【あしごたつ】
共通語 (他人の布団に)足を入れてコタツ代わりにすること
用例 ま、つめて足こしてー。はよ おかかの布団であしごたつすー だ わ。
用例訳 まあ、冷たい足をしてー。早く お母さんの布団に足を入れてコタツ代わりにし なさい よ(する のだ よ)。
採取者 金沢[松江]
【あめねつけられる】
共通語 (傘を持たずに出かけた際)雨に出くわす
用例 傘もってでだっただったら、けあめねつけられて、えらい目だったわ。
用例訳 傘を持ってでなかったら、もう雨に出くわして、ひどい目だったよ。
採取者 金沢[松江]
【あせもがよる】
共通語 あせもが悪化する
用例 この子はあせもがよってえらいことねなっちょー。天花粉つけちょけよ。
用例訳 この子はあせもが悪化してたいへんなことになっている。天花粉をつけておけよ。
採取者 遠藤[大東]
共通語 葬式の手伝いがあたった、葬式があたった
用例 明日はあぶらげがあたったけん、田植は止めね し ー だ。
用例訳 明日は葬式の手伝いだから、田植は中止に す る んだ。
採取者 遠藤[大東]
【ありんこ】
共通語 〔昆〕アリ
用例訳 アリが行列を作っている よ。
採取者 奥野[平田]
【あたる】
共通語 (食物が)腐る
用例訳 この梨は腐っている よ。
採取者 金沢[松江] ・f-k[加茂]
【あさくさ】
共通語 (朝飯前の)草刈り・刈り取ったその草
用例 べんたがおまれたけん、こーかーはあさくさがじゃね えー じ。
用例訳 子牛が生まれたから、これからは(朝飯前に)刈り取った草がたくさん 要る よ。
解説 昔の農家では夏場、牛の飼料・まや草(牛舎に敷く干し草や藁)用に、朝飯前の草刈りが一仕事であった。その草刈場にも縄張りがあって、境界をめぐって争いが起きることもあった。
採取者 f-k[加茂]
【あいどし】
共通語 同じ干支の生まれ
用例 あら おらのふとまわー おえのあいどしだけん、ことしゃ くゎんれきだでや。
用例訳 あいつは 俺の一回り 上だから、今年は 還暦だよ。
採取者 KEN[八雲]・f-k[加茂]
【あまけ】
共通語 (食べ物の)甘さ、甘み
用例訳 この小豆雑煮は少し甘味が足りない ことは ない かい。
採取者 金沢[松江]
【あったぐち】
共通語 憎まれ口
用例 はらくそがわりかったけん、あったぐちたたえ ちゃった。
用例訳 腹立たしかったから、憎まれ口をたたい てやった。
採取者 f-k[加茂]
【あげる〔2〕】
共通語 (果菜類などの)収穫が終わる、植物が枯れる
用例 キュウリがえなげな もん ばっかーなーがあげー前かな。
用例訳 キュウリが変な物ばかりなるが収穫が終わる前かな。
採取者 森山[湖陵]
【あときゃく】
共通語 (お披露目兼用の)祝言の翌日以後に行う祝宴、その招待客
用例 あときゃくね だー だー よんか 考えておかっしゃぇ よ。
用例訳 祝言の翌日以後に行う祝宴に誰々を呼ぶか(招待するか)考えておきなさい よ。
参考 出雲地方の婚礼用語、【後客】
採取者 f-k[加茂]
【あじぐるー】
共通語 もがき苦しむ、のた打ち回る
用例 なんぞ え手がね だーか。気がせってあじぐるーやな わ。
用例訳 何か 良い手が 無い だろうか。気が急いてのた打ち回るようだ よ。
採取者 f-k[加茂]
【あじゃこ】
共通語 嘘の勝負、ふざけ
用例 ぺったん遊びし ーけど、ほんこ だないじ。今日はあじゃこでやら こい。
用例訳 メンコ遊びをす るけど本当の勝負 じゃないよ。今日は嘘の勝負でやろう よ。
参考 【おそこ】
採取者 岡[平田]
【あーがますげな】
共通語 (実際は無いのに)あるような
用例 菓子がちょんぼししかないのにあーがますげな格好してみせぶらかい ちょー が のー。
用例訳 菓子が少ししかないのにあるような格好をしてみせびらかし ている よ ねー。
岡[平田]
【あおた】
共通語 青く未熟な果実
用例 そぎゃんあおた採ってきてどげ し ー てて。くゎれもせ ん ね。
用例訳 そんな青く未熟な果実を採ってきてどう す る の。食べられもし ない のに。
採取者 f-k[加茂]
【あたまぼっか】
共通語 頭でっかち
用例訳 あいつは頭でっかちで、帽子の合うやつがなかなか無い。
採取者 遠藤[大東]・f-k[加茂]
【あんち】
共通語 案の定、思った通り
用例 きょはねじんとーしとー やな気がしとったども、あんち、ふっかかってしまった とまっしゃぇ。
用例訳 今日はネズミ捕り(交通取締り)をしている ような気がしていたけれども、案の定、引っかかってしまったよ。
参考 【あんのたま】の同意語
採取者 f-k[加茂]
【あたまじり】
共通語 秀才の系統
用例 あすこは代々あたまじりだけん、え(ー)大学ばっか行きてだ が のー。
用例訳 あそこ(の家)は代々秀才の系統だから、良い大学ばかり行きておられるかれる よ ねー。
採取者 岡[平田]
【あちき】
共通語 小豆
用例訳 試験がとおったから小豆めし(赤飯)を炊いて祝った。
採取者 森山[湖陵]
【あばきがとれん】
共通語 (人が多すぎて)身動きができない
用例 あのめせはひょーばんだはで、あばきがとれんほど客がはっ とった〜もん
用例訳 あの店は評判だそうで、身動きができないほどお客さんが入っ ていたよ
採取者 f-k[加茂]
【あいは】
共通語 相手との仲
用例訳 姑さんと仲が悪くて帰られた(離縁された)
採取者 森山[湖陵]
【あんじらと】
共通語 安心して、心置きなく
用例 孫が歩くやんなって眼が離せん もん だけん、このごら あんじらとふ ーねもさせてもらえん がね
用例訳 孫が歩くようになって眼が離せない もの だから、この頃は 安心して 昼寝もさせてもらえない よ
採取者 f-k[加茂]
共通語 《感》あのねぇ、あのなぁ
用例訳 あのねぇ。いいこと教えて やろうか
解説 「あのね」「あのな」系の言葉は出雲弁では必ず「あん〜」と訛る。中でも「あののぉ」という用法は出雲弁独特で「あんのー(語尾アクセント)」と「強調」「念押し」「言い聞かせ」などの際に多用される。ほとんどその言葉自体に意味はなく感動詞的に用いられる。
採取者 金沢[松江]/【の(ー)】金沢[松江]
【あごちき(あごつき)(顎つき)】
共通語 食事つき(の手伝い)
用例訳 明日の田植え、食事つきで手伝ってもらえない だろうか
参考 【かききり】、【ちんなしかききり】
採取者 f-k[加茂]