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耐震補強とは

 昭和56年(1981年)の建築基準法改定により、新たな耐震基準が設定され、基礎から土台がめくれないよう、アンカーボルトで基礎と土台を繋ぐとか、 筋交いを入れ金物で補強、ホールダウン金物を入れる、重い屋根瓦を軽い素材にするというのが基本。

 地震で建物が倒壊する原因として、「耐力壁の量が少ない」、「耐力壁の配置バランスが悪い」、「柱が抜ける」がある。  柱と土台をいくらホゾで繋いでいても、激しい揺れでは抜けてしまい効果がない。

 また、天井裏や床下に金物を付けて家屋補強などと謳う業者がいるが、例えば屋根裏の小屋束と棟木をいくら金具でつなごうが、束石と土台を金物でつなごうが、耐震補強には全くならないように、補強する箇所が重要になる。

 一般的に、筋交い耐力壁の壁倍率は1.9。  面材耐力壁は3.6。 FPウレタンパネル耐力壁は6.5とされている。  ただし、止める釘の長さ、ピッチに大きく左右されるので施工は注意。(2024.1.30)

  

古民家リフォーム・基礎石の補強

  今回の古民家リフォームでの基礎工事は、「基礎石(束石)」のグルリ4面に各2箇所ずつ穴を空け、そこに鉄筋を差込み、周りを四角枠で囲みその中にコンクリートを流し込む、という方法で 「束石」をより頑丈に地面に固定します。

 そして、相変わらず束柱は「基礎石」に固定させず、ただ乗せるだけでフリーにしておく、という従来のスタイルを踏襲します。

 これなら床下全体に大量のコンクリートを流し込む、などという大掛かりな土台基礎工事の必要もありませんし、従来よりも「基礎石」基礎の強度をアップさせ、 かつ古来よりの免震機能もそのまま確保できる、という良いトコどりの工事で済みます。

なにせ、アノ3.11大震災では震源地近くで大地震の直撃を受けましたが、ビクともしなかった古民家ですから、そこにこの工事を行えば、 基礎に関してはマサに鬼に金棒の家となるでしょう。

「玉石建て構法」に対する耐震補強策。




古民家リフォームでは筋交いを入れるな?

 現代の建築工法においては、一般的に耐震性から言えば、ダブル筋交いを使うと、壁倍率は4倍となり、 構造用合板を使うより耐震性はアップするとされます。  一方で、在来工法で標準となっている「筋交い」は、 一定の負荷をオーバーすると破壊され急激に耐力を失うとされます。

 筋交い使用の規定が定められたのは1919年(大正8年)頃とされ、古民家にも一部に筋交いを使ったものは存在するようですが、そもそも、 本物の古民家は地面と土台を固定していない、地震の揺れを吸収する柔構造の伝統構法で建てられており、 建物を地震から守るとされる筋交いなど、使われていません。

 昨今は古民家リフォームがブームになっていますが、本物の古民家をリフォームする際、最もヤバそうなのが、 新たに筋交いを入れたり、それまで石に乗っていただけの足元を、コンクリートの基礎を作り土台を地面と固定してしまうやり方。     もともと古民家の土台は地面と固定されておらず、 古民家の基礎は柱が石に乗っているだけです。    地震力を受け流す「免震」という性質を持っていますが、 この時点で免震構造を失ってしまうわけです。

 たしかに、筋交いを増やすと壁力は堅固になりますが、地震の巨大なエネルギーを筋交いが受けることにより、地震の力が土台、柱、桁に集中して伝わり、特に 「柱の上下(柱頭・柱脚)接合部」がダメージを受けます。  つまり、なまじ強固な筋交いを入れたため、 その突っ張り力が、柱を固定している部分を破損してしまうわけです。

 もともと、木材は縦の圧縮には強いが、 横方向にかかる力には強くありません。  つまり、古民家が地震の凄まじい横揺れ(水平荷重)を筋交いが受け止める際、 土台の木材の横を向いている繊維層を「引き裂く力」となってしまい、耐力が限界となった土台の繊維が、「割けるチーズ」のように破壊され、 柱を固定している部分が破損して外れてしまうというわけです。  家の角にある「隅柱(すみばしら)」部分の土台が破壊されては、 どんなに堅固な筋交いが入っていても、もう家を支えることはできません。

 一説では、筋交いを使っていない構造の古民家リフォームにおいて、新規に筋交いの取付工事を行うのは、不完全な補強になることが少なくないとされます。     古民家リフォームで筋交いだけ入れる工事は、「たぶんこの形が一番やばい」とされており、 筋交いを入れるなら建物全体までよほど補強しないとマズイことになりそうです。   また、古民家の「竹小舞い」と呼ばれる荒壁は、 現代の合板や通常の土壁と比べても、最大耐力・粘り強さ(変形性能)の両面で優れた性能を発揮するとされますが、我々のご先祖はそこまで計算していたのです。

 その他にも、「南側に大きな窓があるから、反対側の北側の壁をガチガチに固める」といった、 「家の補強バランス」を無視するリフォームも、家の中に「硬い部分」と「柔らかい部分」が極端に混在することになり、 専門用語で「偏心率(へんしんりつ)が悪い」状態となり、地震の際、家が「ねじ切れるように壊れる」とされます。

  「地震の揺れを受け流す」古民家の耐震性については、いまだ国土交通省が研究している段階であり、諸説入り乱れ確定的なものはなさそうですが、 古民家リフォームの際は、たとえプロでも 「古民家リフォームでは筋交いを入れるな」 説があることに留意する必要があります。(2026.2.27)


筋交いの問題点と構造用合板の使用

 筋交いの最大の問題点は、断熱材が上手く収められないということ。  断熱効果は、断熱材の中に空気をいかに取り込むかで左右されるという。  特にダブル筋交いだと、 断熱材を無理やり狭い隙間に詰め込むことになり、断熱材が圧縮され、ほとんど断熱効果が得られないとされる。

 一方で、構造用合板を使えば理屈上は筋交いの代わりになるが、併用して筋交いでも十分な強度を得ておけば、合板が腐っても安心、という一見もっともな説もある。

   作業の手間を考えれば、筋交いを入れず、N50・釘で150mm間隔で打ち込む構造用合板だけ使った壁工法の方が楽。  古民家は壁がもろいというデメリットがあるとされるので、 柱と梁の間に耐力壁を設置して耐震力を高める、というのは有効かも。

 構造用合板工法は、打ち込みすぎてはいけないなど細かい規定があるが、釘うちを手抜きしない限り、 シロウト工事でも安心で合理的。   ただし、構造用合板の両サイドに、ガツチリ固定できる柱があることは絶対条件。

 基本的に筋交いは柱の少し内側を外面にしておく。  柱と面一にしていると、もし筋交いがねじれた材だと、外に張る石膏ボードを押し出してしまい、割れの原因になるのを防止する。


 古民家の構造は、太い柱や梁(はり)といった軸材(細長い材料)を互いに堅固に組み上げた、全体としては家が大きな鳥籠のような、木造軸組工法で建てられており、 いまなお一戸建て住宅の建設では最も多く採用されている伝統的な工法です。

 角材を組み合わせて構成される木造軸組み構造の最大の利点のひとつが、部材の朽ちた部分だけを切り取り、そこに新しい部材を組み込むことで置き換えられること。

(2022.6.12)




柱の耐震工事

   

【耐力壁を設ける】

耐震壁を設置する部分の直下には、コンクリート基礎を打つことが定められている。
既存の束は撤去し、コンクリート基礎を打つ。
耐力壁は横方向から受ける力に耐えるために必要。

四角く柱を立て、間柱を入れて15mmの合板を張って耐力壁とする。

母屋の四隅にバランスよく耐力壁を配置する。

    
【耐力壁直下には、新規にコンクリート基礎】

新しい基礎は、元々ある基礎に定着させる必要がある。
基礎折り返し部分の長さは、鉄筋の太さの40倍以上の定着長さが必要。




    
【柱の抜けを防止する】

耐力壁として構造用合板を家の四隅に必ず入れるが、柱に抜く力がかかる。

土台と柱の接続部には耐震補強金具を取り付ける。

さらに合板の周りや繋ぎ目に「SRF」を貼り付け、釘を多く打ち込めば耐力がアップする。     
【専用の筋交い金具で固定する】

揺れで柱頭柱脚に引抜きが起こるので、筋交いを固定するホールダウン金物等は絶対必要。

専用金物には、筋かいを柱の側面に固定する2面施工タイプと、筋交いと柱、 横架材の3点で接合する3面施工(ボックス型)タイプがある。  2倍筋交い金具は、ボルトヘッドが四角の形状。

ボックス型を使う場合、柱と横架材を固定していない状態で筋交いを入れるとズレてしまうので、必ず先に柱と横架材を固定しておく。  2倍筋交い金具とは、 強さではなく壁倍率2倍の筋交いに使う、という意味。  金具を留めるボルトヘッドは四角の形状。
【筋交いで耐力壁を構成】

筋交い材の寸法は一般的に30×90mmだが、45×105mmか45×120mmと太いものにしたい。

軸組工法では柱の間隔は、3尺(910mm)・4尺5寸(1365mm)・6尺(1820mm)が基準(1尺=303㎜)。

柱間隔が3尺より狭いと、筋交いはタテ方向の角度が急になり、 6尺より長くなると、ヨコ方向にのびてしまい、圧縮力・引張力ともに有効に働かない。

図の柱間隔は4尺5寸(1365mm)、柱太さ105mm、柱高さ2700mmのケース。  これだと筋交いの長さは2980mmとなり、ギリギリ3000mm以下に収まる。

本来は6尺=6×303mm=1818mmとなるが、区切りよく1820mm。   3尺も正確には909mmだが、これも910mmというように最後は0か5の切りの良い数字でまとめる。
【筋交いの向き、方向】

筋交いは対角線1本のシングルより、2本をクロスさせたダブルのほうが効果はある。  シングル筋交いの場合、筋交いの向きは二階建ての場合は内転び、平屋建ての場合は外転びが基本。    二階建で外転びとなっていると、通し柱の中央、胴差しの欠き込み部分に負担が掛かる。  屋根垂木を仮に筋交い代わりと仮定して考えた場合、互いが逆向きとなりバランスがよい。

筋交いを柱の外側、内側どちらに設置するかの明確な基準は無いが、基本的に同じ側に設置する。
【筋交いの欠込みはしない】

筋交いは間柱(まばしら)と交差するが、 強度を保つため筋交いの欠込みは行わず、間柱側を加工する。

筋交い材には継手を使用できない。  また、筋かいは多ければ多いほど効果が高いという訳ではなく、 バランス良く入れることが重要。

筋交いは垂直部材の柱と横部材の梁の面(つら)に、数本の釘で直接打ち付けて留めたあと、2倍筋交い金具を使い固定する。
【】







耐震金物

   

【柱の固定金具】

土台に穴を開け、この固定金具をビスで固定し、根本を割いた柱を差し込む。

金具と柱の固定は2本の「ドリフトピン」を差し込むので、柱に穴を開けておく。

「カネシン 後付け金物」。
【横方向に使う耐震金具】

土台の両側に横方向につなぐ梁の固定金具。

もう一方は上記柱の固定金具を使う。

    
【梁受け金物】

張りを「梁受け金物」と「羽子板ボルト」のダブルで補強する。



    
【】





    




柱を抜いて桁を補強する



   

【補強梁の仕口形状】

補強梁の仕口は、柱の欠損を減少させるため半欠きにする。

仕口の加工は90mm高さの20mm欠くだけでも十分。

このやり方であれば丸ノコ加工も歯が入る。

欠く部分はキチキチでなくても入れ込んだ後パッキンをかませればいい。 既存梁とのスキマにはパッキンを入れておく。
【補強梁の固定】

既存梁と補強梁は両サイドを構造用合板で固定する。

【】



【】










   

【筋交いの取付け】

筋交いは、建物の耐震性を高める役目をもち、斜め方向に取り付ける部材。

耐力壁を構成するため、スジカイと呼ばれる木材を設置する場合と、構造用合板と呼ばれる板材を貼り付ける2つの方法がある。

軸組が正確なら計算で求めた筋交い長さでカットすれば合うはず。  ただ現実はそこまでシビアに加工出来ないので、上端をカットした状態で下端を墨角部に押し当て、 現物合わせで下端を墨付けしカットするのが一般的。

完全に入ったら、 筋交いと柱を一体化する金物を上下端に取り付け固定することで、耐震性や耐風性の向上が期待できる。
【筋交いはユルユルはダメ】

筋交いはユルユルではなく、少し叩いて入るぐらいが理想。  そのため、上端を最初から奥までキッチリはめ込んでしまうと、角度が大きすぎ下端がキツくて入らなくなる。

筋交い取付けでは、上端は少し引っかかる程度の位置にしておき、下端が少し入ったら、上下を何回かずつ交互に掛矢(木製の大型木槌)で叩きながら、完全にはめ込んでいく。

あらかじめ下端の入り面を、玄能で叩いて角を丸く(木殺し)するか、鉋で削って面取りしておくと入りやすい。   
【筋交い長さは三平方の定理で決まる】

柱の心々寸法4尺5寸(1365mm)、柱高さ2700mm、柱太さ105mmの空間に筋交いを斜めに入れる場合、筋交いの長さは以下の計算で求められる。   なお、 柱と柱の空間寸法は、1365(心々寸法)-105(柱太さ)=1260mmとなる。

筋交いの長さを求める式=√( 柱間の空間寸法の2乗+柱高さの2乗)。
筋交い長さ=√( 1260の2乗+2700の2乗)=√( 1587600+7290000)=√8877600=2979.5≒2980mmとなる。

【筋交いの加工と取り回し】

90mm筋交い端部のカット部おおよその寸法例。 スジカイの寸法は厚み45mmで幅90mmのものが、最も多く使用される。

芯墨を中央にした場合、筋交い端面は柱側に多く当たる。 筋交いは、キツく入る程度に正確に加工しておく。   上図の構造だと、筋交い角度は垂直方向に対し65度になる。

建築基準法施行令では、引っ張り筋交いの最低寸法は15×90mmだが、このサイズでは圧縮筋交いとして使うと簡単に座屈してしまう。

圧縮筋交いは厚い材を使うほど壁倍率が上がる。   最低でも厚み1寸5分(45mm)×幅3寸(90mm)の材を使うと壁倍率(横方向の力に耐える壁の強さ)は2.0になる。





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