壁材を確実に固定させるため、胴縁を二本打ちして、胴縁幅は90mm以上にしておく。

胴縁を固定する釘は38mmサイズで、ピッチは500mm以下で固定。

端に釘打ちすると割れが起きるので、予め下穴を開けてから釘打ち。

【空気層は胴縁でつくる】


外壁が横張りか縦張りによって、胴縁も縦胴縁か横胴縁か決まる。

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外壁は何を使うか

 外壁には窯業系・金属系・塗り壁系など様々な素材があり、8割が窯業系サイディングを使っているといいます。  その一方、施工率1%足らずの木材外壁は、 いまだに人気があり、住宅メーカーでも杉板外壁が一番需要がある、というところもあるそうです。

 ただ、木質外壁にすると防火の観点から下地に防火性能の高い部材を併用しなければならない決まりがあるため、簡単に使えないという事情もあるようです。

 一方、窯業系は表面塗装が劣化してチョーキングが発生すると、サイディング自体が次第に水分を吸い込んでしまい、冬場に凍り付いて膨張し最悪ひび割れを起こしてしまいます。

 コスト的には窯業系・金属系を100とすると、木質は150とかなり割高となるようです。 ただ、窯業系は10年単位で塗装しないと劣化が進むとされますが、杉板などは塗装費用は掛かりませんから、 メンテナンスコストで比較すると、木材外壁のほうが優れています。

 木材外壁は、古刹神社などでも分かるように、屋根なしの雨ざらしにでもしない、限り半永久的に腐らないとも言います。  ただ、川のそばとか地面にコケが生えているような立地では、 ライトグレーなど色付きのキシラデコールどでしっかり防腐処理を行うことが必要です。  

【木質外壁の張り方種類】




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