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台湾問題.....中国が仕掛ける「一国二制度」

 中国と台湾の歴史は複雑です。  1992年頃までは政権与党で中国寄りの国民党と中国共産党が、「一つの中国の原則」を守るという趣旨の秘密の合意文書を交わしたとされる関係でした。    それが

 「台湾の若者たちのほとんどが「天然独」(てんねんどく)、すなわち「生まれながらの独立派」とされます。   そもそも生まれながら自由を謳歌する生活が当たり前の生き方をしてきた人間が、 いまさら「独裁者」中国共産党による「少数民族政策」や「一国二制度」を受け入れるはずはありません。

 近現代史における中国による周辺民族の支配は苛烈を極めてきました。   毛沢東の共産党政権は軍事力を使って周辺民族に対する侵略を繰り返してきました。   対外的には覇権主義的拡張戦略を積極的に進め、チベット人やウイグル人の住む地域に人民解放軍を派遣してそれを占領して中国の一部にしてきたのです。    例えば内モンゴル自治区と新疆ウイグル自治区、それにチベット自治区などはすべて「民族区域自治」などという有名無実の制度で自由を束縛され、 モンゴル人エリートたちは1966年から10年続いた文化大革命中数万人単位で粛清されました。

 人口約800万人とされるウイグル人は約100万人が強制収容所に閉じ込められているといいます。     このようなジェノサイド(民族を滅ぼしかねない大量殺害)の過酷さはナチスドイツを彷彿とさせる規模です。 中国の対外膨張に伴ってアジア周辺国のみならず 世界各国にも悲劇を与えつつあるのです。

 台湾の2019年の香港騒動で中国共産党の標榜する「一国二制度」の欺瞞を目の当たりにした「天然独」が受け入れるはずはありません。     しかし、世界各国は『遅れてきた独裁国家・中国』のますます巨大化する覇権主義を指をくわえて見守るだけです。    中国は武力と恫喝による台湾併合を進めていくだけでなく、周辺諸国に対してますます覇権主義的強硬外交を展開していき、 習政権の中国はこれまで以上に、アジアと世界全体にとっての脅威になっていくでしょう。(2020.4.26)


台湾有事は日本にとっても脅威

 尖閣周辺に海警局巡視船がほぼ毎日のように姿を現すのが常態化してしばらく経ちますが、台湾周辺においても2020年から中国軍機が台湾のADIZ(防空識別圏)に頻繁に侵入し、 しばらく周囲を飛行して反転帰投する、ということが繰り返されています。

 台湾のADIZは中国本土上空にまで広がっているため、中国軍機が台湾ADIZに侵入したから異常事態だと言うわけではないのですが、 トランプ政権が台湾への軍事的支援を強化する姿勢を見せ始めて以降、アメリカによって台湾海峡における台湾と中国本土の中間付近に設定されている「海峡中線」を、 中国は露骨に越えて台湾側を挑発し始めているのです。

 これまでは、中国軍航空機や中国軍艦艇が、海峡中線を越えることは稀な出来事だったのですが、2020年9月にトランプ政権高官が台湾を訪問して以降、 中国軍機が海峡中線を越えて台湾領空に向けて接近するケースが急増しています。

 そしていまや、第2次世界大戦でアメリカ潜水艦が日本輸送船を待ち伏せし、多くの日本輸送船を沈めたことから海の墓場と呼ばれていたバシー海峡で、中国潜水艦と対潜哨戒機が、 アメリカ海軍艦艇を待ち受ける態勢を固めつつあり、もはやアメリカが横須賀やグアムから空母打撃群や駆逐艦、攻撃原潜を南シナ海に送り込むことは安全とは言えなくなってきています。

 日本にとっても、南シナ海に出入りする際に通過するバシー海峡は、中東方面や東南アジアから原油や天然ガスをタンカーで運ぶ大事な生命線です。  万が一バシー海峡が中国軍にコントロールされる状況になった場合、 日本のエネルギー源は途絶してしまう可能性もあるのです。

 2021年4月3日、中国海軍の空母「遼寧(りょうねい/CV-16:65,000トン)」を中心とする6隻の空母艦艇群(グループ)が、東シナ海から沖縄・宮古島間を通峡(南下)して太平洋へ進出します。

 4月30日には中国海軍ジャンカイU級フリゲート、艦番号「515」1隻が、沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を南下して太平洋に進出。  その後、5月1日に台湾と与那国島の間の海域を北上し、 東シナ海へ向け航行していきました。

 もはや、台湾と南シナ海を取り巻く情勢は緊迫の度合いがますます高まっており一触即発の事態です。  これは日本にとっても直接の脅威であり、 まさに台湾の防衛は日本の防衛そのものなのです。(2021.6.5)


いよいよ覚悟を迫られる日本

 2021年4月17日に開かれた日米首脳会談後の共同声明で、菅首相は台湾問題を盛り込み、有事の際の日米防衛協力を表明します。  この声明により、 「台湾有事」が発生した場合、アメリカの同盟国である日本は、南西諸島における中国艦船の通過阻止、台湾島しょ部の防衛などで、自衛隊が米軍と軍事協力し支援する、 というシナリオが現実味を帯びてきたのです。

 いずれ中国が台湾に軍事介入しアメリカが反撃行動を起こす事態となれば、日本各地に点在する米軍基地のうち、沖縄の嘉手納・普天間基地はもちろん、横須賀や横田・佐世保・岩国など多くの米軍基地が、 中国のミサイル攻撃の標的になりうるわけで、たとえ日本が直接軍事行動に参加しなくても、日本が戦地になることは避けられません。

 いざ有事の場合となれば、自衛隊と中国軍との軍事衝突が起こることは不可避となります。  2023年1月のCSIS(米国の有力シンクタンク、戦略国際問題研究所)の2年間かけて行った24回の机上作戦演習によれば、 基本的、悲観的、楽観的、非常に悲観的、絶望的の5つのパターンで演習を行った結果、いざ戦争となった場合、「中国が台湾に上陸し、占拠することはできない」という結論になったといいます。

 櫻井よしこ氏によれば、日米台の勝利には、@台湾がもちこたえること、A米国が在日米軍基地を戦闘作戦に使用すること、B米国が中国防衛圏の外側から中国艦隊を迅速かつ大量に攻撃できること、の三つの重要な条件があるとしています。   ただし、中国軍の攻撃は必然的に日本を台湾有事に引き込むこととなり、この戦いにおいては日米は艦船数十隻、航空機数百機、軍人数千人を失うとされます。  台湾は国土を破壊され、経済再生に長い期間苦労します。   日本も在日米軍基地のみならず自衛隊の基地の周辺は破壊され甚大な被害を被ります。

 いま我々日本人は、日本列島が戦場と化すという最悪のケースも覚悟して中国と対峙するか、 それとも大人しく中国の軍門に下り、従属国の立場で未来永劫中国に支配される道を選ぶか、立ち向かうか、逃げるか、究極の選択を迫られているわけです。

 「世界の歴史は戦争の歴史」と言われます。   古来から中国のような侵略国家の横暴により、人類は悲惨な戦争に巻き込まれてきました。  そんな中、我々日本民族の先人たちは、 モンゴルロシア、 そしてアメリカという大国を相手に、 自国の国益と独立をかけ果敢に戦ってきた、独立独歩精神の旺盛な国です。

 日本は植民地支配の撤廃という、 人類史に残る偉大な功績を残してきた国であり、このまま中国の傍若無人な行動を黙って見過ごすことはできません。 もし今の時点で日本や先進国家が中国の覇権行為に歯止めをかけなかったら、世界の半分は中国に牛耳られ、 世界は再び力がモノを言う無法地帯となってしまうかもしれないのですから。

 ところが今の日本は、米国に敗れたたった一度の敗戦により、すっかり牙を抜かれてしまい、「羹に懲りて膾を吹く」国となってしまいました。   現実逃避の平和主義が蔓延し、「ダチョウの平和」を貪る国になってしまっているのです。    アメリカ合衆国初代大統領、ジョージ・ワシントンは、「戦争に備えることは、平和を守る最も有効な手段の一つである」、と言いましたが、 今の日本は自衛隊でさえ不要などという愚かな平和主義者が世論をリードする国となっており、台湾や尖閣が中国の支配下に置かれるかもしれないこの危機においても、 中国に逆らうな、と主張する連中が大勢いる始末です。

 このまま中国が拡張主義を掲げ続ける限り、いずれ戦いは避けられません。 せっかく先人たちの努力で世界第三位の経済大国まで上り詰め、自由で平和な生活を満喫できている日本が、暴力国家・中国によって、再び戦禍の波にのまれようとしているのです。      その昔、日本はABC包囲網に晒された挙句、 否応なく戦争へと突き進まざるを得なくなった時代がありました。

 このまま日本が何もしない国のままでは、台湾有事に巻き込まれるのは必須です。 日本は技術大国です。 大戦中も連合軍が驚愕した兵器を数々生み出しています。  アジア制覇を目論む暴力国家・中国に歯止めをかけるためには、 中国が恐れ手出しできないよう、一刻も早く賢く軍事費を使い強力な兵器を開発し防衛力を強化する必要があるのです。(2021.6.10)


2020年中国が台湾侵攻?

 米シンクタンク「プロジェクト2049研究所」の研究員は、「世界の火薬庫の中で最も戦争が起きる可能性が高いのが台湾で、 中国が2020年までに台湾侵攻の準備を終える」と指摘、 2020年には中台戦争が勃発する可能性があると示唆しました。(2017.11)

 ある共産党関係者は、「習近平は中国が領有権を主張する領土を取り戻すことで、歴史的英雄になろうとしている」、と看破したそうで、 中国は従来から「台湾は中国の不可分の一部であり、中華人民共和国が中国唯一の正統政府である」、 とする「一つの中国」を主張していますから、根も葉もないウワサ話しというわけでもなさそうです。

 2017年10月24日に閉幕した中国共産党大会で習近平は、「3つの歴史的任務の達成」を宣言。  その中で「現代化建設」「世界平和の維持と共同発展の促進」とともに掲げられた、 「祖国統一の完成」とは、台湾を中国の地図に加えることにほかならない、とされます。

 中国は台湾の問題を核心的利益と位置付け、米国などに対して干渉しないよう要求しています。   日本は1972年の日中共同声明では、「一つの中国」に対して同意を避け、 「理解し、尊重する」との立場にとどめていますが、日本は台湾問題を腫れ物にさわるように扱っています。

 東シナ海や南シナ海、インド、ロシアとの国境周辺などにも版図を広げ、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を奪還する時期は2040〜50年とされている、 といいますからオダヤカではアリマセン。(2018.7.11)

 幸いなことに2021年5月時点ではまだこのような事態にはなっていませんが、中国は台湾侵攻の意図を隠そうともせず、あからさまな挑発行為を繰り返しています。  それに対し、 西側自由主義国は頻繁にアジア地域に艦艇を派遣し、中国へ圧力をかけようとしていますが、それで大人しくなるような相手ではありません。  台湾周辺の状況はますます風雲急を告げています。(2021.5.29)


「中国熱」冷めた中東欧諸国 台湾に接近

中東欧諸国で中国と距離を置き、台湾に接近する動きが目立ってきた。巨大経済圏構想「一帯一路」を掲げる中国は欧州の玄関口にあたる中東欧地域を重視し、中東欧側でも同構想による投資に期待が大きかった。 しかし、中東欧諸国の一部はここにきて中国の人権状況を問題視し、一帯一路の経済効果にも懐疑的な見方を強めている。

「中国熱」が冷めつつある背景には、一帯一路を歓迎していた中東欧諸国にとって、中国の投資規模などが期待外れだったという事情もある。ルーマニアでは、 中国国有企業が出資して原子力発電所の増設を進める計画が頓挫した。英紙フィナンシャル・タイムズによると、 ポーランドもリーマン・ショック(08年)後の景気回復につなげようと中国との関係を強化したが、得られた恩恵は「不十分」(ドゥダ大統領)との認識を強めている。

中国離れと台湾接近の先頭を走るのは旧ソ連のリトアニアだ。民主化運動を通じて1990年にソ連からの独立を勝ち取った経緯から、中国の人権侵害にとりわけ厳しい目を向ける。 5月、リトアニア議会は中国による新疆(しんきょう)ウイグル自治区での人権侵害を「ジェノサイド(民族大量虐殺)」と認定。リトアニア政府は7月、台湾の代表処(大使館に相当)を首都ビリニュスに開設すると発表した。 今月21日にはリトアニア国防省が、中国スマートフォン大手、小米科技(シャオミ)の製品には中国政府が警戒する用語の検出機能がついているとして不買を呼びかけた。

(2021.9.30 THE SANKEI NEWS 引用 )




 

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コトバ学
(*1).....チベット侵略
戦後、戦勝国となった中国が領土拡張のため1948年からチベットへ侵攻、全域を武力で制圧し中華人民共和国の支配下に入れた。 犠牲者の数は120万人以上とも。   現在でも中国に不満を持つチベット人の一部は反抗している。

(*2).....文化大革命
大躍進政策の大失敗により2000万以上の餓死者を出し、国家主席を辞任せざるを得なかった毛沢東が、 権力回復の為に起こした政治闘争で1965年から約10年間続いた。

この間、中国は内戦状態の様相を呈し多くの人間が反動分子として処刑された。 犠牲者は大躍進政策での失敗による犠牲者も含むと総計8000万人に達するという説もある。

(*3)......PC(political correctness)
政治的・社会的に公正・公平・中立的で差別・偏見が含まれていない言葉や用語のこと。 この運動を「政治的に正しいおとぎ話」と皮肉る向きもある。

(*4)......9段線
 中国南部・海南島の付近から南に下り、北東に向かってU字のカーブを描いて台湾に至る9つの破線で形成されている。南シナ海のほぼ全域を覆い、その形状から「牛の舌」とも呼ばれる。 
(*5)......甲申政変(こうしんせいへん)
1884年(明治17)の甲申の年朝鮮ソウルで起こったクーデター。   開化派(独立党)の金玉均・朴泳孝らが朝鮮の独立と政治改革をめざし日本の援助で王宮を占領したが 二日後に清の武力干渉によって失敗した。


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