二人の人を同時に愛する。結婚はなんのため

以下は、昔(たぶん、7年前)、生徒達に配ったプリントです。
愛>恋>好きの物語−18号(番外編)

ふたりの人を同時に愛する

女はできないが男はできる。と、よく言われる。
女のことはわからないが、男が「二人の人を同時に愛する」事ができるというのは、違っているような気がする。
下の子が3つ、上の子が6つのとき、公園へ行った。ジャングルジムがあった。
上の子が登りはじめると、下の子も登ろうとする。
3つでは無理だ。奥さんはやめさせようとする。
しかし、私は登らせた。
ここで止めたら、子供の挑戦しようとする気持ちをつぶしてしまう。
だが、気が気ではない。
いつ落ちてもいいように、私の手は子供の体から10cmのところにある。
子供が上に登るにつれ、手が届かなくなるから、私も登る。
両手は子供の体から10cmの空中にある。足だけで登る。
落ちた子供を受けとめても、バランスを崩して、二人とも落ちるかもしれない。
そうなれば、子供を上にして私は背中から地面に落ちることになる。
私の手はふさがっている。そこまで考えて、子供を登らせている。
神経はピリピリと張り詰めている。
この時、私は下の子を愛している。
この状況と私の表情を見れば、誰でもそれを感じるに違いない。
ではこの時、私が上の子を愛していると、周りの人は感じるだろうか。
それは感じないはずだ。私の意識は下の子だけに集中している。
上の子だってまだ6つ。それは心配だが、ほとんど、私の意識外にある。
この瞬間においては、私は上の子を愛していないように思われる。(周りの人から見れば)
愛って重いもの。
ふたりの人を同時に好きになることはできても、
ふたりの人を同時に愛することはできないと思う。
何人かの女性に恋をした。でも、愛した人は奥さんだけ。
(と、思う)やっぱり、わからない。

母親の愛・そして、それを支えるもの

0才児は2,3時間おきに授乳させなくてはいけない。
人工ミルクだと、一度にたくさん飲ませられるから、3時間おき。
母乳だと2時間おき。
うちの奥さんは母乳だったので、2時間おきだった。
これは、真夜中でもだ。
夜の11時に飲ませると、1時,3時,5時という計算になる。
この大変さは経験者でないとわからない。
母乳をあげながら、母親が寝ちゃうこともある。
そして、これが毎日続く。
子供への愛がなければ、これは拷問に近い。
愛があっても、育児ノイローゼになる人はいる。完璧で強い人間ばかりではないから。
その時、夫の態度が重要である。
たいがいの場合、夫は働いていて妻は仕事をしていない。
「おれは仕事で疲れているんだ」とは絶対言ってはいけない。
何もできなくても、時々は一緒に起きてあげるべきだし、ねぎらいの言葉は絶対必要である。

究極の愛

コロンブスのアメリカ大陸発見以来、
多くのヨーロッパ人がアジアやアフリカやアメリカに出かけて行った。
多くは金儲けのためであるが、キリストの福音を伝える宣教師もいた。
日本にもフランシスコ・ザビエルが来ている。
当時、海を渡って行くことだけでも命がけの事だ。

そんな時のある宣教師の話。
この人はどこかの首狩り族に、キリスト教を布教する。
何年もの一生懸命さから信頼をかちとり、キリストの愛を理解してもらえた。
でも、首狩りの習慣だけはやめさせることはできなかった。
思い悩んだ宣教師は、ある日決断する。自分の首を切り落として、自殺する。

結婚はなんのため

(「一緒にいたいから結婚したいだけなのに。」は悪くはないが、幼い。)
ナイチンゲール、マザーテレサなど人の為につくした人がいる。
この人達の愛は無差別の愛だ。この人は愛するが、この人は愛さないということはない。
偉いと思う。そんな人になりたいと思う。
でも、今のところ、そんな人にはなれていない。
結婚の一つの意味は愛の訓練をすることだ。
普通の人にとって、初めて会った他人を愛することは非常に難しい。
身近な人、毎日会う人を愛する方がはるかに易しい。
何十年も一緒に生活し、一緒に笑い、一緒に泣いた。結婚相手。
この人を愛せないで、他の誰を愛せるか。
この人を愛して初めて、ほかの誰かを愛することができる。
それでも、一人の人を毎日、毎日、愛し続けるというのは相当難しい。
だから、途中で挫折しないために、結婚相手は愛しやすい人を選ぶべきなのだ。
好きだから、結婚するのではなく、
一生、愛するために好きな人を結婚相手に選ぶべきなのである。

人は何のために生きるか。パラドックス1

それを知るために、生まれてきた。

結婚。パラドックス2

愛しているから結婚するのではなく、結婚するから愛するのだ。

あなたと私。トワエモアの歌(36年前の歌)

ある日突然、二人だまるの
あんなに、おしゃべりしていたけれど
いつか、そんな時が来ると、
私にはわかっていたの

これは恋。
恋は高校生も経験する。
でも、高校生は愛は体験できない。と、思う。

次イラク戦争と松原団地駅16へ続く

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。