三次方程式・因数定理と剰余の定理

因数定理は三次方程式の因数分解で使われる。数学の教科書では剰余の定理→因数定理→三次方程式の解法の順番で教えられるが。

  1. 因数定理。剰余が0の場合
  2. 因数定理を使った三次方程式の解法
  3. 剰余の定理。剰余が0でない場合

因数定理

因数定理とは、Xの多項式 f(X)に対して、f(a)=0 を満たすaが存在すれば

  • f(X)は(X-a)を因数に持つ
  • f(X)は(X-a)で割り切れる
  • f(X)を(X-a)で割った時の剰余(あまり)は0

因数定理の簡単な説明

Xの多項式f(X)が
f(X)=(X−a)(Xの整式)と因数分解されたとする。
f(a)=(a−a)(Xの整式・・・)=0×(・・・)=0だから
f(a)=0となる時は

  • f(X)=(X−a)(・・・)と因数分解できる。
  • f(X)は(X−a)を因数に持つ。
  • f(X)は(X−a)で割り切れる。

因数定理による三次方程式の解法

三次方程式の問題
三次方程式f(X)=X−6X+11X−6=0の解を求めよ。

  1. f(a)=0となる、aの候補は定数項−6の約数である1、2、3、6、-1、-2、-3、-6。∵因数分解された(X−a)(・・・+数字)のかっこを外せば、a×数字が定数項−6になるからである。
    定数項とは変数を含まない数字だけの項。
  2. f(1)=0となるので、
    f(X)=X−6X+11X−6=(X−1)(・・・)と因数分解できる。
  3. (・・・)の部分は
    −6X+11X−6を(X−1)で割って、(X−5X+6)となる。
    多項式の除法
  4. −6X+11X−6=(X−1)(X−5X+6)=0
  5. (X−5X+6)=(X−2)(X−3)だから
    かけて+6、足して−5になるのは「−2」と「−3」。
    二次式の因数分解の解き方
  6. −6X+11X−6=(X−1)(X−2)(X−3)=0
  7. 解は、X=1、2、3。

剰余の定理

剰余の定理とは、多項式 f(X)を(X-a)で割ったときの剰余(あまり)はf(a)であるという定理。

剰余の定理の簡単な説明

16÷3=5・・・あまり1、は
16=3×5+1と表現できる。

f(X)÷(X-a)=q(X)・・・あまりR(数字)、は
f(X)=(X-a)×q(X)+Rと表現できる。
f(a)=(a-a)×q(a)+R=0×q(a)+R=Rとなり、
f(X)を(X-a)で割ったときの剰余R(あまりR)=f(a)である。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。