![]() | >美空ひばりの唄は、演歌と言うよりも、大演歌です。 大演歌という呼び方もなるほどとは思いますが、とにかく美空ひばりほど、歌謡曲の分野で後世に残るような傑作を残した人はいません。今更ですが。「津軽のふるさと」、「哀愁波止場」、「ひばりの佐渡情話」、「悲しい酒」、「愛燦々」、「みだれ髪」、「川の流れのように」などは皆心に染み入る名曲。この他「りんご追分」、「港町十三番地」、「柔」、「真っ赤な太陽」、「芸道一代」、「人生一路」等数え上げれば切がない。楽曲も良い(特に船村徹の曲)が、ひばりが歌うとさらに光輝くオーラを放つといった感じでしょうか。 それから、キム・ヨンジャと天童よしみ。確かに、ひばりの歌を歌わせたら、彼らが双璧でしょう。大和の蛙さん。キム・ヨンジャや天童よしみの持ち歌で、これは傑作だと思われるものは何でしょうか?演歌調の歌謡曲に関しては、ここ20年ばかりの曲はほとんど聴いておらず、疎いのです。ただ、キム・ヨンジャの「暗夜行路」は知っています。良い曲だと思います。 ちなみに、「真っ赤な太陽」は昭和43年当時、黛ジュンもレコードに吹き込んでいたそうです。YouTubeで聴いたことがありました(今は消されている)が、この曲ばかりは、ひばりよりもジュンのほうが良いのではないかと個人的には思う次第です。 |
![]() | 美空ひばりの唄は、演歌と言うよりも、大演歌です。この大演歌を唄い継ぐ歌手はいないだろうなと、美空ひばりが亡くなった時に思いました。すると、お隣の本格実力派歌手(本国でも第1人者であった)キム・ヨンジャさんが美空ひばりの大演歌を唄ってくれました。日本国内でも演歌の範疇では唄えても、美空ひばりは、あまりにも有名過ぎて、比較しないで聴くことなど、どだい無理です。大演歌として聴くと、当時はキム・ヨンジャしか唄えなかったように感じていました。その後、日本に大彗星が現れ、美空ひばりの大演歌を完璧に唄いこなしましてくれました。大演歌の世界で、美空ひばりと真っ向勝負して、がっぷりよつに組める世界でただ独りの歌手だと思います。zyam62さんが良くご存じの天童よしみです。私もzyam62さんの[611]と同じように感じていました。キム・ヨンジャさんと天童よしみの差なんか少ししかありませんよ。しかし、それは母語の分厚い壁であり、超えたくても越えられないものであるのではないでしょうか。私は、母語の壁の難攻不落さと有り難さの両方を経験的に知っているつもりです。 |
![]() | 管理人さん言われる「美しい夕暮れ」のご指摘の個所の音を拾いました。間違いなく、「ド」より半音高い「レ・フラット」でした。「ドよりも更に半音高いの!」もちろん、管理人さんの音楽研究は拝見させていただいておりましたが、実際に自分の耳で聴き、音を取り、確認すると、言葉では旨く表せない感覚、敢えて文字にすると、「キ・エー」です。 一般にソプラノ・リリコやドラティコでは、「ド」が出ることになっていますが、実際には、これはあくまでカタログ・スペック、特にゴージャスなドラティコでは、「ソ」か「ラ」ぐらいしか出ません。もちろん一部の人は「ド」まで出ますが、これを一般論と考えるのは現実的ではありません。コローナ(お隣の奥様は「コロナ」と呼ぶのですが、コローナとかもう一つの呼び方の方が音的には正しいであろうと思います。)にして初めて漸く全員が「ド」をクリアするというのが恐らく現実です。(因みに通説では、コローナは「ミ」か「ファ」まででることになっています。)ですから、美奈子さんの「ド♯」というのがどれほど凄いか分かると思います。「シ」でも物凄いのですが、更に1音も高い「ド・シャープ、つまり、レ・フラット」全く恐れ入りました。ジャンルを超えて物凄い高音です。ヘイリーが一瞬ですが「ド」まで出るのは知っていましたが、更に半音高いのですから、「キ・エー」としか表現しようがありません。低音部は後日確認に楽しみを取っておきます。 | |
![]() | 大和の蛙さん、こんばんは。自分の耳で聞き取れるのはうらやましいです。音の高さについては、AVE MARIA や時の楽譜で確認したものです。 |
![]() | なるほど、母語による音楽表現が重要ということですね。 例えば、美空ひばりの歌をキム・ヨンジャが歌うととてもうまいしよく似ているなと思いますが、ひばり本人がうたう歌の陰影というか表現よりいまひとつ深みに欠けるなと思います。これもそういうことですかね。ジェロも演歌をとても丁寧に大事に歌っていますが、やはりいまひとつ表情に乏しいなと感じます。これも同じ理由でしょうか。もちろん、ジェロはとても好感の持てる好青年ですし日本で成功してほしいと願っているのですが・・・。 ジリオラ・チンクエッティが「ノノレター・ノノレター・ペラマァールティー・ノノレター・・・」と歌う盛り上がっていく雰囲気やボビーソロの「ほほにかかる涙」のなんともいえない切なさ。母語ならではなのですね。 美奈子.さんが歌う河島英五の「酒と泪と男と女」もいいですね。 |
![]() | 結論から言うと、日本語歌唱に「ゆらぎ」を持ちこみ、基本を超えて「美しい崩し」に踏み込めるのは、日本語を母語とする歌手だけなのです。楽器演奏なら、言葉が介在しないので、国籍不問なのですが、美奈子さんが日本語で唄う場合、日本人には空気のように自然に感じることでも、実は非日本語圏の歌手が歌うのとは比べものにならないアドバンテージを持っています。このアドバンテージは日本人にとっては、空気のようなもので全く普段は気にかけることすらない上、もしかしたら気付かれないのです。 これを、日本語で説明すると、どうも上手くいかないので、英語で説明させていただきます。(時代順に)「ザ・ショッキング・ブルー」、「カーペンターズ」、「アバ」、「タトゥー」を聴き比べると、これら女性ヴォーカルすべて正確な聴き取り易い英語で発音されています。しかし、カーペンターズだけが同列では語れないのにお気付きいただけるでしょうか。カーペンターズだけが英語圏出身で英語を母語とします、英語の言葉としての深みが全然違うのです。ご承知のとおり、ザ・ショッキング・ブルーはオランダ人、アバはスウェーデン人、タトゥーはロシア人です。非英語圏の歌手は英語を正確に発音するところで必ず止まります。少なくとも発音に関しては「ゆらぎ」の領域に殆ど踏み込めません。そんなことをすると、言葉そのものが通じなくなるからです。英語で会話するとき同様に、心理的には、正確に発音しないと伝わらないリスクを大きく感じるからです。ABBAはスウェーデン語(?母語でという意味)で、t.A.T.u.がロシア語で持ち歌を唄うのを聴いたことがあります。自国語で唄うほうが、言葉の意味は私には全く分かりませんが、英語歌唱と比べて遥かに「のびのび」、「生き生き」していると感じます。今の世界市場で評価されることを考えれば英語にせざるをえないのですが、かえって英語のクサビを打ち込まれて、十分な感情表現には至っていないように思えてなりません。日本人歌手も英語で唄うと、この発音の壁によって必ずクサビ打ちされます。私の知る限り唯一の例外は、後にも先にも、宇多田ひかるだけです。生い立ちを調べると当然でしたが。英語でないと売れないからという理由で、ヂリオラ・チンクエッティーに無理やり英語で唄わせたりしたら、意味は分かるようになっても、あの熱っぽさは伝わらないと思います。 (自称)正統派のリスナーはオリジナル言語で唄はないとダメと言うのですが、(この考え結構根強いんですよ。)日本人が外国語歌唱すると、「ゆらぎ」に入れないので、単に発音だけではなく、音楽的にも今一の感があるのです。昔、西条秀樹が「ヤングマン」を唄っていたとき、完全にオリジナルとは似ても似つかないものでしたが、あれはあれで良いと思います。オリジナルは誰の何という曲かも忘れましたが、アメリカのブラック・ミュージック特有の音階を使っていたので、まず真似ることすら容易ではないのですが、日本の歌謡曲とアメリカン・ポップスと明白に分けて、別の曲と見なすべきです。 日本語歌唱では、日本人歌手は極めて高度な「ゆらぎ」を持ち込めます。これは英語圏の歌手が英語歌唱における場合と同じです。逆に非日本人歌手は、ひっくり返ってもそんなことは出来ません。これ日本人にとてっては空気みたいに意識されていません。しかし、間違いなくこの空気は存在します。美奈子さんが日本語歌唱にこだわった最大の理由は、音と言葉によって存分に感情表現、つまり、心を伝えられるからだと思います。― これ一番言いたかったことです。― 美奈子さんが目指した音楽は、別に正統派にこだわらなくても全く問題がないのです。寧ろ、こだわると逆方向に進むと思います。 | |
![]() | 大和の蛙さん、こんばんは。 母国語で歌った方が、「その言葉の感覚」が分かるという点で利点があるのは確かです。でも、英語については、上の書き込みでもあげられているように、非英語圏の人が英語で歌うことがごく普通にあるので、多少なまりがあっても、受け入れられる場合も多います。 発音の問題だけだったら、母国語でない人がほとんど問題ないところまで歌える例もあります。伊藤由奈のアルバムに、「あなたがいる限り~A WORLD TO BELIEVE IN」という曲(au のCMソング)があり、伊藤由奈がセリーヌ・ディオンとデュエットしています。伊藤由奈は英語+日本語、セリーヌ・ディオンは英語で歌っていますが、伊藤由奈は、母国語が英語(日本語とのバイリンガル)、セリーヌ・ディオンは、母国語がフランス語(仏系カナダ人)で英語は、12歳ぐらいまでしゃべれなかったそうです。もちろん、なまりは感じません。 もう一つ、(多分だれも知らないと思うけど)、アニメソングの歌手で、HIMEKAという女性シンガーがいます。「HIMEKA」でYouTubeを検索してみてください。HIMEKAも仏系カナダ人で、日本語は勉強した言語です。でも、歌は日本人が歌っているとしか思えません。 |
![]() | ゆらぎと言えば心当たりがあります。 全音ピアノピースというCDがあって、プロのピアニストがピアノ練習曲を譜面通り、あくまで譜面に忠実に正確に弾いてある曲集です。例えばべートーベンのトルコ行進曲などリズムも音も正確で素晴らしい演奏です。しかし、このCDの曲集は聞いていてもちっとも面白くないのです。ふしぎなもんだなーぁと思います。 これで飽きないで聞ける面白さがあったらこんなに安いCDはないのにと思うことが何度もありました。 本田美奈子.さんの歌の場合、変な色をつけず、譜面にとても忠実に正確に歌おうとしているように見受けられます。例えば演歌の例でも他の演歌歌手の方のようにコブシを強調して歌うような歌い方をしていませんし、むしろ淡々と歌っているように感じられます。でも表情があるんですね。僕はこの衒いのない歌い方に美奈子.さんの歌に対する姿勢とか、美奈子.さん自身の人間的な誠実さとか、そういうものを感じてしますのですが・・・。「東京が大好き」を歌う伸びやかな美奈子.さんの声にもそういうものを感じます。 | |
![]() | zyam62さん、ご訪問ありがとうございました。 私も、好きな歌手というのは、よけいな味付けをせず、ストレートな歌い方で、音程、リズムが正確で、言葉が明瞭に聞き取れるシンガーとういのが基本です。それをクリアした上で、歌の情感を伝えられる人を好みます。 |
![]() | 「ゆらぎ」=「美しく崩すこと」=「解釈」 こう表現すると分かりやすいですよね。 |
![]() | お隣の奥さまに、まあもや教えていただいたのですが、「佐藤さんの心の状態は、とても慈愛に満ちておおらかですよ。そうでないとあんな声は出ません」とおっしゃっていました。取り分け、「恋をすると、唄い方が一度に変わる」のだそうです。(私のような未熟者には精々、楽器の大人の音と子供の音ぐらいしか区別がつきません。)これと全く同じことをヴァイオリン教室の先生がおっしゃっていました。ヴァイオリンは唄う楽器ですので、演奏者の心境の変化が分かる人には分かるのでしょうね。お隣の奥様は、具体例として昔山口百恵が恋をした時に、すぐ分かったとのことでした。 (私には、いつのことか全然分かりませんし、ここと指摘していただいても恐らく「そうなんだろうな」とぐらいしか理解できない自信があります。これ、自信とは呼びませんよね。) 森摩季の声質は、リリコかなと思っていたのですが、奥様はコロナ(ソプラノで最も軽い声質なのですが、最も高い声)かも知れないとおっしゃっていました。コロナは宗教音楽には最適なのだそうです。「『坂の上の雲』のメイン・テーマで結構人気有るんですよ」と言うと、「へー、そうなの」とのことで、サラ・ブライトマンに至っては、またもや名前すら知らないそうです。 美奈子さんに関しては、実は押し付けがましく「時」の焼き増しCDをあげたので、聴いていただいており、感想は「オペラの歌唱方ではなく、たぶん元々は、(奥様の専門外の)ミュージカルで鍛えられたのでしょうね。高い音が非常に良く出ている」とのことでした。その他にもいろいろ教わったのですが、いかんせん、教わる方に十分な準備がないので難しくて、良く分かりませんでした。それで、美奈子さんが高音で疾風怒濤のように唄う、「時」と「誰も寝てはならない」の最も高い音を拾ってみると、「シ」でした。それも、スラーのかかったような一瞬のものではなく、しっかりと発声している音でした。美奈子さん、本当に広い音域で唄っていたのだなと再確認しました。 ケイさん、カーペンターズ、アバ、ビリー・ジョエルが1975年~1985年ぐらいでしたっけ?これ以前になると伝説の人以外は全く手も足も出ません。見つからないかもしれませんが、楽しみながら、記憶をひも解いてみます。 | |
![]() | 「AVE MARIA」と「時」のアルバムの中で、一番高い音を使っているのは、「美しい夕暮れ」です。うたおう~ の「お」の時に、ド(C)の音、ララララララ~ の中の最高音は、レ♭(D♭)がでてきます。もう一つ注目して欲しいのは、「パッヘルベルのカノン」の一番低い音、レ「D」です。今言った最高音のレ♭と最低音のレは、3オクターブより半音狭いだけです。美奈子さん、実際に歌の中で、ほとんど3オクターブの音域で歌っているのです。クラシックのソプラノ歌手なら、高音のレ♭は普通に出せると思いますが、低い方は出せる人いないと思います(ソプラノの音域を外れているので使う必要がない)。 |
![]() | ケイさんに紹介いただいたエコーに関するページをじっくり読ませていただきました。「ふむ、ふむ・・・なるほど」これは数学世界と同じ合理的な話だなと思いました。正しい音階では、「ラ」を完全に440Hzとして、残りの音階も、高校数学(数Ⅱ)の内容で全部説明がつきます。言葉に関しても、こちらはもう一寸難しいのですが、音声学という学問領域任せれば、ほぼ漏れなく説明できます。 動画サイトでは、村田英雄が用いていた独特の音階で唄う姿を見つけられませんでしたが、音楽ってきっとそういうものです。実際には、「ラ」は441か442Hzにして音合わせをしますし、音階に関しても、正確には世界中に無数に存在します。8部音符ばかりの中に、3連符が出てくると、3連符3つ分の長さは、8部音符2つ分の長さよりも長くなるのだそうです。最初にこれを聞いたときは、「??????」という状態でした。また、最初に森摩季の日本語歌唱を聴いたときも、母音、子音、(鼻)濁音皆「奇妙だ」なと感じたのですが、単純に言葉として聴くのではなく、旋律の上にある音として聴くと本当に美しいのです。(コツをつかめば聴き取れます。)音楽は学問では説明がつかないものかも知れません。何を美しいと感じるか、これはきっと、人それぞれの感性の問題ですから。佐藤しのぶの「早春賦」が動画サイトにあります。あれだけの声(たぶん、「ドラマティコ」ではないかと思うのですが、何分素人なので間違えているかも知れません。)、ソプラノ発声での言葉の聴き取りやすさ、世界中探してもそう有るものではないと思うのですが、人によっては「嫌」みたいですね。私は文句なしに素晴らしいと思うのですが、まあ、人それぞれ、自分の趣味を押し付けちゃいけませんね。(でも、やっぱり佐藤の歌唱の凄さが分からないなんて信じられないと言う思いは心のどこかに残っています。)森摩季に関しても言葉の発音を指摘する人が結構います。あれはああいうふうに唄ているだけなのですがね。美奈子さんは管理人さんの言葉を借りると「ソプラノ協奏曲」正にそのとおりなのですがね。「Midnight.Swing」の美奈子さんも凄くいけてますよ。分からない人にまで分かってもらう必要はありませんし、zyam62さんの言うように、方っておこ。 | |
![]() | 音が合っているとか、リズムが合っているとかは、多分に感覚に依存するところがあります。完全にピッタリあっている和音やリズムは、必ずしも人間にとって心地よいと感じるとは限りません。むしろ若干不正確な部分(いわゆるゆらぎ)があった方が良いと感じるものだそうです。 |
![]() | 大和の蛙さん: 最近解散してまた話題になったt.A.T.u.ですね。。 「Not Gonna Get Us」、後ろの方は確かにディレイ+リバーブ使いまくりな感じですね。♪ '70年代でなくても'80年代ので良いので、他に何かありましたらまたお願いいたします:皆様。 |
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