【さらす】
共通語 「する」の卑語
用例訳 もう、また、おまえがなにをするのだー!
採取者 やまが[八雲]
(記録者:奥野)
【さらのー】
共通語 さあ、さてなあ
用例訳 さあ、あれはいつだったのか ねー。
採取者 やまが[八雲]
(記録者:奥野)
【さでくーおちる】
共通語 すべりおちる
用例訳 もう、高い傾斜面の草を刈っていたらすべりおちてねー。
採取者 やまが[八雲]
(記録者:奥野)
【さくさくする】
共通語 粘りけがなくてもろい
用例訳 これは粘りけがなくてもろくなっている よ。
採取者 児玉[横田]
【ざざもり】
共通語 ひどい雨漏り
用例 台風でかーらがはぐれたかい のー。軒先がざざもりすー やーになったじょ。
用例訳 台風で瓦がはぐれたのか ねー。軒先がひどい雨漏りをするようになったぞ。
採取者 児玉[横田]
【さんどさんど】
共通語 その都度、毎回毎回
用例訳 もう、毎回毎回言わせ るな。
採取者 児玉[横田]
【さねくり】
共通語 収穫した綿花より綿実を取り除く道具
用例訳 収穫した綿花より綿実を取り除く道具をわるさすると指が潰れるるぞ。
参考 写真は森山さんの提供です。
採取者 森山[湖陵]
(記録者:奥野)
【さしもし】
共通語 稲の螟虫(メイチュウ)
用例 今年は雨年だけん、さしもしがごーぎにわくかもしれんぞー。
用例訳 今年は雨年だから、稲の螟虫がたくさん湧くかもしれないぞー。
採取者 森山[湖陵]
(記録者:奥野)
【さとーおち】
共通語 大豆や砂糖等を混ぜた炒り米
用例 今日のさとーおちはアオサが入っちょー けん まいぞー。
用例訳 今日の大豆や砂糖等を混ぜた炒り米はアオサ(青のり)が入っている から おいしいぞ。
採取者 森山[湖陵]
(記録者:奥野)
【さんまた】
共通語 (三本の棒や竹を一か所で結んで広げて、物干し竿などの)三つ又の支え
用例 しゃんとさんまたー立てたけん、せわーないよ。持ってきて載せてみっさいよ。
用例訳 しゃんと三つ又の支えを立てたから、大丈夫だよ。持ってきて載せてみなさいよ。
採取者 児玉[横田]
【さんぼくつい】
共通語 似た者同士の三人組
用例 お、また、あのさんぼくついがあろいちょー とまっしゃい。
用例訳 お、また、あの似た者同士の三人組が歩いている よ。
採取者 やまが[八雲]
(記録者:奥野)
【さんぼろ】
共通語 綻びがひどく役に立たない布や着物、ぼろ
用例 今度かたテーラーはさんぼろで、じきめげてえけん が の。
用例訳 今度買ったテーラーはぼろで、すぐに壊れていけない よ ね。
採取者 やまが[八雲]
(記録者:奥野)
【さやぎ〔2〕】
共通語 乾燥、乾き、乾燥日和
用例訳 今日はいい乾燥日和だねー。
採取者 坂本[加茂]
【ざぐり】
共通語 繭から生糸とる道具
用例訳 田植えも終わったから、繭から生糸をとる道具を用意しておいてく
れ。
参考 昔は田植えが終わると縁側にざぐりを置いて糸を巻き取る風景が見られたそうです。
採取者 森山[湖陵]
(記録者:奥野)
【さんがえち】
共通語 三分の一
用例 飯をほんのさんがえちほど盛ってごしない。
用例訳 飯をほんの(茶碗の)三分の一ほど盛ってください。
参考 【〜が】
採取者 松尾[湖陵]
【さきのくー】
共通語 先送り
用例訳 仕事は先送りせず に、その日に片付けるものだ。
採取者 森山[湖陵]
(記録者:奥野)
【さらて】
共通語 新雪(新しく積もって足跡や轍が一切ない状態)
用例訳 今朝は新雪で本当に (歩くのが)辛かったよ。
採取者 やまが[八雲]
(記録者:金沢)
【さんぶつ】
共通語 葬式の導師が三人の場合のこと
用例訳 たいしたものだね。ここ(の葬式)は導師が三人だよ。
解説 葬式の際、導師の和尚が三人なら三仏、五人なら五仏という習わしがある。
採取者 金沢[松江]
共通語 自分から先に尽くすべき礼を、相手から先にされること
用例 あいら、こっちからたのんに行かないけだった にかーに、さかみずがはしったわ。
用例訳 あらまあ、こっちから頼みに行かなけれなならなかった のにからに、先にこられてしまったわ。
採取者 清水Y[平田]
【ざんぶらと】
共通語 広々と、ゆったりと
用例訳 これは 温そうでゆったりとしたセーターだよ。
採取者 四方田[出雲]
【さまかず】
共通語 (物の)種類、またはその数
用例 あすこのコンビニは弁当のさまかずがなて、そーではやらん だ じ。
用例訳 あそこのコンビニは弁当の種類がなくて、それではやらないのだ よ。
採取者 坂本[加茂]
【ざくな】
共通語 ざっぱくな、粗雑な
用例訳 そんな粗雑なことをしたって。
採取者 miyake[東出雲]
【さきかた】
共通語 先方
用例 若夫婦別居を条件にしたいが、さきかたさんはどげ えわっしゃーまし だい。
用例訳 (この結婚は)若夫婦別居を条件にしたいが、先方さんはどう いわれます のか。
採取者 森山[湖陵]
【さごし】
共通語 〔魚〕サワラの幼魚
用例 まんだ、さごしだけんテンテン(ルアーの一種)でも釣れー ぞ。
用例訳 まだ、サワラの幼魚だからテンテン(ルアーの一種)でも釣れる よ。
解説 安価な大衆魚ですが、晩秋から初冬の下りサワラはアブラがのり鯛より高価です。
採取者 森山[湖陵]
【(腹が)さがる】
共通語 (腹が)くだる、下痢
用例訳 少し下痢気味だよ。
採取者 金沢[松江]
【(腹が)さがる】
共通語 (腹が)くだる、下痢する
用例訳 少し下痢気味だよ ねえ。
採取者 金沢[松江]
【さんだがね】
共通語 らちがない、始末が悪い
用例訳 よくもまあ。子供部屋は(散らかって)始末が悪いよ。
採取者 f-k[加茂]
【さしぢち】
共通語 (吸って)乳がよく出る乳房
用例 となーの嫁さんはさしぢちだけん、よその子ねも飲ませとー とや。
用例訳 隣の嫁さんは乳がよく出る乳房だから、よその子にも飲ませている って。
採取者 f-k[加茂]
【さし〔2〕】
共通語 〔昆〕(味噌・醤油・酒粕などにつく)小さなうじ
用例 きしゃがわり のー。めそだー ねさしがわえ とー が。
用例訳 くやしい ねー。味噌樽 に小さなうじがい ている よ。
採取者 f-k[加茂]
【さす】
共通語 させる
用例訳 そんなことを私にさせる のかい。
採取者 金沢[松江]・f-k[松江]
【さねばなれ】
共通語 種離れ
用例訳 アンズは種離れがよい よね。
採取者 森山[湖陵]
【さす〔2〕】
共通語 (重い物を両手で高く)持ち上げる
用例訳 その俵を肩まで持ち上げてみろ。
採取者 f-k[加茂]
【さーさな】
共通語 (ちょっと)上等な、相当なさま
用例訳 もう 少し良い(上等の)ネクタイは ない の。
採取者 f-k[加茂]
【ざいぎ】
共通語 (建築用の)材木
用例 わーきにし ー ねは勿体ね けん、ざいぎにしたが えー。
用例訳 割り木す る には勿体無い から、材木にしたほうが よい 。
採取者 森山[湖陵]
【さなど】
共通語 格子戸
用例訳 格子戸だから よい風(気持ちのよい風)が通る(流れ来る) よ。
参考 【しじど】が【おし にわ】と【くど】【ながし〔1〕】廻りとを仕切るのに対し、【さなど】は一般的には、上部が格子状、下部が板張り構造の引き戸で、主に「だえどこ(台所・もっぱら食事をする部屋)」廻りの建具に使ったと思います。
採取者 f-k[加茂]
【さこ】
共通語 狭い谷
用例訳 狭い谷は手刈りをしなくては いけないのできつい
採取者 今岡[加茂]