【でめ】
共通語 (定まった分量以上の)余分な量
用例訳 こらこら、もう 少し余分な量がでる ように 量れよ。
解説 昔は米などを枡で量り売りするときに、上を細い棒でさっとなでて平らにならしていました。その棒の使い方にコツがあるというのです。「出目がでるように量るコツ = 少しでも少なくする均し方」があるということのようでした。
参考 【とぼー(とぼ)】
採取者 金沢[松江]
【〜でやんす】
共通語 〜です
用例 あげでやんす。
用例訳 ああです。
採取者 金沢[松江]
【てんご〔1〕】
共通語 いたずら、邪魔
用例訳 もうー、いたずらするじゃ ないよ。
採取者 ぽっぽ[仁多]
(記録者:奥野)
【てれんと】
共通語 ぼやっと、ぼんやりと
用例 こら、てれんと立てっちょらすこに、お前もはよ えく だ が。
用例訳 こら、ぼやっと立っておらずに、お前も早く 行く のだ よ。
類似語 【てれんてれんと】 = 目的もなくだらだらと
採取者 金沢[松江]
【でかねる】
共通語 出たがらない
用例訳 あの人はいつも出たがらないよね。
採取者 目黒[木次]
(記録者:奥野)
【てんたぼし】
共通語 直射日光で干すこと
用例 穀象虫が付いちょー けん、てんたぼししちょいてごいた。
用例訳 穀象虫が付いているから、直射日光で干しておいてくれ。
採取者 岡田よ[斐川]/【てんたらぼし】金沢[松江]/【てんとぼし】KEN[八雲]
(記録者:奥野)
【てぼん】
共通語 (盆の代わりに)手をつかうこと(手盆)
用例 てぼんやなんかで、すんませんが、飯かえて ごしなはい。
用例訳 手をつかったりやなにかで、すみませんが、飯をお代わりして ください。
採取者 金沢[松江]
(記録者:奥野)
【てんやく】
共通語 (どぶさらいなどの無料勤労奉仕等)共同のための仕事
用例 どぶさらいはてんやくだけん、一軒に一人わてでな えけん。
用例訳 どぶさらいは共同のための仕事だから、一軒に一人づつ出なければ いけない。
採取者 金本[東出雲]
(記録者:奥野)
共通語 〔鳥〕山鳩(キジバト)
用例 ほら、ててっぽっぽがほえー けん、きょは傘がえ らん じ。
用例訳 ほら、山鳩が鳴く から、今日は傘がい らない よ。
解説 「夕焼けがすると、次の日は晴れる」という民間の天気予報があるのと同様に、山陰の一部には、「山鳩が鳴くと天気がよくなる」という伝承があり、「夕方鳴けば、次の日は晴れ」また、「朝鳴けば、曇っていても段々天気がよくなる」と言われていた。
採取者 KEN[八雲]
(記録者:奥野)
【てまかせに】
共通語 前もって
用例訳 これほど、前もってやっておくと楽だ。
採取者 目黒[木次]
(記録者:奥野)
【てのくそ】
共通語 (手でいじって)汚す、ダメにする、くちゃくちゃにする
用例訳 こら、千円札を、完全にくちゃくちゃにしてしまうなよ。
採取者 若槻[仁多]
(記録:石原)
【でんく】
共通語 (田を数える単位で)地番ごとの単位
用例 えの前のめくぼのでんくはどげ んなっちょった かい の。
用例訳 家の前の三枚の田圃の地番ごとの単位は、どう なっていた か ねぇ。
参考 【でんく】は田圃を地番ごとに分類する時の単位で、【くぼ】は田圃を一枚づつ数えるときの単位です。/KEN[八雲]
採取者 金沢[松江]
(記録者:奥野)
【てんぼくさい】
共通語 あてずっぽう、目分量、訳のわからぬこと
用例 どっちだえ わからんが、てんぼくさいでやってみー わ。
用例訳 どっちなのか わからないが、あてずっぽうでやってみるよ。
採取者 目黒[木次]/【てんぼく】牧野辰雄[平田]/【てんぼくてんさい】牧野辰雄[平田]
(記録者:奥野)
【てっきり】
共通語 〔魚〕アカザ
用例訳 川の岩下を手探り捕り していたらアカザに刺されたよー。
採取者 石原[仁多]/【ちょーきり】石原[仁多]
【てまもん】
共通語 手間のかかる仕事、手間を掛けて作った物
用例 この犬小屋はてまもんだったわ。
用例訳 この犬小屋は手間のかかる仕事だったよ。
採取者 金本[東出雲]
(記録者:奥野)
【でくゎせる】
共通語 出会う
用例訳 行こうかと思って いたら、ちょーど出会わせてねー。
採取者 KEN[八雲]
(記録者:奥野)
【てめ〔2〕】
共通語 (経済的な)内証、手のうち
用例 あすこも(内情は)えらか らに、おかっつあんがしゃんとしちょってだけん、てめめせ んこに付き合いしちょってだがの。
用例訳 あの家も(内情は)たいへん だろうに、奥さんがしっかりしておられるから、内証をみせずに 付き合いをしておられるよね。
採取者 金沢[松江]
【てのくそ】
共通語 (思うままに)いじりまわすこと
用例 そげねてのくそにばっかししちょっ たてて えけん わの。はやー つくー だわ の。
用例訳 そんなにいじり回してばかりしてい ては いけない よ。早く 作り なさい よ。
採取者 若槻[仁多]
(記録者:児玉)
【〜てかーに(〜にかーに)】
共通語 《助動》〜ため、〜ので、〜から
用例 転んでかーにえらい目にあった。
用例訳 転んだので ひどい目にあった。
参考 終助詞適用法もある:〜のにぃー(強調表現)
採取者 岡田よ[斐川]/【〜てからーに(〜にからーに)】森田[仁多]
(記録者:奥野)
【てっぽーかっぽー】
共通語 アリ地獄
用例 宮のざのしたみたいなとこ ね、てっぽーかっぽーがよーけ おー じ。
用例訳 神社の床下みたいなところ に、アリ地獄がたくさん いる よ。
採取者 遠藤[大東]/西村[木次]
(記録者:奥野)
【でしれる】
共通語 (お茶が)でなくなる
用例 茶がでしれてうすんなった。
用例訳 茶がでなくなって薄くなった。
採取者 坂本[加茂]
【てみ】
共通語 箕
用例訳 落ち葉を 片付けるから、箕を持って 来てくれ。
採取者 坂本[加茂]
【であいもん】
共通語 欲しいと思っていたところに折良く間に合う物
用例 お前さんが欲しがっちょ らっしゃったが、であいもんがあー がね。
用例訳 お前さんが欲しがっておられたが、欲しいと思っていたところに折良く間に合う物がある よ。
採取者 児玉[横田]
【てがつく】
共通語 手が上がる、技がうまくなる、熟練する
用例訳 上手に技がうまくなって、良い 物をこしらえて居られる よ。
採取者 児玉[横田]