ホーム電動工具あれこれ⇒ネイラー

気になる電動工具・ネイラー(釘打機)

  1軒の住宅建築では、躯体工事から内外装工事まで幅広い作業で釘打ち作業がついて廻ります。  日本の一般的な木造建築では、 家一軒を作るのに約6万本前後のさまざまな種類の釘が使用されているとも言われます。 

 またそれぞれの作業においても対象物によって実に多種多様な種類の釘を使い分けています。  以前はこの全ての釘をいちいちトンカチで一本一本叩いていたわけです。

釘打ち対象となる工事別の部材例


マックス スーパーネイラ

 欧米では早くから圧縮空気の力で釘を打ち込む、ネイルガン (Nail gun)というものを使うのが一般的になっていましたが、最近は日本の大工さんもネイルガンでの釘打ちが普通になってきています。

 釘なんて自分の手で打てヨ、と木造軸組工法が主体だった一昔前の大工サンなら言われるかも知れません。 でもネイルガンだと狭いところや難しい角度でも打てるし、仕上がりは綺麗、 なによりも「シュポン!!」とワンタッチで釘が打てますから仕事も早くなるわけで、ネイルガンはプロでも一度使いはじめると手放せなくなる超便利な道具のようです。

 ただ、釘は工事内容により種類も形状もさまざまですが、一台のネイルガンで全ての釘を打てるわけではありません。 そこで使用目的に応じたものを選ぼうとするのですが、 どれを買って良いものか迷う工具の代表的ともいえるほど種類が多い道具です。(2015.2.18)


釘打機は釘の種類により使い分ける

 釘打機は横文字ではネイルガンとも呼ばれますが、マキタはエア釘打ち機と和風で呼んでいますし、国産初のエア式釘打機を発売(昭和37年)したマックス(株)は ネイラーという名称で販売しています。

 またネイルガンはクギを打ち込む道具ですが、"クギ"と一口にいっても建築分野や家具作り、モノ作り工場など、さまざまな業種で施工場所によって細かく使い分けられ、 さらに棒状の釘だけでなく「ホッチキス」の針のようなコの字形の針まで実にさまざまな種類があります。

 また、一般的に天井に張る石膏ボードを釘打ちすると、よほど頭の大きな釘でないと緩んでボードが下がる場合があり通常はビスで固定しますが、 エアの力でビスを回し止めしてくれる専用機「ビス打ち機」もあります。

 釘打機の種類分けとして、大まかに棒状の釘を打つタイプをガン・ネイラーと呼び、日本では「ホッチキス」という呼び方が普及しているコの字形の針(ステープル)を打つのを タッカと区分け出来そうですが、統一されていないようで、タッカと名づけていても実際はとても細くて短いフィニッシュネイル(仕上隠し釘)専用のものもあります。

 棒状の釘といっても、太い物から細いものまで実に様々な種類があり、通常はそれぞれ専用の太さに合わせた釘打機を使い分けるのが一般的です。  しかし最新型は一台で、内装・下地・フロア・サイディング、 さらには薄鋼板までこなす多用途釘打機も販売されているようです。    

釘打機の主な種類 特徴・主な使われ方
ロール釘打機 コイル状に巻かれた連結釘をマガジン状のケースに装填して用いることから、コイルネイラやロール釘打機と呼ばれることもある。
釘打機は外装・内装・下地・フロア・木材・石膏ボード・コンクリート・鋼板・2×4材・サイディング・躯体・シージングボードなど様々な対象材へ打てるが、 機種によって変わってくる。
連結釘はワイヤー連結タイプとシート連結タイプの二種類があり機種によっていずれかもしくは両方が使えるようになっている。
ピン釘打ち機(ピンネイラ) 見た目は針金のような頭部のないピン釘と呼ばれる軸径0.6mmの釘を使い、細い溝や隅に打ち込む。  頭部がないため、ほぼ目立たない。
保持力はかなり低く、接着剤と併用するか接着剤が固まるまでの仮止めとして使用される。 ネイルに塗布されている接着剤での保持になり、 薄い化粧合板や反って暴れている材料に使うと圧着ができない。
仕上げ釘打ち機
フィニッシュタッカとも呼ばれる。
「フィニッシュネイル」はMAXの登録商標。
ピン釘と比べて軸径があり頭部もあるため若干目立つが、保持力で勝り接着剤を使わなくても確実に留めることができる。
細い釘を使って主に巾木や回り縁、化粧材などの細い溝や隅に打ち込む内装工事で用いられる。 機種によっては4mmの溝に打ち込むこともできるものも。
仕上材にもよるが、フィニッシュネイルを打ち込んだ後に その部分をさらに化粧材で隠す仕上材もあるが打ち込んだままで施工が終わるというのがほとんど。
ブラッドネイル 釘径1.65x1.85、頭径1.85x3.7㎜というフィニッシュネイルより二回りくらい太い釘を使って主にフローリング張りに。
ただし近年はフロアタッカーの性能も向上してきたため、マックスはブラッドネイラの販売をすでに終了しているほど。
多用途釘打機 内装・下地・フロア・サイディング、さらには薄鋼板までこなす。
ビス打ち機 ねじ打ち機・ターボドライバとも呼ばれ、ビスでボードを床や壁、天井などにを取り付ける作業に使用される。
エアタッカー
(コの字形の針を使う)
エアータッカー用ステープルを木材などに打ち込む。 壁パネルのべニア張りや各種内装材の仕上げ打ち、防湿・防水シート留め、気密シート留め、 見切り材留め、断熱材留め、など。
エアータッカー用のステープルは、4mm幅ステープル、7mm幅ステープル、10mm幅ステープルの三つに分けら、ステープルによって本体の互換性はない。 主流は4mm幅ステープルと10mm幅ステープルになっている。 どの幅のステープルでどんな作業をしたいのかを確認すること。
フロアタッカー
(コの字形の針を使う)
ロール釘打機でのフローリング施工はプロでもやっているが、基本的にフローリング張りの釘はあくまで仮止めと考えボンドも併用する。

フロアタッカーはエアータッカーの中でもフロア打ちに特化したタイプ。 使うステープルはエアータッカー用より太く長さも32mm以上ありしっかりとフローリングを保持できるフロア用の専用ステープルを使う。
フロアタッカー用のステープルをエアータッカーで使うことはできない。 その逆でも同じ。




マックス釘打機 スーパーネイラ

 ネイラには用途に応じていろいろなタイプがありますが、まずは一般的な"釘を打ち込む"タイプをのものを1台揃えようとあれこれ検討。

マックス スーパーネイラ その結果、2018年9月に購入したのが、高圧タイプの釘打機、マックス㈱の「HN-50N2(D)」。

"50"という数字は使える釘の最大長さ。 本職ではありませんからツーバイフォー用のCN90(赤)釘を打つわけでもないので、CN50(緑)クラスを打てる性能であれば十分です。  そもそも"90"クラスを打てるネイラーは10万を超えますから手が出ません。

 プロ用電動工具は性能と信頼性がすべて。 プロではありませんが電動工具はほぼ100%マキタで統一、先日も電気チェンソーMUC3541を買ったばかりですが、 ネイラーは一番評判の良いマックスにしました。  工具メーカーもそれぞれ得意分野があるので、この辺の使い分けは柔軟に考えています。

これを以前購入していた、常圧も高圧も使えるマキタ・エアコンプレッサーAC461Xで動かします。
   

マックス(MAX) 高圧コイルネイラ HN-50N2(D)

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¥50,000から
(2018/9/3 14:28時点)

【マツクス・高圧釘打機 HN-50N2(D)】

ダブルノーズトップ方式で、在来・2×4から木下地・石こうボード・コンクリート・鋼板・軒天・鋼製束施工まで、 108種類の釘に対応するというスグレもの。(2018.9.3ネット注文)

マックス(MAX) スーパーネイラ 【改正JIS N90釘対応 パワー重視】 HN-90X1

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¥108,500から
(2018/9/11 17:58時点)

【マツクス・高圧釘打機 HN-90X1】

ネイル足長さ:65・75・90(mm)。

ネイル装填数:120本・150本・200本・250本。

高さ(H)×幅(W)×長さ(L) : 353x133x301(mm)。




   
マックス㈱の「HN-50N2(D)」・外観と基本操作
マックス スーパーネイラ 【商品記号・HN-50N2(D)-R】

使用空気圧は1.2~2.3MPa(約12~23kgf/cm2)。

寸法・(H)289×(W)126×(L)277㎜ 質量・1.8㎏。

ネイル装填数・100本、200本、250本、300本、400本。
ワイヤ連結釘、プラシート連結釘、2種類の連結釘が使用可。
コンタクトノーズ採用で、打った反動によるコンタクトアームの浮き上がりを防止。 確実に釘頭をとらえ打ち終わるまでピッタリガイド。

マックス スーパーネイラ 【使用度の注意】

Wノーズトップで、使用用途が拡大。 内装・外装からサインディングまでこれ一台でカバーできる。

打つとき以外は絶対トリガに指をかけない。

射出口を確実に対象物に当てないとネイルが撥ねたりして危険。

  移動時は必ずトリガをロックし、エアホースを外す。

マックス スーパーネイラ 【トリガロック装置】

作業しないときには引き金を引けないようトリガロック装置が付属。

画像はロック状態。 解除するときはトリガロックボタンを押してからレバー突起を時計方向に左へ回すとアンロック状態。

右隣の丸いボタンはエアダストボタン。 プッシュすると先端から空気が噴出される。 固いので強く押さないとダメ。
マックス スーパーネイラ 【トリガロックの解除と発射】

トリガロックを一度押してから時計方向に回しUNLOCK(アンロック)にすればトリガロックを解除できる。

トリガとコンタクトアームが同時に作動しないと発射できないメカニカル安全装置搭載。

コンタクトアームを対象物に当てる動作と、トリガを引くという動作が重なってはじめてネイルが発射される。

 
マックス スーパーネイラ 【ノーズトップの選定・取り付け】

このネイラは使用するネイル・サイズに合わせて、コンタクトアーム先端のノーズトップを付け換えることにより、従来機と比較し使用できる釘の種類が2倍以上となった。

用するノーズトップを位置合わせガイド部に合わせ確実に奥まで差し込む。 ノーズトップははめ込まれているだけなので、引っ張り出せば外れるので工具不要。

ノーズトップは銀色ノーズトップ(N)、黒色ノーズトップ(S)の二種類で、口径が違い銀色ノーズトップが大きい。  基本的に短い釘は黒色ノーズトップ使用、と取説にあるが、短い釘でも頭が大きいタイプもあり、 (S)ではつっかえて釘詰まりを起こすので、セットする釘頭が口径より小さいか確認する必要がある。
マックス スーパーネイラ 【使用しない方のノーズトップ収納部】

使わない方のノーズトップは、紛失しないよう、マガジン後部のノーズトップ収納部に入れておく。

ノーズトップの位置合わせガイド部分にラッチがかかるように向きを合わせて入れる。

親指で抑えている収納部のラッチを押し込めば片手で出し入れできる。
完全に奥まで押し込んでおかないとポロッと外れるので注意。
マックス スーパーネイラ 【ドアラッチをつまんでドアを開ける】

ネイルを装填するときは、ノーズ部分にあるドアラッチをつまんでドアを持ち上げ開ける。

このあとマガジンキャップを開けられる。

透明のビニールは防塵カバー。

マックス スーパーネイラ 【ネイルサポートの高さ調整】

使用するネイルの長さに合わせてネイルサポート(白い筒)を指で廻し高さ調整する。 かなり固いので力が必要。

ネイルサポートを指で回すと上下に移動するので、マガジン底部の目盛りシールを見て調整する。



マックス スーパーネイラ 【マガジン底部の目盛りシール】

使用するネイルに合わせ、必ず適正位置にネイルサポートをセットする。

38ミリり連結釘は、ワイヤとプラシートでセットする高さが異なる。 不適正な位置で使用するとネイルの送り不良が発生する。

マックス スーパーネイラ 【風量調整ダイヤル】

エアを吹きたい所に吹き出し口を向けて、トリガ脇のエアダスタボタンを押すと先端から空気が噴出される。

その風量を調節出来るダイヤルがグリップ底に設けられている。

射出口と同じ方向にエアが出るので使いやすい。  かなり強力なエアが噴出すのでエアダスタとしても使える。
マックス スーパーネイラ 【空気圧アジャスタ】

打ち込み深さを調整できる空気圧アジャスタ。 アジャスタはクリック方式でカチッと1回転させると約1㎜上下する。

打ち込みすぎは極端に釘の保持力が低下するのでアジャスタで適正深さに調整する。

調整のときは必ずトリガをロックし、エアホースをはずす。

マックス スーパーネイラ 【ワイヤ連結釘】

まずはホームセンターから試し打ち用のワイヤ連結釘を購入。

いずれ使う機会もあるだろうツーバイフォー用のCN50(緑)をとりあえず買っておく。

マックス スーパーネイラ 【マガジンにワイヤ連結釘を入れる】

購入したのは50mmの長さの釘。 このネイラーで打てる最大長さ。

装填できるMAX長さの釘だけあって、マガジン内部にビッシリと隙間なく詰まる。

マックス スーパーネイラ 【ネイルの装填】

ネイルをマガジンに入れ、ネイルの頭部がノーズの溝に入るようにネイルを引き出す。

1本目のネイルを一番上の送り爪の上へ、2本目のネイルはその下の送り爪の上にセットする。

マックス スーパーネイラ 【マガジン底部の目盛りシール】

50mmの釘をセットしたときのネイルサポートの高さ。

仕様するネイルにあわせたネイルサポート高さでないとネイルの送り不良が発生する。



マックス スーパーネイラ 【ネイルを装填した状態】

ネイルを装填したら、ドアラッチをつまみながらドアを完全に閉じておく。

マガジンキャップを閉じる。 満タン時はマガジン内部はキチキチに詰め込まれた状態。

1本も打ってないフル装填時はドアラッチが浮き気味になるので確実に閉じておく。 パカッと開いてしまうので注意。
マックス スーパーネイラ 【付属品】

保護めがね.....ネイラーを使うと排気で木屑が舞い上がり、目に入る場合があるので安全メガネは必需品。

ジェットオイラ(油入れ)....使用前後にフリープラグの口より5~6滴注油する。 また、ノーズトップの接合部にも外れないときなどに注油する。






マックス釘打機スーパーネイラの試運転

   

マックス釘打機スーパーネイラ・HN-50N2(D)の試運転
マックス スーパーネイラ 【フリープラグ部へ給油】

使用前、使用後は指定鉱油・タービン油2種 ISO VG32 (JIS K 2213)を使い、フリープラグの口から5~6滴注油する。 使用後にも注油しておく。

指定外のオイルを使うと能力低下や故障の原因となる。

このオイルはノーズトップの接合部が交換時シブイときにも使う。
マックス スーパーネイラ 【常圧用エアホースは接続できない】

エアホースのカプラは、高圧用と常圧用では形状が異なっている。

常圧用エアホースは持っているが、このネイラーは高圧用ネイラーなので規格が合わずフリープラグに接続できない。

そもそも使用圧力が高いので常圧用エアホースを使うのは危険。
マックス スーパーネイラ 【高圧用エアホース購入】

そこで、ホームセンターから高圧用エアホースを購入。

長さは10mでMADE IN JAPAN。 価格は5800円程度。 20m9000円程の物もあったが、本職でもなし。 この長さで十分。

最高使用圧力は2.8MPa。 マキタ高圧コンプレッサーの減圧弁の圧力最大範囲は~2.45MPa[~25kgf/cm2]までなので余裕の値。

ホースのカラーが緑なのもグッド。 今使っている常圧エアホースは黄色なので見分けやすい。
マックス スーパーネイラ 【ネイラーに高圧用エアホース接続】

購入した高圧用エアホースは、無事ネイラーのフリープラグにカプラを差し込めた。

マツクスの取扱説明書には、『本機使用の際は、スーパーネイラ専用コンプレッサー、専用エアホースを必ず使用する.....』という記述があり、 最初「エッ、コンプレッサーもマックスの製品を買わなきゃダメなの!!」とアセッた。 

マックス スーパーネイラ 【高圧用エアホースをコンプレッサーに接続】

マキタ・コンプレッサーの高圧エア取出しワンタッチジョイントに、購入した高圧エアホースを接続する。

ワンタッチジョイントは上下2箇所あるが購入した高圧用エアホースでは上のジョイントには繫げなかった。

下のほうには接続できたが、上下では規格が違うのか?

マックス スーパーネイラ 【とりあえず接続の完了】

高圧用エアホースの接続も無事終わり、マガジンにはネールも装填して試射の準備は完了。

コンプレッサーの高圧側減圧弁調整ノブをゆっくり右に回し、圧力を上げながら使用圧力に調整する。 

使用空気圧は1.2~2.3MPa(約12~23kgf/cm2)の範囲だが、2×4用50mm釘で、打ち込む材は乾燥した2×4材、という条件なので、コンプレッサーの圧力計が1.5の位置に設定。

保護ゴーグルを装着し、ネイラーのトリガロックボタンを押しレバー突起を時計方向に左へ回すとアンロックの発射可能状態になる。

マックス スーパーネイラ 【いよいよ発射】

トリガとコンタクトアームが同時に作動しないと発射できないメカニカル安全装置搭載なので、材にコンタクトアームを押し付けハラハラしながらトリガオン。

バシュンとそれなりの音が出て見事貫通。 1.5MPaだと釘頭が2㎜以上めり込む。 この辺りの加減は対象材と釘のサイズで今後試行錯誤は必要のよう。

打ち込み深さはネイラーの空気圧アジャスタでも調整できる。 アジャスタを1回転させると約1㎜上下する。

エアダストボタンをプッシュすると先端からかなりの勢いで空気が噴出されゴミ掃除は完璧。 連続打ちもスムーズでサスガのマックス釘打機。 これなら長く使えそう。




ネイルガンはガン(gun)?

 ネイルガンはエアコンプレッサに接続し、空気の力で釘を打ち込む工具。 コイル状に巻かれた連結釘をマガジン状のケースに装填して用いることから、コイルネイラやロール釘打機と呼ばれることもあります。

 ガン(gun)という名称から想像できるように、釘を高速で射出するので銃に例えられるわけですが銃刀法にはひっかからないよう、 日本国内で販売されている釘打機は安全のため先端が物に当たらないと釘を発射できないようになっています。

 当然武器として使えるわけではありません。 しかし、アメリカの製品は安全装置が付いていないものもあるようで、釘をガンのように飛ばせるそうですから油断はできません。   実際、米国疾病対策予防センターによると、毎年かなりの人が釘打ち機で負傷し救急搬送されており、1991年から2005年にかけては3倍にも増加したそうです。


釘打機の歴史

 釘打機の当初の主な用途は、又釘(ホチキス型の二本足のコの字の針)、いわゆる"ステープル"を使い、 家具の“フラッシュの芯止め”(家具扉・ドアの内部の木質芯材を接合する)や、 “椅子の布張り”に使われました。 ソファなどの家具を裏返すと、レザーや布地がたくさんのステープルで固定されているのが見えますが、これもステープルを釘打機で打ち込んでいるわけです。

その後、ネイラは釘を打ち出す専用ハンドツール(工具)として様々なタイプが開発され、 家具・梱包メーカーから、工務店・プレハブメーカー・2×4ホームビルダーなど、 建築分野へ 広がって行き、釘打ち作業の品質向上や、工期短縮によるコストダウンに大きく貢献していくことになります。

現在では、建築分野や家具作り、モノ作り工場などのさまざまな業種で、それぞれ使用目的に応じ、本当にたくさんの種類の釘打機が使われる時代になりました。


釘の種類

   

釘の主な種類 主な施工場所
鉄丸くぎ(N釘) 木造軸組工法で用いられる鉄丸くぎ(N釘)。 N釘はデジカラーN釘(デジ釘という釘の頭部に番号が振られ、なおかつ色分けされているものと、 鉄丸くぎと呼ばれる釘の頭部に番号が振られておらず色分けもされてない2種類に大別される。
鉄丸くぎ(CN釘) 枠組壁工法の建築物に用いるツーバイフォー用の釘(CN釘)。 (N釘)よりもやや太めで、CN50(緑)、CN65(黄)、CN75(青)、CN90(赤) の4種類があり、 しっかりと色分けされていて、せん断強度にも優れている。 メッキ付きのCNZ釘というものもある。
鉄丸くぎ(BN釘) 枠組壁工法(2×4材工法)用の細めの釘。
GN釘 石膏ボード用の釘。
SN釘 シージングボード用釘。 シージングボードは、インシュレーションボードにアスファルト処理を施し、耐水性や耐湿性、耐久性を向上させた黒色のボードのこと。
仕上げ釘(フィニッシュネイル) 頭径1.9mm・軸径1.25~1.3mmの小さい仕上げ釘。 色のバリエーションが最も豊富。 
超仕上げ釘(スーパーフィニッシュネイル) 仕上げ釘よりも頭径の小さい(頭径1.4mm・軸径1.25~1.3mm)釘。
ピン釘(ピンネイル) 仕上げ用途に使用される頭と先端で太さが変わらない釘。  釘径がわずか0.6mmということに加え頭部がないため、打った痕がほとんど目立たない。
ただ頭が無いのでネイルに塗布されている接着剤での保持になる。 通常はボンド併用で使用するボンドが固まるまでの仮打ちとなる。
ブラッドネイル 一般的にはフローリング(特に無垢材)などの施工用で現在の建築業界ではブラッドネイル=フロア釘ということになっている。
日本では、釘の軸の断面が1.1x1.3mmで頭の大きさが1.1x1.9mmのものをフィニッシュネイル。 それより太いもの(手打ちの釘のように大きくないもの)をブラッドネイルと称している。
フロア釘(スクリューネイル、フロアネイル) フロアー釘は回転しながら木材の中に入っていく。 慣れないとサネが割れやすい。 現在ではフローリング貼りに使う釘は、 ロール釘以外に、「フロアステープル」、「フィニッシュネイル」などある。
ステープル(又釘) ホチキスの針のような見た目の、コの字形の釘。 電動タッカーで用いられるステープルの幅には、4mm・10mm・12mm・13mmなどがあり機種ごとに使用できるサイズが違うので確認が必要。
フロアステープル ホチキスの釘を大きくしたような形状のフロア用ステープル。 今はフロアタッカーでこの釘を打ち込むのが一般的。

★......(N釘)(CN釘)以外の鉄丸くぎを枠組壁工法に使うことは、打ち込んだあとではどの釘を打ち込んだのかがわからないため認められていません。


フローリング工事を普通の釘打機でやれる?

 フローリング工事を行うときシロート考えでは一般的なロール釘打機を使えるのでは、と考えますが 最近はフロアタッカーというフローリング張り専用の釘打機が主流となっているようです。

 以前のフローリング張り専用釘打機がないころはロール釘打機で貼っていたといいますから腕さえあれば問題ないでしょう。 インパクトドライバーによるビス止め打ちでもやってやれないことはないはずです。

 ただし、シロウトがロール釘打機で施工すると「サネ」部分を割ったりしがちですし、エア圧力を上手にコントロールしながらでないと厳しいかもしれません。

 そもそも昔のフローリング施工はオス実(サネ)に斜めにフロア釘を玄能(げんのう:いわゆるハンマー)で打つ、というのが基本でした。 フロアー釘(長さ38㍉~50mm)を斜めに打ち「釘締め」で沈める、 というやり方だったのです。


フローリング工事のポイント

 手作業で貼っていくときサネの割れ防止として予めドリルで下穴を空けてから釘を打つという手もありますが、強度が弱くなるのであまりお勧めできませんし、なにより手間がかかり過ぎます。  そもそも太い釘で細い材料や木口付近に打つと木は割れやすいもの。

 多少の経験は必要ですが出来るだけ「サネ」部分の端を避け、45度の角度で打ち込めばそんな簡単に割れないはずです。 釘をハンマーで打ち終わったら頭を「釘締め」で沈めますが、この道具は先端が平らで尖ってはいません。   センターポンチも似た形状をしていますが先がとがっておりこの用途では使いません。

 手打ち作業では慣れないとフローリング面を打って凹ませることがあります。 釘を打つすぐ真横に10センチ四方くらいのベニヤかコンパネなどを敷いて作業すると万が一手元が狂っても防げます。   厚めのフローリング材を寄せたいときは90mmのコーススレッドビスを使ったりします。

 手だろうが機械でやろうが、フローリング貼りの釘はあくまで仮止めと考え根太ボンドで止めるのが基本です。 サネからはみ出るくらいに、塗れそうな面は全部塗るぐらいのほうが床鳴りを防止できます。

 建築施工の仕様書では釘・ビスの長さは木厚の2~4倍となっています。 本職によると38mmのフロアー釘では少し短いので50mmのほうがいいということですが、 いずれにしてもオス実に斜めに打ち込む長さで判断するそうです。 基本的にはフローリング厚12・15mm用でボンド接着併用なら38mmビスでも可だとか。  ただフローリング材と下地材を合わせた厚さより長い釘は貫通してしまいますから根太がない場所に打つときは要注意です。

 まあ、しっかり根太ボンドを使えば問題ないはずです。 白ボンドは床鳴りの原因になる場合があるので避けたほうが無難です。 ただ根太ボンドはカッチカチにかたまり大変剥がしにくいので硬化前にキレイに拭きとるのがコツ。(2018.9.3)


タッカー

 コの字型のホチキスの釘を大きくしたような、ステープルと呼ばれる強度が格段にある釘を使用する。  最近のフローリング工事は作業効率がいいフロアタッカーでフロアステープルを打つのが主流となっています。 中古市場では8ミリ幅のエアタッカが安く出回っているとか。

 フロアタッカーではないタッカーでは実割れが起きやすく施工性が悪いといわれますし、床張りはブラッドネイルを使うのが一番という声もありますから、この辺りの道具の選び方は難しそうです。    

メーカー 機種・モデル名

マキタ(Makita) 4ミリ高圧エアタッカ(青) AT425HEM

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【マキタ4ミリ高圧エアタッカ AT425HEM】

マックス フロア釘打機 TA-238F2(D)/4MAフロア

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フロア専用釘打ち機

マキタ 高圧 エアタッカ AT1025HB ( 赤 )AT1025HBM ( 青 )【長さ25mm・幅10mm】【空打ち防止機構付】エアダスタ搭載  タッカー内装・家具木工【エア工具】【エアー工具】

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エアタッカー

マックス[MAX] ネジ打機 VS-71[済]

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感想(0件)

ネジ釘打機(ネジ打機)

主に石膏ボード貼りにしか使われず、構造部材止めとなるとやはりエアー釘打ちの方が良い。 保持力は、ビス>釘だが、釘打機で打つほうが、作業性が高く 釘の本数を増して保持力を補うほうが早い。

マキタ 46気圧・タンク11L エアコンプレッサ 青 AC461XLK 一般圧/高圧両用

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感想(1件)

コンプレッサー

移動に便利なタイヤ(滑車)付いているものが必須条件。
エア工具につなぐにはエアホースとカプラが別途必要。
高圧コンバーターを使えば高圧コンプレッサーで常圧釘打機の使用ができる。
コンプレッサーは良い物を選べばほとんどのエア工具が余裕で複数同時にも使える。




ネイラーを購入する上でのポイント

 高圧タイプのほうが小型軽量かつハイパワーで安定した打込力があるのでオススメ。

【購入ポイント】




日本の住宅建築事情

 戸建住宅の建て方には、大きく分けて「木造軸組・在来工法」、「ツーバイフォー(2×4)工法」、「プレハブ工法」の工法があります。   「木造軸組・在来工法」、「ツーバイフォー(2×4)工法」は「技術基準」が公開されており、建設会社ならどこでも対応可能な「オープン工法」と呼ばれます。

 それに対し、1959年に大和ハウス工業が初めて商品化したプレハブ住宅は、各メーカーが独自に開発した工法で、鉄骨系、木質系、ユニット系、コンクリート系の4種類があり、 同じ鉄骨系でもメーカーによって部材や建て方はバラバラとなっているなど、開発元しか対応できない「クローズド工法」といえます。

 戦後の住宅政策は、品質・性能の向上と低コスト化を図るため、住宅生産の工業化を積極的に推進してきました。  プレハブ住宅=「工業化住宅」というわけです。

 それによって製造業や素材業からも住宅産業に参入する大手企業が相次ぎ、将来的には自動車や家電製品などと同様に大手メーカーによる市場の寡占化が進むと予想されていましたが、 結果はそうなりませんでした。  今では新設住宅全体に占めるシェアは、木造住宅35%、ツーバイフォーは22%前後、プレハブのシェアは12.9%程度といわれます。(2018年)

 いずれにしろ組み立て現場で内外装工事は必ず行われますから、大量の釘を使って釘打ちする作業はついて廻ります。


木造軸組在来工法

 もともと日本の住宅建築は、基本的に家全体を柱、梁、桁、土台などの細長い木材の骨組で組み上げる、「木造枠組工法(木造軸組在来工法)」というものが主流でした。

 日本の伝統的な工法(在来工法)であり、縦となる木材は柱や間柱、横となる木材は、梁(はり)や桁、斜めの木材は筋交い、と呼ばれます。 基本的に、壁(面)ではなく、軸組(線)で支える工法です。

 現代では地震などの力を骨組みだけで受けるのではなく、柱や梁、筋交いなどを接合する金物などの補強材で強度を高め、建物が地盤と一体になっている固い耐震構造となっています。

 この工法は日本の気候や風土に合っているということ以外にも、「外壁・屋根形状など、設計の自由度が高い」、「一般的な工法のため、どこの工務店でも施工できる」、 「増改築やリフォームなども行いやすい」などの特長があります。 現在においても日本で最も広く普及している工法です。

 以前は現場で大工さんが柱や梁の仕口や継手加工を行うのが一般的でしたが、現在ではこの部分を工場で加工(プレカット)するのが当たり前となっています。  工期は平均5~6ヶ月ほどで、2×4工法やプレハブ工法と比較するとやや長くなります。

 戸建住宅市場は、1970~1980年代から積水ハウス、大和ハウス工業、ミサワホーム、旭化成ホームズなど、プレハブ住宅を得意とする大手ハウスメーカーが業界をリードしてきましたが、 2000年代以降から木造住宅でも工業化・IT化が進んでいます。

 木造住宅メーカーである一条工務店、飯田GHD、タマホーム、賃貸住宅最大手となった大東建託などは、 近年大手プレハブメーカーをしのぐ販売実績を上げるようになっています。 もともと木造住宅は、プレハブ住宅に比べて価格競争力で勝っていました。

 最近は木造在来工法の図面データから大型パネルの組立図を自動作成するソフトが開発され、工場で柱や梁などの部材にサッシや断熱材を組み込んだ大型パネルを製造することで、 現場での組み立て作業を大幅に効率化する動きも出始めました。  木造在来工法の工業化を飛躍的に促進し、職人不足問題にも貢献するものと期待されています。


「ツーバイフォー工法」

 「ツーバイフォー工法」は、現在北米の住宅の9割以上(日本は2割程度)で採用されている工法で、日本で正式に「ツーバイフォー工法」と呼ばれるようになったのは、技術基準が定められた昭和49年頃からとされています。   この工法は柱(軸)で家を支える木造軸組みと違い、構造用合板で周りを囲い(面)で建物を支えるものです。

 ツーバイフォー(2×4)工法は正式には「枠組み壁工法」と呼ばれ、アメリカの開拓時代に考案されたものとされます。  もともとアメリカの住宅建設はイギリスから持ち込まれたフレーム工法と呼ばれる、日本の在来工法に似た軸組式を取り入れていました。

 軸組式は、柱とそれをつなぐ梁とで骨組み(フレーム)を作りますから、それを接合するには日本の在来工法でも見られるように複雑な「仕口」の加工が必要とされます。  アメリカではその後このフレーム工法に改良を加え、バルーン工法と呼ばれる工法が1832年シカゴで開発されました。

 バルーン工法は角材に合板を打ち付けるだけの簡単工法のうえ、 一挙に2階部分までの壁を建てることが可能でした。  この方法だと人手さえ確保できれば素人でも家を建てることが出来るわけで、 ただでさえ人手不足の開拓時代にマッチした工法だったわけです。

 施工が単純明快で熟練した技術者に頼る必要がないというバルーン工法でしたが、本職の大工達の間で不評であったため、バルーン(風船)などという侮辱的な呼ばれ方をされていました。  しかし、その後も廃れず今日のプラットホーム工法(ツーバイフォー工法)に受け継がれたことは、この工法が時代を先取りした画期的工法であったという証左です。

 札幌の時計台(1878年築)はツーバイフォー工法による建築物です。 日本で現存する最も古いツーバイフォー住宅としては、明治末期(~1912.7)に建てられたとされる神奈川県大磯町にある「旧木下家別邸」があります。   ただし明治は1868年からですから、ひょっとすると時計台のほうが古いのかも。

 ツーバイフォー工法は工法が確立され、使用する木材や釘などのサイズが規格化され、どこのホームセンターでも売られていて、特別な技能がなくても建てられるということで、 全くの素人が自力で1軒屋を建ててしまうほど普及しています。 自分も2.4×2.4mの作業小屋を一人で組み立てました。 体力さえあれば特別な技術は必要ありません。

 この工法は躯体工事でも材料と材料を釘で留めるため大量の釘を使用します。 欧米で早くから釘打機が使われたのもこういう理由があるのかもしれません。

 一般的にこの工法は空間デザインの自由度が低く、改築やリフォーム、間取りの変更などが行いにくいといえます。

 戸建住宅(除くアパート)の販売棟数で、積水ハウスとトップ争いしている一条工務店は2×6(ツーバイシックス)工法を採用し、設計・生産拠点をフィリピンに置き、 屋根一体型の太陽光発電、システムキッチン、サッシ、外壁タイルなどを自社で生産しています。 これらの部材を工場で組み立ててパネル化し、日本に輸送して組み立てるという徹底した工業化により、 高性能な住宅をリーズナブルな価格で提供して販売を伸ばしています。


「プレハブ工法」

 日本でのみ定着したとされる「プレハブ工法」は、1950年代以降に「ツーバイフォー工法」をベースに開発が始まり、 1959年に大和ハウスが軽量鉄骨工法の「ミゼットハウス」という名前で販売したのが最初とされます。

 プレハブとは「prefabricate」(前もって製造する)の略で、各社で規格化した柱・梁・屋根トラス・床・壁などの部材を工場で大量生産し、それを建築現場で組み立て家を仕上げる工法です。  プレハブ工法には、鉄骨系、木質系、ユニット系、コンクリート系の4種類があり、各メーカーにより部材や建て方はバラバラです。

 プレハブ住宅の大きなメリットは、工期が短いこと。 建物の構造部分と外観までの工事なら現場で3日以内で終了し、 標準的な建物の場合、大体2ヵ月~3ヵ月程度(基礎工事は除く)で完成してしまうといわれます。

 以前は規格化された画一的住宅というイメージがありましたが、近年はコンピューターやインターネットなど情報技術の進歩により「邸別生産方式」というスタイルが一般的になり、 構造躯体の鉄骨材1本をとってもそれぞれ邸別に生産と管理が行われ、より自由度の高い住宅設計と供給が可能となっています。  ただしプレハブ工法は膨大な設備投資が必要であり、コスト低下にも限界があるとされます。(2018.9.9)




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