【きたきた】
共通語 《副》慌てて忙しくする様
用例 おーとしだけん て そげにきたきたしたてて どげだい ならんわの。
用例訳 大晦日だから といって そんなに慌てて忙しくしても どうにも ならないね。
採取者 金沢[松江]
【きにょば】
共通語 〔卑〕子を生めない女、石女(うまづめ)
用例 「産すーときねきにょばが立ちあっちょーとえけん げな。」てて、前はえ よった がの。
用例訳 「お産をするときに石女(うまづめ)が立ち会っているといけない そうだ。」と、前は言っ ていた よ。
採取者 KEN[八雲]
(記録者:奥野)
【ぎっこぎっこ】
共通語 わんわん(子供が大声で泣きじゃくる様)
用例 もう、こらえ ちゃー だわね。ぎっこぎっこえって、ほえ ちょー がね。
用例訳 もう、許して やり なさいよ。わんわんいって、泣いて いる よ。
採取者 金沢[松江]
【きじしし】
共通語 《名》枝薪類の積み山
用例 きじししからよーだしちょんぼほど持って下りちょか で。
用例訳 枝薪類の積み山から枝薪を少しほど持って下りておこう や。
解説 藁の“ししし”に対して、枝薪類を積んだ山を連濁してこういう(東出雲)
採取者 金本[東出雲]
(記録者:金沢)
【きんま】
共通語 《名》木馬(きうま)
用例 前にゃ の、山で木切って、きんまね乗せて運びょった わな。
用例訳 前には ね、山で木を切って、木馬に乗せて運んでいた よ。
解説 木材を切り出した場所から馬車が入る場所まで運び出す時に使ったのが「きんま(木馬」と呼ばれる「ソリ」状のものでした。昭和30年頃までの「やまおろし」は殆んど木馬(きうま)でした。
参考 【ばんぎ】
採取者 KEN[八雲]
(記録者:奥野)
【きろきろ】
共通語 キョロキョロ
用例 こら、あんまーきろきろすー だ ね が。ざいごたらだともわれー ど。
用例訳 こら、あまりキョロキョロする じゃ ない よ。田舎者だとおもわれる ぞ。
採取者 金沢[松江]
【きたいな】
共通語 奇妙な、不思議な
用例訳 阪神が九連勝だって。奇妙なことがある ものだねー。
採取者 金沢[松江]
【きろっきろっした】
共通語 闊達聡明な
用例 あの子はきろっきろっした子だ。
用例訳 あの子は闊達聡明な子だ。
採取者 金本[東出雲]
(記録者:奥野)
【きもはないて】
共通語 思いきって、大胆に
用例 この節、きもはなえて婚礼ども しゃ、 とーたもんだあーません だけんね。
用例訳 この節、大胆に婚礼でも すれば、(お金が)足りない のだからね。
採取者 金沢[松江]
【きりじゃせん】
共通語 (墓掃除のときに使う)竹のささら
用例訳 墓掃除に行かなければ いけないが、竹のささらがみえない。
採取者 金沢[松江]
(記録者:奥野)
【きぶんすけ】
共通語 お調子もの、気分屋
用例 こな もないたってきぶんすけだけん の。会長にしちょ か え が。
用例訳 あの 者は、いたって気分屋だから な。会長にしておけ ば いい よ。
採取者 金沢[松江]
【ぎょいさく】
共通語 上機嫌
用例 まーず、孫さん、きょはぎょいさくであそんじょっ てだ がね。
用例訳 まあ、お孫さんは、今日は上機嫌で遊んで(いて) おられます ね。
解説 出雲弁は「あそんぢょっ てだ」等、言い回しがダブル傾向があります
採取者 KEN[八雲]
(記録者:奥野)
【きーだめ】
共通語 (木製長方形で、蓋のある、多くは内外ともに)薄漆塗りの料理箱
用例 きーだめの中ね、こわめし(赤飯)があー けん、それ食っちょか っしゃい。
用例訳 薄漆塗りの料理箱の中にこわめし(赤飯)がある から、それを食べておき なさい。
解説 大きさが少しずつ違っていて、仕舞う時に重ねると、ソ連の人形のマトリョーシカのようにいれこ式になっていて一つの箱になります
採取者 金本[東出雲]
(記録者:奥野)
【ぎゃーこくさ】
共通語 〔植〕ミゾソバ
用例 めち ん はた ね、ぎゃーこくさの花がえっぱい ふらい ちょったわ。
用例訳 道 の 端 に、ミゾソバの花が沢山 開いて ていたよ。
採取者 KEN[八雲]/【かえーぐさ】今岡[加茂]
【きつねいし】
共通語 石英
用例 (子供に向かって) またきつねいしふろって来て、なんね なー。
用例訳 (子供に向かって) また石英をひろって来て、何に なる(のだ)。
採取者 遠藤[大東]/今岡[加茂]
【きっちきっち】
共通語 寸法がぴったり
用例 あんまー、きっちきっちしちょって、かえって窮屈げな のー。
用例訳 あんまり、寸法がぴったりしていて、かえって窮屈そうだ ねー。
採取者 児玉[横田]
【ぎっちぎっち】
共通語 ぎっしり、隙間なく詰まる
用例 あげん、ぎっちぎっちに詰めこん だ ね わねー。 もたんなって えけん がねー。
用例訳 そんなに、ぎっしり詰め込む じゃ ない よ。重たくなっていけない よ。
採取者 岡田よ[斐川]
(記録者:奥野)
【きっくゎせ】
共通語 タイミング、機転、出だし
用例訳 タイミング良くしてくれたよ。感謝せねば。
採取者 児玉[横田]
【きだはし】
共通語 階段
用例 うじがんさんのきだはしー上がってえくことも難儀になったとまっしゃい。としー取っただ わな。
用例訳 氏神様の階段を上がっていくのも難儀になったよ。年を取ったんだ よ。
採取者 児玉[横田]
【きこえたやーな】
共通語 聞いた風な
用例 偉そうにきこえたやーなことをいいちょーが、あてくそにゃーならん けん のー。
用例訳 偉そうに聞いた風なことを言っているが、信用はならない から ね。
採取者 児玉[横田]
【きこーじん】
共通語 頑固者
用例 こなはきこーじんだけん のー。 簡単にお前の言うことやなんかい 聞きゃーせん じ。
用例訳 あいつは頑固者だから ねえ。簡単にお前の言うことやなんか聞きはしない よ。
採取者 児玉[横田]/【きこはり】奥野[平田]
【きーきーごえ】
共通語 金切り声
用例 まあ、またきーきーごえーして騒いじょーが。何かい のー。
用例訳 まあ、また金切り声で騒いでいるが。何か ねえ。
採取者 児玉[横田]
【きど】
共通語 道から門や庭までの道
用例訳 隣は道から門や庭までの道が長くて 早急には行けない よ。
採取者 奥野[平田]
【きのめだち】
共通語 〔卑〕春先の心身不安定になりやすい季節
用例訳 春先の心身不安定になりやすい季節になったから、気を付けてあげま しょう ね。
採取者 児玉[横田]