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土台

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 現行の建築工法は、筋交いや構造用合板を入れた壁を設け、金物で軸組を接合することで、「強固に、ガッチリ」組上げることで地震の揺れに耐える「剛構造」で建てられます。      それに影響され、古民家においても、地震対策だからといって、現代の家に施す耐震補強の「固い」やり方を、そのまま古民家に単純に取り入れてしまうケースが見受けられます。

 しかし、その方法では地震の時にその部分に応力が集中し、結果的に周辺部材を破壊してしまう恐れがあります。   せっかく「柔構造」でバランスを保っていた古民家が、よくない影響を受けてしまうわけです。


古民家・土台部分の現状

     

築150年古民家・床下の状態
【今回リォームする古民家の床下部分】

全てではないが、束石は自然石からコンクリート製に交換されている。  床束の傷みもなさそう。

地面にも防湿シートが敷き詰められている。

最近は木製束の代わりに、高さが調整できる鋼製束が主流。

【北側・東端の和室下土台】

こちらも床下はリフォーム済のよう。

北側でも、換気が良い場所はそれほど湿気の影響はなさそう。



【全くリフォームをしていない箇所の土台】

150年前の古民家の土台。

この部分は手つかずの状態で、昔の土台がそのまま残っている。

これで2011年の三陸沖地震の震度に耐えたのだからスゴイ。

【北側床下には換気扇が取り付けられていた】

床下の空気を強制排気する換気扇を取り付けていたようだが、あまり効果はなかったよう。

外側からの湿気が多すぎるため、換気扇でも対応できなかったようで、北側の土台はかなり傷んでいる。

通気口を完全に塞いでしまうと、停止中に湿気の逃げ道がなくなり、かえって湿度をため込みやすくなる。
【中央部分にも換気扇が設置されている】

床下がむき出しの土のままになっている家では、南側の乾燥した空気を取り込み、北側の湿った空気を排出させる換気扇が有効。

通気口を適切に配置し、空気の流れを確保することが重要。  北側に3台設置するのが基本。

ランニングコストは月100円程度。






床下の現状

     

床下の状況
床の解体 【居間の床下】

居間の床下は以前にリフォームしていたようで、束石はコンクリート製に変えられており、大引きや束も現代的な部材に交換されている。

太鼓根太は痛みもなく、再利用されている。

【居間と廊下の床板を一部剥がしたところ】

居間の大引きは105mm角の製材が使われている。

床板はまだしっかりしているので、カンナをかけてどこかに再利用する予定。

【旧洋間の床板解体②】

合板を剥がしてからフローリングを剥がしていく。

フローリングは丸ノコで半分の長さに切ってからバールで引き剥がす。

太鼓根太にフローリングの留め釘が残るので、バールで抜いておく。

【旧洋間の床板解体(2)】

南向きで地面の湿気が少ないためか、防湿シートは敷かれていない。

使われている根太は製材した角材ではなく、すべて太鼓根太。

束の間隔が広すぎるので、もっと狭める。

【旧台所の床板解体】

こちらも張られているフローリングを丸ノコで半分の長さに切ってからバールで引き剥がす。





【旧台所の床板解体(2)】

こちらも地面には防湿シートが敷かれている。

大引きはどこかの梁を流用している。

【旧茶の間の床板解体】

こちらの大引きも、どこかの梁を流用している。  耐震性は大丈夫か。








腐食が進んでいた北側の土台

     

腐食している床下の状態
【北側の小部屋(東)】

こちらは地面には防湿シートが敷かれているが、完全に床板と床下が朽ちている。

北側で湿気が多いため、150年も経つとこうなってしまう。

防湿シートは束の周りは隙間だらけとなり、万全とは言えない。
【北側の小部屋(東)・その2】

太鼓根太も腐食してボロボロ。

こちらは土台を全て新しく造り直す必要があるが、湿気が酷いので地面はコンクリートで覆う必要がありそう。

床の解体 【その3・腐食した床下に走る貫】

北側の湿気が多い床下の柱や貫は腐食している。

床下の湿度対策として調質機能のあるものや、防湿シートを敷き詰めたり、床下換気扇をつける。

ただ調質機能といっても、いずれ能力いっぱいになればそれ以上は機能しなくなるので、効果の持続性は疑問。
【その4・150年経過した床下の柱】

貫はボロボロで、その上に載せられていた根太も腐食が進んでいる。

あまり使われていなかった部屋なので、ここまで酷い状態になるまで放置されていた。

【その5・撤去後の北側の小部屋(東)】

床下の部材は全て腐食しているので撤去。

地面はかなりデコボコしているので、コンクリートを流し込み整地する。

左手が北側なので湿気が入り込まない工夫が必要。





古民家の土台部分

        
古民家の土台
【大昔の床下構造(独立基礎)】

床束(ゆかづか)とは床を支える短い柱のこと。  大引きと接合されている床束は、自然石の束石にただ乗っけているだけ。

これでは「根がらみ貫」を使わないと束石から床束が外れてしまうのは確実。

床組全体の重さを支える地盤はよく締め固めるか、土間コンクリート、ベタ基礎が理想。
【古民家の床組み(土台部分)】

「床組(ゆかぐみ)」とは、木造建築物において、床面を支えるための、大引きや根太などの骨組のことを指す。

古民家の床組みは、束石にそのまま乗せられただけの構造。  束石に固定されていないので、地震時には左右に動く。

そのため、束石の頭部面積はできるだけ広くしておきたい。
【根がらみ貫】

独立基礎で昔の玉石(ぎょくいし)の束石をつかっていた時代は、束石が平らではなく、そこに乗る床束も不安定だった。

そのため、「根がらみ貫(ねがらみぬき)」を使って束同士を連結していた。

「根がらみ貫」は平らなベタ基礎や布基礎では、もう使用されなくなっている。
【束の状態をチェック】

床下は湿気があるうえ、ホコリも舞っていて、これが束の木口(きぐち・束石との合わせ目)の周囲に積る。 それが水気を吸って束を腐らせ、   ふやけた結果床が下がる、という現象が起こる。

そのため、束はヒノキかスギの腐りにくい芯持ち材の赤身を使え、と言われる。 束の端部にはシロアリ予防の防腐剤を塗る。

大引きを910mm間隔で配置したら、90mm角の束石と大引きの間に床束を入れ、ビスで斜め止めする。  
【束を設置する】

大引きを910mm間隔で配置したら、90mm角の束石と大引きの間に床束を入れ、ビスで斜め止めする。

床下は湿気があるうえ、ホコリも舞っていて、これが束の木口(きぐち・束石との合わせ目)の周囲に積る。 それが水気を吸って束を腐らせ、   ふやけた結果床が下がる、という現象が起こる。

そのため、束はヒノキかスギの腐りにくい芯持ち材の赤身を使え、と言われる。 束の端部にはシロアリ予防の防腐剤を塗る。  





土台と大引きの配置

     
土台工事
【土台と大引き】

大引き(おおびき)とは、床と根太を支える横木(横架材)で土台に接合される。 大引き下に3寸(90cm)間隔で床束を入れる。

床の基礎的な部分である「大引き(105~120㎜の角材)」は、水平にして束で支える。  一般的に大引きの芯々は909mmで配置する。

床下地に1820×910の尺モジュール合板を使う場合、120mm角大引きだと、ピッチを910-120(60+60)=790mmにすれば、大引き上に合板端がキッチリ載る。
【「大引き」は魚の骨のように渡される】

大引き材は4mで販売されているが、部屋は短手でも4m以上ある場合も。 一本の大引きで届かない場合、中央に長い大引きを渡して中継させる。

廻りの土台と中央の大引きに対し、魚の骨のように左右に大引きを渡す。  大引きは谷状態(下側に曲がる)に使い、床束で持ち上げるようにする。

長さ1間(1.8m)以上の大引きは、梁と呼ばれる。  
【ベタ基礎を使った土台と大引きの配置】

現代ではベタ基礎に必要な部分だけ基礎を立ち上げる工法が一般的。

寒冷地では地面が凍結して膨張し、建物を押し上げる「凍上」が発生する可能性があり、北海道や東北地方など寒冷地では、 必要な部分だけに基礎を設置する「布基礎」が多く採用される。
【布基礎は使わず、鋼製束で土台を支える例】

大引きは谷状態(下側に曲がる)に使い、鋼製束で持ち上げるようにする。

木材強度は、繊維と直角方向は弱く、土台に柱がめり込むことも考えられる。  対策として柱のホゾを基礎に載せるか、土台を太くする。   防腐剤としてキシラデコールなどを塗布しておく。
【重量物が載る部分の床組みを補強】

ピアノや薪ストーブなど重いものを置く箇所は、大引きを追加して頑丈な床組みにしておくことで、少なくとも床が抜けて床下へ燃焼中のストーブが落下し火災発生、という最悪のケースは防止できる。

大引きや根太を張った後では、工事が面倒になるので出来るだけ事前に計画しておく。

この後、床に断熱材を敷き込み、「剛床工法」用合板を乗せる。  追加材の防虫対策も忘れずに。
【「剛床工法」とは】

「剛床工法」も根太レス工法の1つ。  根太は使わず大引きを縦横に組み合わせる。

床下地合板の厚みは24mm以上。  床板の厚みを増すことで強度が上がり、揺れや重さを床板の“面”全体で吸収・拡散できるので、一か所にかかる負担を軽減できる。





大引き高さは床束で調整する

     
【土台間に渡される大引きを支える床束】

土台から土台に渡す大引は、たわむので、大引の下に約910mm間隔で束を置き、地面から支える。

この床(大引き)を支える束(短い柱)が、床束(ゆかづか)。 「玉石建て構法」基礎で建てられている古民家は「床束」と地面は結合されておらず、 地震の際は「遊び」となり柔構造の働きをする。

床束が床の重さをしっかり支えるためには、床束が接する地盤をよく締め固め、束石、土間コンクリート、ベタ基礎などを設置する。

現在の束石はコンクリートだが、昔は自然石が使われていた。
【便利な工業製床束】

いまは鋼製製の床束が主流。 ネジをまわすことにより高さ調整が可能。 固定するときは鋼製束の真ん中をしっかり握りナットで固定。 プラ製もある。

床の高さを微調整でき、下がったりしても、簡単に調整できるのでとても便利。  湿気の多い床下でも腐朽することはない。

サイズは50mm単位であるので、目的高さに合わせる。 ジャッキ代わりにも使える。
【土台に大引きを載せる】

土台と束石に大引きを載せる。 大引きは曲がり方向を下にして設置し鋼製束で持ち上げて水平にする。

大引き高さの確認は水糸が楽。  高さ確認する厚み材は《座金》が便利。

プラ束を使うと大引き高さ調整が楽。
【工業製床束は互い違いに配置】

床束を大引きに取りつける。

床束は一方にツバがあるので、取り付けるときはツバが互い違いになるよう配置する。



【束はボンドで束ブロックに固定】

床束は「ボンド束職人」などのウレタン接着剤を使い束ブロックと固定する。

束ブロック表面に砂など汚れがあると着きが悪いので清掃しておく。

圧着した時、ボンドが穴からはみ出してくる。 さらに今回はやらないが、束をコンクリート・ビスで固定すれば完璧。
【床束を使った大引き高さの調整方法】

大引きと床束の隙間に矢(クサビ)を押し込み、高さの微調整を行う。

新規の大引きなら、「鋼製束」を取り付けてから組むと楽。

現代の建築は、コンクリート基礎に「鋼製束」を置き、垂直方向に基礎と大引きをツッパリ補強するのが一般的。






土台と大引きの結合

     
床下土台工事
【基礎に土台を載せていく】

基礎にパッキンを敷き、アンカーボルトを通して土台を設置。 アンカーボルト間隔は1m。  アンカーボルトは土台を固定するもので、 構造上さほど大きな力を受ける訳ではない。

現在では柱に発生する大きな引き抜き力は主にホールダウン金物が負担する仕組みとなっている。

基礎パッキンは基礎にも土台にも固定しないで置くだけ。 だからアンカーボルトが基礎パッキンの中を通っている必要がある。

【土台の加工】

基礎の上に設置する土台の、アンカーボルトの位置にホゾ穴をあける。

座金は四角。  ホゾ穴は頭が土台から出ない深さに彫り込む。

アンカーボルトの間隔について、建築基準法には「土台は、基礎に緊結しなければならない」とあるが間隔について明記されていない。 2階建て住宅の場合、 基礎長2.7m以内(1.5間)ごとに設置することが多い。
大入れ掛け 【シンプルな土台と大引きの仕口】

プロは土台と大引きの仕口は「大入れ蟻掛け」にするが、シロウトなら簡単な「大入れ掛け」が一般的。

土台に120mm、大引きに105~90mmの材を使う場合、一番簡単なのは土台側だけ15mmの段差をつける。

一応、「大入れ(腰掛部分)」を設け、引きが載る形にはなるので、いも助接合よりは、まし。

大入れ掛け 【大引き側も加工する仕口...「大入れ掛け」】

大引きを斜め留めする釘は、N75を2本打ちすることが決められている。

一応、「大入れ(腰掛部分)」を設けるので、土台に大引きが載る形にはなる。

【土台と大引きの接合例】

床部分の重さを受け止める大引きは、両端を「腰掛大入れ」で土台にビス止めする。   N75を2本打ちする。

大引きは910mm間隔で土台に組まれるのが一般的。

リフォームでは、床を張る前に、土台・大引き・束柱はよく清掃し、防腐剤を丁寧に塗布しておく。

一般的に「土台:120mm・大引き:105mm」。 1ランク落とせば「土台:105mm・大引き:90mm」。 木造軸組構法の一般使用資材

【土台・柱・大引きの接合】

大引きサイズは標準だと90mm角。  大引きは910mm間隔で土台の上に設置する。

本格的な施工では柱と大引き接合は、イモづけ(ドン付・継手や仕口加工しない)と専用金具で行う。



【土台・大引きとの接合部】

柱部と大引きの本格的な「大引き蟻掛け」仕口。

以前は、土台と大引きの仕口は「大引き蟻掛け」が一般的だったが、いまは「大入れ掛け」が一般的。

ただし、リフォームでは面倒な仕口加工はほとんどしない。  次項の「大引き蟻掛け」でさえ、よほどの手練れでもない限りまずやらず、 簡単なイモづけ(ドン付・継手や仕口加工なし)で固定している。
「大入れ蟻掛け」 【「大入れ蟻掛け」】

」とは、男木(図は大引き)に蟻の頭部形状のような「逆ハの字」加工を施す技法。 「大入れ」は段差がついた腰掛部分。

「大入れ蟻掛け」とは、横木側面(土台)に「蟻穴」と「大入れ」を設け、直角に取り合う材の先端に逆ハの字の蟻ほぞを付け、接合する仕口のこと。

女木(図は土台)の「大入れ(腰掛部分)」に大引きが載る形になる。  蟻ほぞf引き抜きに強度を発揮する。

リフォームでは、趣味人でもない限り、まずこんな面倒な加工はやらず、「大入れ掛けが主流」。
【土台に両側から大引きが接合される仕口】

土台の上に配置されるので、段付き加工はしない。

木材強度は、繊維と直角方向は弱く、土台に柱がめり込むことも考えられる。  対策として柱のホゾを基礎に載せるか、柱を太くする。

また、土台と基礎は「アンカーボルト」で結束する。





出隅部の土台と柱の接続

 家には壁や板が出会う箇所、いわゆる「角」がありますが、それを内側から見たのか、それとも外から見たのかを区別する、「入隅(いりすみ)」、「出隅(ですみ)」という言葉があります。

 入隅部とは内部から見た壁や板が出会う箇所で「内側の隅」を表します。   一方、出隅分は外から見た壁や板が出会う箇所で「出っぱった角」を表しています    

【出隅部の土台と柱】

隅柱の大入れ蟻掛けによる仕口。

土台ホゾ穴は幅30×長さ60mm×深さ90mm。  ホゾは中心に開けず、強度アップのため土台長手方向に偏心させている。

土台の横木側面に大入れ欠きと蟻穴を設け、直角に取り合う材の先端に蟻ほぞを付け、はめ込む。

土台の女木に合わせ、男木(隅柱)のホゾも、仕口に近い方は15mm、外側は45mmと偏心させている。

ホゾは120mm角の場合、厚み30mm、長手は60mm。 長さは90mm。

【隅柱の仕口・大入れ蟻掛けの収まり】

隅柱の大入れ蟻掛けによる仕口。

ホゾは中心に開けず、強度アップのため材の内側に偏心させている。

横木側面に大入れ欠きと蟻穴を設け、直角に取り合う材の先端に蟻ほぞを付けはめ込む。

木材強度は、繊維と直角方向は弱く、土台に柱がめり込むことも考えられる。  対策として柱のホゾを基礎に載せるか、土台を太くする。   防腐剤としてキシラデコールなどを塗布しておく。
【柱と大引きが交差する仕口加工】

「土台」に「大引き」と「柱」が接合される時の仕口の例。

120mm角材を使った場合、土台は上端から60mmの深さに段付き加工。  段あごは15~30mmの幅。

土台と柱を交差させるので、柱のホゾが差し込まれる部分も同時にホゾ穴を掘る必要がある。

このように切り欠き箇所が増えるほど、部材が欠損されてしまい強度が落ちる。
【三方向を結合する仕口】

屋根廻りで、三方から一か所に接合される仕口の例。

差し込まれる箇所が多いほど部材の欠損は大きくなるので、地震で強い力がかかると、接合部が破損し外れる場合が考えられる。

そのため、接合部の補強が重要。  「ホールダウン金物」は柱と土台、あるいは柱と梁の接合部など、力の集中が起きやすい箇所を強固に固定するための金属製パーツ。





「金物」を使って簡単施工

     
【後施工金物1による柱と土台の緊結】

耐震補強に「カネシン後施工金物」を使用することにより容易に柱・梁の増設ができる。

ビス止め金物なので木材の欠損を抑えられる。

羽子板ボルトの施工ができない部分でも可能。

檜もシロアリの被害は避けられないが、昔からシロアリ被害を受けにくいのは「栗の木」とされる。     
【大引き専用の固定金具】

最近のリフォームにおいては、土台と大引きの接合は、イモづけ(ドン付・継手や仕口加工しない)と専用金具で行うのが主流。

そもそも、リフォームで材を差し替える場合、ホゾがあると部材間に入っていかない。
「いもすけ」 【ホントはやってはいけない仕口・その1  「いもすけ」】

仕口を全く加工せず、切ったままポン付するのが「いもすけ(ドン付・継手や仕口加工なし)」。

素人リフォームでは、簡単な「大入れ掛け」加工もせず、いもすけで接合するケースもある。

ビスや釘だけで荷重を受けているため、構造的にはアウト。  ただ、接続金物が優秀になったので併用すれば問題ないケースも多い。  いずれ「いもすけ」が主流になるかも。
【大引き受け金具】

大引きを土台に結合する場合、「大入れかけ」などの加工が必要だが、「大引き受け金具」がある。

ビスではなく付属のスクリュウ釘打ちする必要があるが、打ち付けるだけなので簡単施工できる。

釘は大引き端に打つので、割れ防止のため下穴をあけておいた方がいい。
【大引き受け金具】

似たような金具に、柱と梁(柱貫)の結合でも使える「ジョイントコーナー」がある。

これだと材の加工は不要で、かつ強度も確保できる。






床下腐食部分の補修について

 古民家リフォームにおける床下基礎部分の補修については、 古民家解体作業....広い空間を作りたいも参照。         

古民家の基礎部分の補修
【腐食部は一般的な「根継ぎ」で補修】

「根継ぎ」は、柱の下部が腐食した時、柱全体を入れ替えずにその部分だけ新しい材に交換すること。

腐った古い柱の一部をカットし、新しい柱を根継ぎして一体化させる。

本職なら金輪継ぎ(かなわつぎ)や、追掛大栓継ぎ(おっかけだいせんつぎ)などの継手を使うところだが、シロウトは一番簡単な「相欠き継ぎ」で接合。
【コーナー部の土台補修方法】

「土台上げ工法」で、角材を梁に45度に添え、ジャッキで真下から持ち上げる。

地面がめり込まないよう、ジャッキの下に耐圧板を設置してジャッキアップ作業を行う。

カージャッキを使う場合、キャスター付きは避けた方が無難。 使うときは転がり止めはしっかりと行う。     
【交換する材は、「相欠け継ぎ」で接続】

床束の一部腐食なら、腐った部分だけをカットし、檜材で作った木材を、「相欠け継ぎ」で元の材に繋ぐ。

「相欠け継ぎ」にすることにより、接合強度が上がる。

ジャッキは回して持ち上げるタイプは、柱も回転してしまい使いずらい。  油圧のポンピングで持ち上げる方式が使いやすい。 ただし、下げるとき一気に下がるので注意。

【破損・欠損部の補修】

腐食や欠損部は伝統的な仕口で継ぐのがプロの仕事だがハードルが高い。

継ぎ目に溝を掘り、鉄筋を入れエポキシ樹脂で固定する方法が楽。 腐ってボロボロになった部分は下地の木部が出るまで取り除く。

液体のエポキシ樹脂は木材によく染み込んで硬化するので、木材の補強に最適。  補修する部分に液体エポキシを塗布。 染み込む場合はしばらく時間をおいて何度も塗布。
【エポキシ樹脂による簡単補修作業】

既存材と追加材に溝を掘り、鉄筋を入れる。

隙間に粘度状にしたエポキシ樹脂をギュウギュウに埋め込んでやる。

この方法なら、大工が仕口を加工して組み合わせなくても、簡単に短時間で補修施工が可能となる。

柱と梁の直工部も、古民家は材が丸い場合が多く、一般的な金物ではやりにくい。

その場合も、結合部に溝を掘って鉄筋とエポキシ樹脂を使えば、簡単に確実に緊結出来る。








シロアリ対策は重要

 土台の防腐剤塗布は、建築基準法では地面から1m以内の土台は必須とされるが、木材の含水量が15%くらいを保持し、床下が換気され湿度が安定した状態ならば、クレオトップ(クレオソート)、 九三七一などの防腐剤塗布は必要でなくなる。

 しかし、なかなかそのような環境の木造日本家屋家は少なく、建物の寿命をのばすには永続性のあるシロアリ対策が非常に重要。  日本の家屋に被害を及ぼしている 「地下シロアリ」に分類される「イエシロアリ」や「ヤマトシロアリ」は水分を好み、 地盤面に近いところから食害してくるが、定期的に床下を点検して蟻道がなければ、シロアリ被害が発生していないことをある程度判断することが可能。

 そのため、「長期優良住宅」の認定基準の一つの「劣化対策等級3」に定められているシロアリ対策(防蟻)の認定基準のうち 「薬剤処理」は「地面から1m」まででもよいとされている。  現在主流となっている合成殺虫剤系の防蟻処理は、5年程度で防蟻効果がなくなるとされるが、 駆除作業は床下のみでよかったので対応が出来ていた。

 しかし、近年では従来の「地下シロアリ」とはまったく生態が異なる、外来種の「アメリカカンザイシロアリ」による被害拡大が懸念されており、被害は岩手県あたりまで拡大している。    このシロアリは輸入家具から発生するとみられるが、厄介なのは水分をあまり必要とせず、蟻道をつくらないので発見が難しいこと。

 また「地下シロアリ」はヒノキをあまり好まないが、外来種はヒノキが大好物。  駆除方法も面倒で手間も金もかかるが、簡単な外来種シロアリ対策としては「地面から1m以内の外壁の軸組等」だけではなく、 人体に無害のホウ酸処理を主要構造部も含めて、床下だけではなく屋根裏まですべての箇所にほどこす。

 すでに建っている住宅の場合は、細かいホウ酸の粉を床下や小屋裏に噴霧する「ダスティング処理」もある。   シロアリは巣に帰ってから自分や仲間でお互いに足を舐め合ってきれいにする習性があるので、シロアリが床下や小屋裏のホウ酸の上を歩くと、 シロアリの足に粉が付くので、ホウ酸が体内に入って死んでしまう。  さらに、死んだ仲間を食べる習性もあるため、ホウ酸入りの死骸を口に入れたシロアリもまた死んでしまう。(2025.10.20)

 

土台シロアリ対策

     
床下土台工事
【シロアリ防護】

大引きまで設置したら、シロアリ防護として《水性白アリスーパーPHI》などを噴霧器で撒く。

高さは1mまでが基準。

【シロアリ被害の対処】

食われてしまった土台は、それ以上被害が拡大しないよう、ドリルで穴をあけ、薬剤を注入する。

土台が元に戻るわけではないが、内部のシロアリ退治と、次のシロアリ侵入を防ぐ。










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