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シロアリの対策

 土台の木材には、シロアリ対策として殺虫剤を地面から1mの高さまで散布するが、シロアリ殺虫剤の成分は有機系であり、5年で分解されてしまうので、殺虫効力は失われてしまう。

  また、シロアリ殺虫剤はミツバチの生態系にも悪影響を与えているとされ、人体にも決して無害とは言えない。  蚊取り線香の除虫菊でさえ、人体に長く浴びると脳の中枢神経に悪影響を与えるとされる。

 地面から1mまでという理由は、農薬系のシロアリ殺虫駆除剤は、居住空間に使うと目がチカチカするとか人体に有害なため、という理由もある。

 揮発するものがない無機鉱物のホウ酸塩水溶液(ホウ酸塩ティンボア・八ホウ酸二ナトリウム四水和物・DOT)を床下に施工しておけば、半永久的に長持ちする。  ただ、日本のメーカーは半永久的に使われてしまうと商売にならないので、 いままで市場に出回らなかったが、近年は認知されてきている。

 木が腐るのは「木材腐朽菌」という菌が、木に湿気がつくと食べるからだが、ホウ酸塩はこの菌に対して殺菌能力が高く木材の腐食防止に効果がある。  腐りかけている箇所にホウ酸塩を吹きかけておくことで進行を防げる。  また 防カビ効果もあり、また防錆効果もあり金属もサビづらい。 ただし、ホウ酸塩は水に溶けやすいので、常に濡れている箇所には効果が半減する。

 ティッシュペーパーにホウ酸塩をスプレーしておくと、 ライターで火をつけても焦げるだけで炎が上がらないように、難燃効果も期待できる。  ただ、内部にかなりしみ込ませておく必要はある。

 土台から屋根まで、木材に噴霧しておけば、防腐効果も高く、粉末のホウ酸塩を床下や天井裏に噴霧するやり方もある。  ただし、分解しないのであまり室内に充満させてしまうと、免疫が下がりアレルギーの原因にもなる可能性もあるので、 内部に大量に使うのは注意。  また、水に流れやすいという性質があるので、濡れる箇所には使えない。


土台と大引き

 大引き(おおびき)とは、床と根太を支える横木(横架材)。 基本的に住宅床の構造は床板を根太が支え、根太を大引が支える仕組みになっています。  一般的に910mm間隔で並べられ、その上に大引きと直行する形で根太が乗り、床合板が張られます。      

【土台・大引の設置】

束立て床(1階部分の床組)のうち、「土台と大引」を設置する。

大引きは谷状態(下側に曲がる)に使い、床束で持ち上げるようにする。

大引きや根太を張った後では、下の地面を均すのが大変になる。  大引きは相次ぎの加工が必要となる  土台は120mm角。 間柱用の切り込みは入れない。  ピアノや薪ストーブなど重いものを置く箇所は束の間隔を狭くする。
【大引きの間隔】

床の基礎的な部分である「大引き(90㎜角以上推奨)」は、120㎜×120㎜の角材を組み、水平に並んでいるか確認し束で支える。  大引きの芯々は909mmで配置する。

最近は木製束の代わりに、高さが調整できる鋼製束が主流のようだが、今回は既存の木製束を再利用する。

ピアノや薪ストーブなど重いものを置く箇所は束の間隔を狭くする。

【土台と大引きの接合】

大引きは土台に「腰掛大入れ」で接続。  ビスで斜め止めする。

土台の継ぎ手は「腰掛け鎌継ぎ」。

根太を張る前に、既存の土台・大引き・束柱はよく清掃し、防腐剤を丁寧に塗布しておく。

【束を設置する】

大引きを910mm間隔で配置したら、90mm角の束石と大引きの間に床束を入れ、ビスで斜め止めする。

床下は湿気があるうえ、ホコリも舞っていて、これが束の木口(きぐち・束石との合わせ目)の周囲に積る。 それが水気を吸って束を腐らせ、   ふやけた結果床が下がる、という現象が起こる。

そのため、束はヒノキかスギの腐りにくい芯持ち材の赤身を使え、と言われる。 束の端部にはシロアリ予防の防腐剤を塗る。  
【根がらみ貫】

独立基礎で昔の玉石(ぎょくいし)の束石をつかっていた時代は、束石が平らではなく、そこに乗る床束も不安定だった。

そのため、「根がらみ貫(ねがらみぬき)」を使って束同士を連結していた。

平らなベタ基礎や布基礎では、もう使用されなくなっている。
【大昔の束石】

床束は自然石の束石にただ乗っけているだけ。

これでは「根がらみ貫」を使わないと束石から床束が外れてしまうのは確実。

【床組みの完成】

「床組(ゆかぐみ)」とは、木造建築物において、床面を支えるための骨組のことを指す。

この上に根太を張っていく。   床板を張る前に、防蟻処理は忘れずに。

【鋼製束による大引き保持】

現代の建築は、コンクリート基礎に「鋼製束」を置き、垂直方向に基礎と大引きをツッパリ補強するのが一般的。

土台から土台に渡す大引は、たゆんだりするので、大引の下に約910mm間隔で束を置き、地面から支える。 大引きに付ける鋼製束の差さえ金具が互い違いになるよう設置していく。

新規の大引きなら、「鋼製束」を取り付けてから組むと楽。 2間の長い場合、折れないよう真ん中だけ伸ばしておく。
【鋼製束にボンド】

鋼製束の設置ポイントにはウレタンボンドをつけておく。

ボンドは鋼製束を土台に密着させたとき穴からはみ出す程度にタップリぬっておくこと。

高さが決まったら、ナットを固定していく。  締めるときは鋼製束の真ん中をしっかり握り固定させておく。

【火打ち土台】

床の変形を防止するために設ける斜材。

1階の床に設けるものを火打ち土台、2階などの床や小屋組に設けるものを火打ち梁。



 





古民家リフォーム・土台不陸の調整

       

【床高さを決める】

基礎と土台を設置したら、レーザー測定器を使い、4周の柱にテープを貼り、レーザー線のラインを引く。

各柱のラインがその場所の基礎天端からの高さとなる。  一番小さい数字が、基礎天端の一番高い箇所となるので、そこを基準高さ点とする。



【高さ基準スケールを用意する】

スケールに、基準高さ・基礎天端・基礎スペーサー・土台(大引き)・根太・下地合板・床材、の各高さをマークしておく。 夫々の数字も記入しておく。

四隅の高さを、基準ラインに正確に合わせれば、水平な床が出来上がるはず。

各ラインに沿って全体に水糸を張り、各施工時はこのラインを目印に、下地材張り、フローリング張りの作業を進めていく。

【レーザー水平器を使い、床の不陸の確認】

既存の床板をそのまま利用するか、床板を剥がし大引きからスタートするか、いずれにせよまず土台ベースを決め、レーザーを置く。

全周の柱または壁に、マスキングテープを貼り、レーザー水平器を照射し、エンピツでレーザーラインをマーク。

レーザーラインと四隅の床までの距離を見て、一番短い(床が一番高い)ところを、床高さの基準点とする。

各ポイントのレーザーラインと床までの距離を測ることで、不陸の状態を確認できる。

また、真っすぐな木っ端に、基準レーザーラインをマークしておき、スペーサーなどで高さ調整した下地高さがその基準ラインと合えば水平になっている。
【新築工事の土台高さ揃え】

四隅、要所部の柱、壁に、スケールのラインをマーキングし、そのラインに沿って全体に水糸を張る。

各施工時はこのスケールのラインを目印に、下地材張り、フローリング張りの作業を進めていく。

  四隅の高さを、基準ラインに正確に合わせれば、水平な床が出来上がるはず。

スケールに、基準高さ・基礎天端・基礎スペーサー・土台(大引き)・根太・下地合板・床材、の各高さをマークしておく。 夫々の数字も記入しておく。
【大引き高さを基準線に合わせる】

新たに設置する大引きをレーザーの基準ラインにピッタリ合わせる。

鋼製束があれば、大引きの高さ調整が容易に行える。





【大引き高さの調整】

木束の高さ調整は、ジャッキを大引きにあてがい、束石からの高さを基準高さに揃える。

大引き高さが決まったら、床束材を正確にカットする。  大引き材は必ずしも真っすぐではなく、正確に高さを出すのは大変。  

これを一本ずつやっていくのは大変なので、自由に高さ調整できる「鋼製束」があると便利。
【水糸で大引きの高さを調整する】

まず同じ厚みの「基準高さ材」を複数枚用意しておく。

レーザーで大引きの両端高さを正確に揃える。   大引き上に水平糸(水糸)を張り、両端にそれぞれ「基準高さ材」を咬ませておく。 「基準高さ材」を使わないとどこが高低かわからない。

水平が正確に取れていれば、大引きの上に張り渡した水糸の高さは、どこを計測しても同じはず。

計測したい箇所に「基準高さ材」を当てれば、水糸と大引きの高さの違いが、肉眼で確認出来る。
【下がってしまった床束は矢で高さ調整】

大した隙間で無かったら、三角に削った矢を大引きと床束の間に差し込む。 差し込む箇所は、床束と束石の間ではなく、大引きとの接合箇所。

縮んでしまった床束では、床調整した際束石との間に隙間が生じ、ブラブラになる場合がある。

大きく開いてしまった場合、束石を上げるか床束を入れ替える必要がある。 固定は下側からビス留め。
【鋼製束による大引き高さ調整】

木材は乾燥に従い次第に曲がる。 そのため、大引きは谷状態(下側に曲がるよう)に設置する。

鋼製束があれば、大引きの高さ調整が容易に行える。

大引きにあてがう鋼製束の土台部は、束専用ボンド(ウレタンボンド)を卓球ボール1個分使い、画像のようになる迄グチュグチュ回転させ固定する。

 





柱を持ち上げ傾きを直す

     

【通し柱を持ち上げる】

通し柱には土台のホゾが入っている。

そこで土台端の下にジッャキを当て、持ち上げれば一緒に持ち上がるはず。

ジッャキは土台に直接当てず、かならず当て木を入れておく。

【スペーサーを差し込み高さ調整する】

通し柱が目的高さまで持ちあがったら、隙間にスペーサーを差し込む。



【直接通し柱を持ち上げる】

母屋端の通し柱なら比較的簡単に持ち上がってくれるが、母屋内部の屋根の荷重がモロにかかる通し柱は、1台のジャッキで土台側を持ち上げようとしても、なかなか上がらない。

そこで通し柱の下側を丸鋸とノミで欠き、爪ジャッキが入る隙間を作る。

そして爪ジャッキで持ち上げる。

【複数台のジャッキを使う】

爪ジャッキ1台では通し柱はなかなか簡単に持ち上がってくれない。

複数台のジャッキを使い慎重に持ち上げていく。

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大引きの代表的な仕口

     

大引きの代表的な仕口
【田の字中心部は太目の大引き】

ミゾの深さは厚みの1/3程度とした「大入れつぎ」。  大引きサイズ。 田の字中心部は105×105mmの太目材を使う。  その他は90mm。

木材には背中と腹があり、背中側から腹側に曲がる性質がある。

そこで、大引きの背中側を地面に向け設置し、ジャッキで水平に持ち上げ、束を入れて反りを真っすぐにする、という手順で設置すれば、 それ以上反らない。
【「大引き」の簡単仕口・「腰掛・相欠きつぎ」】

図は互いの材料の厚みの半分づつを欠き取って組み合わせた簡単な「腰掛・相欠きつぎ」。

近年は仕口や継ぎ手は蟻や鎌といった加工はせず、断面を真っすぐ加工する「いもすけ」が多くなった。  リフォームでも面倒な仕口加工はせず、「イモづけ」するのがほとんど。

大引きを斜め留めする釘は、N75を2本打ちすることが決められている。  固定は釘がベスト。  ドリルビスは意外にもろく、内部で折れたりする。
【「大入れ」の高さ微調整】

プレカットの「大入れ」加工では、噛合いでチョッとした段差が出ることがある。 そのとき無出番となるのがPPバンド紐。

架ける方の大引きが下がるようなら、PPバンド紐を切って架けられる方(女木)の仕口下に数枚挟み、高さを合わせる。

「大入れ」とは、一方の木材の端部全体を、すき間なく他材に差し込む仕口のこと。  「尾入れ」、「追い入れ」とも呼ばれる。

女木の受け口や、長くするため継ぐ場合も、仕口には必ずウレタンボンド(床職人)を併用して固定する。

「いもすけ」 【やってはいけない仕口・その1  「いもすけ」】

仕口を全く加工せず、切ったままポン付する方法。

荷重を受け止め固定するのはビスや釘だけなので、これが破損したら一巻の終わり。

ただ最近は専用金具もいろいろ登場しており、これと併用すれば強度も保てるようなので、いずれ「いもすけ」が主流になるかも。



【大引き専用の固定金具】

「いもすけ」は仕口加工なしだが、接続金物が優秀になったので併用すれば問題ないケースも多い。

最近のリフォームにおいては、土台と大引きの接合は、イモづけ(ドン付・継手や仕口加工しない)と専用金具で行うのが主流。

そもそも、リフォームで材を差し替える場合、ホゾがあると部材間に入っていかない。

「蟻ホゾ」 【やってはいけない仕口・その2 「蟻ホゾのみ」】

「蟻ホゾのみ」とは、「大入れ」部分がなく「蟻ホゾ」だけで支える仕口。   90mm角材だと蟻ホゾの根本幅30mmの細さだけで全体荷重を支える仕口となり脆すぎる。

「蟻(あり)」とは、引き抜きに強い逆ハの字になった状態のこと。

もう一方の材の側面に「蟻溝(ありめぞ)」を堀り丁字形にするのが「蟻掛(ありかけ)」。

蟻幅を大きくするプレカットもあるが、通常は「大入れ」を入れ「大入れ蟻掛け」とする。

「大入れ蟻掛け」 【「大入れ蟻掛け」】

蟻ホゾだけでなく、大入れ(腰かけ)も入れたもので、加工が複雑になるかわりに強度が増す。

「大入れ蟻掛け」とは、横木側面(土台)に「蟻穴」と「大入れ欠き」を設け、直角に取り合う材(大引き)の先端に蟻ほぞを付け、接合する仕口のこと。

土台と大引きの接合部分に採用されることが多いが、桁、梁など、大材に小材を取り付ける場合や柱上での取り合いの仕口としても使われる。

「T形相欠き継ぎ」 【「T形相欠き継ぎ」】

T字型に組んだ相欠き加工。









「腰掛大入れ継ぎ」 【「腰掛大入れ継ぎ」】

「追入(おいいれ)つぎ」とも呼ばれ、一方の側面にミゾを掘り、もう片方の木口を側面のミゾに差し込んで接合する方法。

腰掛と呼ばれる段差を設ける。












古民家の土台

 既存の土台は帯状のコンクリートの上に土台が乗っているだけの構法。   今回はコンクリートのひび割れ箇所をVカットして補修材や無収縮モルタルを流し込み、基礎コンの修復を整えたら、 ケミカルアンカーを使いコンクリートに土台を固定します。

     

既存のコンクリート基礎を修復
【既存のコンクリート基礎を修復する】

築130年ほどの古民家は、外周部地面に形ばかりのコンクリート基礎が打たれ、その上に土台が配置されている構造。

現状の土台は腐食が進んでいるため、交換する必要があるが、基礎コンクリートもボロボロになっている。

まずモルタルで基礎コンクリートの形を整え、自己流動性を持ち平滑なレベルを作るレベラーで仕上げる。

【新しい土台にアンカーボルトを通す穴を開ける】

既存コンクリートの上に据える新たな土台に、アンカーボルト(12mm)が通る穴を、振動ドリル(13mm径)で貫通させておく。

その穴をガイドに、座金を入れ込む穴を加工する。  使う座金は6×60mmは欲しい。

この後接着系アンカーを使い、既存コンクリートと土台をアンカーボルトで連結する。
【カプセル式接着系アンカーを挿入する】

次にハンマードリル(径13mm)で、カプセルが入る穴を目的深さまで堀っておく。 アンカーボルト深さは250mmが理想。 カプセルは径13×深さ100mm程度。

コンクリートに開けた穴は切粉が出なくなるまで金属ワイヤーブラシとダストポンプでとにかく穴をよく清掃しておく。

開けた穴に打ち込み型と言われる接着系アンカーを差し込む。 
【アンカーボルトを打ち込む】

打ち込むボルト先端は鋭角にカットして、カプセルが割れやすくしておく。  アンカーボルトに深さ基準テープを巻いておき、インパクトドライバーで目盛りまで挿入。

インパクトドライバーで回す際、カラ廻りしないようスペーサーを挟み二つのナットでアンカーボルトに固定しておく。
【コンクリートと土台をボルトで固定】

打撃を加えて打ち込むとカプセルが割れ、撹拌されて穴にまんべんなく液体が回る。   接着系アンカーは打ち込むだけで強固な接着力を発揮する。

硬化時間内は季節で変動するが、その間ボルトを動かさない。

固着後はアンカーボルトをナットで固定。
【これからリフォームする古民家の基礎部】

現状のコンクリート基礎をこのまま使い、無収縮モルタルで成形し、天端を水平に均す。

束石と束は状態が良いものはそのまま使う。  既存土台は一度元の位置に叩いて戻し、土台同士はビス斜め打ちで止めておく。  束を叩き浮いていたら、隙間に矢を打って大引きとの高さを調整する。
【基礎パッキン】

現代工法ではコンクリート基礎に換気口を取らず、基礎と土台の間に「基礎パッキン」を入れ空気の流れをつくのが主流。 間引き設置するときも、アンカーボルトの位置には必ず設置する。

床下換気では換気のための「基礎パッキン」は不要だが、土台材を保護するため入れることもある。

また「基礎パッキン」とコンクリート基礎の隙間は、防獣対策としてステンレス網で塞ぐやり方もある。
【束石の設置】

土台と大引きの配置図に合わせ、束が乗る位置に正確に束石を設置していく。

束石は200mm四方のコンクリート束石が使用されている。






出隅部の土台と柱の接続

 家には壁や板が出会う箇所、いわゆる「角」がありますが、それを内側から見たのか、それとも外から見たのかを区別する、「入隅(いりすみ)」、「出隅(ですみ)」という言葉があります。

 入隅部とは内部から見た壁や板が出会う箇所で「内側の隅」を表します。   一方、出隅分は外から見た壁や板が出会う箇所で「出っぱった角」を表しています    

【出隅部の土台と柱】

隅柱の大入れ蟻掛けによる仕口。

土台ホゾは中心に開けず、強度アップのため土台長手方向に偏心させている。

横木側面に大入れ欠きと蟻穴を設け、直角に取り合う材の先端に蟻ほぞを付けはめ込む。





【大入れ蟻掛け・女木の寸法】

120mm材の出墨位置における大入れ蟻掛け・女木の寸法例。

ホゾ穴は幅30×長さ60mm×深さ90mm。  中心に開けず長手方向に偏心させている。



【隅柱のホゾも偏心させている】

土台の女木に合わせ、男木(隅柱)のホゾも、仕口に近い方は15mm、外側は45mmと偏心させている。

ホゾは120mm角の場合、厚み30mm、長手は60mm。 長さは90mm。


【隅柱の仕口・大入れ蟻掛けの収まり】

隅柱の大入れ蟻掛けによる仕口。

ホゾは中心に開けず、強度アップのため材の内側に偏心させている。

横木側面に大入れ欠きと蟻穴を設け、直角に取り合う材の先端に蟻ほぞを付けはめ込む。

【大入れ蟻掛け・男木の寸法】







【土台・柱・大引きの接合】

大引きサイズは標準だと90mm角。  大引きは910mm間隔で土台の上に設置する。

本格的な施工では柱と大引き接合は、イモづけ(ドン付・継手や仕口加工しない)と専用金具で行う。



【土台・大引きとの接合部】

柱部と大引きの本格的な「大引き蟻掛け」仕口。

以前は、土台と大引きの仕口は「大引き蟻掛け」が一般的だったが、いまは「大入れ掛け」が一般的。

ただし、リフォームでは面倒な仕口加工はほとんどしない。  次項の「大引き蟻掛け」でさえ、よほどの手練れでもない限りまずやらず、 簡単なイモづけ(ドン付・継手や仕口加工なし)で固定している。




古民家リフォーム・根太について

根太は古民家の床組み参考。  



「水切り」

     
【「水切り」】

「水切り」は、建物の基礎・土台部分、そして窓枠の下の部分などに取り付けられる、L字型の雨仕舞用金物の事。

土台部分の劣化はとても危険であり、内部に雨水が侵入しないように、また、湿気のある所を好むシロアリ対策としても、この隙間部分に水切りを取り付け、 建物内部に水を入れないようにする。

【防鼠付水切り】

防鼠付水切りは、床下の換気を行う基礎パッキンという部材から鼠などが侵入することを防ぐための部材で、上記の形状のように水切りと一体となった物もある。



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土台・古民家の束立て床

 土台は建物の自重や風等の力を基礎に伝達する部材であり、現代建築では土台はコンクリート基礎にボルトで固定され、太さも土台は柱と同寸程度が一般的です。

一方、古民家の土台は地面と固定されておらず、建物全体が鎹(かすがい)で留めた束を介して石に乗っているだけ、という構造となっています。

また、1階部分の床を支え、床に掛かる荷重を土台と基礎に伝達する大引きは、両端を土台が支えているだけで、地面と直接繋がっておらず宙ぶらりの状態で、 そこを束と呼ばれる部材を用いて地面基礎から支えています。

地震大国日本において、古民家はこの構造で何百年も生き残ってきたわけです。

 束などで基礎と支持されていない、長さ1間(1.8m)以上の大引きは、梁と呼ばれますが、日本の伝統木造工法の土台は、図のように部材が縦横に配置されており、 パッと見、どれが土台でどれが大引きか、シロウトにはなかなか区別がつきません。(2022.8.17)




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