【かー10】     表紙ページへ戻る

かみげ

共通語  髪の毛

用例    かみげながんなったけんざんぱつ屋にきてくわ。

用例訳  髪の毛が長くなったから、散髪屋に行ってくるよ。

採取者  miyake[東出雲]

 

がしゃじ

共通語  (農地として)痩せた土地

用例    あしこの畑はがしゃじでつま せん 

用例訳  あそこの畑は痩せ地でつまら ない よ。

採取者  松尾[湖陵]

 

かけじー

共通語  (座敷へ上がらず、縁などに)腰掛けること 

用例    そぎゃんかけじーやなんかいじゃえけん わねはやこっちへ上がってごしなはい

用例訳  もう、そんな(座敷へ上がらず、縁などに)腰掛けなんかじゃいけない ですよ。早くこっちへ上がって ください。

採取者  KEN[八雲]・f-k[加茂]

 

かちに

共通語  ついでに運ぶ荷物 

用例    おまいさん、そこへ行くならかちにに○○持って来てごさん かね

用例訳  おまえさん、そこへ行くならついでに運ぶ荷物に○○持って来てくれない かい。

採取者  松尾[湖陵]・坂本[加茂]

 

かやく

共通語  うどんや蕎麦にかける薬味

用例    こら、わごくぁててくいしーはあが 、かやく がね

用例訳  こら、割子(蕎麦)を食おうにも、かけ汁はあるが、薬味がない よ。

参考    加薬

採取者  f-k[加茂]

 

かせまいらせそうろう

共通語  貸したまま返ってこない

用例    こな  ぜね貸せてもかせまいらせそうろう けん

用例訳  あいつ に お金を貸せても貸したまま返ってこない から。

採取者  森山[湖陵]・松井[大社]

 

かんどがわりー

共通語  歌う歌の調子がはずれていること

用例    かんどがわりーからーに、 じゃーわから  けん のーぎばんで歌ーちょー のー

用例訳   歌う歌の調子がはずれているのにからに、自分 ではわからない のだ から ねえ。張り切って歌っている ねえ。

採取者  児玉[横田]

 

かかり〔1〕

共通語  月の初め

用例    今度のじょはらかかー   とや

用例訳  今度の常会は来月の初めに す る そうだ。

採取者  f-k[加茂]

 

かかる〔3〕

共通語  交尾する

用例    この頃、おちえの 野良えのかかーさがっえけん 

用例訳  この頃、うちの犬 に野良犬が交尾しやがっていけない よ。

採取者  f-k[加茂]

 

かたぎ

共通語  カシ・ナラ・クヌギなど堅い木

用例    かたぎみはもちが けん のー

用例訳  カ シ・ナラ・クヌギなど堅い木の炭は (炭火の)持ちが良い から ね。

参考    堅木

採取者  f-k[加茂]

 

かいがけ

共通語  風袋込み(の目方)

用例    かいがけで一貫百匁だけん、、、、。

用例訳  風袋込みで一貫百匁だから、、、、。

採取者  森山[湖陵]

 

かかり〔2〕

共通語  家の構え

用例    へーおいもあえーかかりだね。

用例訳  塀もあるし良い家構えだね。

採取者  森山[湖陵]

 

かかる〔4〕

共通語  相続する

用例    おやしが早死にだったけんかかっちょ らい

用例訳  親が早死にだったから孫に相続してお られる。

採取者  森山[湖陵]

 

かずきあげる

共通語  (頭で)下から突き上げる

用例    松葉が盛り上がったとこはマツタケがかずきあげている。

用例訳  松葉が盛り上がった所はマツタケが下から突き上げている。

採取者  森山[湖陵]/【かずく】森山[湖陵]

 

かたでり

共通語  晴天続き

用例    かたでりだが、えんまばっかかもっしぇん

用例訳  晴天続きだが、今に雨ばかりかもしれない。

採取者  森山[湖陵]

 

かったらと

共通語  固太り

用例    まーじ、この赤ちゃんはかったらしておーけねなら じね

用例訳  まあまあ、この赤ちゃんは固太りして大きくなられます よ。

採取者  高橋[平田]・森山[湖陵]

 

かごばらい

共通語  全部売り払うこと、最後で無くなること

用例    かごばらいですけん安くしちょきます。

用例訳  全部売り払いですから安くしておきます。

参考    魚の行商の人がよく使っていました。一心太助は浅い桶を担いでいますが、当地は「そうき(既戴)」でした。カンカン(ブリキ製)を背負っての行商は婦人で、「カンカン部隊
」と言い、一番列車で大挙して石州からこられましたね。

採取者  森山[湖陵]

 

かだむ

共通語  節約、惜しむ

用例    わけ もんは骨かだんもん ない。

用例訳  若い 者は骨を惜しむもの ではない。

採取者  森山[湖陵]

 

かせ〔2〕

共通語  (籾臼や石臼のT字型の)引き手

用例    かせは力まかせではだめだ。回すように引くだ。

用例訳  引き手は力まかせではだめだ。回すように引くのだ。

採取者  森山[湖陵]

 

かえんご

共通語  ひっくり返す、裏返す、裏表逆にする

用例    ナマズはかえんごしてよーね焼かと腹がたな

用例訳  ナマズは裏返してしっかり焼かないと腹が痛くなる。

採取者  岡[平田]

 

かんわらび

共通語  〔植〕フユノハナワラビ(冬の花ワラビ)

用例    かんわらび貰ってきたどもまえことそだ だらか。

用例訳  「冬の花ワラビ」を貰ってきたけれども、上手く育つ だろか。

参考    大山周辺の山で時折見かける山野草で、黄金色の粟粒に似た胞子嚢(のう)の美しさが愛され、盆栽用に珍重されています。

採取者  f-k[加茂]

 

〜が〔3〕

共通語  〜ほうが、〜のが、〜れば

用例    おち ばっか食事作っちょーがね。あんたも作ってみ わね

用例訳  私 ばかり食事を作っているよ。あんたも作ってみればいい よ。

参考    動詞の連体形を受けて、その動作の適否や可否を表す。

採取者  KEN[八雲]

 

かまかける

共通語  ちょっかいをかける、挑発する、からかう、干渉する

用例    お前がそげなことにかまかけーけん、おばはんが怒ったがね

用例訳  お前がそんなことにちょっかいをかけるから、おばさんが怒ったよ。

採取者  伊藤[斐川]

 

かどなん

共通語  一軒一軒、軒並み

用例    この選挙のチラシ、かどなん配ってごえた

用例訳  この選挙のチラシを、軒並みに配ってくれ。

参考   「門並み」の出雲訛り

採取者  f-k[加茂]

 

かさふた

共通語  瘡蓋

用例    かさふたが出来たけん、もうすぐなお 

用例訳  瘡蓋が出来たから、もうすぐ治る よ。

採取者  岡[平田]

 

〜かーね(〜かーに)

共通語  (強調の意味で)〜からー、〜てー

用例    また、あぎゃんことってかーね、はかしがね

用例訳  また、そんなこと言ってからー、恥ずかしいよー。

解説    動詞過去形の連用形について強調の意味で遣われる

採取者  遠藤[大東]

 

かいにかける

共通語  気にかける 心配する

用例    えー話があーせんか、つもかいねかけちょー けんね。

用例訳   よい話(縁談)がないか、いつも気にかけている からね。

採取者  森山[湖陵]

 

かかだえしょ

共通語  女の権力が強いさま、かかあ天下

用例    あのおかかかかだえしょしとっ てだ けんおっつあんえちいき おかかのいーな なっとてだ 

用例訳  あの家はおくさんがかかあ天下して おられる から、おじさんはいつでも おくさんの言いなり になっておられる よ。

採取者  f-k[加茂]

 

からしのきんたま

共通語   カマキリの卵(卵鞘=らんしょう)

用例     こぎゃんとこからしのきんたまさばー とー 

用例訳   こんなところにカマキリの卵(卵鞘)がくっ ついている よ

解説     からす(烏)の睾丸。「きんたま」は、カマキリの卵(卵鞘)の形状から来た言葉だろうが、なぜ、それが「からす(烏)」なのか、よくわからない。カマキリの卵(卵鞘)は、スポンジ構造で、外見は味噌汁にいれる焼麩(やきふ)そっくり。卵はこの中で冬をすごし、春,孵化する。

採取者   f-k[加茂]

 

かかる〔5〕

共通語   かばう、ひいきする、保護する

用例     おじじおとんぼ  ばっかーかかってだ 

用例訳   おじいさんは末っ子 ばかりをかばっておられる よ 

採取者   f-k[加茂]

 

かぜがえー

共通語  風邪をひく

用例    お前、四、五んち顔がみえだったが、風邪がいっ かや

用例訳  お前、四、五んち 顔がみえなかったが、風邪をひいた のかい。

採取者  金沢[松江]

 

がいね

共通語  《副》〔1〕強く、非常に 〔2〕たくさん

用例    〔1〕(魚が釣竿を)がいね引っ張っとー 

用例    〔2〕雪ががいね降った

用例訳  〔1〕(魚が釣竿を)強く引っ張っている よ

用例訳  〔2〕雪がたくさん降った

採取者  f-k[加茂]

 

かっこ〔2〕

共通語  都合

用例    それはこっちとしては一寸かっこがわるい

用例訳  それはこっちとしては一寸都合がわるい

採取者  f-k[加茂]

 

かききり

共通語  食事の付かない雇い入れ

用例    ちーはんごしらえが大ごとだけんかききりでたの 

用例訳  昼食のこしらえが大ごとだから、食事の付かない雇い入れで頼もう よ

解説    昔、職人や人を雇うと食事つきでした。弁当持ちは少し賃金が高かった。

参考    【あごち(つ)き】、【ちんなしかききり】

採取者  森山[湖陵]

 

 

 

 

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