ホーム⇒DIY日誌⇒⇒古民家再生・DIY奮闘記⇒ロフトと階段を作る

ロフトとは

 ロフト(loft)とは、天井下でなく屋根下にある(物を収納する)屋根裏部屋。  近年では家の屋根裏というデッドスペースを、物置や寝室として有効活用できるということで、採用する家が増えてきました。  現在DIYリフォームを進めている築130年ほどの古民家は、 平屋なのに天井がかなり高く、天井をもう一つ張りにした二層天井になっており、ロフトを設けるにはうってつけの構造です。

 ロフトを季節家電など頻繁に出し入れしない物の倉庫として使う、というのが一般的ですが、それ以外にも男の隠れ家、書斎、趣味の部屋として使うのも楽しそう。 ロフトは個室に作るのではなく、 リビングとつなげる方が、有効活用される確率が高まるのだとか。 その一方、せっかく作っても、ロフトは天井高さの制約があることや、窮屈なハシゴでの上り下りが億劫になってしまい、 結局使わなくなることも多いという話もあります。

ロフト そもそも、倉庫としてロフトを作るなら、ワザワザ費用をかけて作るより、その予算で家を大きくした方が理にかなっています。

ここは階段であがるか、もしくはスキップフロアの段差を利用したロフトを、リビングに作る設計とします。

日本の建築基準法では、高さ1.4m以下のロフト天井の高さであれば、階数に算入しなくてもいい事になっています。

したがって、ほとんどのロフト天井の高さは、最高で1.4mまでとしているわけです。     さらに、平屋の屋根裏にロフトを作る場合、その面積はロフト部分直下階の2分の1まで、という条件もあります。(2023.6.16)




ロフトを作る

     

ロフトを作る 【床からロフト床までの高さ】

1階の居室の天井高さは最低で2.1mと決まっている。

1階から2階床までの高さ(階高)は法的規制はなく、天井高2.4m以上が一般的。

ロフトを作る 【ロフト床土台の下地材を渡す】

母屋北側半分をロフトスペースとする。  根太を渡す。

根太の太さや根太間隔は、床板の厚み、強さで決定される。

一般的に根太間隔は45×45mm材なら300mm。  60×60mmの部材は450mmで配置。
階段を作る 【ロフト階段部の下地】

下地を張るときは、階段の取り合いを考慮する。

階段の設置箇所が決まっているなら、後で下地の切った貼ったをやらなくてもいいよう、それに応じた下地配置をする。

下地は90mm角材を大引きにし、60mm根太を450mmピッチで貼る。
ロフトを作る 【ロフト床の構造と床板厚み】

2階居住区の場合、「桁」構造材間に、約300mm間隔で「根太」を配置し、12㎜か15㎜の合板で「床下地」を作り、最後に13~20mmの床材を貼るのが基本。

今回は居住区ではないので、ロフト床厚は12mmで下地は無し。  床板12㎜厚なら根太間隔は300mmが標準。

ホンモノの二階に「剛床工法」で貼る場合、「梁(大引き)」で900mm間隔の床を組み、24㎜以上の厚さの合板を貼る必要がある。
階段を作る 【ロフト床板を張っていく】

開始は床板雄ザネが内側にくるように配置する。

この雄ザネをエアタッカーで下地に固定していく。



階段を作る 【床板張り完成】

立ったまま昇降するには、階段から1800mm以下のロフト床部分は邪魔。

階段上部の床板は張らない。



ロフトを作る 【床板の壁際の収まり(取り合い)】

床板端は壁際に押し付けるが、無垢材伸縮の対策として、わざと“逃げしろ”として隙間を設け、その“隙間を隠す” 巾木で収めるのが一般的。

巾木がないと、隙間風が入ったり掃除機がぶつかり傷む。  壁面より巾木が内側に入り込んでいる「入り巾木」工法もある。

新築の場合、床→壁の施工だと、他の作業の都度床の養生の手間がかかるので、壁→床の順で行うことが多い。 順番が違っていても工法的に余り変わらない。
ロフトを作る 【親支柱の固定・胴縁と巾木の厚差】

「数段しかない階段は手すりは不要」、と思うが平成12年の改正によって、高さ1m以上の階段には手すりを設けなければならない、というのは建築基準法に定められている。

当然ロフトには落下防止の手すりを設ける。 支柱は親子共通の45×45mm材。

壁際に手すり親支柱を立てる際、胴縁と巾木の厚差があると、手すり固定に影響する。

ロフトを作る 【スペーサーで隙間調整】

各支柱の底半分は、床板に被せるようL字に欠きこみする。

ガツチリ支柱を固定できるは、壁もしくは柱に引っ付ける両端の親支柱だけ。

親支柱の上下しっかり固定させるため、隙間に胴縁と同じ厚みになるスペーサーを入れる。

ロフトを作る 【ロフト手すり】

手すりの構成部材は、「段板(階段板)」、「手すり(親支柱)」、「手すり子(支柱)」、「笠木(かさぎ・頭)」。

2階以上にあるバルコニーや屋上にある手すりの高さは、転落防止のため1100mm以上とするよう定められている。

「手すり子(支柱)」間隔は、住宅設計指針では、転落防止のため間隔は1100mm以下としている。 今回のロフト手すりは、笠木幅80mm、手すり高さ1000mm。 支柱間隔はボード貼りしないときは1000mm。
ロフトを作る 【ロフトの手すり・笠木幅】

階段手すりの構成部材は、「段板(階段板)」、「手すり(親支柱)」、「手すり子(支柱)」、「笠木(かさぎ・頭)」。

2階以上にあるバルコニーや屋上にある手すりの高さは、転落防止のため1100mm以上とするよう定められている。

「手すり子(支柱)」間隔は、住宅設計指針では、転落防止のため間隔は1100mm以下としている。 今回のロフト手すりは、笠木幅80mm、手すり高さ1000mm。 支柱間隔はボード貼りしないときは1000mm。




ロフトの階段を作る

ロフトの階段  


   

階段を作る 【階段について】

建築基準法では、住宅に設置される階段の有効幅は750mm以上とされている。

一般に住宅の階段は、30~35度程度の勾配が適当であると言われる。  図は45度の角度。

階段を作る 【階段の一般法則】

踏み板の奥行きは150mm以上とされる。  角度も影響するが階段を無理なく上り下りするには踏面の大きさが重要。  一般的に踏板の奥行きは210mm。

また、段の高さ、蹴上げ(けあげ)は大きいと歩きづらいので、230mm以下と定められてる。 「踏み面×2 + 蹴上げ=600mm」が目安。

一般的な1坪階段だと、45度の角度で踏面も蹴上げも210mm前後になる。
階段を作る 【側板と踏み板の材料寸法】

側板寸法は幅240~360mm、厚さ38mm。 踏み板寸法 210×38mm。

踏み板は側板に15mm掘り込みして差し込み強度を確保する。

蹴込み板で縦方向にも保持すればさらに強度を上げられる。
階段を作る 【蹴込板】

踏板だけで階段強度を保持するのではなく、蹴込み板で縦方向にも保持すれば強度を上げられる。

踏み面の少ない場合は蹴込み板を斜めに施工する。 蹴込板厚 6mm。
階段を作る 【登り口と壁の隙間】

階段登り口は、壁際から400mm以上、できれば500mmは開けたい。

ここが狭いと、大きな荷物をもって行き来するのがつらい。



階段を作る 【階段の手すり】

手すりは少なくとも片側には安全のために手すりをつけることが義務づけられている。

一方、高さについて建築基準法の定めはないが、一般に850mm程度が適当。  また2階以上にあるバルコニーや屋上にある手すりの高さは、転落防止のため1100mm以上とするよう定められている。
ロフトを作る 【階段手すりのウンチク】

階段の手すりは、一般的に移動がしやすい32mm~36mmの太さを選ぶことが多い。

指がしっかりまわる32mm太さの丸棒が握りやすいとされるが、32mmの場合ブラケット(金具)の配置が600mmなのに対し、35mmは900mmとされ、結果32mmは割高になる。

つかいやすさや工事費用を考えると、35mmがオススメ。

ただ階段に手すりの設置を義務付けている建築基準法施行令第25条が、手すりについては何ら定義していない。




ロフトの「船底天井」

 ロフトにする場合、むき出しの屋根裏の仕舞いをどうするか。  このままむき出しにしたままにしておくか、もしくは船の底のような「船底天井」を張る方法があります。     「船底天井」は天井がかなり高くないと作れなので、下屋か本屋になります。  「下屋(げや)」とは、1階の方が2階よりも大きいとき、1階の部屋の上に母屋と別な屋根をかけた部分。
ロフト 昔はスギ等の無垢、と天井板は決まっていました。

近年では針葉樹材の無垢に替わって、合板や無機材料製のボードの表面に、 美しい木目や材質の化粧単板を接着したツキ板を、表面に接着した「化粧貼り天井板」、印刷紙や、 フィルムを貼った「二次加工合板天井板」などが一般的になっています。

 無垢材の場合、厚さ10~12㎜、幅110~165mm、長さ2430~3660mm。  「化粧貼り天井板」は、厚さ5.5~6.3㎜、幅606~909mm、長さ1820~2430mmが一般的のようです。


     

【天井板を寄る】

自然木は節目も模様も、色合いも微妙に異なる。 そこで、一旦材を色目で統一するよう仕分けしておく。 これを「寄る」という。

寄ったら最初5㎝ほど長くカットし、その端材を張る順番に並べてみて、端だけ幅が大きく違わないよう、寸法合わせしておく。

なるべく同じ目が揃うよう割り付けした羽目板を固定していく。

ロフト「船底天井」 【「船底天井」の下地を張る】

棟木の高さを起点として「船底天井」を張っていく。

天井板が差し込まれる「船底天井用棟木」を本来の棟木に固定させる。

棟木のにボルトなどが邪魔で、直接「船底天井用棟木」を取り付けられない場合、40mm角の下地を咬ませておく。



ロフト「船底天井」 【「船底天井」用棟木を張る】

「船底天井用棟木」は、左右に天井板が差し込まれるミゾが掘られている。





ロフト「船底天井」 【天井勾配下地】

斜めに張られていく「船底天井」の開始点。

勾配に合わせ角を落としておく。

この角度に合わせ、「船底天井」が張られていく。

ロフト「船底天井」 【野縁を配置する】

野縁(のぶち)は天井板を打ちつける下地材。

竿縁(さおぶち)天井は、伝統的な和室の天井仕上げのひとつ。

一般に竿縁は猿頬(さるぼお)や大面(おおめん)などに面取りしたものを使い、見えるように使われる。

ロフト「船底天井」 【格子状に配置された野縁】

一番下に渡された野縁に天井板を打ちつける。





ロフト「船底天井」 【天井板端を棟木に差し込む】

天井を張っていく。

「船底天井板棟木」に掘られたミゾに、天井板端を差し込む。





ロフト「船底天井」 【天井板を張っていく】

フロアタッカーは使わず、通常の4mmタッカーとボンドを併用して天井板を張っていく。 ただし2箇所止めする。

天井板の端は野縁で受け止められるので、いちいち手で支えなくてもよい。

実際の天井板固定は、天井板と同じ角度でり付けられている野縁にタッカー留めしていく。

ロフト「船底天井」 【天井板を張っていく】

4mmタッカーとボンドを併用して張っていく。  天井板の端は野縁で受ける。

実際の天井板固定は、天井板と同じ角度でり付けられているの縁にタッカー留めしている。



【天井羽目板・本実目透かし加工】

本実(ホンザネ)目透かし加工がされている羽目板。

雌実をタッカーで固定していく。

板同士を張り合わせたとき、隙間から板が見える。

実(サネ)部分のバリなどは接合不良の元なので、あらかじめならしておく。
【天井羽目板2・本実目突き付け加工】

本実(ホンザネ)突き付け加工がされている羽目板。

くっつけたとき、繋ぎ目が隠れる。

また、出来るだけ羽目板の目が同じく揃うよう割り付ける。

ボンドを使う場合は、固まっても弾力があり伸縮にも強いウレタン樹脂系の接着剤を使う。
【天井板を張る前に割り付け】

そのまま張っていくと、最後に張る板が数センチ幅になってしまい、他と幅が大きく違ってしまいカッコ悪い。

そこで、最初と最後の板で幅を調整する「割り付け」を最初に行い、そのとき出来るだけ羽目板の目が同じく揃うように割り振る。

図は本実目透かし加工の羽目板を左側から張っていく例。 下地骨組みに雌実(メザネ)部分をエアタッカーで釘止めする。 本実目透かし加工は雄実を釘打ち。
【壁際の処理】

割り付けせず、本実目透かし加工の羽目板をそのまま左端に取り付けた例。

張り付けせずピッタリ合うことはまずないので、本来は端の耳部分は切り落とされる。

壁際はいずれ(廻り縁)などで隠れるので、気にせずバシバシとタッカー止めしていく。





⇒ページTOP


⇒サイトマップ

関連サイト


ランキング

ランキング


こんなサイトもあります

セルフビルド
・"せっけい倶楽部ソフト"で間取り検討
・網戸の張替え


電動工具あれこれ
・電動丸ノコこぼれ話し
・電動ドライバーこぼれ話し
・電気カンナの話


ホビー
・アコギギターの弦交換


【 全国各地ドライブ旅行記 】

日本の救世主......三笠公園の戦艦三笠の雄姿



ドライブの便利グッズ→
旅の記録に...........ドライブレコーダー
車内で家電品............パワーインバーター
読書でリラックス.......好きな作家、読んだ本




【 災害対策用品・災害備え 】

キャンプ用品にはイザ、というとき役立つものが数々があります。



災害時の備えに→
停電時の暖房......カセット式ガスストーブ
停電時の照明.........クワッドLEDランタン
便利な2口コンロ......LPツーバーナーストーブ






関連サイト・バックナンバー