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健康診断はアリガタイ?

 誰しも中年以降になれば多少の肉体的ガタは避けられず、体のアチコチも痛くなりますし、体力の衰えも感じてきます。

日々の生活で特に不調とも感じないで暮らしていても、健康診断を受診すれば検査項目にもよりますが一つや二つは、必ず(?)といっていいほど基準範囲内に収まらないところも当然出てきます。

 わが国ではアリガタイことに、基準値に収まらない項目が一つでもあろうものなら、たとえ自覚症状があろうがなかろうが、たとえ数値がほんのわずかの超過であろうが、 即刻「異常」や「病気」とみなされ、医者から大量の薬が処方される、という仕組みになっています。

 そして、ほとんどの人は食事代わり(?)にもなるような大量の薬を処方され、何の疑念も抱かずアリガタく毎日摂取する、というパターンが日本全国で繰り返されています。    いったん病院で薬を処方されたが最後、オソラクその後も薬をずっと飲み続けなくてはならない運命が待っているのです。

 こんなに気前よく次から次へと国民を病人に仕立て上げているわが日本ですが、厚生労働省の発表によると、2010年度医療費総額は37兆4202億円、 また75歳以上の高齢者の医療費は12兆7213億円にものぼるそうです。

 WHOによると、先進国の2010年度のGDPに対する医療費の比率の平均値は12.4%、医療費総額に対する公費負担率の平均値は61.8%。   日本の2010年度のGDPに対する医療費の比率は9.2%、医療費総額に対する公費負担率は80.3%だそうで、 先進国の中でも最も高いグループに属しているようです。


各国の医療費事情

 なにかの本で、イギリスに在住している日本人が、「イギリスは医療費はタダだし.....」みたいな記述がありズイブンめぐまれているナァ、と感心したのですが、 どうやら実態は少々イメージと異なっているようです。

 イギリスの医療費総額に対する公費負担率は83.2%で日本とさほど違わないようですが、 国民保健サービス(NHS)をうける限りでは診療は自己負担額ゼロだが、 薬が必要なときは別途処方料(約1800円)を支払うシステムになっており、しかも、処方料は薬一種類につきその都度必要なため、 複数の薬を処方してもらうとかなり高額になるといいます。

 そのため日本における医療費3割負担という制度より、イギリスでの薬処方料の方が割高になるケースもあるわけで、必ずしもイギリスは日本より恵まれている、 というわけでもなさそうです。

 また、お世話になる機会の多い歯科治療については、NHSでも有料であり自己負担額は日本よりも高いとか、 NHS以外の病院で医療を受ける場合は全額自己負担で、 しかもその金額は日本における医療費よりもかなり高額となってしまう、などなど総合的に比較すると安心して治療を受けやすい環境にあるのは日本のほうかもしれません。

 アメリカは先進国の中で例外的に国民皆保険制度をとっておらず、医療保険の加入率が低く、破産した人のおよそ半数が、 医療費支払いにより破産しているとの報告もあります。   しかも、治療費の自己負担が高額ということもあり、自己破産に至った患者またはその家族の多くは、中産階級で医療保険加入者だといいます。    医療制度については古くからアメリカの政治的問題と認識され議論が行われてきました。

 『WHOによると2010年度のGDPに対する医療費の比率は17.6%、公的な医療保険は高齢者と障害者のための(メディケア)と低所得者のための(メディケイド)、 中所得者に養育されている児童のための州の児童医療保険制度、軍人、警察官に限定されているので、 国全体としての医療費総額に対する公費負担率は48.2%である(Wikipedia)』、ということですから、医療制度に関してはかなりの後進国のようです。

 日本は世界でも屈指の手厚い医療保障制度の国であり、安心して病院に行くことが出来る、患者にとって大変ありがたい国なわけです。   それがために、ほっておいても大丈夫なものでも安易に医者にいってしまい、それが結果として莫大な医療費増加を招き、国民負担増へと繋がっている現状があります。

 『病院の待合室で、「今日はトメさんが来てないね。」  「体の調子が悪いんじゃないの......」』、という小話が作られるほど、 お年寄りが毎日でも医者に通える国ですが、このままではいずれ笑い話で終わらないときが必ずきます。

 年寄りが時間つぶしに頻繁に訪れ、健康診断のわずかな値の違いで病人にされてしまう現在の制度を見直さない限り、青天井で医療費の公費負担が上昇しつづけ、 いずれお金の有る無しで治療の中身がちがってくる時代がくることになってしまうでしょう。


ころころ変わる基準値

 中年以降に気になる血圧の基準値に関しても、従来からの基準値が変化してきています。

実際に約70万人の検診結果を調査したある大学の名誉教授の話によると、 学生時代には医学部の教科書には"最高血圧(収縮期血圧)は年齢プラス90"と書かれていたそうです。
つまり40歳なら130mmHg、50歳なら140mmHgで正常ということです。

その教授曰く、年齢とともに血圧が上がるのは、老化により血管の状態も変わり、血流を上げる必要性が出てくるため正常な変化であり、 70歳であれば最高血圧が160であっても病気の心配はほとんどないそうなんです。

しかし、その後厚労省と日本高血圧学会が2度に亘って基準値を引き下げてきた結果、日本で高血圧と診断されている人数は現在、 男性830万人女性680万人にまで増えたそうです。

ところが2014年4月4日、日本血圧学会が定めてきた『上は130以上、下は85以上』という従来の高血圧基準を、 日本人間ドック学会と健康保険組合連合会が『上は147以上、下は94以上』、 というかなり"ゆるい"数値の基準に引き下げるという発表がありました。

当然(?)のことながら、従来の基準値を守ってきた「日本動脈硬化学会」、「日本高血圧学会」などの医学界からは大きな反発が出ているようですが、 今後の健康指針となる『新基準値』がどう落ち着くのか、気になるところです。(2014.5)



基準値で一喜一憂しない

 自分の身体の調子の良し悪しは、本人にしかわかりません。 お腹周りひとつをとっても、基準値よりも少し太め、または細めのほうが調子が良いと感じる人もいます。

体重が少し基準値を超えても特に不調はなく自分自身が快適に日常を送っているのなら、多少の数値バラつきにとらわれる必要はないはずです。

本人が快適に感じるようであれば、それは健康な証拠であり自分の"適正な値"は自分の身体がいちばん知っている、ということです。

あまり基準値に一喜一憂しないよう、自分の身体の"適正値"を理解しておくことが重要になります。


日本人間ドック学会発表の「新基準値」

 日本人間ドック学会と健康保険組合連合会とで人間ドック検診受診者約150万人を調査した検査結果から、 さらに絞り込んだ"超健康人(スーパーノーマル)"約1万5千人の検査値をベースとして、"血圧"・"コレステロール"・"血糖"・"中性脂肪"など計27項目を対象に 求めた「基準範囲」数値。

そこから出てきた"超健康人"たちの「基準範囲」というのが、従来の検診基準では"悪い"といわれていた数値範囲だった、というわけです。

   

日本人間ドック学会「新基準値」 今の基準
男性 女性
収縮期血圧値(mmHg) 88〜147 〜129
拡張期血圧値(mmHg) 51〜94 〜84
空腹時血糖(mg/dl) 83〜114 78〜106 〜99
総コレステロール(mg/dl) 151〜254 (30〜44歳)145〜238
(45〜64歳)163〜273
(65〜80歳)175〜280
140〜199
HDLレステロール(mg/dl) 40〜92 49〜106 40〜119
LDLコレステロール(mg/dl) 72〜178 (30〜44歳)61〜152
(45〜64歳)73〜183
(65〜80歳)84〜190
60〜119
尿酸値 3.6〜7.9 2.6〜5.9 2.1〜7.0
BMI(肥満度) 18.5〜27.7 16.8〜26.1 18.5〜24.9



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