【ふ】  No3   表紙ページへ戻る

ふとかな

共通語  (稲の)一株

用例    ことし、分けつがしぎてふとかなおっけな 

用例訳  今年は、分けつが過ぎて一株が大きい よ。

採取者  金本[東出雲]

(記録者:奥野)

 

ぶーぶーがみ

共通語  硫酸紙

用例    糸電話つくー だけんぶーぶーがみないかね

用例訳  糸電話つくるん だから、硫酸紙はないの。 

採取者  金沢[松江]

 

ふじよ

共通語  不自由

用例    汽車の便が少なんなって、ふじよえけん

用例訳  汽車の便が少なくなって、不自由でいけない。 

採取者  今岡[加茂]

 

ふつごもね

共通語  とんでもない

用例    こら、人のもんだまくらかえて盗ったりやなんかえ、ふつごもね
こと すー   

用例訳  こら、人のものをだまして盗ったりやなんか、とんでもないことを する(もの) じゃ ない よ。

採取者  金沢[松江]

 

ふきだけ

共通語  火吹き竹

用例    風呂沸かすけんふきだけ吹いてごせ。吹きすぎーくらくらがつくぞ。

用例訳  風呂を沸かすから、火吹き竹を吹いてくれ。吹きすぎるとくらくらするぞ。

採取者  遠藤[大東]

(記録者:奥野)

 

ふろしき

共通語  「じゃんけん」の「ぱー(紙)」

用例    「いし」。「はさみ」。「ふろしき」。

用例訳  「ぐー(石)」。「ちょき(ハサミ)」。「ぱー(紙)」。

採取者  遠藤[大東]

(記録者:奥野)

 

〜ぶんに

共通語  〜ことに

用例    そーそーひーめしだが、そこ鳥がタマゴうんじょー けん、タマゴかけ飯になとして食ったぶんにしー 

用例訳  そろそろ昼飯だが、ほれ鶏が卵産んでるから、タマゴかけご飯にでもして食べたことにし ようか。

採取者  金沢[松江]

 

ふーよち

共通語  昼間

用例    ふーよちから、あげん酒飲んだが。

用例訳  こら!昼間から、あんなに酒を飲んではいけないよ。

採取者  足立[松江]

(記録者:奥野) 

 

ふがし

共通語  駄菓子の一種、長い平行四辺形の棒で表面は黒砂糖でコーティングされている、麩(ふ)菓子

用例    ふがしたき ばっかで食った気になーせん 

用例訳  麩(ふ)菓子は量 ばかりで食った気にならない よ。

採取者  遠藤[大東]・今岡[加茂]

 

ぶきぶきする

共通語  病気がちである

用例    あすこのおばさんはまんだぶぎぶぎし らい げな 

用例訳  あそこのおばさんはまんだ病気がちして おられる そうだ よ。

採取者  牧野辰雄[平田]

(記録者:金沢)

 

共通語  無賃労働

用例    今日もにでにゃ いけん やーな 

用例訳  今日も無賃労働にで なければ いけない ようだ よ。

採取者  児玉[横田]

 

ふーな

共通語  古い

用例    こりゃーだいぶんふーなもん。もう、捨ててしまーか。

用例訳  これはだいぶん古い物だよ。もう、捨ててしまおうか。

採取者  児玉[横田]

 

ぶがんな

共通語  (年を取って)頭がぼんやりする様

用例    だいぶんぶがんにならっしゃったさーであしこ にー困っちょられ 

用例訳  だいぶん頭がぼんやりになられたようで、あそこ には困っておられる よ。

採取者  児玉[横田]

 

ふきもち

共通語  屑米の(粉を蒸して搗いた粗末な)餅

用例    ふきもちの味噌汁だけん、腹の足しにーな けん、食べて
っさいよ。

用例訳  屑米の餅の味噌汁だから、腹の足しにはなるから、食べてくださいよ。

採取者  児玉[横田]

ふくらべ

共通語  ほころび

用例    きーつけちょにゃー。また、ふくらべができちょー がな

用例訳  気を付けていなくては。また、ほころびできている よ。

採取者  児玉[横田]

 

ふけだ

共通語  年中水のある湿った田んぼ

用例    あしこのーふけだだけんどげーしても出来はよーないわい。

用例訳  あそこはねー。年中水のある湿った田んぼだから、どうしても出来はよくないわい。

採取者  児玉[横田]

 

ふたぐ

共通語  ふさぐ

用例    穴ができちょー がのはよふたいじょか にゃいけん 

用例訳  穴ができている よ。早くふさいでおか なくては いけない よ。

採取者  児玉[横田]

 

ふりはなし

共通語  自由、開けっ放し

用例    戸をふりはなしにしておく。

用例訳  戸を開けっ放し(自由)にしておく。

採取者  児玉[横田]

(記録者:奥野)

 

ふる〔2〕

共通語  (方位がわずかに)傾く

用例    この家は真南よりちーと ばかし東にふっちょ 

用例訳  この家は真南より少し ばかり東に傾いてる よ。

採取者  児玉[横田]

 

ふとーぞ

共通語  独り暮らし 身寄りが無い

用例    ○○屋のおじじふとーぞだけん、たんびにのじいて見てあげら いけん 

用例訳  ○○屋のお爺さんは独り暮らしだから、たんびに(訪問して)覗いて見てあげらなくては いけない よ。

採取者  森山[湖陵]

(記録者:奥野)

 

ふんごむ

共通語  踏み込む

用例    よーにふんごんで固めちょか。くずれちいけん けん のー

用例訳  完全に踏み込んで固めておこうよ。くずれてはいけない から ね。

採取者  児玉[横田]

 

ふざのり

共通語  旧暦12月1日の膝塗り行事

用例     しこふざのりちょけよ。まくれ ちゃえけん けん のー

用例訳  いい 具合に膝塗り行事をしておけよ。転ん ではいけない から ねー。

解説    旧暦12月1日にお餅をゆでてそれを「まくれんやーねまくれんやーね」と膝の上にかざして祈りながらそれをいただいたのでした。

採取者  児玉[横田]

 

ぶと(ー)ぐよし

共通語  ブヨを寄せ付けないようにくよす

用例    (ブトが)邪魔なってえけん けんぶとーぐよしをしてごせよ。

用例訳  (ブヨが)邪魔になっていけない から、ブヨを寄せ付けないようにくよしてくれよ。

採取者  児玉[横田]

 

ふらいごめ

共通語  青刈りした籾をそのまま煎った焼き米

用例    学校から帰ってはらがなえ ちょ りゃー、ふらいこめでも食うちょれよ。

用例訳  学校から帰って腹が減っていれば、青刈りした籾をそのまま煎った焼き米でも食うておれよ。

採取者  児玉[横田]

 

ふたーがけ

共通語  二人がかり

用例    このいし もて けんふたーがけないともそべ  でや。   

用例訳  この石は 重たい から二人がかりでないと運べ ない よ。

説明    この「〜がけ」は和語の数詞についてその掛け目を表す言葉「〜かけ」の連濁したものか

採取者  金沢[松江]

 

ぶにん

共通語  家族の人数が少ないこと

用例    年寄りがなくならっしゃっだけんぶにんになっちゃっ

用例訳  年寄りがなくなられたから、家族の人数が少なくなられたよ。

採取者  児玉[横田]

 

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