月の裏側のUFO基地での会話-戦争と平和

月の裏側のUFO基地に関する、みほが見なかった山田先輩の文章その1
宇宙人と戦争する?

月の裏側のUFO基地での会話

高校3年生が書いた03年度部誌より

「銀河連邦地球監視団の団長として、この60年間の地球人の行動について、
連邦総会に重要な報告をしなければならない。
はっきり言って地球人は我が銀河連邦に大きな脅威を与えている。
60年前、核爆弾を開発し、使用したばかりか、いまだに保有し、新たに開発もしている。
35年前には月にロケットを飛ばし、今や、太陽系外にまで到達するロケットを開発しようとしている。
ま、温暖化対策や地球人同士の戦争に多大な費用がかかるから、そう簡単にはいかないが。
とにかく20年後には、木星や月の裏側の我々の基地を発見し攻撃をしかけてくるかもしれない。」

「まったく、同感です。
これまで、地球人の思い上がりを正すため、
我々の宇宙船を月の裏側から飛ばし、宇宙標準の高貴な文明があることを示唆してきました。
にもかかわらずに、野蛮で攻撃的な地球人は、いっこうに考えを改めません。」

「平和的手段では限りがあるという事を報告書に書いておこう。」
「平和的手段ですか?チェリノブイリの原発に細工して、
核の恐ろしさを地球人に再確認させたのは団長のペンタゴン星ではなかったのですか。」
「何を言っておる。チャレンジャーに細工をして宇宙開発を遅らせようとしたのは君のKGB星ではないのか。」
「仲間割れをしている場合ではありません。
ジョン・レノン星のように、Give Peace A Chanceなどと言っていると、地球人の脅威に対抗できません。」
   (平和にチャンスを与えよ。1969。V+O+O)

「そうだ、過去の我々の行為はどうでもいいのだ。
ならずものが住む現在の地球が問題なのだ。
地球に対する武力攻撃を銀河連邦総会に進言しよう。」
「攻撃範囲はどこにしますか。
悪の枢軸国、アメリカとロシアと中国にピンポイントですか。」
「いやいや、それだけでは心配だ。
イギリスとフランスとインドとパキスタンとイスラエルとイラクと北朝鮮と。
リビアとイランも危ないな。ついでにドイツと日本も加えとけ。」

「つまり地球総攻撃ですね。
しかし、連邦同盟条約9条に
『宇宙開発にあたっては同盟に加盟していない低文明の惑星の生命を尊重し』
という条項があったと思いますが。」
「君は不勉強だな。
それには但し書きがあってな。
『ただし、同盟に加盟する惑星の生命・財産に脅威がある場合は除く』
と書いてある。」
「全く不勉強でして、我々の高貴な文明に財産という概念があるのを初めて知りました。
確か、ジョン・レノン星の曲「イマジン」に
『Imagine no possessions(財産) I wonder if you can』
というのがありましたね。」
「ジョン・レノン星の曲は全面禁止だ。
しかし、4光年離れた連邦本部に報告書が届くには我々の高貴な文明をもってしても、4年かかってしまう。
それでは遅い。
連邦本部には事後報告するとして、ただちに総攻撃の準備をせよ。」

「たしか、さきほど20年後の脅威について、おっしゃっていたと思いますが。」
「うるさいことを言うと、逮捕するぞ。早くショックカノン砲の用意をしろ。」
「監視団の団長は攻撃軍の司令官も兼ねていたのですね。」

月の裏側のUFO基地の外壁が白く塗られていたのは言うまでもない。
(山田 太郎)

<天の声> 馬鹿げた戦争はもうそろそろ、終わりにしない?
ジョン・レノン星の曲には、ハッピークリスマスというのも、ありました。
『War is over, if you want it. War is over now』

ジョンレノンのイマジンは911のテロ後、「自由の国」アメリカで、放送が自主規制された。
この歌のどこが、いけないの。
ちょっと前までは、アメリカ人も好きな曲だったのに。
ジョンレノンのイマジン </天の声>

次アメリカ国民に謹んで進言す6へ続く

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。