虚数解を持つ三次方程式の問題
三次方程式X3+AX2+(A+8)X+9=0の解が、次の二つの条件を満たす時、Aの範囲を求めよ。
- 一つの実数解を持つ。条件1
- 二つの虚数解を持つ。条件2
三次方程式の解法
- 問題の文章を式にする。
- 式を組み合わせる。(連立方程式)
- 答が出る直前の状態を考える。
問題の文章の条件を式にする
一つの実数解と二つの虚数解という条件を式にする。
一つの実数解
一つの実数解をaとすると、(条件1)
f(X)=X3+AX2+(A+8)X+9=(X−a)(X2+bX+c)・・・(1)
と因数分解される。
二つの虚数解
二つの虚数解を持つという事は、(条件2)
(X2+bX+c)=0の判別式が負という事。
判別式D=b2−4×(+1)×c<0・・・(2)
判別式と解の個数
式を組み合わせる
条件を式に直したので、(1)と(2)の式だけを見る。
答が出る直前の状態
Aの範囲を求めるという事は、A>??のような不等式を求めるという事だ。
不等式は(2)のb2−4c<0だが、Aがない。
よって、(1)の式からb=??、a=??、c=??を求めて(2)の式に代入すれば良い。
式の展開、係数を比較
(1)の式からb=??を求めるには、どうしたら良いだろうか。
右辺を展開
X3 +AX2 +(A+8)X +9
=(X−a)(X2+bX+c)
=X3+(b−a)X2+(c−ab)X−ac
係数を比較
- A=b−a
- A+8=c−ab
- 9=−ac
連立方程式から二次不等式
ここで、aが整数であるという保証はないのだが、9=−acから
f(X)=X3+AX2+(A+8)X+9=0となるXの候補は+1,+3,+9,-1,-3,-9
+の値は0になりそうにないから、-1,-3,-9の順に代入してみると、
f(-1)=(-1)3+A(-1)2+(A+8)(-1)+9=0となり、
f(X)=(X−(-1))(・・・)と因数分解できる事が分かる。
因数定理による三次方程式の解法
この時、a=−1、c=9となるので、1.の式に代入して、
A=b−a=b−(−1) → b=A−1。c=9とともに(2)の式に代入すれば、
b2−4c<0 は (A−1)2−4×9<0。Aの二次不等式となる。
(A−1)2−62<0。二乗−二乗だから、(A−1+6)(A−1−6)<0。
(A+5)(A−7)<0 → (A−(−5))(A−7)<0。
クローズだから、−5<A<7。
二次不等式の安直な解法
この三次方程式の問題は、適切な問題ではないかもしれませんが、数学の問題の解き方のコツを示す例です。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。