【(目が)かたい〔2〕】
共通語 夜更かし、寝つきが悪い
用例訳 あいつはたいそう夜更かしだよ。
採取者 今岡[加茂]
【(しっこが)かたい〔3〕】
共通語 (小便の)間合いが長い
用例 「あら、まだオシメが濡れちょら ん わ」「その子はかてけんね」。
用例訳 「あら、まだオシメが濡れてい ない よ」「その子は(オシッコの)間合いが長いからね」。
採取者 金沢[松江]
【がわ】
共通語 見栄、外見
用例訳 見栄ばかりはってからに、懐はしれたものだよ。
解説 「がわはり」「がわをはる」と使うことが多い
採取者 児玉[横田]
【かめがら】
共通語 〔植〕背負い籠の材料にする木
用例訳 良いカメガラがあったから、背負い籠 でも こしらえようか。
解説 カメガラの木は曲げても折れにくい性質があり、「おいこ」などの用具を作るときに用いられます。
採取者 若槻[仁多]・KEN[八雲]
(記録者:奥野)
【かぶらし】
共通語 喉がいがらっぽい、むずむずする
用例訳 どうも喉がいがらっぽくていけない から、水を一杯ください。
採取者 坂本[加茂]
【かわべら】
共通語 皮、皮の表面部分
用例 おらが寝とったら足のかわべら踏まいてふちごに痛かった。
用例訳 俺が寝ていたら足の皮の表面部分を踏まれて大変痛かった。
採取者 坂本[加茂]
【(絵具などが)かぜをひく】
共通語 (絵具などの練り物が)古くなって湿ったり乾燥して役に立たなくなる、鮮度が落ちる
用例 なんだー。この絵具かぜひいちょってことくそんならん がな。
用例訳 なんだ。この絵具は乾燥して役に立たなくなっていて使い物にならない よ。
採取者 今岡[加茂]
共通語 突端
用例 岸壁のかんぱたから下を覗いたらしょんべがでー やなった。
用例訳 岸壁の突端から下を覗いたら小便が出る ようなった。
採取者 坂本[加茂]・石田[木次]
【かつらいし】
共通語 犬ばしりの縁石
用例 よんべ くらんさででかつらいしにけつまづいて、おもさも さでまくれた。
用例訳 夕べ 暗がりで、かつら石に躓き激しく転んだ。
(註):けつまづく(つまづく)しこたま(激しく又は多く)さでまくれる(不意に転ぶ)出雲弁候補にならないでしょか。。
採取者 森山[湖陵]
(記録者:奥野)
【かーとーえわい】
共通語 稲の収穫祭(刈り取り祝い)
用例訳 おまえのところは、もう刈り取り祝い(を)したかい。
採取者 KEN[八雲]・森山[湖陵]
(記録者:奥野)
【がぜ】
共通語 ウニの総称
用例訳 しまった。ウニのとげが刺さったよ。
解説 昭和二十年代、ウニは今のように珍重されなかつた。海水浴の時食べて見た。それも毒見をするような感じて。ムラサキウニを踏んで足に刺さり痛かった思い出。ムラサキもバフンも一様に「がぜ」とよんでいた
採取者 森山[湖陵]
(記録者:奥野)
【かぶ〔2〕】
共通語 カビ(黴)
用例訳 こんな ところへ出して おけばカビが生える ぞ。
採取者 やまが[八雲]
(記録者:金沢)
【かっぽりさん】
共通語 あり地獄
用例 見てまっしゃい。座の下にかっぽりさんが巣しとー じね。ほんにかわいいがー。
用例訳 見てみなさい。座の下にあり地獄が巣している よ。ほんとうにかわいいよねー。
採取者 原[出雲]・森山[湖陵]
(記録者:奥野)
【かいにかける】
共通語 気にかける、心配する
用例訳 何時も気にかけていてくださってありがとうございます。
採取者 伊藤[斐川]
(記録者:奥野)
【かなわ】
共通語 〔昆〕ガガンボ、カトンボ
用例訳 そこにガガンボがとまっている よ。
採取者 伊藤[斐川]
(記録者:奥野)
【かますつぎ】
共通語 表面から切り布をあてた継ぎ物
用例 ちょっとほころびたけん、かますつぎーあてがーちょいてよ。
用例訳 ちょっとほころびたから、表面から切り布をあてた継ぎ物をあてがっておいてよ。
採取者 児玉[横田]
【かねこおり】
共通語 つらら
用例 おおけなかねこおりがぶらさがっちょー のー。 あげね寒いかい のー。
用例訳 大きなつららがぶらさがっている ねー。 あんなに寒いのか ねー。
採取者 児玉[横田]
【かんもんな】
共通語 重要な
用例 かんもんなことほだー忘れん やーにメモしちょく だ がな。
用例訳 重要なことほどは忘れない ようにメモしておく のだ よ。
採取者 児玉[横田]
【がんつき】
共通語 外見、顔立ち
用例訳 あれは外見のいい 人だねー。
採取者 児玉[横田]
【からおし】
共通語 米つき用の木臼、唐臼
用例訳 夜なべに米を搗くから、手伝って唐臼を踏めよー。
採取者 森山[湖陵]
(記録者:奥野)
【がし】
共通語 (野菜などが)生煮えであること
用例 このだいこの煮たはまんだがしだでや。
用例訳 この大根の煮たのは まだ生煮えだよ。
解説 「がし」という場合は「が」にアクセントがつくが「がしがし」という場合は「し」に弱いアクセント。
採取者 金沢[松江]
【かまあげそば】
共通語 (温かい)汁ソバ
用例訳 こんな 寒いときは(温かい)汁ソバが一番 いい ねー。
説明 茹でたての熱いそばをそば湯と一緒に器に盛るという出雲地方独特の調理方法で、冷たく濃いそば汁を直接かけて味をととのえる。
採取者 金沢[松江]
【かびがくる】
共通語 カビが生える
用例訳 これはなんだー。カビが生えてダメになっ ている よ。
採取者 金沢[松江]
【かしらいも】
共通語 里芋の親芋
用例 そのかしらいもはとっちょけよ。うちでたべー だ けん。
用例訳 その親芋はとっておけよ。家で食べる から。
採取者 金沢[松江]・miyake[東出雲]
【からすなえがつく】
共通語 冷て手足の指が硬直し曲がらない(痙攣した場合にも使う)
用例訳 水が冷たくて手の指が硬直して曲がらなくなったよー。揉んでくれー。
採取者 森山[湖陵]
【がくつかかす】
共通語 ガタガタ音を立てて揺り動かす
用例 コラー。えま字書いちょー けんヤグラをがくつかかすな。
用例訳 コラー。いま字を書いている からヤグラをガタガタ音を立てて揺り動かすな。
採取者 森山[湖陵]
【かたのり】
共通語 自転車の助走
用例 かたのりがなー やねなったけん、さんかくのりはじきできーぞ。
用例訳 自転車の助走がなるようになったから、車体の三角の所から片方の足を出してペダルを踏む子供乗りはじきにできるぞ。
採取者 森山[湖陵]
【(草を)かぐる】
共通語 (畑の草を手で)むしる
用例 えそいで、草かぐっちょか にゃ、おー草になってオオカメが出ー やんなーぞ。
用例訳 急いで、畑の草をむしっておか なくては、大きい草になってオオカミが出る ようになるぞ。
採取者 森山[湖陵]
【かたらだんご】
共通語 かしわ餅(カタラの葉でくるんだもの)
用例訳 もう、(カタラの葉を使った)かしわ餅は葉がはがれにくくて いけない よー。
解説 出雲地方では柏餅に 柏の葉の他にカタラの葉(サルトリイバラ)を用いることが多い。今でも都市部のスーパーでは「かしわの葉」と「カタラの葉」を用いた餅がどちらも「かしわ餅」という表示で売られている。/金沢[松江]
採取者 松尾[湖陵]
(記録者:金沢[松江])
【からさお】
共通語 麦などの穀物を打ち落とす道具
用例 ちょんぼしの麦だけん、足ふみ(式脱穀機)まで出さん でもからさおで落とさ や
用例訳 少しの麦だから、足ふみ(式脱穀機)まで出さなく ても麦などの穀物を打ち落とす道具で落とそう よ
解説 ドラムに太い針金の逆V字の歯がさしてあり、このドラムを足踏み式ペダルで回転させ、麦束を当てて脱穀する。
採取者 森山[湖陵]