【ちょっこごと】
共通語 ちょっとしたこと
用例 「あさま とーから、どこへえき なはいますかや。 なんぞごと あーましたかね。」
「なんがー、ちょっこごとだわね」
用例訳 「朝 早くから、どこへ行き なさいますか。なにごとか ありましたか」
「なんのなんの、ちょっとしたことだよ」
採取者 金沢[松江]
【ちょーたまち】
共通語 調子のいい奴・とんでもない奴
用例訳 あいつは本当 に調子のいい奴だよ。
採取者 若槻[仁多]
(記録者:石原)
【ちょろけん】
共通語 〔動〕トカゲ
用例訳 トカゲは怖いことない。
採取者 若槻[仁多]
(記録者:石原)
【ちゃっちゃ】
共通語 〔幼〕父
用例 ちゃっちゃは漁にでた。
用例訳 父は漁にでた。
解説 【かっか】・【ちゃっちゃ】は平田の漁村で使われていた
採取者 奥野[平田]
共通語 めちゃくちゃ
用例 縄をそげんちゃちゃこもちゃこね しーと、どげだい なー しぇん がの。
用例訳 縄をそんなにめちゃくちゃに すると、どうにも なら ない よ。
採取者 金本[斐川]
(記録者:奥野)
【ちょんちょ〔2〕】
共通語 〔昆〕蝶々
用例 ちょんちょがとんぢょー。
用例訳 蝶々が飛んでいる。
採取者 KEN[八雲]
(記録者:奥野)
【ちりいれ】
共通語 土寄せ(作物の根元に土を覆土すること)
用例訳 今日は大豆の土寄せをしようかね。
採取者 金本[東出雲]/【ちーかけ】KEN[八雲]/【ちーかー】目黒[木次]
(記録者:奥野)
【ちょーはずく】
共通語 肩すかしをされる、途中で計画が崩れる
用例訳 あてにしていたのに、肩透かしをされたよ。
採取者 金沢[松江]
(記録者:奥野)
【ちゅーはん】
共通語 〔魚〕ふっこ
用例 今夜、ちゅーはん釣りにいかこい。
用例訳 今夜、ふっこ釣りに行こうよ。
解説 魚の鱸(すずき)は出世魚で、「せいご ⇒ ふっこ ⇒ すずき」というようですが、出雲地方では「ふっこ」のことを「ちゅーはん」といいます。30センチから50センチくらいのものでしょうか。五月頃から六月にかけて大橋川を宍道湖にかけて遡上するのを夜釣りで釣ります。これはこの季節だけです。
採取者 金沢[松江]/【ちーはん〔2〕】KEN[八雲]/【ちゅーあん】牧野辰雄[平田]
【ちゃちゃける】
共通語 爛れる(ただれる)
用例訳 口の 辺りが爛れて痛くて いけない。
採取者 金本[東出雲]
(記録者:奥野)
【ちばける】
共通語 慌てる、騒ぐ、騒動する
用例 ああ、おまえさんとこのおばばは、たったさっき、ちばけてえな っしゃーましたでね。
用例訳 ああ、おまえさんところのおばあさんは、たったさっき、慌てて帰 られましたよ。
採取者 金沢[松江]/板持[吉田]
(記録者:奥野)
【ちらばかす】
共通語 散乱させる
用例訳 誰 かな。散らかしたものは。
採取者 金沢[松江]/遠藤[大東]
【ちゃぎ】
共通語 〔卑〕左利き
用例 こなはちゃぎだけんグローブのえ やちがなかなかね ともい。
用例訳 あいつは左利きだからグローブの良い やつがなかなか無い よ。
採取者 遠藤[大東]/【ぎっちゃ】奥野[平田]
(記録者:奥野)
【ちろちろ〔1〕】
共通語 うつらうつら
用例訳 少しの間、つい、うつらうつらした間だったよ。
採取者 若槻[仁多]/森脇[仁多]
(記録者:奥野)
【ちろちろ〔2〕】
共通語 ちょろちょろ
用例訳 子どもが、もう、ちょろちょろしていけ なかった よ。
採取者 森脇[仁多]
(記録者:奥野)
【ちゃんがら】
共通語 祭りのときなどに使われる小さなシンバル状の楽器
用例 三年せまでははちゃんがらで、四年になったらど叩いてもえ。
用例訳 三年生まではちゃんがらで、四年(生)になったら太鼓を叩いてもよい。
採取者 遠藤[大東]・西村[木次]
【ちゃん】
共通語 とらばさみ
用例訳 雪が降ったけんちゃんで鳩とらこい。
採取者 遠藤[大東]・飯塚[掛合]
【ちかちか】
共通語 ちくちく
用例訳 背中がちくちくしていけない よ。何でだろう か。
採取者 児玉[横田]/【ちっかちっか】児玉[横田]
【ちびらかす】
共通語 ちびらす
用例 買ってやったばっかし だーね、もうちびらかいちょー がな。
用例訳 買ってやったばかり だのに、もうちびらしている よ。
採取者 児玉[横田]
【ちや】
共通語 〔植〕チシャ
用例 さあ。はしまになったけん、”ちやもみ”でもそえて食うてご っさいよ。
用例訳 さあ。間食の時間になったから、チシャの酢もみでもそえて食べてくだ さいよ。
解説 ”ちやもみ”はチシャを茹でてあじの焼いたものなどと一緒に酢もみした料理/遠藤[大東]
採取者 児玉[横田]
【ちゃちゃーつける】
共通語 からかいいじめる
用例訳 きょうは、完全にからかいいじめられた。参ったねー。
採取者 児玉[横田]
【ちんて】
共通語 珍しい、いかす
用例訳 おー。おまえなかなか珍しいものを持っている ねー。
採取者 坂本[加茂]
【ちんちゃくる】
共通語 (ハサミで)切り刻む
用例訳 小さい子にハサミを持たせると何でも切り刻んでしまう。
採取者 坂本[加茂]
共通語 馬鹿にしてからかう
用例訳 人を馬鹿にしてからかうにも程がある よ。
採取者 児玉[横田]
【ちる】
共通語 のぼせる、逆上する
用例 こんなはちーと頭へちっちょー けんなー。まあ、ほっちょく だわ。
用例訳 あいつは少し(頭へ)逆上している からなー。まあ、ほっておき なさいよ。
採取者 児玉[横田]