【かみげ】
共通語 髪の毛
用例訳 髪の毛が長くなったから、散髪屋に行ってくるよ。
採取者 miyake[東出雲]
【がしゃじ】
共通語 (農地として)痩せた土地
用例訳 あそこの畑は痩せ地でつまら ない よ。
採取者 松尾[湖陵]
【かけじー】
共通語 (座敷へ上がらず、縁などに)腰掛けること
用例 け、そぎゃんかけじーやなんかいじゃえけん わね。はやこっちへ上がってごしなはい。
用例訳 もう、そんな(座敷へ上がらず、縁などに)腰掛けなんかじゃいけない ですよ。早くこっちへ上がって ください。
採取者 KEN[八雲]・f-k[加茂]
【かちに】
共通語 ついでに運ぶ荷物
用例 おまいさん、そこへ行くならかちにに○○持って来てごさん かね。
用例訳 おまえさん、そこへ行くならついでに運ぶ荷物に○○持って来てくれない かい。
採取者 松尾[湖陵]・坂本[加茂]
【かやく】
共通語 うどんや蕎麦にかける薬味
用例 こら、わーごくぁてて、くいしーはあーが 、かやくがね がね。
用例訳 こら、割子(蕎麦)を食おうにも、かけ汁はあるが、薬味がない よ。
参考 加薬
採取者 f-k[加茂]
共通語 貸したまま返ってこない
用例訳 あいつ に お金を貸せても貸したまま返ってこない から。
採取者 森山[湖陵]・松井[大社]
【かんどがわりー】
共通語 歌う歌の調子がはずれていること
用例 かんどがわりーにからーに、わ じゃーわからん だ けん のー。ぎばんで歌ーちょー のー。
用例訳 歌う歌の調子がはずれているのにからに、自分 ではわからない のだ から ねえ。張り切って歌っている ねえ。
採取者 児玉[横田]
【かかり〔1〕】
共通語 月の初め
用例訳 今度の常会は来月の初めに す る そうだ。
採取者 f-k[加茂]
【かかる〔3〕】
共通語 交尾する
用例 この頃、おちのえの ね野良えのがかかーさがってえけん が。
用例訳 この頃、うちの犬 に野良犬が交尾しやがっていけない よ。
採取者 f-k[加茂]
【かたぎ】
共通語 カシ・ナラ・クヌギなど堅い木
用例訳 カ シ・ナラ・クヌギなど堅い木の炭は (炭火の)持ちが良い から ね。
参考 堅木
採取者 f-k[加茂]
【かいがけ】
共通語 風袋込み(の目方)
用例 かいがけで一貫百匁だけん、、、、。
用例訳 風袋込みで一貫百匁だから、、、、。
採取者 森山[湖陵]
【かかり〔2〕】
共通語 家の構え
用例訳 塀もあるし良い家構えだね。
採取者 森山[湖陵]
【かかる〔4〕】
共通語 相続する
用例訳 親が早死にだったから孫に相続してお られる。
採取者 森山[湖陵]
【かずきあげる】
共通語 (頭で)下から突き上げる
用例 松葉が盛り上がったとこはマツタケがかずきあげている。
用例訳 松葉が盛り上がった所はマツタケが下から突き上げている。
採取者 森山[湖陵]/【かずく】森山[湖陵]
【かたでり】
共通語 晴天続き
用例訳 晴天続きだが、今に雨ばかりかもしれない。
採取者 森山[湖陵]
【かったらと】
共通語 固太り
用例 まーじ、この赤ちゃんはかったらとしておーけねならいまし じね。
用例訳 まあまあ、この赤ちゃんは固太りして大きくなられます よ。
採取者 高橋[平田]・森山[湖陵]
【かごばらい】
共通語 全部売り払うこと、最後で無くなること
用例訳 全部売り払いですから安くしておきます。
参考
魚の行商の人がよく使っていました。一心太助は浅い桶を担いでいますが、当地は「そうき(既戴)」でした。カンカン(ブリキ製)を背負っての行商は婦人で、「カンカン部隊
」と言い、一番列車で大挙して石州からこられましたね。
採取者 森山[湖陵]
【かだむ】
共通語 節約、惜しむ
用例訳 若い 者は骨を惜しむもの ではない。
採取者 森山[湖陵]
【かせ〔2〕】
共通語 (籾臼や石臼のT字型の)引き手
用例 かせは力まかせではだめだ。回すように引くんだ。
用例訳 引き手は力まかせではだめだ。回すように引くのだ。
採取者 森山[湖陵]
【かえんご】
共通語 ひっくり返す、裏返す、裏表逆にする
用例訳 ナマズは裏返してしっかり焼かないと腹が痛くなる。
採取者 岡[平田]
【かんわらび】
共通語 〔植〕フユノハナワラビ(冬の花ワラビ)
用例訳 「冬の花ワラビ」を貰ってきたけれども、上手く育つ だろか。
参考 大山周辺の山で時折見かける山野草で、黄金色の粟粒に似た胞子嚢(のう)の美しさが愛され、盆栽用に珍重されています。
採取者 f-k[加茂]
【〜が〔3〕】
共通語 〜ほうが、〜のが、〜れば
用例 おち ばっか食事作っちょーがね。あんたも作ってみーがえ わね。
用例訳 私 ばかり食事を作っているよ。あんたも作ってみればいい よ。
参考 動詞の連体形を受けて、その動作の適否や可否を表す。
採取者 KEN[八雲]
【かまかける】
共通語 ちょっかいをかける、挑発する、からかう、干渉する
用例 お前がそげなことにかまかけーけん、おばはんが怒ったがね。
用例訳 お前がそんなことにちょっかいをかけるから、おばさんが怒ったよ。
採取者 伊藤[斐川]
【かどなん】
共通語 一軒一軒、軒並み
用例訳 この選挙のチラシを、軒並みに配ってくれ。
参考 「門並み」の出雲訛り
採取者 f-k[加茂]
【かさふた】
共通語 瘡蓋
用例訳 瘡蓋が出来たから、もうすぐ治る よ。
採取者 岡[平田]
共通語 (強調の意味で)〜からー、〜てー
用例訳 また、そんなこと言ってからー、恥ずかしいよー。
解説 動詞過去形の連用形について強調の意味で遣われる
採取者 遠藤[大東]
【かいにかける】
共通語 気にかける 心配する
用例訳 よい話(縁談)がないか、いつも気にかけている からね。
採取者 森山[湖陵]
【かかだえしょ】
共通語 女の権力が強いさま、かかあ天下
用例 あのえはおかかがかかだえしょしとっ てだ けん、おっつあんはえちいき おかかのいーなー ねなっとてだ が。
用例訳 あの家はおくさんがかかあ天下して おられる から、おじさんはいつでも おくさんの言いなり になっておられる よ。
採取者 f-k[加茂]
【からしのきんたま】
共通語 カマキリの卵(卵鞘=らんしょう)
用例訳 こんなところにカマキリの卵(卵鞘)がくっ ついている よ
解説 からす(烏)の睾丸。「きんたま」は、カマキリの卵(卵鞘)の形状から来た言葉だろうが、なぜ、それが「からす(烏)」なのか、よくわからない。カマキリの卵(卵鞘)は、スポンジ構造で、外見は味噌汁にいれる焼麩(やきふ)そっくり。卵はこの中で冬をすごし、春,孵化する。
採取者 f-k[加茂]
【かかる〔5〕】
共通語 かばう、ひいきする、保護する
用例訳 おじいさんは末っ子 ばかりをかばっておられる よ
採取者 f-k[加茂]
【かぜがえー】
共通語 風邪をひく
用例 お前、四、五んち顔がみえだったが、風邪がいっただ かや。
用例訳 お前、四、五んち 顔がみえなかったが、風邪をひいた のかい。
採取者 金沢[松江]
【がいね】
共通語 《副》〔1〕強く、非常に 〔2〕たくさん
用例 〔2〕雪ががいね降った
用例訳 〔1〕(魚が釣竿を)強く引っ張っている よ
用例訳 〔2〕雪がたくさん降った
採取者 f-k[加茂]
【かっこ〔2〕】
共通語 都合
用例 それはこっちとしては一寸かっこがわるい
用例訳 それはこっちとしては一寸都合がわるい
採取者 f-k[加茂]
【かききり】
共通語 食事の付かない雇い入れ
用例訳 昼食のこしらえが大ごとだから、食事の付かない雇い入れで頼もう よ
解説 昔、職人や人を雇うと食事つきでした。弁当持ちは少し賃金が高かった。
参考 【あごち(つ)き】、【ちんなしかききり】
採取者 森山[湖陵]