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日本語の「ことわざ」

 「ことわざ」には先人達の知恵が凝縮されています。   思わずうなってしまう、納得してしまう実に含蓄のあることわざも少なくありません。

 生まれた子供の名前を付けようとした父親が、和尚から勧められたメデタイ言葉を全て並べて子供の名前にしてしまう、という古典落語の『寿限無』で出てくるセリフ、 『....じゅげむ じゅげむ ごこうのすりきれ(五劫の擦り切れ)....』の「(こう)」は、 インド哲学の用語で、極めて長い宇宙論的な時間の単位だそうですが、ナントその時間は、 『(落語では天女が)約2000ku四方の岩場を、100年に一度、布でひと撫でして、その岩場が摩滅するまでの時間よりも長い時間』なのだとか。

 ちなみに、この落語の下げは、近所の子供とけんかをし、殴られてコブを作ってきた子供が、父親とやり取りする中で、長い名前が繰り返されるうちに、コブが引っ込んでしまった、というのが一般的なパターンのようです。

 煩わしく気が進まないことを表すとき使う「億劫(おっくう)」は、億の劫と言うのですから、ほとんど永遠をあらわすわけで、たしかにヤル気は絶対に出ませんね。  そんなコトバ・コトワザの中から、 ナルホドと思うものをいくつか選んでみました。(2016.10.23)


  

知って納得・覚えておきたい「ことわざ」.....その1

「ことわざ」 説   明
「人の情けは身の仇(あだ)、人の辛さは身の宝」 相手から同情されるのはかえって害。  人から厳しくされたほうがむしろ自分にとって益になる。 子どもや部下も甘やかさずある程度は厳しく躾けたほうがいいかも。
「一押し、二金、三男」 女性をくどくコツ。  第一は押しの強さ、第二に金があることで顔ウンヌンはその後の話となるのでたいした問題ではない、という見た目に自信の無い男性にとってはありがたいコトワザ。     ただし、一と二もクリアしていないとなると................
「一人口は食えぬが、二人口は食える」 一人暮らしはムダも多く生活していくのに余分な金はかかるものだが、夫婦二人で暮らすとけっこう経済的で多少は楽になる。
「濃い中の夫婦諍(めおといさか)い」 あくまで諍いレベルであり物が飛び交うハデなケンカではない。  夫婦仲がよすぎるために互いに遠慮せず、かえってプチ口論レベルでの夫婦ゲンカが絶えないこと。
「氷炭相容(ひょうたんあいい)れず」 二人の性格や気質が正反対で相性が悪いこと。  こんな夫婦だとお互いのやることなすことがことごとく反発しあい相手が右と言えば左と返してしまう。
「四十下がりの色事」 中年を過ぎてから覚えた放蕩はなかなか収まらない。 真面目一方できたオトウサンが性悪オンナにひっかかり身包みはがされたり一家離散するのもよく聞く話。   アソビは若いうちにやるものデス。
「六十の筵(むしろ)破り」 六十歳になって女狂いを始める....つまり老人が色恋におぼれることで四十下がりよりタチが悪い?
「五十にして天命を知る」、「六十にして耳順(みみしたが)う」 自分の使命・運命を知るにはある程度の年齢が必要で、人の言葉に素直に耳を傾けられるようになるにはもう少し経験が必要になるものらしい。
「百になって百事(ひゃくじ)を覚える」 百歳になってようやく百のことがわかる。  豊富な経験に裏打ちされた本物の知識を得るには長い時間がかかるもの。
「長い浮世に短い命」 この世は永遠に続くが、人の命とは短くはかないもの.....だから好きなことをして暮らしたほうがいい。   ただし好き勝手にやりたい放題、という意味では決してないのでご注意を。
「無常の風は時を選ばず」 美しく咲き誇るサクラも春の嵐で一瞬にして散ってしまうように無常の風が突然人の命を奪っていく......人は老若とは無関係にいつ死ぬかわからないもの。  親しい人を亡くしたときの詠嘆の言葉。
『花に嵐の例えもあるぞ   さよならだけが人生だ.......井伏鱒二の「勧酒」訳』
「運鈍根(うんどんこん)」 物事を達成するには.....まず幸運にめぐり合うこと、鈍重にみえるくらい忍耐強いこと、そして決してあきらめない根気、の三つが必要だということ。
「思し召しより米の飯」 口先だけで同情してくれるより、食べられる飯を食わせてくれたほうが何倍もありがたい。  現実に役立つもののほうがやさしい心遣いよりもよいのは当然。   ただこれを使う相手は親兄弟、親類あたりにしておくほうが無難。
「椀(わん)より正味(しょうみ)」 外見は立派でも中身が薄っぺらではどうにもならない。  見た目より中身が大事。  見栄を張るのもほどほどがいいようで..........
「起きて半畳、寝て一畳  天下取っても二合半」 必要以上の富貴を求めてあくせくするより、満足することを知って心豊かに暮らすほうがよい。  どんなに広い家でも起きていれば半畳で十分だし、寝るのは一畳で十分。  いくら天下を取っても、一食に二合半以上の飯を食うことはできない。 『吾唯足知....我ただ足るを知る』
「九尺二間(くしゃくにけん)に戸が一枚」 家は狭く粗末ではあるが、気苦労なく暮らしている様子。   江戸時代の裏長屋は、間口九尺(約2.7m)、奥行き二間(約3.6m)の玄関・台所土間を含めて6畳のワンルーム。    寝起きするスペースは4畳半で出入り口に戸が一枚あり窓はなかった。



  

知って納得・覚えておきたい「ことわざ」.....その2

「ことわざ」 説   明
「倹約と吝嗇(りんしょく)は水仙と葱(ねぎ)」 水仙とネギは一見似ているが別であるように倹約とケチは本質は違う。 どちらもこつこつお金を貯めるが倹約家は必要ならばどんと金を出す。   しかし吝嗇家は自分が病気でも金が惜しくて医者にかからない。  
「一安気(あんき)二食養(しょくよう)」 健康で生活するには第一に心の安静、第二に食事への配慮が大事。  ただし食事が大切といってもやれ塩分がどうとか脂っこいとか、やたらに細かいところにコダワリすぎるのも 考えもの。
「夫才知あれば、妻柔和なり」 夫が働き者で生活の心配がなければ妻はやさしく穏やかになれる。  でも夫の稼ぎが悪くボサっとしているから妻は怒鳴りまくる事態になるわけで...........  妻より夫への抗議でこれを言われるとツライ.....
「兄弟二十日、孫二十日」 たとえ親しい兄弟であろうが、かわいい孫だろうが、二十日間も一緒に暮らせばいい加減いやになるし疎ましくもなるもの。   
「三代続けば末代続く」 道楽にふけって三代目までに家業をつぶすケースが多かったことから、家業は三代続けばいつまでも続けられるという期待をこめたことわざ。   
「口に蜜あり、腹に剣あり」 親しそうな態度で接して口では味方のようなことを言ってくるが、心の中ではやっつけたいと考えておりはっきりと底意のある人をいう。



  

知って納得・覚えておきたい「ことわざ」.....その3

「ことわざ」 説   明
「一引き二才三学問」 出世する条件は必ずしも学問が重要となるわけではない。  第一に上の人の力添え、第二に当人の才能・能力、そして第三が学問のあるなしだ、という人生訓。   学歴のセイで万年ヒラではないということか。
「己を達せんと欲して人を達せしむ」 自分が目的を達成したいと思ったら、まず人を助けて目的を遂げさせることが肝要。
「頼むまじきは次の者」 大事な話しは直接責任のある人にすべきで、責任者の次の立場の人をいくら頼りにしてもあてにはならない。  部長に頼みたいなら課長では用は足せない。
「余桃(よとう)の罪」 相手に気に入られていれば多少ルール違反をしようが非難されないが、いちど嫌われてしまえば同じことをしたら罪になる。 君主と果樹園を訪れた若者が、自分が食べ残した桃を差し出したら ウマイと喜んだが、後年寵愛を失ったら食べかすを食わせた、と処罰された故事による。
「沈香(じんこう)も焚(た)かず屁もひらず」 沈香のような芳香も、屁のような悪臭も発しない、という役にも立たないが害にもならない可もなく不可もない人物をさす。
「話は立っても足腰立たぬ」 口先では立派なことを言うが、全然動こうとしない人がいるが、そんな人にハッパをかけるときに言う。



  

知って納得・覚えておきたい「ことわざ」.....その4

「ことわざ」 説   明
「志(こころざし)は松の葉」 贈る人の謙遜の気持ち、また贈られた人の感謝の気持ちを表すことわざ。   松の葉に包むほどのわずかな物でも、贈る側の真心がこもっていれば、立派な贈り物である。    金一封を目下が目上の人におくるとき「寸志」ではなく「松の葉」とする。 
「宋襄(そうじょう)の仁」 無用の思いやりをしたため、かえってひどい目にあうこと。   中国 春秋時代、宋の襄公が楚と戦ったとき、先制攻撃をひかえ敵の布陣が整うまで待ってから攻撃をかけ、敗戦した故事による。
「所の法に矢は立たぬ」 その土地特有の風俗・慣習、礼儀作法・食習慣などというものは、たとえ道理にかなっていなかろうが従わなければならない。 
「女房鉄砲仏法」 女房の力で険悪な争いごとをやわらげ、鉄砲の力で無法者の凶暴さを押さえ、仏法の力で人の邪心を正す。   古来この三つにより日本は安陰に治まってきた、という意味。
「辣韮(らつきょう)食うて口を拭(ぬぐ)う」 悪いことをして知らんぷりしているが、すぐばれること。   ラッキョウの臭いをプンプンさせながら食べていないふりをしてもムダ。
「門前雀羅(じゃくら)を張る」 商店ではなく個人宅の場合、以前はひっきりなしに来客があった家だが、急に途絶えてさみしくなった、というようなとき使う。    来客がないので門前にはスズメが群れをなして遊び、それを捕る網を張れるくらい寂しいという意味。
「人を見て法を説け」 釈迦が説法するときには、人それぞれに応じた方法で行ったという話から、相手の性格や考えなどを知った上で説得せよ、という意味。
「田舎の学問より京の昼寝」 田舎で勉強しても本に書いてあることしかわからないが、都会では怠けていてもナマで多くの情報や見聞が得られ自然に広い知識が身につく、という意味。   「田舎の利口は只の人」
「百日の説法屁一つ」 長い間の苦労がささいな失敗でムダになってしまうこと。  僧侶が百日間続けた尊い説法も、放屁ひとつで有難みが失せてしまった。
「朝題目(だいもく)に宵(よい)念仏」 しっかりした考えを持っていない、定見・節操のないこと。   朝は日蓮宗の題目「南無妙法蓮華経」を唱え、夜になると浄土宗の「南無阿弥陀仏」を唱える。
「千両のかたに編み笠一蓋(いつかい)」 取引条件におおきな差があり引き合わないこと。  千両という借金の抵当が編み笠ひとつではどう考えてもバランスが悪すぎる。
「売り家と唐様(からよう)で書く三代目」 初代は苦労して財産を残し、二代目はそのおかげで暮らし、三代目になると遂に没落して、家を売りに出すようになるが、その売り家札はしゃれた唐様で書いてある、 という道楽にふけった三代目の生活を表していることを皮肉ったもの。



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