ホーム⇒気になる話⇒働き方改革と雇用構造の変化

働き方改革と雇用構造の変化

 働き方改革などと称しても、従業員の負担軽減を図るような改革などではなく、生産性や効率性を重視する企業がまだまだ大多数です。   現実には働き方改革などと言いながら、掛け声だけ先行してしまい、業務の効率化と称して単純に人を減らされる事態が横行しています。

 自動車メーカーのスズキは、2018年3月期まで毎年200億円以上の原価低減を行ってきたといいます。  しかし、その実態は自動化設備の導入や作業効率の改善などというものではなく、 工場全体の人員を削減する「少人」と呼ばれる、単純に作業員を減らすだけの取り組みだったとされます。  各現場では、生産性向上の名のもとで人員を減らされ過度なコスト削減を要求されていたわけです。

 スズキは2019年4月18日、完成車の不正検査問題で過去最多の202万台のリコールを届け出ます。 法律事務所による社内調査の報告書を読んだジャーナリストの溝上憲文氏は、 「上からの命令に逆らえない風土やセクショナリズムといった大企業病的体質があり、それはまるでドラマ『下町ロケット』に登場する"帝国重工"のようだ」、と指摘しています。

 "帝国重工"の出世欲にまみれた人物が、「試作段階なので参加するのは無理」との現場の声を無視し、ゴリ押しして試作トラクターをイベント会場に持ち込んだ結果、 ミゴトに失敗し失脚していきました。

 報告書を読むと、「上司や先輩に不合格を合格にして良いと言われた、他の人がやっているのを見て、自分もやって良いと判断した」、という供述もあります。    そもそも人の生命に関わる自動車の安全性を検査する部門は、生産部門の言いなりにならない独立性が求められるはずですが、スズキの検査課は生産部門と一体であり、独立性はなかったといいます。     上司も見て見ぬふりを決め込んでいた可能性が高いわけです。

 スズキのような、上からの命令に逆らえない企業風土やセクショナリズムといった大企業病的体質に陥ってしまった会社は多いようで、不祥事が次々に発覚しています。

 現在、多くの企業が働き方改革に取り組んでいますが、負の側面も浮かび上がってきます。  人を増やせない以上、実際は従業員の負担が増し、さらには労働時間は減ったことにして、 実際はサービス残業が増加する違法残業が横行する、というのが日常茶飯事となっている現実があります。

 働き方改革とは名ばかりの、今のこの状態は放置されたまま、上からは操業時間を減らすように指示されたら、負担軽減どころか従業員の疲労度はさらに高まること必須です。(2019.4.25)


  

コンビニ店舗オーナーの悲哀

 一時は日の出の勢いだったコンビニ業界でしたが、2020年9月2日、公取委は「コンビニエンスストア本部と加盟店との取引等に関する実態調査について」(以下、実態調査)を発表。 その結果、コンビニ本部によるさまざまな独占禁止法(独禁法)違反の可能性を指摘し、「本部自ら現状を点検し、取引環境が改善に向かうことを強く期待する。 もし違反行為に接した場合は厳正に対処したい」との強い姿勢を示します。

 実態調査の背景には、「儲からなくなったコンビニ業界」に置かれるコンビニオーナーの不満があるようです。 なにせ、実態調査でオーナーたちに「加盟店からみた本部のイメージ」について聞くと、 「監視官」、「支配者と奴隷の関係」、「江戸時代の悪代官」、「上納金を徴収する組織」、「ヤクザ」、「鵜飼いと鵜」などの回答が相次いでいるそうで、 問題はかなり根深そうです。

 コンビニ店は10年前に比べて店舗数は1.3倍に増加しており、1店舗あたりの人口は2010年から17年までで約2割減少し、競合が激化しているといいます。 客を奪い合わないと経営が成り立たない状況となっているわけです。

 そのためせっかくコンビニ店のオーナーとなっても、その経営は順風満帆とはいかず、 コンビニ店オーナーたちの87.3%が週のうち6.3日は店頭に立ち、1カ月に約1.8日しか休暇を取れないといいますから、コンビニ店オーナーは現代版女工哀史ともいえる商売のようです。

 コンビニ業界の問題として、従来より本部による無断発注、年中無休・24時間営業の強要などさまざまな押し付け振りが取りざたされていましたが、果たして、 今後コンビニ業界は“自浄作用”を働かせることはできるのか、注目されます。(2020.9.14 Business Journal 引用)


実は日本は世界でも休日が多い国だった?

 一昔前までは日本人は働きバチだ、などと言われていました。  いまだに過労死事故が起きている日本人は働きすぎの民族とも言われます。

 たしかに休みも禄に取れず日々頑張っている人たちは大勢いますが、実は以外にも日本は休日が多かった、というデータがあります。

 日本は6年以上勤務すれば一年間に20日間の有給休暇が認められています。 それに振替休日を含む祝祭日が、年間20日(2018年)あります。  ヨーロッパの祝祭日はイタリアやオーストリアの13日が最長だそうですから、日本はすでにヨーロッパを越えています。  アメリカは11日だとか。

 つまり、祝祭日と有給休暇を合わせれば年間40日休みがあって、なおかつ土日も加えれば、実は制度上から見ると日本は世界でも休日が多い国だった、 というわけなのです。

 そうは言っても日本は一ヶ月間連続休暇をとる、などという離れ業はまだまだ出来ない社会構造になっています。 いつの日か当たり前のように数週間単位の休暇が取れる国になれば、 日本の社会も本当の意味で豊かな暮らしを実感できるでしょう。  .......ただし、長期休暇でも退屈しないような生き方を身につけていないと、 奥さんや子供に邪魔者扱いされてしまうだけの結果になるかも......。(2018.7.25)

 
  

10歳で運命が決まるドイツ人

 ドイツでは小学校卒業時(日本では4年生)時点で、学力と家柄により大学を目指す学校に進学するか、専門的な職業知識を身につける学校に進むか決めなくてはならないと言います。

家族の意向も多少は考慮されるが、基本的には教師が学力で振り分けるため大学へ行きたかったら成績がよいことが必要とされるそうです。  大学受験というものは存在せずどこの大学でも入ることができるそうですが、 大学ごとに入学に必要な点数が異なるのでおのずと大学は絞られてくるとのこと。

 昔は日本でも大工の子は大工というように生まれにより職業が決まる階級社会でしたが、明治以降本人の努力で道が開けるような社会が誕生しました。

 アメリカや日本はたとえ大学に入らなかろうが三流大卒だろうが能力と機会さえあれば頑張りようで一発逆転も期待できますが、ドイツは基本的に階級社会であり、 労働者階級は一生その職場で生きていくため無理して働く気もおきず、終業時間になれば一斉に職場からいなくなるといいます。

 アメリカは日本以上に学歴重視の社会であり、有名大学卒といえど成績が低かったら見向きもされないそうで、大学と大学院卒では収入でも大きな差があるといいます。     それでも学歴主義が批判されないのは、エリートだけのみにしか競争を課さない社会からなのだとか。

 日本は皆一緒に競争させられる社会で勉強が苦手な子供にも受験させるように教育が一大産業と化して猫も杓子も進学させようとするのが原因となっているわけです。

 ドイツ人たちは一発逆転の機会の可能性はないため無理して働く気もおきず、自分の境遇を甘受し、人生をいかに楽しく過ごすか、が最も大切な生き方なわけです。

その点アメリカや日本は頑張れば出世のチャンスもある世界で生きているため、ノンビリと人生を楽しむ、という生き方がなかなか難しい社会に生きているのです。

   
  

これから始まる「働き方革命」

 普通に学校を出て、普通に会社に就職すれば、特別な能力などなくても人生安泰に過ごせる...........いまからン十年前までは、当然ながら全員正社員採用で残業もボーナスもチャンと支給され、 年齢を重ねていけば給与も自動的に上がり、殆どの勤め人は30年ローンで持ち家を建てられる。  非正規雇用など聞いたことも無い、日本はそういうユメのような社会でした。

 それが今では、給与はほとんど上がらず、残業代は削られ、仕事は増える一方で、せっかく大企業に就職できても、業績が悪くなればいつリストラの嵐に見舞われるか分からない...... 昨今の日本の労働環境はまことに厳しいものがあります。

 昔はホワイトカラー族などと称してデスクワークの事務仕事が主流だった時代もありましたが、そういう定型業務(マニュアルに従って処理でき、難かしい判断力は不要)は、 いずれ大部分は(AI)に取って代わられるでしょう。      今後はデジタルの影響を受けにくい、農業技術者や料理人、建築関連の職人など、熟練した経験が必要な職種が人気になるかもしれません。     仕事の原点回帰というところでしょうか。

 これからの社会では、(AI)や機械では対応できない、経験が必要な、「専門スキルを持った職人のようなスペシャリスト」、でないと時代の波に取り残されていくかもしれません。

  残業がなかなか減らないということから、最近は定時になると照明を落とすというアラワザで社員を追い出す会社もみられるといいます。  仕事といっても創造力を必要とするクリエイティブな職業もありますし、締め切り・納期のある業務もあるわけで、誰しも定時に帰れるわけではないでしょう。    こういう画一的なやり方では根本的な解決に結びつきません。

 また、外回りの仕事でも、そのまま帰宅せず一旦会社に戻るというやり方がまだまだ多いといいます。  もし会社に戻らなければならない理由がパソコン入力などの事務作業であれば、 システムを整備さえすればわざわざ会社に帰り残業する必要もなくなるでしょう。

 日本人の特性というべきか、上司がなかなか帰らないから、とか自分が最初に帰るのは勇気がいる、などという職場環境を変え、ダラダラと会社に居残る時間を無くす事が先決であり、 それこそが一番手っ取り早い「働き方革命」かもしれません。


働き方の変化

 かつて定職につかずぶらぶらしている人は「フリーター」と呼ばれ、労働人口に占める割合は少数派でした。    最近ではフリーランサーと名称を変えていますが2020年までには50%がフリーランサーになると予想されています。

 「労働力調査」によれば、非正規雇用で働く理由のトップは男女ともに「自分の都合のよい時間に働きたいから」、というものだそうです。   これからすれば、「正社員としての受け皿が少ない」と判断するのは早計なのかもしれません。

 ただ、男性回答者の2割強は、「正規雇用の椅子が減らされ、その分非正規雇用の椅子が増やされるので、そちらの椅子に座らざるを得なくなる」、という現実に直面しているようではあります。

 非正規から正社員になった結果、「労働時間が増え、給与は下がった」、「仕事や責任が増したのに、見合った給与をもらえない」、 などの理由から退職してしまうという問題も発生している時代です。

 人それぞれ都合があるでしょうし、非正規雇用だから全て悪いということでもないでしょう。 正社員であれば週5日、1日8時間働くことが基本となりますが、 それが無理な人は別な働き方を探すしかありません。    非正規のメリットとして正社員に比べて柔軟で多様な働き方ができるという点があります。

 ただし、例外があるにせよ、非正規雇用は必然的に低賃金であり雇用が不安定でいつ失職するかも知れないという問題はついてまわります。    非正規雇用の増加は「ワーキングプア」問題や、結婚したくてもできない、子供を産みたくても産めない、といった少子化の問題にもつながっていきます。

 単純労働は特別なスキルは求められない時代です。 単純な仕事は機械化され、速さや正確さが要求されていたレジ打ちは、バーコードを読みさえすればいいようになりました。    コンピュータ化が進み、事務職の求人も少なくなる一方です。


廃止されつつある「在宅勤務」

 昨今日本のビジネス社会では「在宅勤務」を実践する会社は先駆的取り組み企業としてもてはやされています。  日本のヤフージャパンでは、「どこでもオフィス」というリモートワークの制度があり、 他社先駆的取り組み企業として、総務省から表彰されています。

 日本IBMでも導入されており、他にも在宅勤務の回数を強制的に決めて実施するような企業が出始めているそうですから、 オフィスに出社しない働き方は日本では今後しばらくの間は広まっていくだろうと考えられています。

 一方で「在宅勤務」先進国アメリカでは、いま「在宅勤務禁止」が謳われているといいます。 本家IBMではこれまで採用してきた在宅勤務制度の廃止を、対象となる従業員に通告したという話題がありました。  オフィス勤務の形態を選ぶか、退社を選ぶかを30日以内に決めるように求めているそうで、なにやら重大事の体を示してさえいます。

 アメリカで「在宅勤務」を見直す動きが増えてきた理由としては、「一緒に仕事をするメンバーが離れた場所にいるのは、チームで成果を上げるには不向きだ」、という部分にあるようです。   特に高度な仕事、チームで作り上げる仕事、イノベーティブな仕事では、その仕事をパートごとに切り分けることができないので、在宅勤務は不可能だというわけです。

 日本でこれから広がっていくかもしれない「在宅勤務」が、先駆者のアメリカではもうデメリットの方が勝り禁止されつつあるというのですから、後追い国日本はどうも今回も周回遅れの模様となりそうです。

 ただ、アメリカと日本ではベースにある雇用環境、社会環境が異なり、向かう方向も必ずしも同じではない事情もありますから、 比較的真面目な人が多い日本であれば、時間や場所の制約を受けずに柔軟に働く形態、いわゆるテレワークという仕事環境でも良い形で活かしやすいのでは、という意見もあります。

 いずれにしろ、何年か過ぎればこの話題もある程度の結果は出ていることでしょう。(2018.10.24   "「在宅勤務禁止」は時代錯誤か、必然か・小笠原隆夫" 引用 )


日本で増加する非正規雇用

 高度成長が続いていた1980年代までは、就職イコール正社員で採用というのは当たり前の時代で、8割以上は正社員として採用されていました。    一旦採用されれば、たとえ一流企業社員でなくてもボーナスも出て定期的に昇給し、それなりの経験を重ねれば管理職の道も開け、 真面目に働いていれば一軒家を建てられ、子供を大学まで行かせられた時代でした。

 「ごく普通の人間が、自分のやりたい仕事を選べ、普通の仕事をやっていれば、結婚して家族を養える程度の収入が得られた」、まさに古き良き時代だったわけです。    しかし、バブル経済が崩壊した1990年代以降、企業が正社員をリストラし低賃金のパートや派遣労働に置き換える動きが強まっていきます。

 さらに金融危機の1998年を境に正規雇用者が減少し、非正規雇用者が大幅に増加。  2015年では初めて全体の40%に達しました。    しかも、たとえ正社員であってもリストラに脅え賃金も上がらない時代となり、なんとも殺伐とした世の中になっています。

 非正規雇用者が大幅に増加した要因のひとつに、「年金の支給開始年齢の引き上げ」があるとされます。    2013年から「厚生年金」の年金支給が徐々に繰り下げられ、2025年度からは「国民年金」と同じ65歳からの支給となる予定です。   しかし、これだと60歳で退職した場合、65歳になるまで無収入で暮らさなければならなくなります。

 このため、2013年4月1日に「65歳定年または65歳までの継続雇用とすること」などとする「改正高年齢者雇用安定法」が作られ、 企業も60歳で定年を迎えた従業員を「パートタイム労働者」として再雇用する動きが増えたことが、非正規雇用者数の増加に繋がった、というわけです。

 もちろんこのことだけが理由ではありませんが、いずれにしろ非正規雇用が増加しているのは事実です。(2018.12.18)


非正規雇用を増やした愚策

 非正規雇用が増えた一番大きな理由は、「労働分野の規制緩和が、非正規雇用労働者の増加に拍車をかけた」ためと言われます。   1996年に対象業種が26業務に拡大され、1999年には派遣期間を原則1年に制限するとともに、対象業務が除外職種以外は原則許可を与えられることになります。

 2004年には派遣期間を最長3年まで延長し、製造業務に関する労働者派遣事業が解禁されるなど、これらの規制緩和が非正規雇用労働者の増加に拍車をかけることになったわけです。   企業はこれにより、景気変動や季節変動など需要の変動に従業員の増減で対応しやすいということで正規社員を減らし非正規社員を増やしていくようになりました。

 2008年11月に始まったリーマンショックを発端とする世界不況では、日本でも自動車や電気メーカーを中心とする製造業において、労働者派遣契約の期間満了以前の大規模な「派遣切り」や、 契約期間満了後に更新しない「雇い止め」が頻発。   社宅などの住む場所を奪われた非正規労働者が大量発生したため大きな社会問題となりました。   企業が簡単にクビを切りやすくなったため、多くの非正規社員が失業するようになったのです。

 非正規雇用が増えている理由には、(1).正社員として働けない環境の人の増加、(2).定年後の社員の再雇用、などがいわれます。  一旦正社員として雇うと簡単には解雇することができないので、 契約期間が決まっている派遣や人件費が少ないパートで済ませたいという企業の本音があり、正社員よりも非正規雇用を増やす会社が増加しているわけです。

 救いとしては、2013年4月を起点に有期雇用契約が5年を経過した人に対し、無期雇用に転換する権利が付与されるよう制度改正されたことです。    これによりパートやアルバイトなどの短時間勤務の非正規社員であっても、5年勤務すれば正社員と同じように定年まで雇用が保障されることになります。

 最近はこのような法改正や、人手不足を背景にした非正規社員からの正社員転換などを進める企業が増えているともいわれます。   ただ、5年経過する前に雇い止めする企業もありますから、まだまだ根本的な解決には程遠そうです。


ワーキングプア(働く貧困層)

 「ワーキングプア」とは、たとえ正社員でフルタイムで働いていても、低賃金のため貧困から抜け出せず、ギリギリの生活を余儀なくされる貧困層のことを指します。   「働く貧困層」、「働く貧者」などと訳されます。

 以前であれば貧困は失業による無収入というパターンで語られていましたが、最近は仕事に就き必死に働いても貧しさから抜け出せない、という新しい種類の貧困として、 欧米の先進国などでは「ワーキングプア」が社会問題化となっています。

 ワーキングプアの年収は一般的に200万円以下とされますが、日本も例外ではなく「ワーキングプア」は現在1000万人以上いるとも言われます。    日本は「ワーキングプア」の定義がまだ公式設定されていないため、「正社員並みあるいは正社員としてフルタイムで働いても、ギリギリの生活さえ維持が困難である」、 もしくは「生活保護の水準にも満たない収入しか得られない就労者の社会層」、というような解釈がなされています。

 人並みに働く能力があるにもかかわらず日本でワーキングプアが増加する理由の多くは、非正規雇用が積極的に採用されたことも原因の一つとされます。    就きたい仕事はあるがそういう職種は競争が激しく門前払いされる割合が高く、また新卒で就職失敗してしまうと途中入社ではなかなか良い勤め先が見つからない、ということも要因として考えられます。


負の連鎖は続く

 現在日本の大学生で安定した定職につける若者の割合は約4分の1しかいないとされます。   残りの4分の3の若者は安定した収入を得られない職業に就き、貧困に苦しむ場合が多いといわれます。

 この比率は日本の大学生全体のうち、有名大学に通っている学生の割合とだいたい一致するといいます。    高い収入を得るには知的産業に従事しなければならないが、それには就職競争に勝たねばならず、それには個人の能力は勿論のこと、学歴、教育環境でも左右される、というわけです。

 高いスキルや高度な資格を持つ人なら勤めたい会社は自由に選べるでしょうが、平凡な人はそれなりの仕事に就くしかない、という現実があります。    しかも今の時代、平凡な仕事で満足な生活を営めるのは難しい時代になってきています。

  「ワーキングプア」は人口問題にも直結します。  既婚者の割合は30代前半の正規雇用者の場合では56%ほど。   しかし、非正規雇用者では約30%にとどまるとされています。 やはり結婚して子供をつくるのは男性が正社員となり安定した収入を得なければ難しいわけです。

 この20年間の日本経済は、一流企業や先端業種はともかく、一般の企業ではなかなか賃金は上がらず、消費は冷え込み、結婚する人が減少し子供の数も減り続けています。    そうなると人口は減り、物は売れず、したがって需要も減り、頼みは輸出と訪日観光客だけという状況に追い込まれています。

 労働者の賃金が上がらなければ個人の消費支出は増えません。 企業も低賃金で働かせコストを下げたつもりでも、長い眼で見れば結局需要の低迷を招き、そのため業績は上がらず 日本全体が不景気で活気のない国となってしまいます。


『ミスマッチ失業』

 今の時代は仕事が無いのではなく、『ミスマッチ失業率』が失業率の根源となっている、という見方があります。  どんな仕事でもいいから(つまり仕事を選ばずに)働きたいのに、 職に就けない人の割合は 『需要不足失業率』といわれます。

 他方、仕事内容や待遇に対して納得できないために職に就いていない人の割合は、『均衡失業率』、『ミスマッチ失業率』などといわれます。    食うために働く、という視点からすれば『ミスマッチ失業率』などというのは随分ゼイタクな話しですが、「高望みし過ぎ」て見つからないとしたら悲劇です。

 誰しも働くからには高い給料が欲しいはずです。 しかし世の中は『給料は高いが難しい仕事』か『誰でもできるが給料が低い仕事』に分かれます。    皆この狭間で自分のスキルと相談しながらそれぞれが自分の仕事を選んでいくわけです。

 IT・情報関連の業界は人手不足だが専門職は高度なスキルが要求され誰でも受け入れるわけではありません。 介護職は給料が低くきつい仕事のため敬遠される、という現状があります。   就きたい仕事があるが、 高度で給料が高い仕事は高度なスキルが要求され、従って誰でも希望が叶うわけではない、一方で事務職など誰でもできるが給料が低い仕事はそもそも求人が少ないという現状があるわけです。

 人手不足といわれる業種はスキルが要求される業界は需要が供給に追いつかないわけです。    26.1%の企業が、「正社員を確保できない」のに、正社員を確保する意欲は高いのに、約30%の非正規社員が、正社員に変わりたいとの希望を持っているとされます。

現在は『人気がなく給料が低い仕事』であれば、それほど競争は激しくなく、正社員になる事は難しい訳ではないでしょう。    一方で人気のある(誰でも出来て楽)事務職といったデスクワーク系の仕事は、コンピュータ化や派遣といった非正規雇用が進んでそれほど需要がない、という傾向があります。    働きたいのだが、働きたい先は皆が同じように目指すため、正社員として務める道が激減しているのです。

 そういう世相は今後も続くでしょうから、本気で自分が目指す職に就きたかったらある程度のスキルを身につける努力も必要になります。 歌手の松山千春氏は東日本大震災のメッセージで、 『知恵がある奴は知恵を出そう。 力がある奴は力を出そう。 金がある奴は金を出そう。 自分には何も出せないよ…という奴は元気を出せ!』、といいました。    結局は気力を振り絞り努力するしかないわけです。


 

低い失業率のカラクリ

 日本の失業率は3%を切っているといわれます。 2018年時点で労働人口のうち、職が決まらずに求職活動をしている最中の人の割合を示す『完全失業率』は2.34%とされ、「人手不足」が騒がれています。

 帝国データバンクの『人手不足に対する企業の動向調査(2018年10月)』によると、正社員が不足している企業は調査開始以来の最高記録52.5%で空前の人手不足といわれます。

 確かに求人は増えていますが、しかし、それは臨時雇いやパートなどの不安定で低収入な就職口、つまり非正規雇用者が増えているだけであり、 正規雇用者そのものは減少しています。 現在はどこの国も同様な状況になっています。


怖い金融投資

 差し押さえ・不動産執行の現場で出会う多くは金融投資の失敗が原因だといいます。

 資本主義社会に於いて、経済活動の大きな柱の一つとも考えられ、やらないと時代から取り残されそうなイメージになりつつある金融投資....... ただし、知識や経験がなくとも容易に参入できそうな敷居の低さばかりが打ち出されていますが、実は一瞬で経済的破綻に陥るかもしれない怖いものです。

 我々の身近にあるパチンコや競馬に競輪といったギャンブルは、依存症も生まれるほど問題もありますが、以外なことにこれらのギャンブルにより不動産を取り上げられるほどの生活破綻に繋るケースは、 それほど多くないといいます。 怖いのは金融投資ギャンブルの依存症にかかった場合です。

 金融投資の世界はAIを用いたシステムトレードや超高速アルゴリズム取引が横行し、もはや勝算の低い丁半博打になりつつあるともいわれます。   個人投資家が企業の事業計画や将来性に対する応援と言った意味合いで投資し利益を稼ぐ、というものではなくなっているとも言われます。

 金融投資の危険性を、もう少し広く世間に発信する必要はありそうです。(2018.10.26 msnマネー 引用)


トップダウンの弊害

 リーダーが、目先の利益を重要視するあまり、長期的かつ堅実な成長戦略が欠如したまま、現実を見据えない計画に縛られたまま突き進んでしまう、 という経営体質では、いずれあちこちにしわ寄せが行き、その重いツケをいつか支払う時が必ず訪れます。

先の戦争でも、旧日本軍のエリート参謀たちはなんの根拠もない「必勝の信念・大和魂」、「過度な希望的観測」だけで合理性の欠如した作戦を立て、 そのため第一線の兵士たちが大勢犠牲になりました。

2015年、『トヨタを追い越す』として拡大路線を突っ走っていたドイツ・フォルクスワーゲン(VW)社が、排ガス規制を逃れるため、 ディーゼル車に試験時のみ有害物質の排出を低く抑える不正なソフトを搭載していた、という不祥事が発覚し膨大な損害を発生させました。

また、ホンダは2012年、5年間で世界販売台数を1.5倍に引き上げる拡大戦略を打ち出し、この強気な目標が原因で大規模なリコール問題を起こし『技術のホンダ』と謳われた ブランドを失墜させました。

東芝は『チャレンジ』という名の下、目標が達成できない役員が叱責されるような社内風土に染まり、その結果各部門で利益かさ上げによる不正会計が蔓延し大幅な赤字に陥りました。

いずれも「新たな価値を創りだす」ことより「数値目標経営」が優先され、業績や株価を上げることだけが目的となって、理念なき膨張主義に陥った結果です。

日本人の特質として、「日本の美意識の真髄は醜いものをあえて見ない」、「現実をしっかり見ることをせずウヤムヤのまま問題を先送りする」ことが指摘されます。

 これに「年功序列・権威主義絶対主義」、「声の大きい相手には逆らわない」という気質が加味されると、 「戦争」を叫んで勇ましく旗を打ち振った連中に引っ張られ、戦争の道に突き進んだ過去の日本のような運命が待っています。

信用を失墜させた企業・集団に共通するのは、無謀と知りながらもトップの指示に唯々諾々と従い、今の過酷な現実には目をつぶり、醜いものには蓋をしてすべてを見て見ぬふりをする、 という状況を誰も阻止できない体制であった、というものがあります。

 従来の日本人型経営者にはあまり見かけなかった、ワンマン経営者による無謀とも言えるトップダウンの絶対服従命令によって、結果至上主義の会社風土が生まれ、 結果として目先のコストカットが最優先されるようになり、そして利益に結びつきにくい品質や安全は二の次にされてしまう、という負のスパイラルに陥った結果だったわけですが、 これからは似たような事態が頻発するかもしれません。


日本型経営

 従来の、儲けより世の中に役立つモノづくりが尊ばれた日本型経営も、欧米の株主優先利益至上主義に徐々に染まりつつあるようですが、 久しぶりに日本型経営のお手本のようなお目出度い報告がなされました。

理化学研究所が発見した元素が113番元素に認定されたそうです。(2016.1)
この研究は何年かかってもなかなか結果が出ず、実験は24年10月1日に打ち切ることが決まっていたそうですが、残り2カ月を切った8月12日、 勝利の決定打となった3個目の合成に成功したのだそうです。

日本式の基礎研究にじっくり打ち込むことを許容する風土が味方したわけです。

昨今(2016.3)"MADE IN JAPAN"品質が再び世界から見直されているそうです。 といっても中国や韓国製品に太刀打ちできなくなった家電品などではなく、 文房具とか食品などの日用品が海外で大人気なのだとか。

日本人独特のキメ細かな思いやりが行き届いた、いわゆる"神は細部にやどる"的な精神から生まれる品質の高さが世界から認められた結果のようですが、 さりげない『日用品』にさえ創意工夫をこらし、心血をそそいで作られている日本製品の質の高さに、外国人も納得しているようです。

ソニー創業者の1人、盛田昭夫氏は『日本企業の基本的な哲学は、労働者一人ひとりが、みな検査係だということである』と述べられましたが、 日本がこれからも国際社会で発展し続けるには、製品一つ一つの出来に責任を持ち、優れた製品を作り、消費者から信頼を勝ち取っていくしかありません。

"MADE IN JAPAN"の意味が、"どこにも負けない最高品質の代名詞"でありつづけるよう、これからも期待したいものです。


  

(AI)活用には発想の改革が必要

 ただ、重要なのは単に人間の仕事を(AI)に肩代わりさせる、という発想では大きな合理化は出来ないだろうということです。  昨今メガバンクが(AI)を活用することで人員削減、 という報道がされていますが、従来の事務作業を根本から見直して発想から改革することが必要不可欠です。

 例えば、本人確認のために印鑑を介在させ、それを人間が眼で見て判断する、というようなファジーな部分をどう(AI)に肩代わりさせるのか。     (AI)にその方法を継承させるのか、それとも印鑑不要のシステムを再構築するのか、そういう部分から見直さない限り、機械化・合理化は中途半端な形でしか実現できないでしょう。(2017.12)


  

雇用マーケットで激震

 2017年、みずほフィナンシャルグループ(FG)が1万9000人の人員削減を発表しました。    三菱UFJと三井住友の両FGがそれぞれ9500人、4000人相当の業務量削減を検討中、 というニュースも流れました。

 ついこの前の就職人気ランキングでは、みずほFGは1位、三菱東京UFJ銀行は2位、三井住友銀行は5位となっていたのに、その企業が人員削減を行うというのですから、 これからはどんな大企業だろうが、安心して定年まで勤められる保証などないわけです。

 世間では、有効求人倍率が1.52倍と47年ぶりの高水準となり、人手不足で採用に苦労する企業がある一方で、就職人気ランキングの頂点にある企業群が大量の人員削減策を発表する、 というのは、奇怪な現象というしかありません。    何らかの要因でいままでの雇用マーケットに激震が生まれ、就職市場に大きな地殻変動が起こりつつあるようです。


⇒ページTOP


⇒サイトマップ

関連サイト


こんなサイトもあります

セルフビルド

・"せっけい倶楽部ソフト"で間取り検討
・網戸の張替え


電動工具あれこれ

・電動丸ノコこぼれ話し
・電動ドライバーこぼれ話し
・電気カンナの話


ホビー

YAMAHAxjr1300外観
・YAMAHA xjr1300カタログ
・アコギギターの弦交換


【 全国各地ドライブ旅行記 】


日本の救世主......三笠公園の戦艦三笠の雄姿



ドライブの便利グッズ→
旅の記録に...........ドライブレコーダー
車内で家電品............パワーインバーター
読書でリラックス.......好きな作家、読んだ本




【 災害対策用品・災害備え 】


キャンプ用品にはイザ、というとき役立つものが数々があります。



災害時の備えに→
停電時の暖房......カセット式ガスストーブ
停電時の照明.........クワッドLEDランタン
便利な2口コンロ......LPツーバーナーストーブ






関連サイト・バックナンバー