因数分解で、たすきがけは使わない
因数分解の解法を次の3つの場合に分けて解説します。たすき掛けは必要ありません。因数分解後の(X+a)(X+b)の候補になるa,bについて
- 候補が1種類の場合(基礎)
- 候補が2種類ある場合
- 候補が2種類あって、引き算になる場合
因数分解の問題 候補が1種類の場合
X2+6X+5…候補が1種類の場合
この答えは(X+○)(X+△)という形になりますね。注:○と△には2や7などの数字が入ります。
ここで、(X+○)(X+△)のカッコを外す事を考えると、X2+(○+△)X+○△となる事が分かります。
(X2+6 X+5)…元の式
よって、○と△をかけて、5になる数字を探します。それは1と5しかありません。
また、(○+△)は6でなくてはいけませんが、1と5を足せば6になってますから、答えは(X+1)(X+5)です。
高校の数学では、ここからが大事
高校の数学の基礎的な事は、理屈を理解して、次に、理屈抜きに体で覚える事が大事です。これは、他の分野でも言えます。大事なのは次の2つの事。
- 理屈を理解する事
- 次に、理屈を忘れるぐらいに体に染み込ませる事
具体的に言うと。まず、答えは(X+○)(X+△)という形になるから、とりあえず、(X- )(X- )と書きます。
「-」にしておくのは「+」と書くと、後で消しゴムを使う事になって、時間をロスする可能性があるからです。
次に空欄の所はかけて「5」になる数ですから「1」と「5」を書きます。
かけて「5」になる数は「1」と「5」だけだから、ためらわずに書いてください。
(X-1)(X-5)となります。とりあえず、符号は考えません。
足して「6」にならなくてはいけないので、縦線を入れて、(X+1)(X+5)となります。
因数分解の問題 候補が2種類ある場合
X2-6X+8…候補が2種類ある場合
とりあえず、(X- )(X- )と書きます。
空欄の所はかけて「8」になる数ですから、候補は「1、8」と「2、4」です。「1、8」は足しても引いても6にならないので失格。
「2、4」は足せば6になるので、候補です。
ここで、日本の試験問題は必ず答えがあるという事から、迷わず、(X-2)(X-4)と書きます。
この式の( )を外す事を頭の中で考えれば、 X2-6X+8となりますから、このままで、答えです。
因数分解の問題 候補が2種類あって、引き算になる場合
X2-2X-8…候補が2種類あって、引き算になる場合
とりあえず、(X- )(X- )と書きます。
空欄の所はかけて「8」になる数ですから、候補は「1、8」と「2、4」です。ここで、符号「+-」はまだ考えない。
「1、8」は足しても引いても2にならないので失格。「2、4」は引けば2になるので、候補です。
ここで、日本の試験問題は必ず答えがあるという事から、迷わず、(X-2)(X-4)と書きます。
後は縦線を入れて、「-」を「+」に変えるかどうかを考えます。「2」と「4」で-2をつくるのですから、空欄の所は「+2」と「-4」です。よって、答えは、(X+2)(X-4)しかありえません。
この式の( )を外す事を頭の中で考えれば、 X2-2X-8となりますから、答えは、(X+2)(X-4)で、良いという事になります。
因数分解の公式は覚えない
X2+(a+b)X+ab=(X+a)(X+b)。これは公式としては覚えない。
これは、X2+5X+6の形。かけて6、足して5になる2つの数字を見つけるパターンで、2つの数字は2と3。X2+5X+6=(X+2)(X+3)となる。
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。