【ふとかな】
共通語 (稲の)一株
用例訳 今年は、分けつが過ぎて一株が大きい よ。
採取者 金本[東出雲]
(記録者:奥野)
【ぶーぶーがみ】
共通語 硫酸紙
用例訳 糸電話つくるん だから、硫酸紙はないの。
採取者 金沢[松江]
【ふじよ】
共通語 不自由
用例訳 汽車の便が少なくなって、不自由でいけない。
採取者 今岡[加茂]
【ふつごもね】
共通語 とんでもない
用例 こら、人のもんをだまくらかえて盗ったりやなんかえ、ふつごもね
こと すー だ ね ど。
用例訳 こら、人のものをだまして盗ったりやなんか、とんでもないことを する(もの) じゃ ない よ。
採取者 金沢[松江]
【ふきだけ】
共通語 火吹き竹
用例 風呂沸かすけん、ふきだけ吹いてごせ。吹きすぎーとくらくらがつくぞ。
用例訳 風呂を沸かすから、火吹き竹を吹いてくれ。吹きすぎるとくらくらするぞ。
採取者 遠藤[大東]
(記録者:奥野)
【ふろしき】
共通語 「じゃんけん」の「ぱー(紙)」
用例 「いし」。「はさみ」。「ふろしき」。
用例訳 「ぐー(石)」。「ちょき(ハサミ)」。「ぱー(紙)」。
採取者 遠藤[大東]
(記録者:奥野)
【〜ぶんに】
共通語 〜ことに
用例 そーそーひーめしだが、そこ鳥がタマゴうんじょー けん、タマゴかけ飯になとして食ったぶんにしー か。
用例訳 そろそろ昼飯だが、ほれ鶏が卵産んでるから、タマゴかけご飯にでもして食べたことにし ようか。
採取者 金沢[松江]
【ふーよち】
共通語 昼間
用例訳 こら!昼間から、あんなに酒を飲んではいけないよ。
採取者 足立[松江]
(記録者:奥野)
【ふがし】
共通語 駄菓子の一種、長い平行四辺形の棒で表面は黒砂糖でコーティングされている、麩(ふ)菓子
用例訳 麩(ふ)菓子は量 ばかりで食った気にならない よ。
採取者 遠藤[大東]・今岡[加茂]
【ぶきぶきする】
共通語 病気がちである
用例 あすこのおばさんはまんだぶぎぶぎしと らい げな わ。
用例訳 あそこのおばさんはまんだ病気がちして おられる そうだ よ。
採取者 牧野辰雄[平田]
(記録者:金沢)
【ぶ】
共通語 無賃労働
用例訳 今日も無賃労働にで なければ いけない ようだ よ。
採取者 児玉[横田]
【ふーな】
共通語 古い
用例 こりゃーだいぶんふーなもんだわ。もう、捨ててしまーか。
用例訳 これはだいぶん古い物だよ。もう、捨ててしまおうか。
採取者 児玉[横田]
【ぶがんな】
共通語 (年を取って)頭がぼんやりする様
用例 だいぶんぶがんにならっしゃったさーで、あしこ にゃー困っちょられー わ。
用例訳 だいぶん頭がぼんやりになられたようで、あそこ には困っておられる よ。
採取者 児玉[横田]
【ふきもち】
共通語 屑米の(粉を蒸して搗いた粗末な)餅
用例
ふきもちの味噌汁だけん、腹の足しにゃーなー けん、食べて
ごっさいよ。
用例訳 屑米の餅の味噌汁だから、腹の足しにはなるから、食べてくださいよ。
採取者 児玉[横田]
【ふくらべ】
共通語 ほころび
用例 きーつけちょらにゃー。また、ふくらべができちょー がな。
用例訳 気を付けていなくては。また、ほころびできている よ。
採取者 児玉[横田]
【ふけだ】
共通語 年中水のある湿った田んぼ
用例 あしこはのー。ふけだだけん、どげーしても出来はよーないわい。
用例訳 あそこはねー。年中水のある湿った田んぼだから、どうしても出来はよくないわい。
採取者 児玉[横田]
【ふたぐ】
共通語 ふさぐ
用例 穴ができちょー がの。はよーふたいじょか にゃーいけん じ。
用例訳 穴ができている よ。早くふさいでおか なくては いけない よ。
採取者 児玉[横田]
【ふりはなし】
共通語 自由、開けっ放し
用例 戸をふりはなしにしておく。
用例訳 戸を開けっ放し(自由)にしておく。
採取者 児玉[横田]
(記録者:奥野)
【ふる〔2〕】
共通語 (方位がわずかに)傾く
用例訳 この家は真南より少し ばかり東に傾いてる よ。
採取者 児玉[横田]
【ふとーぞ】
共通語 独り暮らし 身寄りが無い
用例 ○○屋のおじじはふとーぞだけん、たんびにのじいて見てあげらな いけん じ。
用例訳 ○○屋のお爺さんは独り暮らしだから、たんびに(訪問して)覗いて見てあげらなくては いけない よ。
採取者 森山[湖陵]
(記録者:奥野)
【ふんごむ】
共通語 踏み込む
用例 よーにふんごんで固めちょかーじ。くずれちゃーいけん けん のー。
用例訳 完全に踏み込んで固めておこうよ。くずれてはいけない から ね。
採取者 児玉[横田]
【ふざのり】
共通語 旧暦12月1日の膝塗り行事
用例 え しこーねふざのりしちょけよ。まくれ ちゃーえけん けん のー。
用例訳 いい 具合に膝塗り行事をしておけよ。転ん ではいけない から ねー。
解説 旧暦12月1日にお餅をゆでてそれを「まくれんやーねまくれんやーね」と膝の上にかざして祈りながらそれをいただいたのでした。
採取者 児玉[横田]
【ぶと(ー)ぐよし】
共通語 ブヨを寄せ付けないようにくよす
用例 (ブトが)邪魔んなってえけん けん、ぶとーぐよしをしてごせよ。
用例訳 (ブヨが)邪魔になっていけない から、ブヨを寄せ付けないようにくよしてくれよ。
採取者 児玉[横田]
【ふらいごめ】
共通語 青刈りした籾をそのまま煎った焼き米
用例 学校から帰ってはらがなえ ちょ りゃー、ふらいこめでも食うちょれよ。
用例訳 学校から帰って腹が減っていれば、青刈りした籾をそのまま煎った焼き米でも食うておれよ。
採取者 児玉[横田]
【ふたーがけ】
共通語 二人がかり
用例 このいしゃ もて けんふたーがけだないともそべ ん でや。
用例訳 この石は 重たい から二人がかりでないと運べ ない よ。
説明 この「〜がけ」は和語の数詞についてその掛け目を表す言葉「〜かけ」の連濁したものか
採取者 金沢[松江]
【ぶにん】
共通語 家族の人数が少ないこと
用例 年寄りがなくならっしゃっただけん、ぶにんになっちゃったわ。
用例訳 年寄りがなくなられたから、家族の人数が少なくなられたよ。
採取者 児玉[横田]