二次不等式の解き方-全ての実数-解なし
二次不等式の解が「全ての実数」「解なし」になる場合。これを難しい二次不等式、と思う高校生がいますが、これも、オープンとクローズで、簡単にできます。
二次不等式の一般的な解き方の復習
二次不等式の例題:X2−7X+12>0を解く。
左辺を因数分解すると、(X−3)(X−4)>0となります。
(X−3)(X−4)>0の「>」は左側が、オープンです。よって
となります。
「ここはXの範囲 3・・・・・4 ここはXの範囲」となっていますから。
X<3 , 4<Xです。←解答の仕方。
詳しくは、二次不等式の解の安直な覚え方を見てください。
↓今回の二次不等式についての本論。
二次不等式の答が「全ての実数」「解なし」になる場合
二次不等式の左辺を因数分解した時、( )の二乗になる事があります。
二次不等式の例題:(X−3)2>0。これもopenとcloseで、できます。
不等号の向きと=の有無で、次の4つの場合に分類できます。
- (X−3)2>0。>オープン。=が無いから「3」の所は白○
答は、「Xは3をのぞく、全ての実数」です。
(白○の3をのぞく) - (X−3)2=>0。>オープン。=が有るから「3」の所は黒●
答は、「Xは、全ての実数」です。
(黒●の3を含める) - (X−3)2<0。<クローズ。=が無いから「3」の所は白○
答は、「解なし」です。
(白○の3をのぞく) - (X−3)2=<0。<クローズ。=が有るから「3」の所は黒●
答は、「X=3」です。(黒●の3だけを含めるから)
二次不等式のほとんどは
オープンとクローズ(OC)の解法で、できる。
二次不等式の中で、判別式D<0となる場合
判別式D<0となる二次不等式の場合は、OCで解けない。
二次不等式の問題:X2+aX+b>0を
X2+aX+b=0という二次方程式にかえた時、
判別式D<0となる場合です。
二次不等式の例題:X2−6X+11>0。
この時、判別式D=36−44=−8、負なので、左辺は因数分解できません。
この二次不等式の左辺は
(X−3)2+2>0と平方完成します。平方完成の公式を丸暗記してはダメへ
(X−3)2は、どんなXでも、正または0ですから、(X−3)2+2は常に正です。
よって、この二次不等式は、どんなXでも成り立ちますから、
答は「全ての実数」となります。
OCで、解けない二次不等式の問題の分類
- 二次不等式の問題:(X−3)2+2>0
二次不等式の問題:(X−3)2+2=>0
答は、「全ての実数」 - 二次不等式の問題:(X−3)2+2<0
二次不等式の問題:(X−3)2+2=<0
答は、「解なし」
最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。