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横架材とは

 横架材(おうかざい)とは、木造建築の軸組において、梁・桁・胴差し・土台など、水平方向(横向き)に渡された部材。

 建築基準法施行令第一条一項三号(用語の構造耐力上主要な部分の定義)には、横架材について、 『はり(梁)、けた(桁)、その他これらに類するものをいう』、と定義されており、横架材=梁と覚えておけば大きな間違いではありません。

 材料は、土台では水に強く腐りにくい桧が多く使われますが、天井まわりの梁・桁、上階と下階の境目に入れる胴差しでは、杉も多く使用されています。(2024.4.16)




横架材は「欠き込み」厳禁

 下側に欠き込みのある横架材は、上から力を加えるとすぐに折れてしまうため、横架材の欠き込みは原則禁止とされており、施行令では『梁、桁その他の横架材には、その中央部付近の下側に、 構造耐力上支障のある欠き込みをしてはならない』、とされています。

 欠き込みによる断面性能の低下率は、断面の1/4以下の欠き込みで、元断面の0.6倍。  断面の1/3以下の欠き込みは、元断面の0.45倍とされ、耐力は半分以下まで低下するとされます。     仕方なく欠き込みが必要になる場合、耐力低下を見込んで設計することも認められています。


鴨居について

 和室には、襖や障子といった、引き戸が開け閉めされる開口部の上に、下端に建具が移動できる溝(レール)が彫ってある、 「鴨居」という横架材が渡されています。  鴨居は、和室のデザイン的にも大変重要で、 この造作材が四周の壁をぐるっと回ることで、空間がきりっと締まると同時に、高さの基準にもなります。

長押・鴨居の撤去 伝統工法で建てられた家は、「差鴨居」と呼ばれる、高さ1尺、幅4寸5分以上ある太い横架材が、 大黒柱にホゾ差しで組み込まれています。

この「差鴨居」が、上部からの荷重を受け止める、構造上重要な部材となっています。

 「差鴨居」構造であれば、柱の本数を減らすことができ、伝統工法の壁のない開放的な開口部を設けることができるわけです。

「差鴨居」は、下に溝加工をして建具を立て込むようになってますが、 付け樋端(つけひばた)と言われる、細い木を打ち付けて溝をつくる場合もあります。

 一方、築50年前後の在来工法に見られる一般的な鴨居は、建具を開け閉めするために取り付けてある薄い材料にすぎず、構造に影響しない部材であり、一般に「薄鴨居」と呼ばれます。

ユーチューブのDIYリノベーションにおいて、解体工事で派手にぶっ壊している鴨居は、 この構造に影響しない鴨居です。

 昔は、この鴨居の下端から床の敷居までの高さは5尺8寸(約1760mm)と決まっていて、襖などの建具の高さは、この寸法に統一されていました。    さすがに、現代では部屋の出入り口としては、少し低すぎますが。

 柱の間隔も3尺の倍数と決まっていました。  建具の規格も決まっていたため、建具は何度もリユースすることができました。  建具はとても高価でしたから、 これは生活の知恵ともいえます。


  

「貫」について

 柱に穴を開け、柱と柱の間に水平に貫通させ繋いでいる部材は、「(ぬき)」と呼ばれ、大きな変形性能を持っています。    貫は使われる箇所により名称が異なり、柱の一番上に配置される貫は天井貫(てんじょうぬき)と呼ばれ、柱を貫通させず上から落とし込むのが一般的です。

 以下、鴨居の上部に通っているのは「内法貫」(うちのりぬき)です。  一般的に柱に取り付く鴨居や敷居・長押などの造作材は 「内法物(うちのりもの)」と呼ばれます。  敷居の下を通っている貫も、窓より低い位置に配置されていますが、これも内法貫と呼ばれています。

 窓の下に用いられる貫は、「腰貫(こしぬき)で、胴貫(どうぬき)とも呼ばれます。  柱の最下部に通すのは「地貫(じぬき)で、 それぞれ建物を支える重要な構造材となっています。

2025年開催の大阪万博の大屋根(リング)も、柱と柱の間に木材を水平に貫通させてつなぎ合わせる「貫工法(ぬきこうほう)」 が採用されています。  京都「清水の舞台」も同様の構造です。

大屋根(リング)は安全性確保のため、一部ボルトやナットを使っていますが、これほどの建造物を、ほぼ木材の組み合わせだけで作り出しているのですから、貫工法はもともと頑丈な構造なのです。

 以前の木造軸組み工法で見られた「土壁」作りの家は、「半貫(はんぬき)」とも呼ばれる5分(15mm)厚の貫が、土壁の竹小舞を掻く下地として使われ、土壁と併用することで、 大きな水平耐力を発揮する耐力壁となっていました。

 この構造は、大きな揺れによって、家は揺れ、土壁も崩れたりしますが、大規模な損傷まで至らないような「柔構造」となっていました。    貫が入った軸組は変形性能が高いので、大地震の外力を受けたときに、建物が大きく傾いたとしても、一気に倒れず非難時間が稼げます。  それに対し、 現状の筋違い(すじかい)と構造用合板による建物は、ある程度までの揺れには強さを発揮しますが、それ以上の力がかかると、一気に壊れてしまいます。

 5分貫は土壁の竹小舞を固定する下地として使われますが、古民家など伝統構法の壁に隠れる貫は、8分~1寸(30mm)という分厚い貫を使う「通し貫」で、 柱を貫通させて楔(クサビ)でしめていました。  大屋根(リング)の工法と同様、伝統工法の貫も構造材となっていたわけで、このように貫で建物を支える構造は「貫構造」と呼ばれます。

 この貫構造は 上棟後に行うことは不可能で、家を建てるときは、柱を地上に並べ、予め貫を通した後、大勢の職人たちがセーので、すべての柱を一斉に立ち上げる必要があります。

 斜め部材を使って強度を高めるブレース構造と異なる「貫構造」は、いわば木造軸組工法をラーメン(枠)構造化する工法とも言えます。  さらに、木造の接合部は、木が互いにめり込むので、 完全な剛接合にはできませんが、逆に少し動くことによって、地震による水平移動をある程度は吸収できるというメリットもあります。

 また、これまで、「土壁」は耐力壁として認められてきませんでしたが、平成15年 建築基準法施行令第46条により、1100号第1-5に定められた仕様の施工であれば、 土壁の壁倍率は、「1.5倍」として認められるようになりました。

 これによって、従来の建築では筋違い(すじかい:筋交い)の使用が義務付けられていましたが、貫を併用した土壁だけでも家を造れるようになったわけです。  やっと、 日本の古くからの家の建て方である「貫と併用した竹小舞土壁」の優秀性が認められたのです。


リフォーム中の古民家の「通し貫」

     

【「通し貫」】

土壁の中を通って柱に結合されている「通し貫」。

そのまわりを「竹小舞土壁」が覆っている。

撤去した土壁はの名残の竹がぶら下がっている。

「通し貫」を見せる場合は、サンダーで汚れを落とし塗装しておく。

【土壁の散り】

貫構造の土壁は、揺れのため壁の散り(端)が切れ、周囲の木材との間に隙間が生じる。

そのため、揺れることを前提にした柔構造の土壁は、定期的に左官による補修が必要だった。



【大広間の鴨居】

一見「差し鴨居」風の太い鴨居だが、ホンモノの一本材の「差し鴨居」ではなく、長押・鴨居の各パーツで構成されている。

この鴨居内部にある貫が、隣り合う柱を貫通している「内法貫」。



【大広間鴨居の内部構造】

構造材として効いているのは、内部の「内法貫」。

内部に撤去した土壁の残骸がまだ残っており、リフォーム前に大掃除が必要。

長押や鴨居は撤去しても構造的に問題なさそうだが、貫だけむき出しにしてしまうと、迫力に欠けるかも。

【部屋中に張り渡されている「貫」】

各柱は高さに応じ、貫で四方が連結されている。



【ダブルで架けられている大梁】

建物の上からの荷重を支えるため、横方向に架けられた部材が「梁」で、天井にあるのが「天井梁」。

柱と柱を直接繋ぐ大きな梁は「大梁(おおばり)」と呼ばれる。

「梁」は水平方向の力を支える重要な役割を持つが、特に日本は横揺れの地震が頻繁するため、その重要性が高い。

「棟木」と直交するのが「梁」で、「棟木」と平行なのが「桁」。
【火打ち梁】

梁と梁が直角に交差する隅の部分に、45度の角度で設置される梁が「火打ち梁」。  三角形ができることで力学的に安定し、強度がアップする。

建築基準法施行令第46条第3項で、床や小屋組の部分で梁や桁が直交した隅角には、必ず火打梁を設けなければならないとされているが、リフォーム中の古民家では、「火打ち梁」は使われていない。

また、厚さ24mm以上の構造用合板を使った「根太なし工法(剛床工法)」では、火打梁を設ける必要はない。
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下がり切った鴨居の高さを調整する

 長い年月によって、建物の荷重がかかり、この鴨居が下がってしまい、建具(襖)の開閉をスムーズに行うよう鴨居の溝を削りすぎたため、襖の框(黒枠)が見えなくなっているケースもあります。

 癖のある木を使えば、下降はある程度防げますが、素直な木材を使うと、往々にしてこのようなケースが出てきます。  こうなったら、鴨居を交換したいところですが、鴨居の高さが柱一本分以上あるなら、 それは「差し鴨居」と呼ばれる、構造的に重要な部材で、大黒柱にがっちり結合されていますから、絶対に外してはいけません。

 45ミリ程度の厚みの鴨居であれば、それほど構造に影響しない「薄鴨居」なので、一旦外してから、多少高い位置に取り付け直すことも可能です。




「胴差」の補強

 軸組み工法で使われる「胴差」を補強するため、松の「力木」を入れ込む。  見せるための化粧梁にもなる。

       

鴨居のジャッキアップ 【柱の加工】

柱に「力木」を入れ込む「欠きこみ」を刻む。

ノコギリとノミで、30mmほど刻む。

胴差と密着させて嵌め込むのは無理なので、少し下がった位置に据え付け、化粧梁としても使う。

鴨居のジャッキアップ 【「力木」をはめ込む】

300mm高さの松なので、かなりの重量のため、高いところに設置するには、4人がかりとなる。

ビスと補強金具でしっかり固定する。



鴨居のジャッキアップ 【吊り束で補強】

「胴差」と「力木」の間を、束を差し込み金物を使って固定しておく。















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